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ナシ

ジャパンナレッジで閲覧できる『ナシ』の日本大百科全書・世界大百科事典・日本国語大辞典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)

ナシ
なし/梨
pear

バラ科(APG分類:バラ科)ナシ属Pyrusに属する30余種の総称。ユーラシアの主として温帯に分布する。落葉高木ないし低木。花は白色。萼片 (がくへん)、花弁ともに5枚を基本とする。雄しべは多数、雌しべは2~5本で基部まで分離する。子房は下位。2~5心室からなり、各室に2胚座 (はいざ)をもつ。果実は花托 (かたく)が発達した偽果 (ぎか)で、種子は黒い。果形は変異に富む。果皮は緑色から褐色で、果肉内に石細胞 (せきさいぼう)がある。果肉は白色から淡黄白色を主とするが、中国の雲南省、ネパールに自生するヒマラヤナシ(パッシア種)P. pashia D.Donのように黒褐色もある。収穫直後に食べられる種類と後熟(数日間貯蔵して軟化させること)を要するものとがある。芳香はあるものとないものがある。

[飯塚宗夫]2020年1月21日

分類

ヨーロッパ、近東、西アジア起源の種類と多雨の東アジア起源の種類に大別される。いずれも食用種と台木用種とがある。食用種では主として前者にはセイヨウナシP. communis L.が、後者にはチュウゴクナシとニホンナシがある。

 セイヨウナシは、葉は表面に光沢があり、卵形から長楕円 (ちょうだえん)形で葉先は短く、とがる。果実は倒円錐 (とうえんすい)、球、卵形などあり、石細胞は少ない。後熟すると軟化し、肉質はバター様となり、芳香に富み、味はよい。生食、加工用とする。このほかにスイス西部からフランスに分布し、ペリー酒perryの原料となるユキナシ(ペリーナシ)P. nivalis Jacq.が知られる。

 中国を原生地とするナシ属には十数種がある。しかし東北地方に広く分布するウスリーナシ(秋子梨 (チウズリー))P. ussuriensis Maxim.群と黄河流域、河北省に多い白梨 (パイリー)(チュウゴクナシ)P. bretschneideri Rehd.群の2群および揚子江 (ようすこう)流域に多い砂梨 (シャーリー)P. pyrifolia Nakai群が大栽培され、他の種は地方的に栽培されるにすぎない。ウスリーナシは高木で10~15メートル、幼樹は刺 (とげ)が多く、若枝は毛を密生し、葉は大きく、広卵から卵円形で鋭い鋸歯 (きょし)がある。果皮が緑黄色の青ナシが多く、果実は球形で萼を残す。後熟を要し、石細胞は多く、芳香がある。多くは零下30℃前後に耐える。白梨群は樹高8~13メートル、枝は開張性で小枝は無毛かわずかに柔毛がある。葉は卵円形で鋭い鋸歯があり、大きい。果実は倒卵球から長球形で大きく、果皮は緑黄色であるが、淡紅色を帯びるものもある。宿存萼はないか、あっても軽度である。石細胞は小さく、密に分布し、香りは少ない。後熟は不要で貯蔵性が高い。鴨梨 (ヤーリー)、秋白梨 (チウパイリー)などがこれに属す。砂梨はニホンナシの系統であるヤマナシP. pyrifolia (Burm.f.) Nakai(P. pyrifolia Nakai var. montana Nakai)と同類で、樹形、花、果実などヤマナシによく似ている。

 ニホンナシは日本原産のヤマナシを基本種とし、一部では同じく日本原産のミチノクヤマナシ(イワテヤマナシ)P. ussuriensis Maxim. var. aromatica Rehd.の血も受けている。葉は楕円から卵形で、全縁または鋸歯をもつ。花は白色で、まれに淡紅色のものもあり、香りは悪い。果実は球、扁球 (へんきゅう)、長球形などで、200~500グラム、果皮は褐色のアカナシ、緑黄色の青ナシおよび中間色がある。熟果は普通は萼を残さない。石細胞は多く肉質は硬いが、新品種では改良されてきた。日本にはそのほか、関東から中部にまれに野生し、果皮が緑黄色のアオナシP. ussuriensis Maxim. var. hondoensis Rehd.、本州中部に自生し、果皮が褐色で2心室のマメナシ(別名イヌナシ)P. calleryana Decne. var. dimorphophylla Koidz.、栽培種とマメナシの自然雑種で3心室のアイナシP. × uyematsuana Makinoなどがある。

