(新宿)二丁目を総本山とする、日本のゲイカルチャーから生まれた隠語。

 ゲイ同士のセックスは、基本はネコ(受け手:女役)とタチ(攻め手:男役)に役割がその人の個性や嗜好によって自然分担されるのだが、稀にネコとタチを気分によって、あるいは付き合う相手によって交代する御仁もいるようで、そういうゲイ達者を総じて「リバ=リバーシブル」にちなんで「リバ子」と呼ぶ。

 そして、その隠語はゲイ界から主にギャル界へと飛び火。根っこに帰属的な強いなわばり意識を持つヤンキーの発展型であるギャルたちが、あっちのグループにもこっちのグループにもイイ顔をしている、どっちつかずなコウモリ的女子をハブったり(仲間外れにしたり)、揶揄するときにも使われるようになった。

[使用例]
「エリカってぇ~、超リバ子だから今度シメちゃわね?」

 

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 1年の終わりの月である12月を、「果ての月」という。果ての二十日とは12月20日のことである。歳暮の挨拶、大掃除や正月用意と、忙しさの極まる時期であるが、この日は、一切の仕事をやめて外出を避け、静かに過ごす日であると伝えられている。

 東海道から来た人が京の都に入る時、その入り口となっていた粟田口(あわたぐち、左京区)は、江戸時代には刑場が設けられていた。罪人は都の中を引き回された後、この粟田刑場で果ての二十日に首を斬られていたという。その命を忌み慎むという意味から、この日の過ごし方が守られてきた。罪人は首を斬られる前に一つだけ最後の願いが聞き入れられた。町衆はそれを恐れ、家族が目を付けられないように、特に女の子の外出は控えられていたという話もある。現在の粟田口周辺は、いくつかの地名としてその名残りをとどめている程度で、実際の面影はなにもない。

 一方、奈良県の山中には、果ての二十日に「一本足」という妖怪が出没し、一年に一度、この日だけは人間の命をとるという伝説が残っている。現在も西日本では、12月20日に山仕事へ出かけることを避けるという風習を受け継いでいる地域がある。

 京都と奈良山中の習俗との間に関連性はないようであるが、一年の精算をする日でもある大晦日を間近にひかえ、身を慎み、災いを避けるべき忌み日があることは、とても意味深く感じられはしないだろうか。

 

   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 第46代自民党幹事長、56歳。鳥取県出身。父親は旧建設省(現・国交省)の官僚。慶應大学法学部卒業後三井銀行入社。1986(昭和61)年に衆議院選に出馬して初当選、以来9期連続当選を果たす。防衛大臣、農林水産大臣、政調会長などを歴任して現職。

 2012年9月に行なわれた自民党総裁選での第1回投票では199票を獲得して第1位となる。決選投票で安倍晋三氏に敗れるが、ポスト安倍の最有力候補である。防衛問題では党内一の論客として名高い。

 安倍首相と同じ憲法改正論者で原発推進派である。自著『真・政治力』(ワニブックスPLUS新書)で憲法の前文「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」に疑義を唱え、こう書いている。

 「憲法の理想と現実が異なるならば、どうなるのでしょうか。もし『平和を愛さない諸国民』がいたら。もし『公正ではなく信義にもとる国民』がいたら。もし『信頼』が裏切られたら。それが原因で、もし国が滅びてしまったら一体どうするのでしょうか。(中略)それはもはや国家ではありません。主権国家の体をなしていません」

 また原発については「ただちに脱原発は無責任」だと言い切っている。原発ゼロを提唱している小泉純一郎元首相との論争を期待したいものだ。

 その石破幹事長が最近舌禍事件を起こした。特定秘密保護法案に対する国会周辺のデモ活動について「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」とブログに書いたのだ。多くのメディアの批判を受けて文章を訂正したが、「大音量で自己の主張を述べる手法は、本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思います」とも述べている。またその後の会見でも知る権利を抑制するような、報道規制にまで踏み込む発言をしている。

 テロ発言については与野党が拮抗していれば辞任まで追い込まれたかも知れない“暴言”だが、週刊誌でこの発言を取り上げるところはほとんどなかった。

 逆に、このトンデモ発言に噛みついた朝日新聞に『週刊新潮』(12/12号)が噛みついた。常連の右派論客を動員して「秘密保護法案に反対するデモや反原発デモは整然ではなく、騒然」(屋山太郎氏)、「執務に影響があるほどの音量なわけですから、これはもうテロ、暴力行為です」(徳岡孝夫氏)、「左翼のデモは守れ、右翼の街宣はダメ。朝日は主張を同じくする団体の肩を持ち、対立する陣営を徹底的に潰しにかかる」(京都大学名誉教授の中西輝政氏)

