1. 侘
新選漢和辞典Web版
①おごる。ほこる。 ②失意のさま。「侘人」 《国》 ①〈わびし・い(わび・し)〉 (ア)なげかわしい。 (イ)さびしくてつらい。「侘住(わびずまい)」「侘人(
2. わび・し【侘びし】
全文全訳古語辞典
興ざめである。 「『おはしまさざりけり』もしは、『御物忌みとて取り入れず』と言ひて持て帰りたる、いとわびしくすさまじ」〈枕草子・すさまじきもの〉(手紙の返事を待
3. わび
し【侘】
日本国語大辞典
〔形シク〕
わびしい(侘)
4. わびし・い【侘】
日本国語大辞典
といひてもて帰りたる、いとわびしくすさまじ」(2)当惑の気持である。困ったことである。*源氏物語〔1001~14頃〕紅葉賀「女は、なほいとえんにうらみかくるをわ
5. わびしがり‐や【侘屋】
日本国語大辞典
〔名〕他の人とくらべて、わびしがることの多い人。何かにつけてわびしがる人。*第2ブラリひょうたん〔1950〕〈高田保〉名月「昔の日本人はわびしがりやだったが、今
6. わびし‐が・る【侘─】
日本国語大辞典
〔他ラ四〕(形容詞「わびしい」の語幹に接尾語「がる」の付いたもの)わびしいと思う気持を外に表わす。つらがる。また、悲しがる。*梁塵秘抄口伝集〔12C後〕一〇「夜
7. わびし‐げ【侘─】
日本国語大辞典
〔形動〕(形容詞「わびしい」の語幹に接尾語「げ」の付いたもの)(1)いかにも貧しそうなさま。みすぼらしいさま。*枕草子〔10C終〕一二二・わびしげに見ゆるもの「
8. わびし-げ【侘びしげ】
全文全訳古語辞典
〔形容動詞ナリ活用〕《「げ」は接尾語》気落ちした様子。心細げ。みすぼらしげ。 「蚊の細声にわびしげに名のりて、顔のほどに飛びありく」〈枕草子・にくきもの〉蚊がか
9. わびし‐さ【侘─】
日本国語大辞典
〔名〕(形容詞「わびしい」の語幹に接尾語「さ」の付いたもの)わびしいこと。せつないこと。また、その度合。*竹取物語〔9C末~10C初〕「わが袂けふ乾ければわびし
10. わびし‐み【侘─】
日本国語大辞典
(形容詞「わびしい」の語幹に、「み」の付いたもの。→み)気落ちしてしまうので。がっかりするので。*万葉集〔8C後〕四・六四一「絶ゆと言はば和備染(ワビしみ)せむ
11. わびし‐・む【侘】
日本国語大辞典
〔他マ下二〕(1)わびしく思わせる。さびしがらせる。*山家集〔12C後〕上「寝覚する人の心をわびしめて時雨るるおとは悲しかりけり」(2)困らせる。*発心集〔12
12. わびし・む【侘びしむ】
全文全訳古語辞典
〔他動詞マ行下二段〕め・め・む・むる・むれ・めよ ❶わびしい思いをさせる。せつながらせる。 ❷困らせる。
13. わびし‐ら【侘─】
日本国語大辞典
びシラニ)声のするたのみしかげに露やもりゆく」*古今和歌集〔905~914〕雑体・一〇六七「わびしらにましらななきそあしひきの山のかひあるけふにやはあらぬ〈凡河
14. わびし-ら-に【侘びしらに】
全文全訳古語辞典
〔副詞〕せつなそうに。わびしそうに。 「わびしらに猿な鳴きそあしひきの山のかひある今日にやはあらぬ」〈古今・雑体・1067〉猿よ、悲しそうに鳴いてくれるな。今日
15. わび‐し・る【侘痴】
日本国語大辞典
〔自ラ下二〕困り果てて、頭がぼける。*方丈記〔1212〕「かくわびしれたるものどもの、歩くかと見れば、すなはち倒れ伏しぬ」
16. わび-し・る【侘び痴る】
全文全訳古語辞典
〔自動詞ラ行下二段〕れ・れ・る・るる・るれ・れよ困りはてて愚か者のようになる。困窮のあまりぼける。 「かくわびしれたる者どもの、歩くかと見れば、すなはち倒れ伏し
17. わび‐しろ【詫代】
日本国語大辞典
〔名〕謝罪のために差し出す金品。*続鳩翁道話〔1836〕一・下「冥加のため村方へ詫代(ワビシロ)としてさし出し」
18. あした 佗(わび)し
日本国語大辞典
