青菜に塩をふりかけた時のように、元気だった者が何かをきっかけにすっかりしょげてしまうさま。
*俳諧・世話尽(1656)曳言之話「青菜(アヲナ)にしほ」
*諺苑(1797)「青菘(アヲナ)に塩 蛭に塩とも云、なめくじに塩とも云」
*滑稽本・八笑人(1820~49)五・上「七兵衛のだりむくれで、青菜に塩(シホ)々陣を引てからは斯落合た事はなしだ」
*西洋道中膝栗毛(1870~76)〈仮名垣魯文〉初・下「大きによはりていままでのげんきはたちまち青なにしほ」
*社会百面相(1902)〈内田魯庵〉犬物語「嬢様も〈略〉断然(きっぱり)と、世間が煩さう厶いますから当分お尋ねはお断り申します、其中お互に身が定(さだま)りましたら改めて御交際を願ひませうと。荒尾先生、青菜に塩ですごすごと帰ったが、俺も其後姿を見送った時は可哀相になったよ」
補説青菜は、色の青々とした蔬菜の総称。青々とみずみずしい青菜も、塩をふりかけると水分が出て、しおれてしまうことからいう。
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