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  11. 蘇民将来

蘇民将来

ジャパンナレッジで閲覧できる『蘇民将来』の日本架空伝承人名事典・国史大辞典・世界大百科事典のサンプルページ

新版 日本架空伝承人名事典
蘇民将来
そみんしょうらい
古代説話に登場する人物で、護符の一種でもある。護符は晴明判(魔よけの星象〓)や「蘇民将来子孫」などの文字を記した六角柱または八角柱の短い棒で、房状の飾りや紐をつけて帯に結び下げるようになったものもある。正月に、牛頭天王ごずてんのうと縁の深い京都の八坂神社はじめ、信濃国分寺八日堂、愛知の津島神社、新発田の天王社など各地の社寺で配られる。また岩手の黒石寺薬師堂では、正月七日に蘇民祭といって餅や数百本の六角形のヌルデの木が入った蘇民袋を裸の男たちが東西に分かれて奪いあう行事があり、これを得たものはその年幸運であるという。蘇民将来には、紙や板の札に「蘇民将来子孫之門」とか「蘇民将来子孫繁昌也」と書いて、家の戸口に貼って魔よけとしたり、畑に立てて虫よけとする風もある。『備後国風土記』逸文には、旅に出た武塔神(素戔嗚すさのお尊)が宿を請うたところ、富裕な弟の巨旦こたん将来はことわったが、貧しい兄の蘇民将来は宿にとめ歓待したため、茅の輪ちのわの護符を腰につけるように教えられ疾病を免れたと語られている。この説話は旧暦六月の夏越なごし祭の茅の輪行事の由来譚ともなっているが、同様なモティーフは猟師の間で伝えられる磐司磐三郎譚などの兄弟譚にもみられる。また『簠簋ほき内伝』の牛頭天王縁起には、五節の祭に「蘇民将来子孫也〓」と記して、信教すれば無病息災であると記されている。蘇民将来につけられる晴明判などからみて、この蘇民将来の護符の伝播には修験者や陰陽師などの宗教者の関与が考えられる。
牛頭天王
[飯島 吉晴]
備後の国の風土記に曰はく、疫隅えのくまの国社。昔、北の海に坐しし武塔の神、南の海の神の女子をよばひに出でまししに、日暮れぬ。彼の所に将来二人ありき。兄の蘇民将来は甚く貧窮しく、弟の将来は富饒みて、屋倉一百ありき。爰に、武塔の神、宿処を借りたまふに、惜みて借さず、兄の蘇民将来、借し奉りき。即ち、粟柄を以ちて座と為し、粟飯等を以ちて饗へ奉りき。爰に畢へて出でませる後に、年を経て、八柱のみ子を率て還り来て詔りたまひしく、「我、将来に報答為む。汝が子孫其の家にありや」と問ひたまひき。蘇民将来、答へて申ししく、「己が女子と斯の婦と侍ふ」と申しき。即ち詔りたまひしく、「茅の輪を以ちて、腰の上に着けしめよ」とのりたまひき。詔の随に着けしむるに、即夜に蘇民の女子一人を置きて、皆悉にころしほろぼしてき。即ち、詔りたまひしく、「吾は速須佐雄の神なり。後の世に疫気あらば、汝、蘇民将来の子孫と云ひて、茅の輪を以ちて腰に着けたる人は免れなむ」と詔りたまひき。
備後国風土記逸文

一、彼縁太郎王子、日本秋津嶋ニ我手指ヲ七ニ切テ投給ヘハ、近江国志賀浦ニ留テ人之形ト成テ、其名ヲ粟舎利ト申也、其時近江国古続長者ト申、此長者慳貪第一之者ニテ候程ニ、祇園牛頭天皇(王)天竺より飛来給テ、彼長者ニ罰ヲ当給時、彼粟舎利カ子ニ蘇民将来ト申者、彼長者之内ニ伺申候、天皇彼蘇民将来カ命斗ヲ助候、長者之親子一門二百余人、頓病ヲ病、死終テ候、其時より頓病病所ヘハ蘇民将来ト云札ヲ立置給フ、其時之病平安成事此謂也
垂仁天皇御判形之写


