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  11. あさまし

あさまし

ジャパンナレッジで閲覧できる『あさまし』の全文全訳古語辞典のサンプルページ

小学館 全文全訳古語辞典
あさま・し
最重要語

〔形容詞シク活用〕 《動詞「あさむ」の形容詞化した形》

善悪にかかわらず思いがけない、の意。現代語の「あさましい」とは意が異なることに注意。

❶(善悪いずれの場合にも)意外である。思いがけない。

あさまし、犬などもかかる心あるものなりけり」〈枕草子・上にさぶらふ御猫は〉

驚いたことに、犬などもこんな(感心な)心があるものだったのだなあ。

あきれて、興ざめである。がっかりだ。

「物うちこぼしたる心地、いとあさまし〈枕草子・あさましきもの〉

何かをひっくり返してこぼした時の気持ちは、とてもがっかりだ。

情けない。嘆かわしい。

「人の家の焼くるは常の習ひなれども、あさましかりしことどもなり」〈平家・6・築島〉

人の家が焼けるのは世の常だけれども、嘆かわしいことだ。

❹もってのほかだ。とんでもない。ひどい。

「この庭のいたづらに広きこと、あさまし、あるべからぬことなり」〈徒然草・224〉

この庭が無駄に広いのは、とんでもないことで、そうあってはいけないことである。

❺貧乏である。みすぼらしい。みじめだ。

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検索ヒット数 3031
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検索コンテンツ
1. あさま・し
全文全訳古語辞典
「物うちこぼしたる心地、いとあさまし」〈枕草子・あさましきもの〉何かをひっくり返してこぼした時の気持ちは、とてもがっかりだ。❸情けない。嘆かわしい。 「人の家の
2. あさまし【浅】[方言]
日本方言大辞典
〔形容詞〕(1)人並みにできない。 島根県隠岐島「あさまし人間だ」725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)1963(2)情けない。《あさましー》 島根県「旅行
3. あさま〓し【浅】
日本国語大辞典
〔形シク〕〓あさましい(浅)
4. あさまし・い【浅】
日本国語大辞典
5~914〕雑体・一〇五〇「雲はれぬあさまの山のあさましや人の心を見てこそやまめ〈平中興〉」*枕草子〔10C終〕九七・あさましきもの「あさましきもの。刺櫛すりて
5. あさまし-が・る
全文全訳古語辞典
〔自動詞ラ行四段〕ら・り・る・る・れ・れ《「がる」は接尾語》「あさまし」と思う。びっくりする。驚きあきれる。 「人々あさましがりて、寄りて抱へ奉れり」〈竹取・燕
6. あさまし‐が・る【浅─】
日本国語大辞典
〔自ラ五(四)〕(形容詞「あさましい」の語幹に接尾語「がる」の付いたもの)驚きあきれた気持を外に表わす。あさましいと思っている様子をする。*竹取物語〔9C末~1
7. あさまし-げ
全文全訳古語辞典
〔形容動詞ナリ活用〕あきれた、驚いた、ひどいなどと感じられる様子。 「袖の上の玉のくだけたりけむよりもあさましげなり」〈源氏・葵〉(葵の上の死後は)袖の上の玉が
8. あさまし‐げ【浅─】
日本国語大辞典
袖の上の玉の砕けたりけむよりも、あさましげなり」*浜松中納言物語〔11C中〕三「見つつ入り給へば、聖おもひもよらず、あさましげに思ひおどろきたる様限りなし」(2
9. あさましごと【朝間仕事】[方言]
日本方言大辞典
集(生田弥範)1953 島根県「あさましごとに縄を綯った」725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)1963(2)容易な仕事。 島根県「そがーなこたーあさまし
10. あさまし‐さ【浅─】
日本国語大辞典
あさましさに、見てけりとだに知られんと思ひて、書きつく」*夜の寝覚〔1045~68頃〕一「曹司(ざうし)のうちへひきいれて、対の君の今宵のあさましさを言ひやり
11. アサマシジミ画像
日本大百科全書
昆虫綱鱗翅りんし目シジミチョウ科に属するチョウ。北海道、本州の中部地方および関東地方西部の山地に分布し、地域により成虫の大きさや色彩にやや著しい差異がある。近年
12. あさま-しょうこ【浅間昇子】
日本人名大辞典
