1. あはれ
全文全訳古語辞典
感心だ。 「あはれなるもの、孝ある人の子」〈枕草子・あはれなるもの〉心にしみじみと感じられるものは、親の喪に服している子。〔三〕〔名詞〕 ❶しみじみとした情趣。
3. あはれの種(著作ID:87672)
新日本古典籍データベース
あわれのたね 花垣一衛(はながきかずえ) 和歌 天保一四刊
4. あはれ-が・る
全文全訳古語辞典
「この歌をこれかれあはれがれども、一人も返しせず」〈土佐・一月七日〉この歌に一同皆しみじみと感動するけれども、一人も返歌をしない。❷悲しがる。また、気の毒がる。
5. あはれ-げ
全文全訳古語辞典
〔形容動詞ナリ活用〕《「げ」は接尾語》「あはれ」と感じられる様子。見るからにしみじみ感じられる様子。 「ひたぶるに従ふ心はいとあはれげなる人と見給ふに」〈源氏・
6. あはれ・ぶ
全文全訳古語辞典
〔他動詞バ行四段〕ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ「あはれ」と思う。
7. あはれみ【憐み】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕《「あはれむ」の連用形の名詞化》いとしい、または、かわいそうだと思うこと。また、その感情。
8. あはれ・む
全文全訳古語辞典
〔他動詞マ行四段〕ま・み・む・む・め・め「あはれぶ」に同じ。 「梟の声をあはれむにつけても」〈方丈記・勝地は主なければ〉フクロウの鳴き声を趣深いと感じるにつけて
9. あはれんうらかいづか【阿波連浦貝塚】沖縄県:慶良間諸島/渡嘉敷村/阿波連村
日本歴史地名大系
[現]渡嘉敷村阿波連 渡嘉敷島南東側の海岸、標高約七メートルの砂丘地に立地。貝塚時代中期・後期の遺跡。背後に急斜面の尾根が迫り、陸路は考えがたい。現状では砂丘の
10. 矜
新選漢和辞典Web版
【一】 ①〈あわれ・む(あはれ・む)〉「矜憐(きょうれん)」「矜憫(きょうびん)」 ②〈ほこ・る〉自負する。「矜誇(きょうこ)」 ③〈つつし・む〉「矜勉(きょ
11. 恤(卹・䘏・賉)
新選漢和辞典Web版
①〈うれ・える(―・ふ)〉気にかける。 ②〈あわれ・む(あはれ・む)〉きのどくに思う。 ③〈めぐ・む〉 ④〈にぎわ・す(にぎは・す)〉困っている人に金品をめぐ
12. 愍
新選漢和辞典Web版
①〈あわれ・む(あはれ・む)〉かわいそうに思う。 ②うれえる。心配する。 ③わざわい。
13. 憫
新選漢和辞典Web版
①〈あわれ・む(あはれ・む)〉かわいそうに思う。 ②〈うれ・える(―・ふ)〉心配する。 【逆引熟語】不憫(ふびん)・憐憫(れんびん/れんみん)
14. 閔
新選漢和辞典Web版
【一】 ①〈あわれ・む(あはれ・む)〉いたむ。=憫・愍 ②とむらう。みまう。 ③〈うれ・える(―・ふ)〉心配する。病む。 ④憂い。悩み。病。 ⑤暗い。 ⑥勉め
15. 怜
新選漢和辞典Web版
人名用漢字 【一】〈さと・い(―・し)〉かしこい。「怜悧(れいり)」 【二】〈あわれ・む(あはれ・む)〉心にかける。気にかける。=憐(れん) 形声。忄が形を表
16. 憐(
)
新選漢和辞典Web版
人名用漢字 ①〈あわれ・む(あはれ・む)〉かわいそうに思う。 ②かわいがる。かわいらしく感じる。 ③けちけちする。 【逆引熟語】可憐(かれん)・哀憐(あいれん
17. 無げのあはれ
全文全訳古語辞典
かりそめの愛情。うわべだけの同情。
18. もの-の-あはれ【物のあはれ】
全文全訳古語辞典
感ずることなきを、もののあはれ知らずと言ひ、心なき人とは言ふなり」〈源氏物語玉の小櫛・なほおほむね〉必ず感動するはずのことに接しても、心が動か(され)ず、感動す
19. もののあはれ
日本大百科全書
