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八幡平

ジャパンナレッジで閲覧できる『八幡平』の日本歴史地名大系のサンプルページ

日本歴史地名大系
八幡平
はちまんたい

安代あしろ町、岩手郡松尾まつお村、秋田県鹿角かづの市、同県仙北せんぼく田沢湖たざわこ町にまたがる標高一六一三・六メートルの山であり、またその山頂を中心とする高原と東の源太げんた森・茶臼ちやうす岳、南のもつこ岳、西のやけ山一帯を含む総称名でもある。十和田八幡平国立公園に属する。山名は坂上田村麻呂が蝦夷との戦いにおいて八幡大神を勧請したことに由来するという。複雑な火山地帯をなし、八幡平を中心とした一帯はどの方向から見ても盾を伏せたような形に見えるのでアスピーテ(盾状火山)とよばれる。泥火山・火山地獄などの火山活動の余塵を残す所も多い。平坦な山頂斜面は豊富な植物層に彩られ、アオモリトドマツを主とする亜寒帯針葉樹林と、その中にある高層湿原に特色がある。八幡平から源太森にかけての標高一五六〇メートル地点に五個の火口が同一水面でつながった緑色の八幡沼と、藍色をしたひき沼があり、この地域には広大な高層湿原が広がる。源太森東方には黒谷地くろやち湿原も広がる。国指定天然記念物のモリアオガエルの生息地としても有名である。

元文五年(一七四〇)の沼宮内通絵図(佐藤家蔵)に八幡平・茶臼嶽がみえる。安永三年(一七七四)四月五日から九日にかけて、寄木よりき(現松尾村)からふけノ湯(現鹿角市)などを見聞した大更おおぶけ(現岩手郡西根町)の秋田御境古人は「六日寄木村未明ニ出立、西北ヲ指テ行事四塚斗、ところ道御座候、夫より先キハ、大深山ニテ三塚半程道代無之、柴・地竹ヲ分テ半塚斗余ニ深山登リ、堅雪ニ而歩行安ク、そね崩数ケ所越テ、漸々七ツ頃湯小屋場江着、俄小屋懸秋田御境江罷出」と記している(西根町史)。焼山・蒸ノ湯などおもに鹿角側で硫黄掘が行われ、「雑書」寛文一一年(一六七一)九月二〇日条などに関連記事がみえる。

八幡平への登山コースは、古くは秋田県側の蒸ノ湯温泉、岩手県の松尾村藤七とうしち温泉からが主であったが、昭和四五年(一九七〇)松尾村御在所ございしよ温泉から県境見返みかえり峠を越え、鹿角市トロコ温泉に至る八幡平有料道路(アスピーテライン)が開通した。八幡平国定スキー場などのスキー場は雪質のよさで知られ、樹氷をぬう山岳スキーも楽しめる。温泉も多く、安代町の安比あつぴ温泉・くさノ湯、松尾村の藤七温泉・御在所温泉などが知られ、秋田県側にも数多い。

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29. いしどりやむら【石鳥谷村】秋田県:鹿角市
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32. いわてぐん【岩手郡】岩手県
日本歴史地名大系
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日本大百科全書
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