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  11. なやむ

なやむ

ジャパンナレッジで閲覧できる『なやむ』の全文全訳古語辞典・日本国語大辞典のサンプルページ

小学館 全文全訳古語辞典

なや・む 【悩む】
最重要語

〔自動詞マ行四段〕 {ま・み・む・む・め・め}

[類義語]なやまし

現代語の「なやむ」は主として精神的な苦痛を表すが、古語では、病気で苦しむわずらうなど、肉体的な苦痛をも表す。

❶心を痛める。苦労する。難儀する。

「漕(こ)ぎのぼるに、川の水干て、悩み煩ふ」〈土佐・二月七日〉

(淀(よど)川を)漕ぎのぼるが、川の水が干上がっていて、難儀してのぼり悩む。

病気で苦しむ。わずらう。

「身にやむごとなく思ふ人の悩むを聞きて」〈枕草子・うれしきもの〉

自分にとって大切に思う人が病気で苦しんでいると聞いて。

❸非難する。とやかく言う。

「安からぬことに世の人悩み申して」〈栄花・花山たづぬる中納言〉

心外なことだと世間の人が非難し申して。



日本国語大辞典

なや・む 【悩】

解説・用例

【一】〔自マ五(四)〕

(「なえる(萎)」の派生語か)

(1)肉体的に苦しむ。難儀する。妊娠や出産で苦しむ。また、病気になる。

*日本書紀〔720〕推古元年四月(岩崎本訓)「乃ち廐(うまや)の戸に当りて、労(ナヤム)たまはずして忽に産(あ)れませり」

*万葉集〔8C後〕一五・三六九四「わたつみの かしこき道を 安けくも なく奈夜美(ナヤミ)きて〈六鯖〉」

*落窪物語〔10C後〕一「いかなるにか、よべよりなやませ給ひて、うちやすませ給へり」

*枕草子〔10C終〕二七六・うれしきもの「身にやむごとなく思ふ人のなやむを聞きて、いかにいかにと、おぼつかなきことをなげくに」

*源氏物語〔1001~14頃〕賢木「わらは病みに久しうなやみ給てまじなひなども心やすくせんとてなりけり」

(2)精神的に苦しむ。思いわずらう。当惑する。

*源氏物語〔1001~14頃〕明石「いぶせくも心にものをなやむかなやよやいかにと問ふ人も無み」

*将門記承徳三年点〔1099〕「耶悪の心は富貴の我が身に先だつことを嫐(ナヤム)」

*浮世草子・好色五人女〔1686〕五・三「数々の文に気をなやみ人しれぬ便につかはしけるに」

*彼岸過迄〔1912〕〈夏目漱石〉須永の話・二八「僕の様に平生は頭(ヘッド)と胸(ハート)の争ひに悩(ナヤ)んで愚図ついてゐるものにして始めて斯んな猛烈な兇行を」

*ソフィアの秋〔1968〕〈五木寛之〉一「画材の費用に悩む事もなくなった」

(3)思いわずらっていることを口に出して言う。とやかく言う。あれこれと非難する。

*狭衣物語〔1069~77頃か〕四「うち続き、春日の神もいかが思さんと世の人もなやめど」

*栄花物語〔1028~92頃〕花山たづぬる中納言「一の御子おはする女御を措きながら、かく御子もおはせぬ女御の后に居給ひぬる事、安からぬ事に世の人なやみ申て」

(4)動詞の連用形について、その動作が順調に行なわれない意を表わす。「行きなやむ」など。

*日本書紀〔720〕神代上(兼方本訓)「火の神軻遇突智を生まむとする時に、悶熱(あつかひ)、懊悩(ナヤム)」

(5)相場が変動しそうな情況でありながら、あまりあがりもさがりもしない状態になる。〔市場用語字彙{1925}〕

(6)市場で、入荷が多く、売行きが悪くて滞貨する。「売れなやむ」の意から。〔市場用語辞典{1935}〕

【二】〔他マ四〕

(1)あれこれ思案・工夫をめぐらして行なう。工面(くめん)する。

*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・一「身をなやみおはしけるを、母人見かね給ひ、ぬきまいらせんと、その毛貫を取て暫なやみ給へども、老眼のさだかならず、見付る事かたくて」

