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  11. をかし

をかし

ジャパンナレッジで閲覧できる『をかし』の全文全訳古語辞典・日本大百科全書・世界大百科事典のサンプルページ

小学館 全文全訳古語辞典
をか・し 〔オカシ〕
最重要語

〔形容詞シク活用〕 [類義語]をこがまし

をかし

理知的に好奇心や興味を感じる情趣や、視覚・聴覚などで興味深くとらえた美、を表す。平安時代、「あはれ」と対比される語。

❶笑いたいほどである。こっけいである。おかしい。

「中将をかしを念じて」〈源氏・紅葉賀〉

頭中将(とうのちゆうじよう)は(光源氏のあわてる様子が)おかしくて笑いたいのを我慢して。

興味深い。おもしろい。

源氏物語 若紫(8)

全文用例

「ののしる」の項目の用例から続く

あはれなる
形動・体
格助
マ上一・用
(つ)
つる
完了・体
かな、
終助
かかれ
ラ変・已
ば、
接助
代名
格助
すき者
ども
接尾
は、
係助
かかる
ラ変・体
あり
歩き
格助
のみ
副助
サ変・用
て、
接助
よく、
形ク・用
さる
ラ変・体
(まじ)
まじき
打消推量・体
格助
係助
見つくる
カ下二・体
(なり)
なり
断定・用
けり、
詠嘆・終
たまさかに
形動・用
立ち出づる
ダ下二・体
だに、
副助
かく
ほか
思ひの外なる
形動・体
こと
格助
見る
マ上一・体
間投助
と、
格助
をかし
形シク・用
おぼす。
サ四・終
さても、
接続
いと
うつくしかり
形シク・用
(つ)
つる
完了・体
ちご
かな。
終助
なにびと
何人
(なり)
なら
断定・未
む、
推量・終
代名
格助
格助
御かはり
に、
格助
あ く 
明け暮れ
格助
なぐさ
慰め
格助
係助
マ上一・未
ばや、
終助
格助
思ふ
ハ四・体
深う
形ク・用
つき
カ四・用
ぬ。
完了・終

かわいい女を見たものだなあ、こういうわけだから、(自分のお供(とも)をしている)この好色な連中は、このような忍び歩きばかりして、うまく、見つけられそうもない女をも見つけるものだったのだ、(自分は)たまに出かけただけでも、このように意外なものを見つけるものよと、(光源氏は忍び歩きを)おもしろくお思いになる。それにしても、ほんとにかわいらしかった子であったなあ。どういう人なのだろう、あの人(=藤壷)のお身代わりとして、(あの少女を)毎日のなぐさめに見たいものだ、と思う心に深くとりつかれた。

❸(景色などに)趣がある。風情がある。

「ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし〈枕草子・春はあけぼの〉

(蛍が多く飛び交うのも)たった一つか二つかなど、かすかに光って飛んで行くのも趣がある。

❹(容姿などが)美しい。優美である。また、愛らしい。

「梳(けづ)ることをうるさがり給へど、をかしの御髪(みぐし)や」〈源氏・若紫〉

くしを入れることを煩わしがりなさるけれど、美しいおぐしですね。

若紫ノ美シイ髪ヲイウ。

❺(性質・態度・技術などが)立派である。優れている。すばらしい。

「容貌(かたち)いとよく、心もをかし人の」〈枕草子・男こそ〉

顔かたちが大変美しく、気立ても立派な女が。


要点

  • 平安時代には、❷~❺の用例が多いが、現代語と同じ❶の例もあり、当時の辞書には、「笑ふべし」と訓読できる「可笑」や「可咲」に「をかし」の訓をつけている。中世以降は擬古文を除いて、もっぱら❶の意に用いる。


日本大百科全書(ニッポニカ)