*拾遺和歌集〔1005~07頃か〕恋二・七二四「ももはがき羽(はね)かく鴫(しぎ)もわがごとく朝わびしき数はまさらじ〈紀貫之〉」*類従本一宮紀伊集〔1113頃〕
19. あわび‐しお[あはびしほ]【鮑醤】
日本国語大辞典
頃〕六「あふびしほとは蚫をひしほ煮にするをいふ 但そぼろ切してゑりかつほはねかつほ盛也 又あわびしほともいふなり」
20. あわび‐しらたま[あはび‥]【鮑白珠】
日本国語大辞典
〔名〕「あわびたま(鮑珠)」に同じ。*日本書紀〔720〕武烈即位前・歌謡「琴頭(ことがみ)に 来居る影媛 玉ならば 吾(あ)が欲(ほ)る玉の 婀波寐之羅
21. いつつ‐まつかわびし[‥まつかはびし]【五松皮菱】
日本国語大辞典
〔名〕紋所の名。松皮菱を五つ組み合わせた図柄のもの。
[ワ]
22. かわびし【川―】[方言]
日本方言大辞典
こん》 鹿児島県鹿児島郡968鹿児島県鹿児島郡谷山町方言集(山下光秋)=方言誌61933《かわびしょ》 鹿児島県963鹿児島方言辞典(嶋戸貞良)1935(2)魚
23. かわ‐びし【川─】
日本国語大辞典
68 肝属郡970 《かわびっしこん》鹿児島県鹿児島郡968 《かわびしょ》鹿児島県963 (2)魚、きす(鱚)。《かわびし》山形県西置賜郡139
24. カワビシャ
日本大百科全書
硬骨魚綱スズキ目カワビシャ科に属する海水魚。太平洋岸では青森県陸奥むつ湾、千葉県房総ぼうそう半島から九州南岸、日本海岸では新潟県から九州北西岸、東シナ海、朝鮮半
25. くちなわびしゃく【蛇柄杓】[方言]
日本方言大辞典
植物(1)てんなんしょう(天南星)。 長崎県南高来郡964鹿児島民俗植物記(内藤喬)1964《くちなわじゃくし【蛇杓子】》 島根県仁多郡964鹿児島民俗植物記(
26. くつわ‐びし【轡菱】
日本国語大辞典
〔名〕紋所の名。くつわを菱形に図案化したもの。→くつわ(4)。
[ワ]
27. まち‐わびし・い【待侘】
日本国語大辞典
お待侘(マチワ)びしういらせられ」*別れ霜〔1892〕〈樋口一葉〉一二「枯木に似たる儀右衛門夫婦待(マ)ちわびしきは春ならで芳之助の帰宅の遅さよ」
28. まちわびし‐さ【待侘─】
日本国語大辞典
〔名〕(形容詞「まちわびしい」の語幹に接尾語「さ」の付いたもの)待ちわびしいこと。また、その度合。*歌舞伎・阿国御前化粧鏡〔1809〕大詰「あまりの事に待詫(マ
29. 松皮菱
日本大百科全書
大きい菱の上下に、小型の菱をいくぶん重ねるように取り付けた文様。三階菱さんがいびしの一種で、真ん中の菱が大きいところから中太菱なかぶとびしともいう。松皮という名
30. まつかわ‐びし[まつかは‥]【松皮菱】画像
日本国語大辞典
〔名〕(松の樹皮の割れに似たところから)(1)模様の名。大小の菱形を連続したもの。松皮。*随筆・むかしむかし物語〔1732頃〕「六七十年以前は、女中地梨といふ小
31. もの-わび・し【物侘びし】
全文全訳古語辞典
〔形容詞シク活用〕《「もの」は接頭語》なんとなく悲しい。なんとなくつらい。 「みな人ものわびしくて、京に思ふ人なきにしもあらず」〈伊勢・9〉一行のすべての人はな
32. もの‐わびし・い【物侘】
日本国語大辞典
の」は接頭語)何となくわびしい。うらさびしい。*伊勢物語〔10C前〕九「みな人物わびしくて、京に思ふ人なきにしもあらず」*源氏物語〔1001~14頃〕明石「いと
33. ものわびし‐げ【物侘─】
日本国語大辞典
〔形動〕(形容詞「ものわびしい」の語幹に接尾語「げ」の付いたもの)何となくわびしそうなさま。また、何となくみすぼらしいさま。*宇治拾遺物語〔1221頃〕一二・二
34. ものわびし‐ら【物侘─】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)(「ら」は接尾語)ものわびしいこと。また、そのさま。*古今和歌集〔905~914〕物名・四五一「いのちとてつゆをたのむにかたければ物わびしらになく
