1. さが-な・し
全文全訳古語辞典
意地が悪くて、桐壷更衣が、露骨に物の数でもなく扱われた例も忌まわしいことだ。❷(多く「物言ひさがなし」の形で)口のきき方でたちが悪い。口が悪い。口やかましい。
2. 女(おんな)は口(くち)さがなし
故事俗信ことわざ大辞典
女はおしゃべりで、口が軽い。 俚言集覧(1818頃)「女は口さがなし」〔日本俚諺大全(1906~08)〕
3. くち-さがな・し【口さがなし】
全文全訳古語辞典
〔形容詞ク活用〕《「さがなし」は、性質が悪い意》物の言い方が悪い。悪口など勝手なことを言いふらす。 「口さがなきものは世の人なりけり」〈源氏・行幸〉慎みなく勝手
4. こころ‐さがな・し【心─】
日本国語大辞典
〔形ク〕性格がよくない。意地が悪い。*大鏡〔12C前〕三・師輔「すこし御心さがなく、御ものうらみなどせさせ給ふやうにぞ、よその人にいはれおはしましし」
5. ものいい さがなし
日本国語大辞典
ふとさし覗き給へれば」*随筆・独寝〔1724頃〕上・三二「長崎あたりの女は、吉原にても物いひさがなし」
6. いね‐さがなし【寝─】
日本国語大辞典
いねさわぐ(寝騒)
7. こころ さがなし
日本国語大辞典
親見出し
8. いえじま【伊江島】沖縄県:沖縄島北部/伊江村
日本歴史地名大系
。その詞には「琉球国由来記」が記す「セチヤラ御嶽」「コシヤテ森」の神名、「わかつかさがなし すでつかさがなし」がみえる。同じく「やんばるの祭りと神歌」が収録して
9. 伊勢物語 127ページ
日本古典文学全集
「しのびて」を引き出す枕詞。「通ふ」「道」「奥」が「山」の縁語。「もがな」は願望の意の助詞。「さがなし」は性質がよくない。「えびす心」は野蛮な、情趣のわからぬ心
10. 大鏡 148ページ
日本古典文学全集
安子が天皇に申し上げなさることは。「いはむや」は漢文訓読語。「自余」も、和文脈では見られない語。「さがなし」は、意地が悪い、たちが悪い。ご性質が依怙地で。「…い
11. 落窪物語 132ページ
日本古典文学全集
戸口の。賀茂の臨時祭の前夜であるから十一月。寒さで。戸口の板敷きの。ごろごろ。腹の鳴る音。「さがなし」の語幹。形容詞の語幹は感動を表すのに用いられることがある。
12. おに‐の‐こ【鬼子】
日本国語大辞典
*俳諧・本朝文選〔1706〕四・説類、蓑虫説〈素堂〉「いかに伝へて鬼の子なるらん。清女が筆のさがなしや」
13. おんな【女】[頭見出し]
故事俗信ことわざ大辞典
崩(くず)すな・女(おんな)は着物(きもの)が命(いのち)から二番目(にばんめ)・女(おんな)は口(くち)さがなし・女(おんな)は国(くに)の平(たい)らげ・女
14. 女大学集 22ページ
東洋文庫
用ゆべし。いうかいなきもの(下賎のもの)は、ならわし悪しくてちえなく、心かだましく、其の上ものいう事さがなし。夫の事、しゅうと・しゅうとめ・こじゅうとの事など、
15. 近世俳文集 451ページ
日本古典文学全集
声のおぼつかなきをあはれぶ。ちゝよ〳〵となくは孝に専なるものか。いかに伝へて鬼の子なるらん。清女が筆のさがなしや。よし鬼なりとも、瞽叟を父として舜あり、汝はむし
16. くち‐さがな・い【口─】
日本国語大辞典
[ガ]
「くち
さがなし」クチサ
ナシ
17. 国譲 中(うつほ物語) 213ページ
日本古典文学全集
底本「給つるは」を「たまひつれば」と改める説に従った。たいそう恐ろしい兵が。暗に、中将、少将をさす。「さがなし」は、たちがわるい、の意。ここは、たちのわるいこと
18. さが
全文全訳古語辞典
持って生まれた性質や運命など、人間の力では変えられない、そのもの本来の性質をいう。関連する形容詞に「さがなし(=性質ガヨクナイ)」がある。 ❶生まれつき持ってい
19. さが‐な・い
日本国語大辞典
