1. さう-ざう・し
全文全訳古語辞典
もの言へ。さうざうしきに』と仰せらるれば」〈枕草子・職におはします頃〉「なぜこう黙っているの。何か言いなさい。寂しいから」と(中宮が)おっしゃったので。「この酒
2. 【創造主】そう(さう)ぞう(ざう) しゅ
新選漢和辞典Web版
天地万物をつくった神。
3. 葵(源氏物語) 22ページ
日本古典文学全集
まりもはべるかな」と言ふを、大宮聞こしめして、「御心地もよろしき隙なり。さぶらふ人々もさうざうしげなめり」とて、にはかにめぐらし仰せたまひて見たまふ。〔五〕葵の
4. 葵(源氏物語) 30ページ
日本古典文学全集
誰ならむ、乗り並ぶ人けしうはあらじはや、と推しはかりきこゆ。いどましからぬかざし争ひかな、とさうざうしく思せど、かやうにいと面なからぬ人、はた人あひ乗りたまへる
5. 葵(源氏物語) 49ページ
日本古典文学全集
なのめにかたほなるをだに、人の親はいかが思ふめる。ましてことわりなり。またたぐひおはせぬをだにさうざうしく思しつる 名、経文、呪文を韻律をともなった調子で唱え
6. 葵(源氏物語) 50ページ
日本古典文学全集
まひて、かかる絆だに添はざらましかば、願はしきさまにもなりなましと思すには、まづ対の姫君のさうざうしくてものしたまふらむありさまぞ、ふと思しやらるる。夜は御帳の
7. 葵(源氏物語) 53ページ
日本古典文学全集
大将の君は、ことわりぞかし、ゆゑは飽くまでつきたまへるものを、もし世の中に飽きはてて下りたまひなば、さうざうしくもあ 亡き東宮。その東宮の死後、桐壺院が御息所
8. 葵(源氏物語) 71ページ
日本古典文学全集
とあさましう思さる。昼つ方渡りたまひて、源氏「なやましげにしたまふらむはいかなる御心地ぞ。今日は碁も打たでさうざうしや」とてのぞきたまへば、いよいよ御衣ひき被き
9. 葵(源氏物語) 77ページ
日本古典文学全集
。それより大殿にまかでたまへり。大臣、新しき年とも言はず、昔の御事ども聞こえ出でたまひて、さうざうしく悲しと思すに、いとど、かくさへ渡りたまへるにつけて、念じ返
10. 葵(源氏物語) 78ページ
日本古典文学全集
御しつらひなども変らず、御衣掛の御装束など、例のやうにし懸けられたるに、女のが並ばぬこそはえなくさうざうしけれ。宮の御消息にて、「今日はいみじく思ひたまへ忍ぶる
11. 明石(源氏物語) 238ページ
日本古典文学全集
年ごろ公私御暇なくて、さしも聞きおきたまはぬ世の古事どもくづし出でて、かかる所をも人をも見ざらましかばさうざうしくやとまで、興ありと思すこともまじる。かうは馴れ
12. あき‐は・てる【飽果】
日本国語大辞典
よみ人しらず〉」*源氏物語〔1001~14頃〕葵「もし世の中にあきはてて、くだり給ひなば、さうざうしくもあるべきかな」*寛永刊本蒙求抄〔1529頃〕七「妻(め)
13. あけ-た・つ【明け立つ】
全文全訳古語辞典
・て・て《「立つ」は時の経過するの意》夜明けになる。 「あけたてばさし出づる文の見えぬこそさうざうしけれ」〈枕草子・常に文おこする人の〉夜明けになると(いつも召
14. 総角(源氏物語) 230ページ
日本古典文学全集
つつみたまふ御心の隈残らずもてなしたまはむなん、はらからなどのさやうに睦ましきほどなるもなくて、いとさうざうしくなん、世の中の思ふことの、あはれにも、をかしくも
15. 朝顔(源氏物語) 479ページ
日本古典文学全集
とうとましくのみ思ひきこえたまふ。〔五〕源氏、女五の宮の見舞にかこつけて外出 夕つ方、神事などもとまりてさうざうしきに、つれづれと思しあまりて、五の宮に例の近づ
16. 朝顔(源氏物語) 489ページ
日本古典文学全集
かきやりつつ、いとほしと思したるさまも、絵に描かまほしき御あはひなり。源氏「宮亡せたまひて後、上のいとさうざうしげにのみ世を思したるも心苦しう見たてまつり、太政
17. 朝顔(源氏物語) 492ページ
日本古典文学全集
て、かどかどしさのすすみたまへるや苦しからむ。前斎院の御心ばへは、またさまことにぞみゆる。さうざうしきに、何とはなくとも聞こえあはせ、我も心づかひせらるべきあた
18. あさまし‐げ【浅─】
日本国語大辞典