[飯塚宗夫]2020年1月21日

栽培史と品種の分化

セイヨウナシはヨーロッパではきわめて古い果樹の一つである。古代ギリシアの詩人ホメロスは「ナシは神の贈り物」として栽培されていたことを示し、またテオフラストスのころには品種が確立され、接木 (つぎき)繁殖が行われていた。紀元50年ころになると品種は分化を始め、35品種が記録された。やがて栽培地はヨーロッパ中部へと広まった。イギリスでは1200年ころから経済栽培が始まった。18~19世紀には品種改良が急速に進み、今日の主要栽培品種が確立した。イギリスで1796年ころに実生 (みしょう)品種として生まれたウィリアムス・ボン・クレッシェンWilliams Bon ChretienはアメリカではバートレットBartlettとよばれ、今日も世界の主要品種となっている。ベルギーではウィンターネリスWinter Nelis、フレミッシュビューティFlemish Beautyなどが選ばれた。フランスでみいだされたラ・フランスLa France、プレコースPrecoseなどもこのころのものである。

 中国におけるナシ栽培は古く、『詩経』の晨風篇 (しんぷうへん)に記載され、2500年以上の歴史をもつ。『爾雅 (じが)』『史記』『三秦記 (さんしんき)』『花鏡 (かきょう)』などの古籍にも「如蜜梨 (ルーミーリー)」「紅梨 (ホンリー)」「白梨」その他の名がみられる。『斉民要術 (せいみんようじゅつ)』には接木繁殖、害虫防除、貯蔵加工なども記録されている。東北地区では南果梨 (ナンクオリー)、京白梨 (チンパイリー)など耐寒性品種群が育成され、黄河流域では鴨梨、慈梨 (ツーリー)、秋白梨などが分化してきた。近年では河南や揚子江流域などへ日本品種が導入され、栽培も多い。

 日本では『日本書紀』(720)の記載が最古の文献で、持統天皇 (じとうてんのう)の章に梨その他栽培の勧めがある。『三代実録』(908)には信濃国 (しなののくに)から梨が、『延喜式 (えんぎしき)』(905~928)には甲斐国 (かいのくに)から青梨子が献じられた記録がある。1782年(天明2)には早生 (わせ)、中生 (なかて)、晩生 (おくて)合計94品種が記録され、接木、棚づくり、剪定 (せんてい)法など進んだ栽培法の記録もある。このころから全国的に栽培が広がり、新潟、山形、神奈川県などはいずれも250年以上の栽培歴史をもつ。1895年(明治28)ころ、今日よく知られる「長十郎」と「二十世紀」が発見された。長十郎は神奈川県川崎市の當麻長十郎のナシ園で偶発実生として発見されたもので、病気に強く豊産性の赤ナシ品種である。また、二十世紀は、千葉県松戸市の松戸覚之助の宅地内で偶発実生として発見されたもので、黒斑 (こくはん)病には弱いが、形もよく豊産で食味が優れた品種である。二十世紀の名は、1898年、20世紀を担うべき品種としてつけられた名である。このほか、早生の赤 (あか)早生、晩生の晩三吉 (おくさんきち)などもよく知られる。近年、耐病性で品種のよい果実を目標とした育種が進み、農林水産省果樹試験場によって幸水 (こうすい)、新水 (しんすい)、豊水 (ほうすい)、新高 (にいたか)、新興 (しんこう)、秋月 (あきづき)、南水 (なんすい)などの品種が育成され、普及してきた。また、二十世紀の自然突然変異による自家和合形質、γ (ガンマ)線照射による黒斑病抵抗性形質の出現も注目されている。セイヨウナシは明治初期(1872~1873)に開拓使により導入され、チュウゴクナシは鴨梨が1867年(慶応3)勧業寮により、莱陽慈梨 (ライヤンツーリー)は1912年(大正1)に導入された。