国史大辞典
蘇民将来
そみんしょうらい
疫病除けの守護神。のちに蘇民守(そみんまもり)と呼ばれる護符の意ともなる。『釈日本紀』七所引の『備後国風土記』逸文に、疫隅国社(えのくまのくにつやしろ)の縁起として、蘇民将来について次のように記してある。昔、北海にいた武塔の神が南海の神の女に求婚しようと出かけたところ、途中で日が暮れたので将来という兄弟に宿を乞うたところ、富んだ弟の将来(『二十二社註式』に「巨旦将来」、『〓〓(ほき)内伝』に「巨旦大王」と記す)には拒絶され、貧しい兄の蘇民将来の家に泊り優遇される。年を経て、武塔の神は巨旦一族を悉に滅ぼし、蘇民に対しては「吾は速須佐雄の神なり、後の世に疫気あらば、汝、蘇民将来の子孫と云ひて、茅(ち)の輪を以ちて腰に着けたる人は免れなむ」と、茅の輪の法を教える。つまりこれは茅の輪を腰に着けておれば疫病から免れるという茅の輪の由来譚で、現在、各地の神社で六月の夏越(なごし)の祓の際に行われる茅の輪くぐり神事はこれにもとづくが、『釈日本紀』には「これ則ち祇園社の本縁なり」と注記する。また、民間では小正月に「蘇民将来子孫守」と記した木製の短い六角形の棒を疫病除けの御守として社寺から受けたり、「蘇民将来子孫之宿」と書いた守札を門戸などに張って疫病除けとしたり、田畑の中にこの守札を立て作物の害虫除けとしたりし、特に近畿地方では、正月の注連縄に「蘇民将来之子孫也」と書いた護符をつけて門口に飾る。これらはいずれもさきの縁起にもとづいている。蘇民守は、京都八坂神社の末社蘇民社や石清水八幡宮の境内社疫神堂、また信濃国分寺八日堂から出されるものが有名。蘇民祭りは岩手県水沢市の黒石寺で旧暦正月七日・八日に行われる蘇民祭りが知られている。なお、この神は陰陽家により『〓〓内伝』に採用されたり、わが国の速須佐雄の神やインドの祇園牛頭(ごず)天王などと習合したりして、いっそう複雑なものとなっている。→疫隅国社(えのくまのくにつやしろ),→茅輪(ちのわ)
(三橋 健)


世界大百科事典
蘇民将来
そみんしょうらい

護符の一種。晴明判(魔よけの星象〓)や〈蘇民将来子孫〉などの文字を記した六角柱または八角柱の短い棒で,房状の飾りや紐をつけて帯に結び下げるようになったものもある。正月に,牛頭天王(ごずてんのう)と縁の深い京都の八坂神社はじめ,信濃国分寺八日堂,愛知の津島神社,新発田の天王社など各地の社寺で配られる。また岩手の黒石寺薬師堂では,正月7日に蘇民祭といって餅や数百本の六角形のヌルデの木が入った蘇民袋を裸の男たちが東西に分かれて奪いあう行事があり,これを得たものはその年幸運であるという。蘇民将来には,紙や板の札に〈蘇民将来子孫之門〉とか〈蘇民将来子孫繁昌也〉と書いて,家の戸口に貼って魔よけとしたり,畑に立てて虫よけとする風もある。《備後国風土記》逸文には,旅に出た武塔神(素戔嗚(すさのお)尊)が宿を請うたところ,富裕な弟の巨旦(こたん)将来はことわったが,貧しい兄の蘇民将来は宿にとめ歓待したため,茅の輪(ちのわ)の護符を腰につけるように教えられ疾病を免れたと語られている。この説話は旧暦6月の夏越(なごし)祭の茅の輪行事の由来譚ともなっているが,同様なモティーフは猟師の間で伝えられる磐司磐三郎譚などの兄弟譚にもみられる。また《簠簋(ほき)内伝》の牛頭天王縁起には,五節の祭に〈蘇民将来子孫也〓〉と記して,信教すれば無病息災であると記されている。蘇民将来につけられる晴明判などからみて,この蘇民将来の護符の伝播には修験者や陰陽師などの宗教者の関与があったことが考えられる。
[飯島 吉晴]