*歌舞伎・天衣紛上野初花(河内山)〔1881〕五幕「然らば身共が五両なやんで十五両にして進ぜるから、それで器用に帰るがよい」

(2)取り扱う。あしらう。

*浮世草子・男色大鑑〔1687〕一・四「秤なやむ町人(まちにん)の悴子(せがれ)」

*浄瑠璃・七小町〔1727〕四「勿体ないの罸が当るのと、粗末にもなやまれず」

*浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記〔1781〕五「まだ正味は銭かます。かさ高いは銑(づく)銭じゃな。手あらふなやむなつい破(われ)るぞ」

【三】〔他マ下二〕

〓なやめる(悩)

語誌

(1)【一】(1)のように肉体そのものを対象として用いた場合、「病む」は病気や怪我が原因であるのに対し、「悩む」は体の不調全般を意味し、特に、妊娠や出産による場合に用いられる。

(2)平安時代には【一】(2)のように精神的領域にも用いられるようになり、近世になると、【一】(2)の挙例「好色五人女」の「気をなやみ」のような句表現が現われ、近代以降、もっぱら精神的苦悩を表現するようになる。

方言

(1)(「あれこれ思案、工夫をめぐらして行なう」の意から)取り扱う。扱う。なやむ大阪府大阪市「そんな品はまだなやんだことがない」638泉北郡646徳島県811香川県829

(2)いじめる。からかう。苦しめる。なやむ千葉県夷隅郡040

(3)しかる。小言を言う。なやむ千葉県安房001夷隅郡「悪い事したらなやんでやれ」040288

(4)もてあそぶ。いじる。手でなでまわす。なやむ兵庫県佐用郡047加古郡664島根県724「羽織の紐をなやむな」725広島県佐伯郡771安芸郡783山口県阿武郡795香川県829愛媛県840「火をなやんでいかん(火をいじってはいけない)」846

(5)普請する。家を修繕する。なやむ島根県出雲725山口県防府市791大島「今度日和になったら屋根をちいとなやまんと雨が漏ってどうもならん」801

(6)田畑を整理し、繕う。なやむ島根県美濃郡・益田市「畠をきれいになやんだ」725愛媛県840

(7)野菜の収穫や米麦の取り入れなどの作業をする。なやむ香川県綾歌郡・仲多度郡「いねをなやむ」829

(8)料理する。仕上げる。こしらえる。なやむ和歌山県690東牟婁郡704

(9)魚を、干物や目刺しに加工する。なやむ千葉県長生郡286

(10)小魚、小海老(こえび)などを大量にゆでる。なやむ愛知県知多郡570

語源説

(1)ナエヤム(萎病)の義〔言元梯・名言通・国語の語根とその分類=大島正健・日本語源=賀茂百樹〕。

(2)ナユ(萎)の転〔大言海〕。

(3)ネヤム(性病)の義〔日本語原学=林甕臣〕。

(4)脳病むの義〔日本語源=賀茂百樹〕。

(5)ナヤム(直止)の義で、ナカコ(心)のヤム(病)の中略〔紫門和語類集〕。

(6)ナエアム(萎編)の約〔国語本義〕。

(7)ナヤミはナガヤミ(長病)の意からの転か〔日本古語大辞典=松岡静雄〕。

発音

〓[ヤ]〓平安〓〓〓鎌倉〓〓〓江戸〓〓〓〓[0]

