一.見出し語の採録
- 一般の単語のほか、連語の類をも見出し語とした。
- 複合語・派生語の類で、その構成要素の意味に基づいて理解しうるものは、必ずしも見出し語としない。
- 人名は原則として姓名の名のほうを見出し語とした。ただし「おほいしくらのすけ」など、固定していると認められる場合は例外とした。
- 天皇・院・上皇・法皇は、「てんぢ」「ごしらかは」「ごだいご」などの形を見出し語とした。
- 同一語形のものについては、活用を異にする語、品詞を異にする語などは、やや広い範囲に渉って同一見出しのもとに一括した。
- 見出し語の表記は歴史的仮名遣を原則とし、本文表示画面左上に太字で示した。ただし、仮名遣の定らないものについては、一方を見出し語とし、他方を捨て見出しとした(付記参照)。
- 「うま」と「むま」、「けぶり」と「けむり」のような交替形については、そのそれぞれを見出し語とし、多くは一方を捨て見出しとした。ただし、これらの語が複合語・派生語中に含まれる場合には、一方のみを見出し語とすることを原則とした。
- 第二音節以下に清濁両形が認められる場合、検索結果一覧では、
あかな・ふ/あがな・ふ【購】
あなし/あなじ
の形で示した。
本文表示画面では、わかり易くするため、先頭の語形を左上に太字で示し、異形は太字で見出しの下に並べた。
(例) あかな・ふ【購】
あがな・ふ
(例) あなし
あなじ
- 「あひたがひ」と「あひたがひに」、「おぼろおぼろ」と「おぼろおぼろと」のように、副詞語末に「に」「と」がある形とない形との両様が認められる場合は、「あひたがひ(に)」「おぼろおぼろ(と)」の形で示した。なお、「あさくさくわんおん」と「あさくさのくわんおん」のような場合にも「あさくさ(の)くわんおん」の形で示した場合がある。
- 活用語は原則として終止形で示し、語幹と語尾の間に「・」を挿入した。ただし、連語中の活用語には「・」を施さない。
- 形容動詞は語幹をもって示した。
- サ変動詞はその語幹をなす字音語の名詞と同一見出しのもとに一括した。ただし、「あいす」「かんず」「ほりす」のようなものは、語尾を伴った形で別見出しとした場合がある。
- 動詞の二段活用の語が後世一段に転じる場合は、二段活用のもとに一括した。ただし、一段活用の用例しか見出せないものは一段活用の形で示した。
- 元来ハ行・ワ行に活用する動詞で、中世以後一般にヤ行の活用語尾を持つものについては、もとの活用行による語形を見出し語とし、ヤ行語形をいちいち別掲しなかった。
- 近世の「金」「銀」字を含む少数の語については、特例として、
すべて、
しだうきん/しだうぎん【祠堂金・祠堂銀】
の形で示した。
- 「コウ」の字音を持ちながら「カウ」と表記される慣用のある「構」や、漢音「ハウ」、呉音「ホウ」の対立を持ちながら個々の語に関してその別を明らかにしがたいものに関しては、便宜上、ア段音に従う形を見出しとした。「法」などのように「ハフ」と「ホフ」に関して意義の差のはっきりしているたぐいのものはこの限りではない。
- 字音語で、連声形を持つと考えられる語は連声しない形を見出し語とした。また、漢音のフ入声韻尾を持つ字の後に無声子音を頭音とする字が来る語については、「かつせん 【合戦】」のように、促音化した形を見出しとした。
- 見出し語を冒頭にもつ慣用句・ことわざの類は、見出し語に付属する子見出しとし、見出し語該当部分を平仮名で、それ以外を振り仮名つき漢字平仮名交じりで示した。