かし」の明るい性質に対して「あはれ」は哀感を伴う点など異なるところがある。「もののあはれ」も、こういう当時の「あはれ」と内容はほぼ同様である。ただ「もののあはれ
20. もののあはれ
世界大百科事典
その《紫文要領》および《源氏物語玉の小櫛》によれば,〈もののあはれ〉とは人が自然や人事の諸相に触発されて発する感動である。〈もののあはれを知る〉とは,そのことを
21. 月花のあはれをことわる詞(著作ID:4399626)
新日本古典籍データベース
げっかのあわれをことわることば 月花のあはれをことわる辞 加藤千蔭(かとうちかげ) 清水浜臣(しみずはまおみ) 安田躬弦(やすだみつる) 等
22. もの-あはれ【物哀れ】
全文全訳古語辞典
感じる様子。なんとなく感慨深い。 「わざとならぬ匂ひ、しめやかにうちかをりて、忍びたるけはひ、いとものあはれなり」〈徒然草・32〉わざわざたいたのではない香のか
23. 〖同病相憐〗どうびょう(びゃう)あい(あひ)あわれむ(あはれむ)
新選漢和辞典Web版
①同じ病気で悩んでいる者が、互いにいたわりあうこと。 ②同じ苦しみや悩みをもっている人は、互いに同情しあう。〈呉越春秋・闔閭(こうりょ)内伝〉
24. あ【彼】
日本国語大辞典
木のもとをもとより見る人ぞなき」*源氏物語〔1001~14頃〕明石「あはとみるあはちのしまのあはれさへのこるくまなくすめるよの月」*新古今和歌集〔1205〕雑上
25. ああ[現古辞典]
全文全訳古語辞典
あ/あな/あはれ
26. 哀
新選漢和辞典Web版
い。 ②〈あわれ・む(あはれ・む)〉 (ア)ふびんに思う。いつくしむ。 (イ)かなしむ。いたむ。 ③かなしみ。 ④父母の喪中(もちゅう)。 ⑤姓。 《国》〈あわ
27. あいあい‐ぐし[あひあひ‥]【相合櫛】
日本国語大辞典
その櫛。*浄瑠璃・十二段〔1698頃〕道行「有しにかはる御手水、あひあひぐしの、水かがみ、見るもあはれにおいとしや」
28. あい‐えん[‥ヱン]【哀怨】
日本国語大辞典
形容することが多い。*百詠和歌〔1204〕一一・琵琶「馬の上にして琵琶をしらぶるに、哀怨の声みづからもあはれなり」*読本・英草紙〔1749〕二・三「絃(いと)を
29. あい‐おも・う[あひおもふ]【相思】
日本国語大辞典
とどめかね我が身は今ぞ消え果てぬめる」*源氏物語〔1001~14頃〕空蝉「人知りたることよりも、かやうなるはあはれも添ふ事となむ昔人もいひける。あひおもひ給へよ
30. あい‐かん[‥クヮン]【哀歓】
日本国語大辞典
哀楽。*読本・椿説弓張月〔1807~11〕残・五八回「弓とりの、やたけきこころ引かえて、物のあはれをしれば又、哀歓(アイクヮン)気色(けしき)に、あらはれたり」
31. あい‐けい【愛敬】
日本国語大辞典
」*春鑑抄〔1629〕仁「慈愛とは、慈悲にして愛敬(アイケイ)ありて、人をあはれむを云ぞ」*随筆・雲萍雑志〔1843〕四「親子に愍孝をたもち、兄弟愛敬をいだき、
32. あい‐こた・う[あひこたふ]【相答】
日本国語大辞典
〔自ハ下二〕(「あい」は接頭語)相手の呼びかけに答える。返事する。応対する。*多武峰少将物語〔10C中〕「声高くあはれといはば山彦のあひこたへずはあらじとぞ思ふ
33. あい‐しょう[‥シャウ]【哀傷】
日本国語大辞典
*五音曲条々〔1429~41頃〕「音曲に祝言、幽曲、恋慕、哀傷、闌曲の五音曲是あり。〈略〉哀傷とは是又あはれに感涙を催す心体なるべし。無常音の曲聞なるべき也」(
34. あいじょう【愛情】[現古辞典]
全文全訳古語辞典
あはれ/志(こころざし)/情(なさけ)/思(おも)ひ/慈(いつく)しみ/慈(いつく)しび
35. あい‐そ・う[あひそふ]【相添】
日本国語大辞典
帚木「あしくもよくもあひそひて、とあらむ折もかからんきざみをも見過ぐしたらん中こそ、契ふかくあはれならめ」*大鏡〔12C前〕一・序「いで、さも侍らず。それははや