辞書

字鏡・色葉・名義・和玉・文明・明応・天正・饅頭・黒本・日葡・書言・ヘボン・言海

正式名称と詳細

表記

色葉名義和玉文明明応天正饅頭黒本書言ヘボン言海

色葉名義和玉書言

色葉名義和玉

色葉名義文明

色葉和玉書言

色葉和玉

名義和玉

字鏡

〓名義

〓色葉

〓和玉

〓書言

同訓異字

なやむ【悩・屯・阻・懊・艱・蹇・〓・難】【悩】(ノウ)心が乱れなやむ。なやみ苦しむ。「悩殺」「悩乱」「苦悩」「懊悩」《古なやむ・なやます・うれふ》【屯】(チュン)邪魔もののために進めない。行きなやむ。「屯〓」「屯蒙」《古たむろ・あつまる・くしく》【阻】(ソ)山や道が険しい。転じて、はばむものがあってなやむ。好ましくないもののためになやみ苦しむ。「阻害」「阻止」「悪阻(オソ・つわり)」《古さがし・なづむ・なやむ・なやまし・ととむ・はばむ・へだつ・けはし》【懊】(オウ)なやみもだえる。もだえくるしむ。うらみなやむ。「懊恨」「懊悩」「鬱懊」《古なやむ・なやます・さまよふ・くゆる》【艱】(カン)物事が思うように行かず苦しみなやむ。「艱苦」「艱虞」「艱難」「辛艱」《古かたし・なやむ・なやまし・なづむ》【蹇】(ケン)足が自由に動かない。転じて、物事が思うように進まずなやむ。滞ってゆきなやむ。「蹇蹇」「蹇産」「蹇渋」《古あしなへ・つまづく・ととこほる》〓】(テン)行きなやむ。そのまま進めず行きつもどりつする。「〓回」「〓如」「屯〓」《古ととこほる》【難】(ナン)むずかしいことに出合いなやみ苦しむ。苦しみうれいなやむ。「難儀」「難行」「艱難」「苦難」《古かたし・なやむ・なづむ・くるしふ・うれふ・うむ》


