[現]檜山郡江差町字中歌町
近江出身の商人大橋宇兵衛によって幕末から明治二〇年代にかけて建てられた店舗・蔵・住宅。九艘川(くそうがわ)町の南西端に位置した。大正四年(一九一五)に中村米吉に譲渡された。現在海岸線に沿って走る道路(国道二二八号)から海岸に向かい、主屋・文庫倉・下ノ倉・ハネダシという四棟の建物が細長く延びている。主屋は店舗兼住宅で、一階には帳場・茶の間・台所・仏間・部屋が、二階には通りに面して座敷が三間と奥に女中部屋がある。ハネダシは江差の海岸線に特徴的にみられる建物で、浜にはねだすように造られた上下二層の木造高床掘立造の建物。下層には艀が直接出入りでき、上層は倉庫や作業場となっている。昭和四六年(一九七一)に国の重要文化財に指定され、同四九年江差町に寄贈された。同五五年からの修復工事を経て、同五七年から一般公開されている。
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