[飯塚宗夫]2020年1月21日

栽培

繁殖はニホンナシでは共台 (ともだい)、セイヨウナシではニホンナシ台かセイヨウナシに似ているがナシ属とは別のマルメロ属のマルメロ台を用いた接木 (つぎき)による。植え付けは冬季なるべく早く行い、10アール当り19~33本とする。ナシは自家不和合なので、交配親和で開花期が同じ他の経済品種を授粉用に混植する。台風を避け、作業を容易にするため棚仕立てとする。1花房1果とし、袋かけをし、病気、害虫を防ぐとともに、果皮を美しく保つ。青ナシでは果径2~3センチメートルになったとき、大袋にかけかえる。うどんこ病、黒斑病、黒星病、赤星病やアブラムシ、シンクイムシ、アカダニなどを防除するため「ポリオキシン」「ダイセン」「スミチオン」「ケルセン」などの薬剤を年数回から十数回散布する。赤星病はヒノキ科のビャクシンを中間宿主とするので、この木を近くには植えないようにする。

 1984年(昭和59)のニホンナシの結果樹面積は1万8700ヘクタール、総収量は47万4000トンで、そのうち二十世紀が面積で33.9%、収量で35.4%を、長十郎が17.1%と19.3%を、幸水が19.8%と18.9%を占めていた。その後、長十郎は果肉が硬く、日持ちが悪いことが嫌われ、栽培されなくなった。2015年(平成27)のニホンナシの結果樹面積は1万2400ヘクタール、総収量は24万7300トンで、もっとも収穫量の多いのは幸水で32.1%、ついで豊水が21.2%、二十世紀が4.7%となっている。府県別面積順位では2015年では千葉12.7%、茨城9.0%で、以下福島、鳥取、栃木、長野と続く。10アール当り収量は幸水で1670キログラム、豊水2270キログラム、二十世紀2000キログラムである。セイヨウナシはラ・フランスが主で、ル・レクチェ、バートレットが続き、全国で1510ヘクタール、2万9200トンを産し、山形、青森、長野県に多い。世界をみると、2015年では総計2676万トンを産し、国別ではチュウゴクナシを主とする中国が1869万トンともっとも多く、ついでセイヨウナシのアルゼンチンが87万トン、以下イタリア、アメリカ、トルコと続く。

[飯塚宗夫]2020年1月21日

文化史

中国では白楽天の長恨歌に出ている「梨花 (りか)一枝春帯雨」をはじめ、古くから実よりも花の美しさがたたえられた。一方、日本では『万葉集』に4首詠まれているが、うち3首は黄葉 (もみちば)を詠み、残りの1首も花を取り上げてはいない。『枕草子 (まくらのそうし)』「木の花」では、梨 (なし)の花世にすさまじきものにして近うもてなさず、と述べ、梅、桃と異なり大陸の文学の美意識をそのまま取り入れてはいない。『唐書 (とうじょ)』の「礼楽」によると、唐の玄宗皇帝は音律や戯曲を好み、長安の禁苑 (きんえん)の梨が植えられていた園に養成所をつくり、俳優の子弟300人を自ら教えた。これから梨園 (りえん)の呼称が生じた。日本でも俳優や歌舞伎 (かぶき)役者の社会をいう。平安時代、内裏 (だいり)の昭陽舎は、その前に梨を植えたので、梨壺 (なしつぼ)とよばれた。梨壺の五歌仙は赤染衛門 (あかぞめえもん)、和泉式部 (いずみしきぶ)、紫式部、馬内侍 (うまのないし)、伊勢大輔 (いせのたゆう)の5人をいう。また、梨壺の五人とは、『後撰集 (ごせんしゅう)』の撰者の大中臣能宣 (おおなかとみのよしのぶ)、清原元輔 (きよはらのもとすけ)、源順 (みなもとのしたごう)、紀時文 (きのときぶみ)、坂上望城 (さかのうえのもちき)をさす。