1910−1973 大正-昭和時代の女優。明治43年1月18日生まれ。滝沢静子の妹。大正5年帝劇で初舞台。14年東亜キネマにはいり,松竹下加茂,マキノプロ,日活
13. あさましー[方言]
日本方言大辞典
あさまし【浅】〔形容詞〕
14. あさましい【浅】[標準語索引]
日本方言大辞典
いげつない / えげつない愚かであさましい:浅おーかましー愚かであさましい:浅ことあじゃら / おごさ / ぐだま / せーふ
15. 浅間信仰(あさましんこう)
日本大百科全書
→浅間信仰
16. 畜生(ちくしょう)の浅(あさ)ましさ
故事俗信ことわざ大辞典
畜類の、無思慮でおろかなさま。また、畜生同然で、心がいやしくさもしいさま。〔譬喩尽(1786)二〕〔諺語大辞典(1910)〕
17. 凡人(ぼんじん)の浅(あさ)ましさ
故事俗信ことわざ大辞典
「凡夫の浅ましさ」に同じ。〔諺語大辞典(1910)〕
18. 凡夫(ぼんぷ)の浅(あさ)ましさ
故事俗信ことわざ大辞典
自らの欲望に束縛されて迷っている人間の愚かなさま。凡人の浅ましさ。 俚言集覧(1818頃)「凡夫のあさましさ」〔諺語大辞典(1910)〕
19. 大宮淺間社(おおみやあさましゃ)
古事類苑
神祇部 洋巻 第4巻 372ページ
20. 小朝熊社辨正記(著作ID:2517784)
新日本古典籍データベース
あさましゃべんしょうき 竜煕近(りゅうひろちか) 神祇 
21. 小朝熊神鏡沙汰文(著作ID:2517795)
新日本古典籍データベース
あさましんきょうさたぶみ 建久十年沙汰文 建久十年小朝熊神鏡沙汰文 建久十年神鏡沙汰文 建久沙汰文 小朝熊神社神鏡沙汰文 小朝熊社神鏡沙汰文 神祇 
22. しゃーさまし[方言]
日本方言大辞典
→しりさまし【尻冷】
23. あいせい‐さいみん【愛世済民】
日本国語大辞典
〔名〕世を愛し、民の苦しみを救うこと。*うもれ木〔1892〕〈樋口一葉〉五「吉野紙の人情あさまししと、孤身奮ひ起す愛世済民(アイセイサイミン)の法、我れ微力不肖
24. あいのやま‐ぶし[あひのやま‥]【間山節】
日本国語大辞典
間の山念仏。夕霧間の山。伊勢節。*浮世草子・好色一代女〔1686〕六・二「所がらとて間の山節(ブシ)あさましや往来(ゆきき)の人に名をながすと、いづれがうたふも
25. あ・う[あふ]【敢】
日本国語大辞典
取(ひとり)を取りよせて、殿のうしろに寄りて、さといかけ給ふほど、人のやや見あふる程もなう、あさましきにあきれて物し給ふ」アフ(合)の義で、能力のあること。力で
26. 葵(源氏物語) 29ページ
日本古典文学全集
あふひゆゑ神のゆるしの今日を待ちける注連の内には」とある手を思し出づれば、かの典侍なりけり。あさましう、古りがたくもいまめくかな、と憎さに、はしたなう、  射の
27. 葵(源氏物語) 40ページ
日本古典文学全集
、けはひ、その人にもあらず変りたまへり。いとあやしと思しめぐらすに、ただかの御息所なりけり。あさましう、人のとかく言ふを、よからぬ者どもの言ひ出づることと、聞き
28. 葵(源氏物語) 42ページ
日本古典文学全集
らねば心ひとつに思し嘆くに、いとど御心変りもまさりゆく。大将殿は、心地すこしのどめたまひて、あさましかりしほどの問はず語りも心憂く思し出でられつつ、いとほど経に
29. 葵(源氏物語) 46ページ
日本古典文学全集
夜半ばかりなれば、山の座主、何くれの僧都たちもえ請じあへたまはず。今はさりともと思ひたゆみたりつるに、あさましければ、殿の内の人物にぞ当たる。所どころの御とぶら
30. 葵(源氏物語) 50ページ
日本古典文学全集
に、袖の上の玉の砕けたりけむよりもあさましげなり。大将の君は、二条院にだに、あからさまにも渡りたまはず、あはれに心深う思ひ嘆きて、行ひをまめにしたまひつつ明かし
31. 葵(源氏物語) 71ページ
日本古典文学全集
ても思しよらざりしかば、などてかう心憂かりける御心をうらなく頼もしきものに思ひきこえけむ、とあさましう思さる。昼つ方渡りたまひて、源氏「なやましげにしたまふらむ
32. 葵(源氏物語) 76ページ
日本古典文学全集
いとありがたけれど、女君はこよなう疎みきこえたまひて、年ごろよろづに頼みきこえて、まつはしきこえけるこそあさましき心なりけれ、と悔し  むように(源氏と正式に結
33. あおぎ‐た・つ[あふぎ‥]【仰立】
日本国語大辞典
茫然(ぼうぜん)として立つ。*今昔物語集〔1120頃か〕三〇・五「男思ひも不懸(かけね)ば、奇異(あさまし)くて仰ぎ立てるを」