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検索コンテンツ
1. 戹
新選漢和辞典Web版
①せまい。せばまった場所。 ②〈くるし・む〉〈なや・む〉災難にあう。 ③災難。わざわい。
2. 懊
新選漢和辞典Web版
【一】〈なや・む〉心の中でくるしみもだえる。 【二】むさぼる。
3. 艱(囏)
新選漢和辞典Web版
①〈かた・い(―・し)〉むずかしい。 ②〈なや・む〉苦しむ。 ③なやみ。苦しみ。「艱困(かんこん)」 ④けわしい。 ⑤父母の死にあう。「丁艱(ていかん)」  
4. 蹇
新選漢和辞典Web版
①足が不自由なこと。 ②〈なや・む〉 (ア)なやみ苦しむ。 (イ)物事がしにくい。 (ウ)うまく話せない。どもる。 ③抜きとる。 ④かたい。強い。 ⑤高く大き
5. 阻
新選漢和辞典Web版
常用漢字 ①〈けわし・い(けは・し)〉道が通りにくい。「険阻(けんそ)」=岨 ②〈へだた・る〉〈へだ・てる(―・つ)〉 ③〈はば・む〉さまたげる。さえぎる。=
6. 迍
新選漢和辞典Web版
〈なや・む〉悪路にくるしむ。
7. 邅
新選漢和辞典Web版
①〈なや・む〉ゆきなやむ。たちもとおる。「邅如(てんじょ)」 ②向きを変える。まわる。 ③めぐる。まわってゆく。 ④移る。
8. 屯
新選漢和辞典Web版
人または軍兵の多くあつまる所。集落。陣営。 ③おか。「陵屯(りょうとん)」 ④姓。 【二】 ①〈なや・む〉行きなやむ。 ②易(えき)の卦(か)の名。 《国》〈ト
9. なやむ【悩】[方言]
日本方言大辞典
米の仲買をしていた人だ)」829香川県方言辞典(近石泰秋)1976浮世草子男色大鑑一・四「秤なやむ町人まちにんの悴子せがれ」(2)もてあそぶ。いじる。手でなでま
10. なや・む【悩】
日本国語大辞典
する。《なやむ》香川県綾歌郡・仲多度郡「いねをなやむ」829 (8)料理する。仕上げる。こしらえる。《なやむ》和歌山県690 東牟婁郡704 (9)魚を、干物や
11. なや・む【悩む】
全文全訳古語辞典
〔自動詞マ行四段〕ま・み・む・む・め・め [類義語]なやまし 現代語の「なやむ」は主として精神的な苦痛を表すが、古語では、病気で苦しむ、わずらうなど、肉体的な苦
12. 難(難)
新選漢和辞典Web版
常用漢字 学習漢字 人名用漢字 【一】 ①〈かた・い(―・し)〉〈むずかし・い(むづか・し)〉⇔易(い) ②…しづらい。なかなか…しない。 ③〈かたん・ず〉む
13. 悩(惱)
新選漢和辞典Web版
という字で、女の頭を表し、くよくよと思いなやむ意味とした。後に女を忄にかえた。一説に、女の心の痛みであるともいう。【逆引熟語】苦悩(くのう)
14. 病
新選漢和辞典Web版
常用漢字 学習漢字 ①〈やまい(やまひ)〉 (ア)病気。「病人」 (イ)うれい。心配。 (ウ)くせ。欠点。 ②〈や・む〉〈なや・む〉 (ア)病気になる。 (イ
15. 萎(〓)画像
字通
まぐさの意とする。草木の枯れしぼむことをいう。 かれる、枯草、牛馬のまぐさとする。 痿と通じて、なやむ、なえる、すべて生色・生気を失うことをいう。〔名義抄〕萎 
16. 悁画像
字通
〔説文〕十下に「忿るなり」とあり、「一に曰く、憂ふるなり」とあって、憂えなやむことをいう。躁急のときには、ケンの声でよむ。 いかる。 うれえる、なやむ。 あせる
17. 懊
字通
おうたん なげく。 懊悵 おうちよう いたむ。 懊悩 おうのう なやむ。 懊儂 おうのう なやむ。 懊〓 おうのう 懊儂
18. 艱[〓]画像
字通
くも艱深を爲さざるを知らんことを。 艱阻 かんそ なやむ。 艱地 かんち 苦境。 艱屯 かんちゆん 行きなやむ。 艱貞 かんてい 艱難に耐えて節を守る。〔易、明
19. 艮[〓]画像
字通
神梯の象である。 もとる、邪眼によって遮られる、とまる、さからう。 かぎる、かたくとめる。 なやむ、くるしむ。 易の六十四卦の一。方位に配して、うしとら。時刻に
20. 疾画像
字通