 ナシは中国では紀元前には梨と書かれていなかった。『詩経』の『甘棠 (かんとう)』に甘棠、「晨風 (しんぷう)」に樹〓 (じゅすい)の名で出る。甘棠は南方の沙棠 (さどう)、沙梨 (さり)の、樹〓は北方の白梨や秋子梨の系統とされる。長沙 (ちょうさ)にある馬王堆 (まおうたい)1号前漢墓からは直径3~4センチメートルの沙梨が出土している。紀元前10世紀から後3世紀にかけての文献には、〓〓 (り)、柤 (そ)、杜 (と)、甘棠、沙棠の順で野生梨から栽培梨への変化がみられるとされる(『生物史』1979・中国科学院出版)。中国の古い梨の品種のなかには、漢代の含消梨 (がんしょうり)のような5升大の大きさの梨など変わり物がいろいろあった。現在までに3500もの品種が数えられるという(『生物史』)。日本でナシが全国に普及するのは明治時代に登場した長十郎と二十世紀の功績が大きい。奈良県大淀 (おおよど)町の奥徳平 (おくとくへい)は中国より導入した梨を改良して「凱歌 (がいか)」として売り出したが、それが二十世紀と同一品種とされ、訴訟を引き起こした。奥は裁判では敗れたが、終生、主張を譲らなかった。二十世紀は鳥取県の郷土の花(県花)である。

[湯浅浩史]2020年1月21日

食品

果実は糖分10~14%で、果肉100グラム中にカリウム140~170ミリグラム、ビタミンC3~6ミリグラムを含み、40~55キロカロリーをもつ。生食のほか主として缶詰、果汁、ネクターなどに加工される。缶詰の場合、セイヨウナシでは追熟ののち、除皮、半切りにして芯 (しん)をとり、ポリフェノール物質による酸化褐変を防ぐため食塩水か0.2%の塩酸水溶液に浸 (つ)ける。処理後、33~36%の糖液を処理果に対し重量比で60~65%加える。成品の酸度は0.25~0.3%とし、クエン酸で調節する。その後、脱気、密封、殺菌(95℃、20~25分間)により完成する。果汁は、生果のまま、または果実を加熱したのち、搾汁、濾過 (ろか)、脱気、密封、殺菌する。搾汁のときビタミンCを加えると褐変が防げる。ネクターは、果肉を加熱軟化して調整し、生果をそのままつぶしたような新鮮な感じの飲料としたもので、原料にはセイヨウナシのバートレットが多く用いられる。

[飯塚宗夫]2020年1月21日



世界大百科事典

ナシ
pear

バラ科ナシ属Pyrus植物の総称。世界に約20種が分布している。それらのうち果樹として栽培されるものはナシ(ニホンナシ),チュウゴクナシ,セイヨウナシの3種で,園芸上は仁果類に属する。日本の栽培ナシはニホンナシが大部分で,セイヨウナシは栽培面積の数%に過ぎない。チュウゴクナシの経済栽培はみられない。このため日本でナシといえばニホンナシを意味することになる。