36. あい‐ともに[あひ‥]【相共】
日本国語大辞典
‐貞観一二年〔870〕六月二二日「此状を聞こしめして、相共爾 助け矜(あはれ)み賜ひて」*太平記〔14C後〕一四・箱根竹下合戦事「郎等(らうどう)三騎相共に、敵
37. あい‐ぬすびと[あひ‥]【相盗人】
日本国語大辞典
〔名〕共謀した盗賊同士。ひそかに密事を示し合わせている仲間。*宇津保物語〔970~999頃〕内侍督「『あはれ、ならはぬ御心ちもおもほさるらん。それをなむ、ただい
38. あい‐べち【愛別】
日本国語大辞典
〔名〕「あいべつ(愛別)」に同じ。*とはずがたり〔14C前〕五「こぞの御あはればかりは、なげかれさせおはしまさざりしぞ、うたてきあいへちなるや」
39. あい‐まい[あひまひ]【相舞・合舞】
日本国語大辞典
立合(たちあい)。*車屋本謡曲・満仲〔1552頃〕「あはれ我子の幸寿があらば、美女御前とあひ舞せさせ」*虎明本狂言・引敷聟〔室町末~近世初〕「今度はあひ舞にいた
40. あい‐み・す[あひ‥]【相見】
日本国語大辞典
詳〉」*更級日記〔1059頃〕「こと、からうじて離れて、たひらかにあひ見せ給へと申すは、仏もあはれと聞き入れさせ給ひけむかし」*夜の寝覚〔1045~68頃〕五「
41. あうむ【鸚鵡】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕オウム。西域の霊鳥と伝えられていた。 「鳥は、異所の物なれど、鸚鵡いとあはれなり」〈枕草子・鳥は〉鳥(の中で)は、異国の鳥だけれど、オウムはとても興趣を
42. あえ‐しら・う[あへしらふ]
日本国語大辞典
たのまぬなめりなどもあへしらい」*紫式部日記〔1010頃か〕寛弘五年一一月「おなじ心なるは、あはれに書きかはし、すこしけどほきたよりどもを、たづねてもいひけるを
43. あお[アヲ]【襖】
日本国語大辞典
言は赤色の織物のあを、にびのさしぬき〈略〉頭の中将は青色のあを」*枕草子〔10C終〕一一九・あはれなるもの「三月、むらさきのいと濃き指貫(さしぬき)しろきあを、
44. あおい[あふひ]【葵】画像
日本国語大辞典
落とす。謡曲、浄瑠璃の題材とされる。*無名草子〔1198~1202頃〕源氏物語「あふひ、いとあはれに面白き巻なり」*雑俳・柳多留‐五三〔1811〕「葵から先づ書
45. 葵(源氏物語) 20ページ
日本古典文学全集
深うも怨じきこえたまはず。心苦しきさまの御心地になやみたまひてもの心細げに思いたり。めづらしくあはれと思ひきこえたまふ。誰も誰もうれしきものからゆゆしう思して、
46. 葵(源氏物語) 28ページ
日本古典文学全集
むげに後れたる筋のなきや、あまり情なからむ」とて、削ぎはてて、「千尋」と祝ひきこえたまふを、少納言、あはれにかたじけなしと見たてまつる。源氏はかりなき千尋の底の
47. 葵(源氏物語) 34ページ
日本古典文学全集
思しのどめたる御心ならば、いとうれしうなむ」など語らひきこえたまふ。常よりも心苦しげなる御気色をことわりにあはれに見たてまつりたまふ。うちとけぬ朝ぼらけに出でた
48. 葵(源氏物語) 39ページ
日本古典文学全集
御まみを、いとたゆげに見上げてうちまもりきこえたまふに、涙のこぼるるさまを見たまふは、いかがあはれの浅からむ。あまりいたう泣きたまへば、心苦しき親たちの御事を思
49. 葵(源氏物語) 44ページ
日本古典文学全集
めればこそ」とて、「御湯まゐれ」などさへあつかひきこえたまふを、何時ならひたまひけんと、人々あはれがりきこゆ。いとをかしげなる人の、いたう弱りそこなはれて、ある
50. 葵(源氏物語) 48ページ
日本古典文学全集
空のけしきもあはれ少なからぬに、大臣の闇にくれまどひたまへるさまを見たまふもことわりにいみじければ、空のみながめられたまひて、源氏のぼりぬる煙はそれと分かねども