矢創の意であるから、急疾・疾速の意がある。 やきず、やむ、やまい。 はやい、とし、すみやか、はげしい。 なやむ、にくむ、うらむ、いかる。〔名義抄〕疾 ヤマヒ・ヤ
21. 〓
字通
形声 声符は西。悽・淒に通じ、悽の俗体の字。 なやむ、わずらう。 〓〓
22. 阻画像
字通
水に沮、山に岨、聖所には阻という。 けわしい、あやうい。 はばむ、へだつ、さまたげる、とめる。 なやむ、うれえる、くるしむ。 たのむ、かためとする。〔名義抄〕阻
23. 〓画像
字通
たものであろう。 くずれる、おちる、くずれおちる。 ゆるやか、なだらか、ななめ。 つまずく、なやむ、やむ。 のこす、わすれる。〔名義抄〕〓
24. 〓画像
字通
のような難病、また癲狂などをいう。 やむ、なやむ、なやみなげく。 てんかん。 気がふれる、くるう。
25. 屯画像
字通
へりかざり、糸を集め束ねて、へりかざりとする。 みちる、かたまる、まもる、たむろする。 むすぼれる、なやむ、かたい、おおい。〔〓立〕屯 モハ
26. なやむ【悩】[標準語索引]
日本方言大辞典
苦になやむ:悩ことたちかんてぃーなやむ:悩さま事物が乱れて整理になやむ:悩さまばさくら / ばさらくさら / ばさらばさら持て余してなやむ:悩さま(のる(伸・反
27. 難(〓)画像
字通
あろう。それでなやむ意から、困難の意となった。金文の〔斉大宰盤〕に「靈命老い〓からんことを」のように用いる。 なやむ、なやます、わずらい
28. 悩(惱)[〓]画像
字通
を正字とするのであろうが、惱の字を用いることが多い。 なやむ、うらむ、わずらわしい。 いかる、はらたつ。 国語で、のう、やまい。〔新
29. 煩画像
字通
それに聖火を加える煩は、煩労を去るときの方法であろう。転じて煩労そのものをいう。 わずらう、なやむ、つかれる。 わずらわす、手かずをかける、めいわくさせる。 み
30. 〓画像
字通
、困厄の意に用いる。厄と声義が通ずる。狭隘の意より、困厄の意を生じた。 せまい、くぐり戸。 なやむ、くるしむ。 わざわい、困難。〔名義抄〕〓
31. 憂[〓]画像
字通
。金文の〔毛公鼎〕「先王の憂」の憂は象形。煩擾の意を示す。優・擾はみな憂に従う。 うれえる、なやむ、おもいわずらう、くるしむ、おそれる。 も、喪中にいる。〔名義
32. なやむ【悩む】[現古辞典]
全文全訳古語辞典
思(おも)ひ悩(なや)む/煩(わづら)ふ/思(おも)ひ煩(わづら)ふ/思(おも)ひ乱(みだ)る/思(おも)ひ砕(くだ)く/思(おも)ひ余(あま)る
33. 「悩む力」[イミダス編 文化・スポーツ]
イミダス 2018
2008年5月に発売された集英社新書のタイトル。東京大学大学院教授の政治学者で、テレビの討論番組などでも活躍する姜尚中(カン・サンジュン)の著。著者が学生時代
34. なやむら【納屋村】大分県:杵築市
日本歴史地名大系
[現]杵築市片野 八坂川河口南方の干潟に生じた村で、漁業を専業とする。公式な村ではなく片野村の一集落で、片野庄屋の支配を受けた。小倉藩慶長人畜改帳に「木付廻浦手
35. 心(こころ)で心(こころ)を悩(なや)む
故事俗信ことわざ大辞典
人情本・婦女今川(1826~28)五・一〇回「あんまり気がちいさいから、心(ココロ)で心(ココロ)をなやむのだ」
36. あ‐なや・む【足悩】
日本国語大辞典
〔自マ四〕難儀しながら歩く。歩きわずらう。〓[ヤ]
37. いい‐なや・む[いひ‥]【言悩】
日本国語大辞典
いろいろと言って心配する。*狭衣物語〔1069~77頃か〕四「猶、いかなる事にかあらん、といひなやむ人多かるに」(2)言いづらく思う。気がひけてなかなか言えない
38. いき‐なや・む【行悩】
日本国語大辞典
ことに迷ったり悩んだりする。障害があって進むことに苦労する。ゆきなやむ。(2)物事がうまくはかどらないで、とどこおる。ゆきなやむ
39. いなやむら【稲屋村】兵庫県:加古川市/旧印南郡地区
日本歴史地名大系
[現]加古川市加古川町稲屋 友沢村の南東に位置する。正中三年(一三二六)に記された鶴林寺法華堂(太子堂)木部銘には法華堂の四和尚式部(年行事)が稲屋出身とみえる