(1)ナシ(ニホンナシ)P.pyrifolia(Burm.f.)Nakai(=P.serotina Rehd.)(英名Japanese pear,sand pear) 中国の中・北部に原生するヤマナシから改良された栽培品種の総称で,韓国や中国でも栽培される。ヤマナシは日本にも自生していたという意見もあるが,多くは人家の近くに限られるので,栽培からの野生化したものと推定されている。落葉高木で高さ20mに達することもある。白い花は春の葉の展開とともに開き,野生型では果実は径3cmほどと小さいが,栽培型には20cmほどの大果品種もある。ナシは日本での栽培が最も盛んである。栽培歴は古くて7世紀末の持統天皇の時代にはナシ栽培が奨励され,また10世紀の《三代実録》や《延喜式》には信濃や甲斐の国からナシが朝廷に献上された記載がある。江戸時代には各地で栽培が行われ,150以上の品種がつくられた。ニホンナシの品種は,果皮が果点間コルクの発達でさび褐色を呈する赤ナシと,それの発達がみられない緑色の青ナシに大別されるが,明治時代には赤ナシと青ナシの代表品種である長十郎と二十世紀が発見され,栽培技術の進展とそれらの普及によって栽培面積も増加した。第2次大戦の影響で面積は減少したが,現在では北海道の函館以南から九州の南部まで栽培が行われている。主産地は鳥取,福島,茨城,千葉,埼玉,長野などの諸県である。

(2)セイヨウナシ(西洋梨)P.communis L.(英名common pear) ヨウナシともいう。複雑な雑種起源の栽培ナシで,P.communisの野生型を基本にして,ヨーロッパ産のものはP.nivalisP.amygdaliformisが交雑したものに,さらに東アジア産の種が交配されて現在の品種群が成立したといわれている。セイヨウナシは古くから栽培され,すでにギリシア時代に,接木繁殖や実生繁殖の栽培法が述べられている。またフランス,ベルギー,イギリスなどで品種改良が行われ,著名なバートレットは1770年に偶発実生としてイギリスで発見された品種である。アメリカでの栽培は17世紀中ごろ以降で,果樹園としての集団栽培は18世紀になってから発展した。日本には明治初期に初めて開拓使によって導入されたが,風土が適しなかったため普及せずに終わった。現在では北海道,東北地方や長野県などの一部地域で栽培される。

(3)チュウゴクナシ(中国梨)P.ussuriensis Maxim.(英名Chinese pear) 中国の東北・華北地方から朝鮮半島北部原産のミチノクナシ(ホクシヤマナシ,チョウセンヤマナシ)をもとに改良された栽培品種で,白梨P.bretschneideri Rehd.の名で別種として扱われることもある。中国での栽培歴は古く,《史記》に記載がある。日本には1868年に勧業寮によって鴨梨(ヤーリー)が,1912年に恩田鉄弥によって萊陽慈梨(ライヤンツーリー)が導入されたが,一般に普及するまでに至らなかった。

 中・高木性の温帯落葉果樹として栽培されるが,これら3種の特徴点としては,ニホンナシは葉が大きく,卵形~倒卵形,葉縁に針状鋸歯を有し,果実は円形~偏円形が多く,果皮はさび褐色または緑色である。セイヨウナシは葉が小さく卵形~長楕円形で,光沢があり,果実は倒卵形が多い。チュウゴクナシは葉が大きくて卵形~楕円形で果実は大きい。いずれも果肉中には石細胞が含まれる。

 栽培は棚仕立てが一般的である。この仕立て方は風害防止のため日本で考案された。諸外国では立木栽培が普通である。ナシでは自家および他家不和合性に基づく結実不良が生じやすいので,栽培にあたっては結実確保のため主品種と和合性のある品種を受粉樹として混植するか,人工受粉を行う必要がある。幼果期には商品性の高い果実を得るため,20~30葉当り1果を残して他は摘果する。摘果終了後は果実の病害虫防除と外観の向上を目的に袋掛けを行うが,赤ナシでは無袋栽培も行われる。赤星病,黒星病,黒斑病,アブラムシ類,シンクイムシ類などの病害虫は適期に薬剤防除を行う。繁殖は接木繁殖で,ニホンナシではその実生(共台)やマンシュウマメナシの実生が台木に用いられる。

 ニホンナシは生食を主とするが,ネクターや缶詰原料にも利用する。収穫直後のセイヨウナシは硬く食用にたえないので,追熟によって軟らかくしたのち生食とする。また缶詰,ジュース,ジャムなどの原料にも用いる。
[志村 勲]