をかし
おかし

日本の古典文芸において一種の美意識を表す語で、美的理念を示すことばにもなっている。その用例は平安時代以後にみられ、基本的には対象を興ありと思う明るい快適な感情を主とすることばであろうが、美として優美に近いものを表す場合と滑稽 (こっけい)を表す場合とが両極として考えられる。時代が下るにつれて滑稽に重点が移ってくるが、平安時代の文芸では優美に近いほうが優位を占め、そこでは同時代の「あはれ」の表すところに近似しているともいえる。しかし「あはれ」が対象に思い入った深いしみじみとした感動であるのに比べて、「をかし」は概して対象を外部から余裕をもってみて、そこに興趣を覚え快感を誘われて喜ぶような面がある。『枕草子 (まくらのそうし)』はこういう「をかし」の美がとくに際だっている作品で、用例数のうえでも「をかし」は「あはれ」の数倍に達し、「月のいとあかきに、川を渡れば、牛のあゆむままに、水晶などのわれたるやうに、水の散りたるこそをかしけれ」のような用例がみられる。和歌関係では歌合 (うたあわせ)の判詞に「をかし」が評語として相当多く使われている。『亭子院歌合 (ていじいんのうたあわせ)』(913)に「今日のみと春を思はぬ時だにも立つことやすき花の陰かは」などの2首を「をかし」と評したのが早い例で、その後しだいに広く使用され、藤原俊成 (しゅんぜい)あたりになるとその用例が非常に多くみられる。滑稽を表す「をかし」は中世以後に優勢になる。狂言に関していわれる「をかし」などはそれである。

[武田元治]



世界大百科事典

をかし
おかし

文芸用語。語源不詳。〈をこ(烏滸(おこ))〉の形容詞化とか,動詞〈招(お)ぐ〉の形容詞化ともいわれるが,定説はない。古辞書には,〈逈〉〈運〉〈可咲〉などをこの語に当てる。新鮮な印象を与えられ,好奇心や関心を喚起される感情が基本で,視聴触味嗅の五感はもとより,それらによって複雑に醸成される雰囲気や気分なども含まれ,滑稽感も当然入っている。平安時代の貴族社会では多様な美意識の自覚とその発展が見られたが,大別して,感動体験を主情的に詠嘆する場合と,それを知的に対象化して観照する場合とがあり,前者は〈あはれ〉(もののあはれ),後者は〈をかし〉の語で表現されることが多い。《枕草子》はしばしば〈をかし〉の文学と評され,たしかに対象把握と再構成や配列・表現の各方法にその傾向は顕著だが,その底には自身の素朴な体験と印象をただ羅列するのでなく,不遇の中でめめしい情緒に流されまいとする心のたたかいがあることは見のがせない。この〈をかし〉の性格が以後の日本の随筆文学の性格を強く規制していった。〈をかし〉の語は後には転じて〈奇妙な〉の意も派生した。
[今井 源衛]