40. うち‐なや・む【打悩】
日本国語大辞典
〔自マ四〕(「うち」は接頭語)(1)病気などで苦しむ。*源氏物語〔1001~14頃〕賢木「すこしうちなやみて、やせやせになり給へるほど、いとをかしげなり」*更級
41. うち-なや・む【打ち悩む】
全文全訳古語辞典
〔自動詞マ行四段〕ま・み・む・む・め・め《「うち」は接頭語》病気で苦しむ。わずらう。 「打ち悩み面痩せ給へる、はたげに似るものなくめでたし」〈源氏・若紫〉(藤壷
42. うなやむら【宇那谷村】千葉県:千葉市/花見川区地図
日本歴史地名大系
[現]花見川区宇那谷町・内山町・こてはし台二丁目 横戸村の南に位置する。印旛郡の内。慶長一九年(一六一四)の東金御成街道覚帳に村名がみえ、川場を含む四〇間の道普
43. えい‐なや・む[ゑひ‥]【酔悩】
日本国語大辞典
〔自マ四〕酒に酔って気分が悪くなる。悪酔いする。*源氏物語〔1001~14頃〕花宴「夜すこしふけゆく程に、源氏の君いたくゑいなやめるさまにもてなし給てまぎれたち
44. おき‐なや・む[をき‥]【招悩】
日本国語大辞典
できないでいる。招き寄せかねている。*前田本枕草子〔10C終〕一六五・人にあなづらるるもの「をきなやむことなからぬ法師」
45. おなやむら【女屋村】群馬県:前橋市
日本歴史地名大系
[現]前橋市女屋町 桃木川東岸にあり、西の対岸は上長磯村、南対岸は下長磯村、北は上野村、東は寺沢川で小島田村に接する。寛文郷帳に田方二五四石余・畑方一八八石四斗
46. おぼし‐なや・む【思悩】
日本国語大辞典
〔自マ四〕(「おもいなやむ(思悩)」の尊敬語)いろいろと気にかけてお苦しみになる。*源氏物語〔1001~14頃〕明石「あなづらはしきにやと、ねたうさまざまにおぼ
47. おぼし-なや・む【思し悩む】
全文全訳古語辞典
〔自動詞マ行四段〕ま・み・む・む・め・め《「思ひ悩む」の尊敬語》あれこれと気にやんで心をお痛めになる。お悩みになる。 「すべてこの世を思し悩まじと忍び給ふ」〈源
48. おもい‐なや・む[おもひ‥]【思悩】
日本国語大辞典
思ひなやみてこのみ寺になむたびたび詣でける」*夜の寝覚〔1045~68頃〕二「身に、ことにおもひなやむことも侍らず」*行人〔1912~13〕〈夏目漱石〉友達・一
49. かきなやむら【柿谷村】富山県:氷見市
日本歴史地名大系
[現]氷見市柿谷 上庄川中流の北西岸にあり、西と北は丘陵が村を包むように連なり、南は水田が広がり、東は丘陵が延びる。東は七分一村、南対岸は泉村。正保郷帳では高八
50. かなやむら【金屋村】青森県:南津軽郡/尾上町
日本歴史地名大系
[現]尾上町金屋 東は田畑から山へと続き、西は田中村へ接し、田圃を隔てて南に新屋村(現平賀町)、北東に高賀野村(現黒石市)がある。天文年間(一五三二―五五)の津
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歌舞伎の荒事劇の一つ。元来独立の狂言ではなく、江戸歌舞伎の狂言中に設定された類型的な一場の通称。危機的な場面に「しばらく、しばらく」と声をかけて主人公が登場することから『暫』と呼ばれた。初代市川団十郎の創始と伝えられ、内容を確認できる最古のものは
大塔宮曦鎧(新版 歌舞伎事典)
(1)人形浄瑠璃。時代物。五段。角書「太平記/綱目」。別名題《太平記曦鎧》。竹田出雲・松田和吉作。近松門左衛門添削。享保八(1723)年二月大坂・竹本座初演。《太平記》に題材を仰いだ作品で、北条氏討伐を図って挙兵した大塔宮が苦難の後に六波羅を攻略する
伊賀越道中双六(新版 歌舞伎事典・日本大百科全書)
(1)人形浄瑠璃。時代物。十段。近松半二・近松加作の作。天明三(1783)年四月大坂・竹本座初演。上杉家家老和田行家の子息志津馬が姉婿唐木政右衛門の助力を得て父の敵沢井股五郎を討つまでを描いた作品。安永五(1776)年一二月大坂・嵐座上演の奈河亀輔作
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