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  11. さす

さす

ジャパンナレッジで閲覧できる『さす』の全文全訳古語辞典・日本国語大辞典のサンプルページ

小学館 全文全訳古語辞典
さ・す
最重要語

{さ・し・す・す・せ・せ}

〔自動詞サ行四段〕

【指す・差す】

自然の力が、ある方向に作用する。

❶(日光などが)直射する。

「わたつみの豊旗雲(とよはたぐも)に入り日さし今夜(こよひ)の月夜(つくよ)さやけかりこそ」〈万葉・1・15〉

海上の(旗のように)美しくなびく雲に夕陽がさしている。今夜の月もさやかに照ってほしい。

❷(潮が)満ちてくる。

❸(雲などが)わき上がる。

❹(草木の枝などが)伸びる。

「瑞枝(みづえ)さし(しじ)に生(お)ひたる栂(とが)の木のいや継ぎ継ぎに万代(よろづよ)にかくし知らさむ」〈万葉・6・907長歌〉

みずみずしい枝が伸びて、ぎっしり茂っているトガの木(=松科ノ高木、ツガ)のように、次から次へと万代まで永久にこのようにしてお治めになるであろう。

【障す】

《近世の用法》さしさわりがある。支障がある。また、(連歌・俳諧(はいかい)で)「さしあひ」(=前句ニアルノト同音・同語ナドヲ避ケルコト)が出る。

〔他動詞サ行四段〕

力や意志を、ある方向に働かせる。

❶(指や物で)それと指し示す。指さす。

「『かしこにあり』と倉の方(かた)に指をさしぬ」〈今昔・16・17〉

(狐(きつね)に化かされた男は)「あそこに(私の子が)いる」と言って倉の方を指さした。

❷(目的とする方向を)目ざす。

名歌鑑賞

格助
格助
しほ
み く 
満ち来れ
カ変・已
接助
かた
格助
形ク・語幹
接尾
あしべ
葦辺
格助
さし
サ四・用
接助
たづ
鳴き渡る
ラ四・終

山部赤人 万葉・6・919〉


和歌の浦(=和歌山市ノ海岸)に潮が満ちて来ると、干潟がなくなるので、葦の生えているあたりを目ざして、鶴(つる)が鳴きながら飛んで行くよ。

❸(人をして、ある方向へ)向かわせる。派遣する。

「使ひをさして、多くの財物(ざいもつ)を持たしめて」〈今昔・16・19〉

使者を派遣して、多くの宝物を持たせて。

❹(それと)指定する。指摘する。また、(その人と)指名する。任命する。密告する。評判する。

❺(旗などを)掲げる。(傘などを)かざす。

❻(杯などを)人に向かって差し出す。

❼(物差しを)当てて計る。転じて、(箱などを)作る。

【刺す・挿す】

細いものや先のとがったものを、突きこむ。突き入れる。

❶(針・刀などで)突き刺す。(ハチなどが、針で)刺す。

❷(針を入れて)縫う。(糸・紐(ひも)などで)通してつづる。

❸(舟を進めるために、棹(さお)を水底に)突き立てる。

「夏の夜は道たづたづし船に乗り川の瀬ごとに棹さしのぼれ」〈万葉・18・4062〉

夏の夜は(暗くて)道がおぼつかない。(だから、船に綱をつけて引っぱったりしないで)船に乗って川の浅瀬ごとに棹をさしてのぼれよ。

❹(花・矢など、細いものを)容器に立てて入れる。

❺(刀などを)帯の間に入れて腰につける。

❻(花や櫛(くし)などを)頭髪に挟み入れる。

「平群(へぐり)の山の熊樫(くまかし)が葉を髻華(うず)させその子」〈古事記・中・景行〉

平群の山の大きな樫の木の葉を髪飾りとして挿しなさい、お前達よ。

【鎖す】

棒などを隙間(すきま)にさしこんで、動かないようにする。

❶桟(さん)をさしこんだりして、(戸などが)開かないようにする。

「かうてなむ、かたう鎖したる」〈蜻蛉・下・天禄三年〉

このようなわけ(=物忌(イ)ミ)で、(戸が開かないように)厳重に桟をさしてあります。

❷(戸などを)ぴったりと閉ざす。

【注す・点す】

❶(容器などに)液体を注ぎこむ。また、(顔などに)何かを塗る。色合いをつける。

❷(火)をともす。

「まづ紙燭(しそく)さして来(こ)〈竹取・燕の子安貝〉

まず紙燭(=手ニ持ツ灯火)をつけて持って来い。


要点

  • 「さす」は、いろいろな意味に分化しており、ここに挙げた以外に種々の用法があるから注意を要する。


日本国語大辞典
さ・す

解説・用例

〔接尾〕

(四段型活用)