[索引語]
晴明判 蘇民祭 巨旦(こたん)将来 茅の輪行事
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検索ヒット数 126
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1. すみ‐しょうらい[‥シャウライ]【蘇民将来】
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日本国語大辞典
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9. そみん‐しょうらい【蘇民将来】
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「二人共鹿狩、由来北海国牛頭天王、長北法宿権現、蘇民将来宿借」 2 疫病除けのため、家々の門口に「蘇民将来子孫の宿」と書いて貼ったり、木製六角形の棒に「蘇民将来 ...
10. 蘇民將來(そみんしょうらん)
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13. 蘇民將來札 (見出し語:蘇民將來)
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19. 逸文(風土記) 496ページ
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国史大辞典
幸し日が暮れた。彼所に兄弟あり、弟の巨旦将来は富有であったが吝嗇(りんしょく)で宿せず、兄の蘇民将来は貧窮であったが仁侠で武塔神を厚遇した。神は蘇民の好意を喜び ...
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24. 伽婢子 2 152ページ
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頭天王に仕立 て替えるのであるが、牛頭天王また素蓋鳴尊が童子たりし時の名で、疫癘の守護神たる蘇民将来の 信仰と深くかかわっていた。本話が僧を牛頭天王の化身とした ...
25. 御守
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井筒などめでたいもので,魔除け,虫封じのためとされた。《長岡領風俗問状答》には,タラノキに〈蘇民将来子孫〉と書き,これを背縫の下に縫いつけた背守のことがみえてい ...
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27. 神争い伝説
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30. 漢字の世界 1 中国文化の原点 244ページ
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32. きさいじょうあと【私市城跡】埼玉県:北埼玉郡/騎西町/根古屋村地図
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33. 共古随筆 19ページ
東洋文庫
ふて名高し。此の地蔵尊は菊明石にてあるとの事。(以上は小野善太郎氏報) 信州上田の国分寺より蘇民将来木とて六角の守り木を出すことあり。国分寺より出すはあみ目模様 ...
34. 郷土玩具
世界大百科事典
物としての玩具,に大別している。さらに(1)を3種に分けて,〈史的関係より生じた玩具〉として蘇民将来(そみんしようらい),鹿児島神社の鯛車,三春駒,ねぷた提灯( ...
35. 祇園信仰
世界大百科事典
ある。この神は別に〈武塔神(むとうしん)〉の名をもつが,それは《備後国風土記逸文》にみえる〈蘇民将来(そみんしようらい)〉と〈巨旦将来(こたんしようらい)〉とい ...
36. ぎおんしんこう【〓園信仰】
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安居院『神道集』などいずれも一様に蘇民将来伝説を掲げている。それは牛頭天王が南海沙竭羅竜王のもとに赴こうとして途に日が暮れ、富裕な巨旦将来に宿を借りようとしたと ...
