本文は原則として6巻版の第1巻から第3巻までを補充した机上版、および6巻版の第4巻・第5巻を底本とした。ただし、明らかな誤記誤植は訂正し、生没年月日が判明したもの、刊行時以降の死没についても補っている。
新暦へ切り換えが行われた明治5年以前出生の人物については、旧暦生年月日と新暦に換算した生年月日を併記した場合がある。また、新暦換算によって、和暦と西暦の一般的な対応とズレが生じる場合には、西暦の生年に*印をつけている。
机上版までの年号表記は元号を中心とする和暦を基本としており、従来の本文はそのままとしたが、増補改訂デジタル版の新しい本文では西暦を基本とした。
個人全集およびそれに凖ずる著作集など、主な参考文献がある場合、また本文中でも言及がなされている場合は、項目末に掲げた。
項目名の読みを、現代かなづかいによる五十音の表記に改めた。人名に関しては姓と名の区別を付けて並べ直した。同じように代表作の読みに関しても同様の表記に改めた。
筆名で知られている人は、主として筆名で表記した。
外国人名は、6巻版・机上版では「できる限り原語に近い読み方」を原則としながら、「慣用の定着している若干のもの」についてはそのままとしていた。どちらにしても現在の読み方と一致しないこともある。表記の揺れがあるため検索においてはご注意いただきたい。
6巻版・机上版はいずれも縦書きだが、デジタル版のため横書き表記が基本仕様となる。これにより2字続きの反復記号の類は表記できず、もとの文字に改めたところがある。
本文は原則として常用漢字、現代かなづかいとし、必要に応じて常用漢字以外の漢字も用いた。なお、引用文のかなづかいは原文にしたがった。固有名詞については常用漢字以外の漢字を用いた場合もある。
数字は漢数字をつかい、十百千万の単位語を省略した。ただし本文中、十代、数百人といった場合はこの限りではない。
人名以外の項目における表記や記号等は、人名項目とは必ずしも統一されていない。執筆者の判断に委ねられていることをご了解いただきたい。
また、一部文字コードを持たない文字は作字して画像で入れている。
作品の角書きはできるだけ生かしたが、分かち書きが困難な場合は表題にふくめることとした。 作品には、カッコ内( )に発表紙誌、発表年月、もしくは刊行年月、発行所を記載したが、省略したものもある。
別立ての代表作については、原則として初出紙誌、初出年月、ならびに単行本刊行の年月、発行所を記載した。
単行本題名の表記は、原則として原本の内題にしたがった。写真の題名表記と異同のある場合もある。
6巻版・机上版の本文で地名が出てきた際に「(現・〇〇)」とある箇所については、合併等による市町村の名称変更との適合性を鑑み、できるかぎり現状に合わせるようにつとめた。
本文に出てくる団体や出版社の名称について変遷がある場合、採用するものと採用しないものとがあった。略称についても、文字数の関係からそのままとした場合がある。
6巻版・机上版では、書名、作品名は『 』を、新聞、雑誌、引用文などは「 」を用いた。しかし、現在、一般的には作品名や引用文は「 」を、書名・新聞・雑誌などの刊行物は『 』を用いることが多い。二重基準にはなるが、それぞれの基準を尊重し、混在することになったので注意されたい。
引用文のなかの「/」(斜線)は改行を示し、「//」(二重斜線)は原則として一行空白、またはそれ以上の空白を示す。
雑誌は6巻版刊行時に継続刊行されていた371紙誌のうち、商業雑誌を中心に、刊行が停止したと判断したものに終刊年月を補った。
6巻版・机上版の本文について明らかな誤りと判明できたものは訂正を施したが、一部、記述の文脈に支障を来す場合などは、べつに付記を設けて編集委員会が加筆したことをお断りしておく。
6巻版・机上版の記事には、一部、現在の人権保護の観点から不適切な用語や言い回しが使用されている箇所がいくつかあった。修正できるところは修正したが、この事典の場合、1つ1つの記事に執筆者の著作物としての固有性があり、またそれらが歴史的な文献であることも十分考慮した上で、そのままとした箇所があることをお断りしておく。
もちろん、公益財団法人日本近代文学館ならびに本編集委員会は、国籍・民族・階級・性別・障がいなどにかかわりなく、人権を侵害するあらゆる差別と排除に反対するものである。
以上三点が大きな変更点であるが、これらは原則として、第1回目のリリース項目に施したものであり、より柔軟で堅実な使い勝手になるよう、改善していく方針である。
前年に追記した機能・情報を更新した。