[索引語]
枕草子
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検索コンテンツ
1. をかし
日本大百科全書
感動であるのに比べて、「をかし」は概して対象を外部から余裕をもってみて、そこに興趣を覚え快感を誘われて喜ぶような面がある。『枕草子(まくらのそうし)』はこういう
2. をかし
世界大百科事典
知的に対象化して観照する場合とがあり,前者は〈あはれ〉(もののあはれ),後者は〈をかし〉の語で表現されることが多い。《枕草子》はしばしば〈をかし〉の文学と評され
3. をか・し
全文全訳古語辞典
〔形容詞シク活用〕[類義語]をこがまし ⇒をかしげ 理知的に好奇心や興味を感じる情趣や、視覚・聴覚などで興味深くとらえた美、を表す。平安時代、「あはれ」と対比さ
4. をかし【犯し】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕《動詞「犯す」の連用形の名詞化》法や規則などを破ること。罪を犯すこと。 「前の世の報いか、この世のをかしか」〈源氏・明石〉(悲しい目にあうのは)前世の報
5. をかしのかな(著作ID:4386018)
新日本古典籍データベース
おかしのかな 語学 
6. をかし-げ
全文全訳古語辞典
〔形容動詞ナリ活用〕《「げ」は接尾語》美しく感じられる様子。かわいらしい様子。 「いとをかしげなる指に捕らへて、大人などに見せたる、いとうつくし」〈枕草子・うつ
7. をかし-ば・む
全文全訳古語辞典
〔自動詞マ行四段〕ま・み・む・む・め・め《「ばむ」は接尾語》趣があるように見える。風流めく。
8. をかし-やか
全文全訳古語辞典
〔形容動詞ナリ活用〕《「やか」は接尾語》趣が感じられる様子。 「をかしやかなることもなき御文を、うちも置かず、ひき返しひき返し見居給へり」〈源氏・宿木〉(薫は)
9. こくび を=かしげる[=かたげる]
日本国語大辞典
小首(コクビ)かたげて不審皃(ふしんがほ)」*斜陽〔1947〕〈太宰治〉七「本当に不審のやうに少し小首をかしげて、しばらく僕の眼を見つづけてゐました」
10. こころ-をか・し【心をかし】
全文全訳古語辞典
〔形容詞シク活用〕かわいらしく感じる。 「心をかしく人なれたるは、あやしうなつかしき物になむ侍る」〈源氏・若菜・下〉(女三の宮の唐猫のように)かわいらしく人に慣
11. あなをかし(著作ID:44)
新日本古典籍データベース
あなおかし 阿奈遠加志 阿奈遠可志 阿奈於加志 安南をかし 沢田名垂(さわだなたり) 艶本 文政五清水氏女(清原氏女)跋
12. 臼(うす)を炊(かし)ぐの夢(ゆめ)
故事俗信ことわざ大辞典
妻の死を知らせる夢。転じて、妻の死の知らせをいう。炊臼(すいきゅう)の夢。
13. かたや を 貸(か)して母屋(おもや)取(と)らる
日本国語大辞典
自分の持ち物の一部分を貸したために、いつの間にかその全部を奪い取られてしまうこと。また、恩をあだで返されること。庇(ひさし)を貸して母屋を取られる。*俳諧・毛吹
14. 片屋(かたや)を貸(か)して母屋(おもや)取(と)らる
故事俗信ことわざ大辞典
一部を貸して全部取られてしまうことのたとえ。また、恩を仇で返されること。庇(ひさし)を貸して母屋を取られる。 俳諧・毛吹草(1638)二「かた屋かしておも屋とら
15. かつら を 炊(かし)ぐ
日本国語大辞典
「かつら(桂)焼き玉(たま)炊(かし)ぐ」に同じ。*菅家文草〔900頃〕四・寄白菊四十韻「任〓老休
16. 桂(かつら)を炊(かし)ぐ
故事俗信ことわざ大辞典
「桂焼き玉炊ぐ」に同じ。 菅家文草(900頃)四・寄白菊四十韻「任老休炊桂。忘憂倍帯萱」
17. 金(かね)を貸(か)して友(とも)を失(うしな)え
故事俗信ことわざ大辞典
金を貸すと、その金が原因で仲のよかった友とも不和となり、友情を失うことになる。英語のことわざで、金銭の貸借が友情を損なうことを反語によって表現している。金の貸し
18. 狐子(きつねこ)を柏葉(かしわば)に包(つつ)んだよう
故事俗信ことわざ大辞典
騒がしいさまのたとえ。〔山形県方言辞典〕
19. 金(きん)を炊(かし)ぎ玉(たま)を饌(くら)う