そのほどのふるまひならぬをばさがなしといへる也」*日葡辞書〔1603~04〕「サガ。例、Saga (サガ)nai (ナイ)ヒト」(2)(多く「物言ひさがなし」「
20. さがな-め【さがな目】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕《「さがな」は形容詞「さがなし」の語幹》意地悪く欠点を捜す目。意地悪な目。あら捜しをするような見方。 「翁らがさがな目にも、ただ人とは見えさせ給はざめり
21. さがな-もの【さがな者】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕《「さがな」は形容詞「さがなし」の語幹》口やかましい人。うるさ型。また、性悪な人。 「この大北の方ぞさがな者なりける」〈源氏・真木柱〉この大北の方(=紫
22. 嵯峨の院(うつほ物語) 316ページ
日本古典文学全集
遠い旅先から文をおくってきた、行政の志。「賜ぶ」は、「たまふ」から転じた四段活用動詞。「さがな」は「さがなし」の語幹。底本「のたまへをはす」。この箇
23. 嵯峨の院(うつほ物語) 362ページ
日本古典文学全集
両親のいるところ。夫、仲頼のいるところ。「ここには殿籠る」も、上の「などか」を受ける。形容詞「さがなし」の語幹。「さがなし」は、たちがわるい、ひねくれている、な
24. しが‐な・い
日本国語大辞典
〔形口〕
しがな・し〔形ク〕(「
さがなし」の変化した語という)(1)頼りにできないみじめなさまである。転じて、とるにたりない。つまらない
25. 全発句(松尾芭蕉集) 167ページ
日本古典文学全集
声のおぼつかなきをあはれぶ。ちゝよ〳〵となくは孝にもつぱらなるものか。いかに伝へて鬼の子なるらん。清女が筆のさがなしや。よし鬼なりとも、瞽叟を父
26. 太平記 265ページ
日本古典文学全集
申すなり。伊弉諾・伊弉冉の男神・女神、天の浮橋の上にして、『この底下にあに国なからんや』とて、天の瓊矛を差し下して、滄溟をかいさぐりて見玉ふに、その瓊矛のさきよ
27. 東洋金鴻 英国留学生への通信 138ページ
東洋文庫
河津の娘は絶美とも、又かわずの子、お玉じゃくしの様な顔とも申し候由。いずれも風聞までにて、人のものいいさがなしと、源氏物語にもみえたり。サガナシとは、不祥不仁な
28. 俊蔭(うつほ物語) 64ページ
日本古典文学全集
はっきりいいかねることを問われたときの返事。さあどうでしょうか。そうですねえ。「さがな」は「さがなし」の語幹。口のわるいこと。たちのよくないこと。「さ」は懐妊し
29. とりかへばや物語 167ページ
日本古典文学全集
多く選び集めた者を勝ちとする遊び。「さあらぬは」の約。母上や御乳母以外は。女の童。父大納言は。「さがなし」は、性質が悪い意。ここはやんちゃで手におえないことをい
30. 日本書紀 430ページ
日本古典文学全集
殺之不祥。乃解
其縛
為
31. 日本事物誌 2 302ページ
東洋文庫
用うべし。言い甲斐なき下萬は、習わし悪しくして智恵なく、心かたましく〔ねじけて〕、物言うことさがなし〔よくない〕。夫のこと舅、姑、小姑のことなど我が心に合わぬこ
32. 俳文編(松尾芭蕉集) 208ページ
日本古典文学全集
となくは孝に専なるものか。いかに伝へて鬼の子なるらん。清女が筆の
さがなしや。よし鬼なりとも、瞽叟を父として舜あり、汝はむしの舜ならんか。
みの虫〳〵、声のおぼつ
33. 本朝度量権衡攷 2 267ページ
東洋文庫
の甘さに対する攻撃であり、己れの考証の忠実さと厳しさがなした語調の鋭さであると私はみたい。 ところでこの考証学というのは、よい意味では実事求是の学であり、事実の
34. をなり神の島 2 22ページ
東洋文庫
『毎にまた節据毎に、律解・律師・三つ星・七つ星の御前・慰の御嶽の鵡麟ゲ欝・御城内の十嶽の「いべつかさがなし」と「榴教なりめしよわちへ」、「首里天加那志徽劔の織・