(1)他動詞の連用形に付いて、その動作を中途でやめる意を表わす。…しかける。…し残す。

*伊勢物語〔10C前〕一〇四「斎宮の物見たまひける車に、かく聞えたりければ、見さしてかへり給ひにけりとなん」

*枕草子〔10C終〕三五・小白河といふ所は「しさしたる事の今日過ぐすまじきをうち置きて、ただすこし聞きて帰りなんとしつるに」

*打聞集〔1134頃〕公野聖事「汝前生に此経を書奉りしに書さして死也」

*和英語林集成(初版)〔1867〕「シゴトヲ shisash’te (シサシテ) アソビニ ユク」

(2)自動詞の連用形に付いて、その動作が中途でやんだままの状態であることを表わす。…し残る。…しかかる。

*源氏物語〔1001~14頃〕宿木「さてもいつばかり思い立つべきにか〈略〉と、心とりに聞え給へば、しばし入りさして」

*伊勢集〔11C後〕「いとまだき過ぎぬる秋のかたみには枝にもみぢぞ散りさしにける」

語源説

(1)エマサス、またはサラスツ(更棄)の反〔名語記〕。

(2)サシオク(措)意か〔大言海〕。

辞書

ヘボン・言海

正式名称と詳細

表記

ヘボン言海


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検索ヒット数 41105
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検索コンテンツ
1. さす
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3. さ・す
日本国語大辞典
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4. さ・す
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〔接尾〕(四段型活用)(1)他動詞の連用形に付いて、その動作を中途でやめる意を表わす。…しかける。…し残す。*伊勢物語〔10C前〕一〇四「斎宮の物見たまひける車
5. 差
新選漢和辞典Web版
=瘥(さ) 【五】 ①特異な。かわった。「差人」「差事」 ②劣る。 《国》 ①〈さ・す〉 (ア)ゆびさす。 (イ)伸び出る。表に出てくる。 (ウ)入れる。「水を
6. さ・す
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【二】 〔他動詞サ行四段〕 〔一〕力や意志を、ある方向に働かせる。 ❶(指や物で)それと指し示す。指さす。 「『かしこにあり』と倉の方に指をさしぬ」〈今昔・16
7. さす
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動詞の未然形に付く。 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 させ させ さす さすさすれ させよ 【使役】 ❶《他の者に動作をさせる意(使役
8. さす[方言]
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9. さす【扠首】[方言]
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10. さす[方言]
日本方言大辞典
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12. さす[方言]
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13. さす【刺】
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14. さ・す【刺・螫・挿・注・点・鎖】
日本国語大辞典
】伊京【指】ヘボンさす【刺・螫・挿・注・点・鎖・扠・箚・鍼】【刺】(シ)鋭いものでさす。つきさす。「刺殺」「刺繍」「刺傷」「刺青」《古さす・きる・うがつ》【螫】
15. さ‐す【叉手】
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16. さす【叉首】
国史大辞典
叉首によるものとあり、前者は神社建築・板葺民家に多く、後者は寺院建築と草葺民家に多い。豕叉首(いのこさす)はこの両者を組み合わしたもの。民家の叉首には平(ひら)
17. さ・す【差・指・射】
日本国語大辞典
(5)作る。《さす》山形県最上郡・東田川郡139 愛知県知多郡570 (6)訴え出る。《さす》岩手県気仙郡102 (7)木の小枝が出る。《さす》青森県津軽075
18. さす【差す・指す】[頭見出し]
故事俗信ことわざ大辞典
差(さ)いつ押(お)さえつ・差(さ)いつ差(さ)されつ・差(さ)しつ押(お)さえつ・差(さ)しつ差(さ)されつ・差(さ)しても三年(さんねん)差(さ)さでも三年
19. さ‐す【扠首】
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20. 杈首(さす)【併入】
古事類苑