34. あお‐び・れる[あを‥]【青─】
日本国語大辞典
心苦しけれ。いと物狂ほしき御有様かな」*宇治拾遺物語〔1221頃〕一三・一〇「のぞきて見れば、色あさましう青びれたる者どもの、やせ損じたる、あまた臥せり」*鳥影
35. あおみ‐や・す[あをみ‥]【青痩】
日本国語大辞典
けもなくあおみやせて、ゆるぎ出で来て」*源氏物語〔1001~14頃〕柏木「いといたうあおみやせて、あさましうはかなげにて打ちふし給へる御さま」*苔の衣〔1271
36. 明石(源氏物語) 224ページ
日本古典文学全集
ましうあはれに思さるるも、我ながらかたじけなく屈しにける心のほど思ひ知らる。御文に、紫の上「あさましく小止みなきころのけしきに、いとど空さへ閉づる心地して、なが
37. 明石(源氏物語) 235ページ
日本古典文学全集
許されて帰って、蘇生した話が種々伝わっている。危うく命拾いをしたことをさす。紫の上をさす。「あさましく小止みなきころのけしきに…」の手紙(二二四ページ)に対する
38. 明石(源氏物語) 270ページ
日本古典文学全集
や年ふる浦をわかれぬる秋とて、おし拭ひたまへるに、いとどものおぼえず、しほたれまさる。起居もあさましうよろぼふ。正身の心地たとふべき方なくて、かうしも人に見えじ
39. 明石(源氏物語) 273ページ
日本古典文学全集
ふぞ、をかしうらうたく思ひきこえたまふ。かつ見るにだに飽かぬ御さまを、いかで隔てつる年月ぞとあさましきまで思ほすに、とり返し世の中もいと恨めしうなん。ほどもなく
40. あかつき‐がた【暁方】
日本国語大辞典
14〕夏・一六六・詞書「月のおもしろかりける夜あか月がたによめる」*枕草子〔10C終〕九七・あさましきもの「夜一夜起きあかし待ちて、暁がたにうち忘れて寝入りにけ
41. あきた‐さ【飽─】
日本国語大辞典
*夜の寝覚〔1045~68頃〕二「いとあまりにかく言ひなしつるあきたさを思ふにも、あととどむべくもあらずあさましくなりて」
42. あきれ‐まど・う[‥まどふ]【呆惑】
日本国語大辞典
、殿に走り来て」*源氏物語〔1001~14頃〕総角「あさましげにあきれまどひ給へるを」*読本・雨月物語〔1776〕蛇性の婬「聞くにあさましう、身の毛もたちて恐し
43. あく‐いん【悪因】
日本国語大辞典
只今土足にかけん事いか成悪業(あくごう)、悪因(あくイン)と」*読本・雨月物語〔1776〕青頭巾「あさましとも哀しとも、ためしさへ希なる悪因(アクイン)なり」*
44. あく‐しん【悪心】
日本国語大辞典
善心(1)。*大鏡〔12C前〕三・為光「悪心おこしてうせ給ひにしありさまは、いとあさましかりしことぞかし」*太平記〔14C後〕三六・清氏叛逆事「上にはさりげなき
45. あく‐しん【悪心】
仏教語大辞典
人をのろう心。悪念。 ⇔善心 2 大鏡 三・為光 「悪心おこしてうせ給ひにしありさまは、いとあさましかりしことぞかし」 2 仏道に進むのをさまたげる心。 ⇔善心
46. 総角(源氏物語) 235ページ
日本古典文学全集
かく心細くあさましき御住み処に、すいたらむ人は障りどころあるまじげなるを、我ならで尋ね来る人もあらましかば、さてややみなまし、いかに口惜しきわざならましと、来し
47. 総角(源氏物語) 238ページ
日本古典文学全集
かばかりあながちなる心のほども、あはれと思し知らぬこそかひなけれ」とて、出でたまはむの気色もなし。あさましく、かたはならむとて、大君「今より後は、さればこそ、も
48. 総角(源氏物語) 247ページ
日本古典文学全集
女房「例の色の御衣ども、奉りかへよ」など、そそのかしきこえつつ、みなさる心すべかめる気色を、あさましく、げに何の障りどころかはあらむ、ほどもなくて、かかる御住ま
49. 総角(源氏物語) 253ページ
日本古典文学全集
、やうやう、あらざりけりと見る。いますこしうつくしくらうたげなるけしきはまさりてやとおぼゆ。あさましげにあきれまどひたまへるを、げに心も知らざりけると見ゆれば、
50. 総角(源氏物語) 255ページ
日本古典文学全集
心憂くもあるかな。今より後も心ゆるいすべくもあらぬ世にこそと思ひ乱れたまへり。弁はあなたに参りて、あさましかりける御心強さを聞きあらはして、いとあまり深く、人憎
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