 市民たちのやむにやまれぬ抗議行動をテロ呼ばわりする政治家を追及せず、メディアを叩くというのは、私にはとうてい理解ができないが、これを受け入れる「空気」が今の日本にはあるということであろう。

 そんな中で敢然とこれを批判したのが安倍総理夫人の昭恵さんだったからビックリした。『週刊現代』(12/21号)で、インタビュアーのジャーナリスト・松田賢弥氏に、石破幹事長発言をどう思うかと聞かれ、こう答えている。

 「デモができるということは健全な社会である証拠ですから、それをテロと言うことはちょっと許されないと思います。私には原発反対デモをしている知人もいますし」

 亭主の政敵への“批判”もちゃんとする彼女がとてもいい。

 昭恵さんは反原発派でも知られるが、亭主・安倍首相が原発再稼働を推進し、世界に原発を売り歩くセールスマンをしていることについても反対論を述べている。

 「もし、もう一度事故が起きれば、日本は終わってしまうと思うんです。以前、福島第一原発の20km圏内にも行きましたが、これだけの広範囲に未だに誰一人入ることができないという状況は、やはり普通ではないと感じました。(中略)
 子どもを持つお母さんたちは不安とストレスを抱え、風評被害は収まらず、除染も進まない。そんな状況で『原発は安全でしかも安い』と言われても。何か起きてしまえば莫大なお金がかかるわけですから、安いとは考えられません。(中略)
 国内の事故が収束していないのに、外国に原発を売るというのは、私個人としてはなかなか心苦しいところがあります。(中略)
 主人は『中国製の原発のほうが危険なんだから、日本製を買ってもらったほうがいい』と言っています。実際、そうなのかもしれません。でも理想としては、日本が原発に代わる技術を開発して、それを売り込むのが筋なんじゃないか、と思います。なかなか簡単ではないでしょうけれど」

 いま週刊誌業界での話題は、安倍昭恵首相と小泉氏の東京都知事待望論である。石破幹事長もおちおちしていられないかもしれない。


元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3

 「女たちはサオだけではなぜ満足できないのか」(『週刊ポスト』12/20・27号)

 「70過ぎたらクスリを使って仁王立ち!」(『週刊現代』12/21号)
  
 「くまモンは“暴力部屋”から生まれた」(『週刊文春』12/12号)

 3本目はゆるキャラの人気者が、ちっともゆるくない制作現場でつくられたという秘話を元スタッフが告発している。あとは説明の必要はないだろう。
 ちょっとHなのが多くなってしまったが、お許しを! いつもはタイトルの上手い『週刊新潮』が今週は見せ場なし。

 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 「バリカン症」は、ノリ養殖の初期段階において「病害」と考えられていたもの。わずか一晩で1cmほどを残し、バリカンで刈り取るようにノリが失われる現象だ。三重県で命名された(三重県水産研究所HPの記述による)。養殖ノリの名産地・有明海でも深刻な被害となっており、福岡県水産海洋技術センターが調査したところ、その「犯人」が突き止められた。なんと、 夜の闇に紛れて付近の川から飛んできたカモ類のしわざであった。

 カモ類の生息域から考えると、かなり沖まで出てくることになるため、関係者にとっては「意外な事実」となった。「バリカン『症』」という名称からも察することができるが、これまで水質、水温、潮流などによる異常と考えられ、過去の新聞報道を見ても「鳥のしわざ」という意見は見当たらない。自然はまだまだ人間には「読み切れない」側面があるということだ。「バリカン症」は有明海だけでなく全国で起きているので、なおいっそうの調査が待たれる。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 気温が下がり、空気が乾燥しだすと、インフルエンザの流行が始まる。インフルエンザウィルスがもっとも繁殖しやすい環境は、気温20度以下、湿度20%前後と言われており、この条件に当てはまる12月~2月が日本での流行の中心となっている。

 普通の風邪は、咳やくしゃみ、喉の痛みなどが症状の中心。発熱しても重症化することは少ないが、インフルエンザは頭痛、関節痛、38度以上の発熱などの全身症状が突然現れるのが特徴だ。まれに、子どもが急性脳症を起こしたり、高齢者や免疫力が低下している人は肺炎を併発したりするなど、重症化することもある。そのため、流行前にインフルエンザワクチンを予防接種することが推奨されている。