るその人のさま。驚いたという様子。*源氏物語〔1001~14頃〕葵「たぐひおはせぬをだに、さうざうしく思しつるに、袖の上の玉の砕けたりけむよりも、あさましげなり
19. 東屋(源氏物語) 46ページ
日本古典文学全集
出でたまひぬるさまの、かへすがへす見るとも見るとも飽くまじくにほひやかにをかしければ、出でたまひぬるなごりさうざうしくぞながめらるる。〔一八〕中将の君、中の君に
20. 東屋(源氏物語) 59ページ
日本古典文学全集
して、御前には人もなし。小さき童のあるして、匂宮「をりあしき御泔のほどこそ、見苦しかめれ。さうざうしくてやながめん」と聞こえたまへば、大輔「げに。おはしまさぬ隙
21. 東屋(源氏物語) 99ページ
日本古典文学全集
これかれある列にて、おほぞうにまじらはせんは本意なからむ、しばし、ここに隠してあらん、と思ふも、見ずはさうざうしかるべくあはれにおぼえたまへば、おろかならず語ら
22. 東屋(源氏物語) 101ページ
日本古典文学全集
に、薫は潜在する機才を見いだそうとする。前に「しばし、ここに隠してあらん、と思ふも、見ずはさうざうしかるべく…」(九九ページ)。薫の浮舟執心。「班女ガ閨中ノ秋ノ
23. あそば‐・す【遊】
日本国語大辞典
よりにあそばししに、この御鷹は」*大鏡〔12C前〕四・道隆「ひさしく双六つかまつらで、いとさうざうしきに、けふあそばせ」*平家物語〔13C前〕四・源氏揃「御手跡
24. あつかい‐ぐさ[あつかひ‥]【扱種】
日本国語大辞典
世話すべき対象。*源氏物語〔1001~14頃〕匂宮「一条の宮の、さるあつかひぐさ、持給(もたま)へらで、さうざうしきに」*浜松中納言物語〔11C中〕三「とてもか
25. あまり【余】
日本国語大辞典
じうもあらぬまらうどの来て」*源氏物語〔1001~14頃〕若菜下「みこ、あまり恨み所なきをさうざうしと思せど」*古今集遠鏡〔1793〕一「人がしゃうくゎんせぬと
26. いけ‐そうぞうし・い【─
・─騒騒(サウザウ)】
日本国語大辞典
13〕二・上「中折の下駄をがたがたがたと、いけさうざうしくはきすてて」*当世書生気質〔1885~86〕〈坪内逍遙〉一五「なんだネ、いけさうざうしい」イケソーゾー
27. いどま
し【挑】
日本国語大辞典
ま。競争心が強い。*源氏物語〔1001~14頃〕葵「『いどましからぬ、かざし争ひかな』と、さうざうしくおぼせど」*紫式部日記〔1010頃か〕消息文「その御かた、
28. 妹背山婦女庭訓(浄瑠璃集) 437ページ
日本古典文学全集
きつく命令する際に頻用。そっけない。『徒然草』の「よろづにいみじくとも、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉の巵の当なきここちぞすべき」によった表現。長い柄が
29. 色(いろ)好(この)まぬ男(おとこ)は玉(たま)の杯(さかずき)底(そこ)無(な)きが如(ごと)し
故事俗信ことわざ大辞典
として欠けたところがある。「徒然草‐三」の「よろづにいみじくとも、色このまざらん男は、いとさうざうしく、玉の巵(さかづき)の当(そこ)なき心地ぞすべき」による。
30. 浮舟(源氏物語) 118ページ
日本古典文学全集
みたる御心なれば、山深うなるままに、いつしか、いかならん、見あはすることもなくて帰らむこそさうざうしくあやしかるべけれと思すに、心も騒ぎたまふ。法性寺のほどまで
31. 薄雲(源氏物語) 428ページ
日本古典文学全集
ことわりにはあれど、源氏「うしろやすからぬ方にやなどはな疑ひたまひそ。かしこには年経ぬれどかかる人もなきが、さうざうしくおぼゆるままに、前斎宮のおとなびものした
32. 薄雲(源氏物語) 465ページ
日本古典文学全集
な」と、「公私の営みしげき身こそふさはしからね、いかで思ふことしてしがな」と、「ただ御ためさうざうしくやと思ふこそ心苦しけれ」など語らひきこえたまふ。〔二一〕源
33. うち‐ねぶ・る【打眠】
日本国語大辞典
のみして』などもどかる」*源氏物語〔1001~14頃〕帚木「君のうちねぶりて、ことばまぜ給はぬをさうざうしく」*大鏡〔12C前〕六・道長下「うちねぶらせ給て、な