故事俗信ことわざ大辞典
金石や宝玉を煮炊(にた)きして食べる。ぜいたくな食事のたとえ。 諺語大辞典(1910)「金を炊(カシ)ぎ玉を饌(クラ)ふ」駱賓王‐帝京篇「平台戚里帯二崇墉一
20. きん を 化(か)して鉛(なまり)とす
日本国語大辞典
価値のあるものを価値のないものに悪くかえてしまう意のたとえ。*作詩志〓〔1783〕「于鱗襲て、『雪片大如
21. 金(きん)を化(か)して鉛(なまり)とす
故事俗信ことわざ大辞典
価値の高いものを、価値の低いものに悪くかえてしまうことのたとえ。 作詩志彀(1783)「于鱗襲て、『雪片大如レ鷺』とす。所謂る金を化して鉛(ナマリ)とするなり」
22. くび を 傾(かし)げる
日本国語大辞典
予定刊行書目の内容を見ると、渠等の堂々の宣言に似ず九分九厘までは従来既に複製或は覆刻されたものばかりで少しく首をかしげざるを得ない」*国籍〔1949〕〈竹山道雄
23. 賢婦(けんぷ)は六親(ろくしん)を和(か)し、佞婦(ねいふ)は六親(ろくしん)を破(やぶ)る
故事俗信ことわざ大辞典
賢くてしっかりした妻は家庭内を融和して親類一族を親密にし、心のまがった妻は悪口を言ったりして親類の仲を悪くする。「六親」は、肉親。また、親族全体。 金言童子教(
24. 是(これ)をしも忍(しの)ぶべくんば何(なに)をか忍(しの)ぶべからざらん
故事俗信ことわざ大辞典
このようなことが平気でできるなら、どんな悪事でもしかねないであろう。また、このようなことが許せるなら、どんなことでも許せるであろう。〔諺語大辞典(1910)〕
25. 子を貸し屋
日本大百科全書
宇野浩二(こうじ)の中編小説。1923年(大正12)3~4月『太陽』に発表、翌年7月文興院刊の同名の小説集に収録。東京・浅草で細々と団子屋を営む佐蔵は、昔仲間だ
26. こをかしや【子を貸し屋】
日本国語大辞典
小説。宇野浩二作。大正一二年(一九二三)発表。生きるための手段として不本意ながら子どもを貸す佐蔵を描く。人間の生きる悲しみと滑稽を描いたもの。コオカシヤ
27. 玉(たま)を食(く)らい桂(けい)を炊(かし)ぐ
故事俗信ことわざ大辞典
食べ物が玉よりも高いので玉を食い、それを煮炊きする薪は桂(かつら)の木よりも高いので桂を焚き物とする。物価の非常に高いことのたとえ。中国、戦国時代、蘇秦(そしん
28. 手(て)を貸(か)して縛(しば)られ、首(くび)を延(の)べて斬(き)らる
故事俗信ことわざ大辞典
人がよすぎて馬鹿な目に遭うたとえ。 曽我物語(南北朝頃)九「かかる人非人の身が広量に他人を語らひ候はんは、手をかして縛られ首を延べて是を切らると申すにてこそ候へ
29. 十(とお)を頭(かしら)に十一人(じゅういちにん)
故事俗信ことわざ大辞典
きわめて子沢山なこと。
30. なた を 貸(か)して山(やま)を伐(き)られる
日本国語大辞典
援助をしてやって、かえって損害を受ける。盗人に鍵をあずける。
31. 鉈(なた)を貸(か)して山(やま)を伐(き)られる
故事俗信ことわざ大辞典
人に援助をして、かえって自分が損をすることのたとえ。ひさしを貸して母屋を取られる。〔日本俚諺大全(1906~08)〕
32. のき を 貸(か)して母屋(おもや)を取(と)られる
日本国語大辞典
自分の持物の一部分を貸したために、いつのまにか主要なところ、またはその全部をとられてしまう。また、恩を仇で返される。庇(ひさし)を貸して母屋を取られる。*俳諧・
33. 軒(のき)を貸(か)して母屋(おもや)を取(と)られる
故事俗信ことわざ大辞典
「庇(ひさし)を貸して母屋を取られる」に同じ。 俳諧・一幅半(1700)上・夏「軒かしておも屋とらるる涼み哉〈幾曽〉」〔諺語大辞典(1910)〕
34. ひさし を 貸(か)して母屋(おもや)を取(と)られる
日本国語大辞典
かしておもやとらるることは、仏の道にも有と見えたり」*雑俳・柳筥〔1783~86〕四「ひさしをかしたでおもやを常磐取」*他人の顔〔1964〕〈安部公房〉白いノー
35. 庇(ひさし)を貸(か)して母屋(おもや)を取(と)られる
故事俗信ことわざ大辞典