 だが、ひとくちにインフルエンザといっても、そのウィルスには様々な型がある。おもにA型、B型、C型の3種類に分類され、その年に流行するウィルスは異なる。そのため、日本では用意するワクチンを決めるために、国立感染症研究所(感染研)の「インフルエンザワクチン株選定のための検討会議」で話し合われ、これに基づいて厚生労働省が製造するワクチン株を決定し、ワクチン製造メーカーに通知を出している。
 
 選定にあたっては、国内の流行状況や検出されたウィルスの抗原性や遺伝子解析の成績、住民の抗体保有状況調査の成績、周辺諸国から送られたウィルス株の解析結果、WHO世界インフルエンザ監視対策システムを介した世界各地の情報などから、次のシーズンの流行を予測する。今シーズン(2013年度)選ばれたのは次の3株による3価ワクチンだ。

・A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
・A/テキサス/50/2012(X-223)(H3N2)
・B/マサチュセッツ/2/2012(BX-51B)(山形系統)

 このように、その年に使用されるワクチンは、流行を予測して選ばれているのだが、昨シーズンは効果が低かったという批判が出ている。ワクチンは鶏卵の中でウィルスを培養するが、その過程で抗原が変化することが原因とみられている。ただし、この問題は、ワクチンが鶏卵で製造される限りは根本的な解決は難しく、ワクチン株の選定の問題ではないとされる。

 ワクチンを接種しても、絶対に感染しないとは言えないので、生活習慣にも気をつけたいもの。インフルエンザのおもな感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染なので、人ごみではマスクを着用したり、外出から帰ったら手洗いやうがいを忘れずに。また、インフルエンザウィルスは湿気に弱いので、加湿器などで室内を一定の湿度に保つことも大切だ。

 

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 ヨーロッパとアジアの境目とされるボスポラス海峡。トルコ最大の都市イスタンブールは、その両側にまたがっている広大な都市圏だ。橋や船もあるが、増え続ける交通量をまかないきれず、その海底にトンネルを通すことは急務だった。そもそも構想はオスマン帝国の時代から存在し、トルコにとって150年にも及ぶ「悲願」だったのである。

 2013年10月29日、ついにトンネルは開業に至り、式典には安倍晋三首相も参加した。多くの困難を克服した本プロジェクトの名称が「マルマライ計画」。「マルマライ」は、海峡の南に位置するマルマラ海と、トルコ語で「鉄道」を意味する言葉から来ている。

 トルコという歴史の地を工事することは、貴重な遺跡を「見つけてしまう」こととイコールであった。本来2009年までに終える予定だった計画が延びたのは、調査に要する時間が大きな原因。技術的にも、海峡における工事には潮流の問題が立ちはだかった。おそらく、さらに完成が遠ざかる可能性もあったろうが、開通にこぎつけたのは「納期を守るニッポン人たち」大成建設の参加が大きいという。親日国という言葉以上に、日本に対して情が深いトルコ。かの国のために、日本の技術が存分に活かされたことは、意義が大きいといえる。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 それは突如、それも一方的に行なわれた。

 中国政府が11月23日、東シナ海に防空識別圏を設定した、と発表したことで、東アジアに緊張感が高まっている。

 防空識別圏は各国が、領空侵犯に対して迅速に対応するため設定している空域のこと。領土と領海の上部である「領空」とは異なり、国際法上の規定はない。他国の戦闘機などが無断で圏内に侵入した場合、緊急発進(スクランブル)の対象となる。日本の防空識別圏は、第2次世界大戦後、米軍が設定したものを1969年に引き継いだものだ。

 問題なのは、今回、中国が設定した防空識別圏が、日本の防空識別圏と広く重なっており、しかも沖縄県の尖閣諸島の上空を含んでいることだ。これは、日本への主権を脅かすものであり、日本の同盟国・米国への挑発でもある。

 日中双方から緊急発進した戦闘機が偶発的に衝突する可能性がある。中国は南シナ海や黄海上空にも新たに防空識別圏を設定すると見られる。右肩上がりの経済を背景に軍事大国化する中国だが、「やりたい放題」にもほどがある。アジアの平和秩序を守るためには、中国の行動を容認してはならない。

 

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


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