34. 空蝉(源氏物語) 117ページ
日本古典文学全集
し明かしつつ、例のやうにものたまひまつはさず、夜深う出でたまへば、この子は、いといとほしくさうざうしと思ふ。女も並々ならずかたはらいたしと思ふに、御消息も絶えて
35. 梅枝(源氏物語) 423ページ
日本古典文学全集
臣の悩み 源氏の訓戒 内大臣は、この御いそぎを、人の上にて聞きたまふも、いみじう心もとなくさうざうしと思す。姫君の御ありさま、盛りにととのひて、あたらしううつく
36. うらみ‐どころ【恨所】
日本国語大辞典
らなむ〈よみ人しらず〉」*源氏物語〔1001~14頃〕若菜下「みこあまりうらみところなきをさうざうしとおぼせど」*有明の別〔12C後〕一「なべてもの思はしげなる
37. 栄花物語 43ページ
日本古典文学全集
内より御使隙もなし。式部卿宮、このをりさへやとて、やがて出でさせたまひにしかば、上さまざまに、さうざうしくおぼつかなきことども多く思しめす。女宮たちは、「なほし
38. 栄花物語 75ページ
日本古典文学全集
この今の上もいみじう思ひかはしきこえさせたまひて、一品になしたてまつりたまへり。内裏のいとさうざうしきに、をかしくておはします。 〔七三〕 〔七四〕 伊尹の任
39. 栄花物語 100ページ
日本古典文学全集
「東三条殿の御幸ひのますぞ」「梅壺女御后にゐたまふべきぞ」など言ひののしる。かくて相撲もとまりて、世にものさうざうしう思ふべし。関白殿は中宮の御事どもをおこなひ
40. 栄花物語 115ページ
日本古典文学全集
あはれにうつくしう見たてまつらせたまふ」とある。資子内親王。資子内親王は、巻一〔七四〕に「内裏のいとさうざうしきに、をかしくておはします」とあるように、宮中で暮
41. 栄花物語 308ページ
日本古典文学全集
いとど修理し加へみがかせたまふ。かくて二月になりぬれば、一日ごろに出でさせたまふ。上いと飽かずさうざうしき御気色なれど、「あるやうあるべし」とぞ、世人申すめる。
42. 栄花物語 356ページ
日本古典文学全集
例の公事なればとまるべきにもあらねば、近衛司などこそ見どころもあれ、それも立たずなどして、いとさうざうしげなり。〔三〇〕娍子の病悩 かくて五六月ばかりになりぬる
43. 栄花物語 389ページ
日本古典文学全集
あはれに悲しう惜しみたてまつることかぎりなし。殿なども、「さすがにいたうおはしましつる院を。口惜しうさうざうしきわざかな」とぞ聞えさせたまひける。御葬送の夜、恐
44. 栄花物語 180ページ
日本古典文学全集
「今はおこたりにてはべり。大宮、中宮疾く内裏に入らせたまへ。さうざうしくおはしますらん」と、そそのかしきこえさせたまへど、大宮は、なほしばしと心のどかに思された
45. 栄花物語 432ページ
日本古典文学全集
なされたまふことかぎりなし。〔一一〕供養の四日目、管絃を催す 日ごろ過ぎもてゆくを、いかにさうざうしと思しめさる。四日には御遊びあるべし。ただなるよりはと思しめ
46. 栄花物語 57ページ
日本古典文学全集
げにげにと聞きつれ、あはれなる世の中の有様にこそあれ、ふりがたくいみじきものはありけれ。長谷のいとさうざうしくて、あはれにうちおこなひて過ぐしたまふらむも、いみ
47. 栄花物語 151ページ
日本古典文学全集
霜月の十余日にもなりぬ。五節のことどもとののしれど、殿ばら、宮ばら御服なれば、御覧などもなく、こよなくさうざうし。中宮大夫、五節出したまへば、中宮よりも童女の装
48. 栄花物語 191ページ
日本古典文学全集
りて関白殿にまゐりたまひけるに、「さうざうしきに、今日の有様すこし書きしるしてあらんなん、よかるべき」と、御気色ありければ、権大夫なん、その日の歌の序題書きしる
49. 大鏡 19ページ
日本古典文学全集
世次の抱負 かくて講師待つほどに、我も人もひさしくつれづれなるに、この翁どもの言ふやう、世次いで、さうざうしきに、いざたま 「私のそれは、かつておりました時の者
50. 大鏡 264ページ
日本古典文学全集
色のしるきを、をかしくもまたさすがにいとほしくも思されて、「ひさしく双六つかまつらで、いとさうざうしきに、今日あそばせ」とて、双六の枰を召して、おしのごはせたま