37. ぎおんじんじゃ【祇園神社】宮崎県:西臼杵郡/五ヶ瀬町/鞍岡村
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七月一五日の例祭は鞍岡おくんちとよばれる。護符は牛頭天王を木板刷したものである。森巻・麦餅焼があり、ともに蘇民将来の故事による伝承行事である。森巻は矢惣園集落の ...
38. 好色一代男(井原西鶴集) 235ページ
日本古典文学全集
て夜中にこしらへさせ、太夫九人の方へ送りまゐらせける。太鼓どもも御土産にとて、ちひさき弓矢に蘇民将来の守をととのへて、「行末ながく御息災に、身あがりも遊ばさず、 ...
39. こうたくじ【広沢寺】佐賀県:東松浦郡/鎮西町/名古屋村
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ここで秀吉が利休風の茶をたしなんだよすがであろう。この寺には正月行事として一月六日、蘇民書が行われる。住職は「蘇民将来子孫繁栄」と書き、般若心経を転読して檀徒に ...
40. こくせきじ【黒石寺】岩手県:水沢市/黒石村
日本歴史地名大系
(中略)みなけちはつる音せりといふ。鶏の初こゑたつころ、其長三四尺斗リの級栲の二重布の長袋の内に、蘇民将来の神符を三四寸斗の木に書て、そを千札まりも入レて、袋に ...
41. こくぶんじ【国分寺】長野県:上田市/神川地区/国分寺村
日本歴史地名大系
書のある牛頭天王之祭文がある。この祭文には信濃国分寺八日堂縁日で頒布している蘇民将来の縁起が記されている。蘇民将来の護木は、六角錐形で高さ一センチから二五センチ ...
42. こくぶんじ の 初市(はついち)
日本国語大辞典
開く初市。張り子の達磨、さらし飴、養蚕の用具などのほか、柳の木を六角の塔形に刻み、「大福長者蘇民将来子孫人也」と書いたものを売る。これを幼児の衣服につけておくと ...
43. こたん‐しょうらい[‥シャウライ]【巨旦将来】
日本国語大辞典
「備後風土記」などに見える伝説上の人物。蘇民将来(そみんしょうらい)の弟。富者であったが武塔(むとう)の神(素戔嗚尊)に乞われた宿を断ったために没落したという。 ...
44. こたんしょうらい【巨旦将来】
国史大辞典
蘇民将来(そみんしょうらい)  ...
45. 木葉衣・鈴懸衣・踏雲録事 修験道史料1 27ページ
東洋文庫
きわめて便利なものである。日待、月待、庚申、地祭、星祭、三宝荒神、鬼門、大黒天、妙見、金神、野狐、疱瘡、蘇民将来などと、修験道の管理する庶民信仰がみな説明されて ...
46. 牛頭天王
日本大百科全書
』逸文には、武塔天神が蘇民将来(そみんしょうらい)から受けた一宿一飯の恩に報いるため除難の法を教えたとあり、これにちなみ、社寺では正月に疫病除(よ)けの護符とし ...
47. 牛頭天王
世界大百科事典
たとえば《備後国風土記》では,牛頭天王を武塔神とも呼び素戔嗚(すさのお)尊と同一視し,有名な蘇民将来(そみんしようらい)の説話を伝え,《伊呂波字類抄》では,天竺 ...
48. ごずてんのう【牛頭天王】
日本架空伝承人名事典
たとえば『備後国風土記』では、牛頭天王を武塔神とも呼び素戔嗚(すさのお)尊と同一視し、有名な蘇民将来(そみんしょうらい)の説話を伝え、『伊呂波字類抄』では、天竺 ...
49. ごず‐てんのう【牛頭天王・牛頭天皇】
仏教語大辞典
の祭神。もと祇園精舎の守護神といわれ、薬師如来、さらに素戔嗚命の垂迹という。祇園天神。また、蘇民将来の伝説とも付会し、魔をはらい、疫病を除く守護神として信仰され ...
50. 笹野彫り画像
日本大百科全書
牡丹(ぼたん)の形につくって神仏に供える笹野花をはじめ、鷹山公を象徴するお鷹(たか)ぽっぽ、蘇民将来(そみんしょうらい)(家運隆昌、疫病除(よ)け)、餅(もち) ...
「蘇民将来」の情報だけではなく、「蘇民将来」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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