35. かわびしゃ【川比車】[標準語索引]
日本方言大辞典
てんぐだい / とももり
36. 相川画像
日本大百科全書
佐渡金山史跡とともに、佐渡観光の中心をなす。両津港からバスで約1時間。 相川はもと日本海に面するわびしい小漁村であったが、1601年(慶長6)佐渡金山が開かれ、
37. あう はかり無(な)し
日本国語大辞典
撰和歌集〔951~953頃〕恋六・一〇一八「あふはかりなくてのみふるわが恋を人めにかくる事のわびしさ〈よみ人しらず〉」*後拾遺和歌集〔1086〕雑四・一〇八五「
38. 葵(源氏物語) 66ページ
日本古典文学全集
ただ日ごろに添へて恋しさのたへがたきと、この大将の君の、今はとよそになりたまはむなん、飽かずいみじく思ひたまへらるる。一日二日も見えたまはず、離れ離れにおはせし
39. あおやまとうげ【青山峠】三重県:名賀郡/青山町/伊勢地村
日本歴史地名大系
した本居宣長は「菅笠日記」に「かいとをはなれて、阿保の山路にかかるほど、又雨ふりいでて、いとわびし。(中略)ゆきゆきてたむけにいたる。こゝ迄は壱志郡、ここよりゆ
40. あか‐さ【赤─】
日本国語大辞典
*枕草子〔10C終〕二七八・関白殿、二月廿一日に「色の黒さあかささへ見えわかれぬべきほどなるが、いとわびしければ」*児を盗む話〔1914〕〈志賀直哉〉「其乱れた
41. 明石(源氏物語) 223ページ
日本古典文学全集
〔一〕風雨やまず、京より紫の上の使者来る なほ雨風やまず、雷鳴り静まらで日ごろになりぬ。いとどものわびしきこと数知らず、来し方行く先悲しき御ありさまに心強うしも
42. 明石(源氏物語) 238ページ
日本古典文学全集
源氏との縁談がなかった今までにくらべて。源氏が身近にいるだけに、よけいに身分の隔絶を思い知らされ、わびしさを嚙みしめる。
43. 明石(源氏物語) 253ページ
日本古典文学全集
〔一二〕入道の娘や親たち思案にくれる 明石には、例の、秋は浜風の異なるに、独り寝もまめやかにものわびしうて、入道にもをりをり語らはせたまふ。源氏「とかく紛らはし
44. 明石(源氏物語) 254ページ
日本古典文学全集
して」という意味の語が含まれる。娘の琴の音。こんなよい季節に聞かなくては。明石に秋も深まり、源氏は独り寝のわびしさのつのるまま、音楽にかこつけて入道に娘への手引
45. あか ず
日本国語大辞典
東宮に「へだてたりつる御屏風もおしあけつれば、かいまみの人、隠れ蓑取られたる心地して、あかずわびしければ」*更級日記〔1059頃〕「人々あかず思ひてみな泣くを、
46. あか‐ひも【赤紐】
日本国語大辞典
の色にはあらぬを、領巾(ひれ)、裙帯(くたい)などして」*栄花物語〔1028~92頃〕著るはわびしと嘆く女房「大嘗会、例の月日の山引き、あやしの物まで青摺(あを
47. 秋
日本大百科全書
中秋の名月や九月ながつきの有明ありあけの月など秋の月の清澄艶麗えんれいな美しさ、恋の情緒にまつわる秋の夜長のわびしさなど、「もののあはれ」に代表される日本的な美
48. あき の 空(そら)
日本国語大辞典
。秋晴れの空。《季・秋》*後撰和歌集〔951~953頃〕秋下・四二三「おほかたの秋のそらだにわびしきに物思ひそふる君にもある哉〈右近〉」*平家物語〔13C前〕一
49. 総角(源氏物語) 235ページ
日本古典文学全集
らるるに、さまざま慰む方なく」と恨みて、何心もなくやつれたまへる墨染の灯影を、いとはしたなくわびしと思ひまどひたまへり。薫「いとかくしも思さるるやうこそはと恥づ
50. 総角(源氏物語) 312ページ
日本古典文学全集
の夢に見えたまへる、いともの思したる気色にて、このわたりにこそほのめきたまひつれ」と語りたまへば、いとどしく悲しさそひて、大君「亡せたまひて後、いかで夢にも見た