)二・三「ひさしかしておもやとらるることは、仏の道にも有と見えたり」諺苑(1797)「ひさしをかしておもやをとられた」歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(187
36. 〖食玉炊桂〗たまをくらい(くらひ)けいをかしぐ
新選漢和辞典Web版
物価の高いたとえ。食物や薪(たきぎ)の値が、宝物の玉や桂(かつら)より高いので、しかたなく、玉を食べ、桂を燃やして炊事をするの意。〈戦国策・楚(そ)〉
37. Ezra Weston Loomis Pound【パウンド】[人名]
能・狂言事典
なった。二〇年(大正九)から二四年まではパリにあって、T・S・エリオットの『荒地』の完成に手をかしたり、無名時代のジェームズ・ジョイスやヘミングウェーの才能をい
38. あいぎょう‐づ・く[アイギャウ‥]【愛敬付】
日本国語大辞典
りなる男児の、声あいぎゃうづき、おごりたる声にて、侍の男ども呼びつき、ものなどいひたる、いとをかし」*源氏物語〔1001~14頃〕空蝉「頭つき額つき物あざやかに
39. あい‐くち[あひ‥]【合口】
日本国語大辞典
ゴザル」*虎寛本狂言・千鳥〔室町末~近世初〕「又汝は、酒やの亭主と相口じゃといふに依て、おもしろをかしう云て一樽取て来い」*俳諧・犬子集〔1633〕一五・雑下「
40. あい‐しつ[あひ‥]【合室】
日本国語大辞典
〔名〕同じ室。同室。*黄昏に〔1912〕〈土岐哀果〉「合室(アヒシツ)の患者のことを、をかしげに語るわが友の、頬のやつれかな」
41. あい‐しら・う[あひしらふ]
日本国語大辞典
9頃〕九「惟通──玩がことぞ。三公になったとて。身を高ぶって人をあいしらう事はないぞ。布衣のをかしげなる者をも、へりくだってあいしらうぞ」*日葡辞書〔1603~
42. あい‐・する【愛】
日本国語大辞典
かたり侍し」*平家物語〔13C前〕九・二度之懸「是程の大勢の中へただ二人いったらば、何程の事をかしいだすべき。よしよししばしあひせよ」*虎明本狂言・盗人の子〔室
43. あい-な・し
全文全訳古語辞典
唐土には限りなきものにて、文にも作る、なほさりともやうあらむと、せめて見れば、花びらの端に、をかしき匂ひこそ、心もとなうつきためれ。「たぐひ」梨の花は、世間では
44. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
わる。いっしょになる。*枕草子〔10C終〕一四二・なほめでたきこと「声あはせて舞ふほどもいとをかしきに、水の流るる音、笛の声などあひたるは」*源氏物語〔1001
45. あお[アヲ]【襖】
日本国語大辞典
関屋よりさとくづれ出でたる旅姿ども、色々のあをのつきづきしき縫物、くくり染のさまもさるかたにをかしう見ゆ」(3)上に着る袷(あわせ)の衣。綿を入れたものもあり、
46. あおい[あふひ]【葵】画像
日本国語大辞典
のむ葵てふ名を〈よみ人しらず〉」*枕草子〔10C終〕六六・草は「草は 菖蒲。菰。あふひ、いとをかし」*式子内親王集〔12C末~13C初〕「忘れめやあふひを草に引
47. 葵(源氏物語) 25ページ
日本古典文学全集
えせ受領のむすめなどさへ、心の限り尽くしたる車どもに乗り、さまことさらび、心化粧したるなむ、をかしきやうやうの見物なりける。まして、ここかしこにうち忍びて通ひた
48. 葵(源氏物語) 27ページ
日本古典文学全集
て、暦の博士召して時刻問はせなどしたまふほどに、源氏「まづ、女房、出でね」とて、童の姿どものをかしげなるを御覧ず。いとらうたげなる髪どもの末はなやかに削ぎわたし
49. 葵(源氏物語) 28ページ
日本古典文学全集
むさだめなく満ち干る潮ののどけからぬにと物に書きつけておはするさま、らうらうじきものから若うをかしきを、めでたしと思す。〔九〕源氏、好色女源典侍と歌の応酬をする
50. 葵(源氏物語) 34ページ
日本古典文学全集
常よりも心苦しげなる御気色をことわりにあはれに見たてまつりたまふ。うちとけぬ朝ぼらけに出でたまふ御さまのをかしきにも、なほふり離れなむことは思し返さる。やむごと
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