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21. さ・す【止す】
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22. 砂州画像
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23. 砂州
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25. 螫(さす)
古事類苑
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26. 扎
新選漢和辞典Web版
【一】 ①〈さ・す〉針などをさす。 ②駐在する。とどまる。 【二】 ①字などを書く小さな板。=札 ②書く。 ③ひき抜く。 ④たばねる。しばりつける。音(zā)
27. 攙
新選漢和辞典Web版
①〈さ・す〉つきさす。 ②するどい。 ③まぜる。 ④たすける。たすけおこす。 ⑤横からうばう。
28. 刺
新選漢和辞典Web版
常用漢字 【一】 ①〈さ・す〉突きさす。さし殺す。 ②〈ささ・る〉 ③根こそぎ取りのぞく。 ④とげ。はり。のぎ。 ⑤ほこさき。 ⑥〈そし・る〉なじる。そしり。
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新選漢和辞典Web版
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30. 斥
新選漢和辞典Web版
常用漢字 ①〈しりぞ・ける(―・く)〉おいはらう。とおのける。「排斥(はいせき)」 ②〈さ・す〉ゆびさす。 ③せめとがめる。 ④土地をきりひらく。 ⑤〈うかが・
31. 螫
新選漢和辞典Web版
①〈さ・す〉毒蛇や毒虫がさす。 ②危害を与える。
32. 挿(插・揷)
新選漢和辞典Web版
常用漢字 ①〈さ・す〉 (ア)さし入れる。 (イ)植える。 ②〈さしはさ・む〉さしこむ。はさみこむ。加わる。 ③農具。すき。  部首内画数:手 9揷 総画数:
33. 〓
新選漢和辞典Web版
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34. 揕
新選漢和辞典Web版
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35. 【叉手】さしゅ
新選漢和辞典Web版
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36. 【砂州(「洲」)】さしゅう(しう)*さす
新選漢和辞典Web版
川・湖・海辺の水面上にできた砂地。
37. 戡画像
字通
それで戈を〓ぐのが字の原義であろう。 さす、うつ。 かつ、ころす、とる、きる。〔名義抄〕戡 サス・カツ・ヲサム・タツ・キル 〔字鏡集〕戡
38. 〓画像
字通
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39. 戟[〓]画像
字通
る。或るもの戟を以て之れを鉤し、肘を斷ちて死せり。 戟叉 げきさ さすまた。 戟〓 げきさく ほこ。 戟
40. さす【刺】[標準語索引]
日本方言大辞典
ぬくんとげをさす:刺かっぱ 踏む木や竹などの切り株を足の裏にさす:刺かっぱ 踏む虫がさす:刺かぶる / かむ / ちぎるものを踏んで足にさす:刺ことふみきり /
41. さす【注】[標準語索引]
日本方言大辞典
人の話に水をさす:注さます沸いた湯に水をさす:注つら 打つ
42. さす【差】[標準語索引]
日本方言大辞典
と晴れて日がさす:差ひ の目がする傘を一緒にさす:差のせる傘をさす:差かぶる / くわっぱる / さく塩辛い汁に水をさす:差おる錠をさす:差おとす魔がさす:差ま
43. さす【挿】[標準語索引]
日本方言大辞典
はさぐ / はさげる
44. さす【砂州】[標準語索引]
日本方言大辞典
よりし
45. 〓画像
字通
きなり」とあり、鋭利なもので刺すことをいう。 さす。 するどい。〔名義抄〕〓 ヒク・
46. 刺画像
字通
はぬいとり。みな鋭いもので突く意がある。 さす、つく、つきさす。 そしる、せめる、いさめる。 のぎ、はり、ほさき、槍のいしづき。 なふだ、名刺。〔名義抄〕刺
47. 指画像
字通
は趣旨というときの旨にあたる字。 ゆび、手足のゆび。 ゆびさすさす、さししめす。 かぞえる、ゆびおる、さしずする、むかう。 旨・
48. 箴画像
字通
はり、しつけばり、ぬいばり。 いしばり、さす。 いましめる、いましめ。〔新〓字鏡〕箴 佐須波利(さすはり) 〔名義抄〕箴 イマシム・サス
49. 縉画像
字通
形声 声符は晉(晋)。〔説文〕十三上に「帛の赤色なるものなり」とあり、赤絹をいう。〓と通用して、さしはさむ意に用いる。 あかぎぬ。
50. 鍼画像
字通
療の意から、また鍼戒の意となる。針は鍼の俗字。 はり、ぬいばり、くすりばり、いしばり。 さす、はりさす、とおす。 いましめる、いましめ。〔和名抄〕鍼 波利(はり
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