日本の民俗

ナシは語音が〈無し〉に通ずるため,財産や幸運がなくなるとか人が死ぬといって屋敷に植えるのを忌み,縁起ことばでアリノミと言い換えることもある。反対に,家の建材にナシを使えば〈何もなし〉で盗難にあわぬといい,鬼門に植えて〈鬼門なし〉だと喜ぶ所もある。ナシを食べると疳(かん)の虫がわくといい,ナシを食べる夢を見ても悪いとされる。とくに妊婦は腹が冷えるといって,ナシを食うのを禁じている所が多く,ナシの木の下を通ってもいけないという地方もある。またナシの芯を食べると背が伸びぬとか,はれものができるなどという。実際に芯は固くて酸いものだが,うっかり食べないように〈梨は昼間食え,桃は夜食え〉ということわざもあり,一説には,これはナシにつく虫を食わないためという。ナシは嫌われることが多いが,その白い果肉とサクサクという歯ごたえのよさからの連想からか,歯痛のまじないによく用いられる。歯痛のときに初ナシを神に供えたり川に流すほか,ナシを3年間絶って神に祈願する風もある。このほか,麻疹よけのまじないや咳止め,解熱の薬としても使われる。また,ナシの花や実が多い年は大風,大水になると各地でいい,相馬市ではナシの花の返り咲きは変事の兆しという。
[飯島 吉晴]

西洋の民俗

ゲルマン人はこの木を神聖なものとして崇拝していた。キリスト教の宣教師たちが異教の信仰を根絶やしにするため,この木を容赦なく切り倒したという話は多い。この木の下に宝が埋められていて悪魔に守られているという伝説,魔女たちが自分をきらう者をナシの種や皮で病気にするというような話の背景には,とくに豊穣(ほうじよう)祈願に結びついた古い習俗があるように思われる。子どもの誕生時に果樹を植える習俗がドイツにあり,女の子が生まれるとナシの木を植えた。占いにも使われ,次のような言い伝えが残っている。クリスマスか聖トマスの日(12月20日)に杖(つえ)かわら束をナシの木に投げ上げ,3度目にかかると恋愛が成就して結婚の運びになる。また大晦日かクリスマスの日に少女がナシの木をゆすると,犬のほえる方角から未来の婿がやってくる。お産のとき,後産をナシの木の下に埋めると次には女の子が生まれる。女の子の最初の産湯もこの木の下に注ぎ,ナシのたくさんできた次の年には女の子の生まれることが多いともいわれる。
[谷口 幸男]

[索引語]
pear ニホンナシ Pyrus pyrifolia ヤマナシ 赤ナシ 青ナシ 長十郎 セイヨウナシ Pyrus communis ヨウナシ チュウゴクナシ Pyrus ussuriensis 鴨梨 アリノミ


日本国語大辞典

なし 【梨・梨子】

解説・用例

【一】〔名〕

(1)バラ科の落葉高木。アオナシおよびヤマナシから育成された果樹で、古くから栽植される。幹は高さ三メートル内外。葉は広卵形で長さ八センチメートルぐらい。花期は四月頃で径三センチメートル内外の白い五弁花を開く。果実は径五~一〇センチメートルの球形または倒卵形で、外皮に細かい斑点がある。果肉は水分と甘味に富む。長十郎など多数の栽培品種がある。本種のほかに西洋梨や野生種を総称していう場合もある。漢名、梨。なしのき。ありのみ。学名はPyrus Pyrifolia var. culta 《季・秋》

*正倉院文書‐天平宝字二年〔758〕八月三〇日・東大寺写経所食口帳(大日本古文書一三)「梨五斗二升」

*古今和歌集〔905~914〕東歌・一〇九九「おふの浦に片枝さしおほひなるなしの成りも成らずも寝て語らはん〈伊勢うた〉」

*十巻本和名類聚抄〔934頃〕九「〓子 唐韻云梨〈力脂反 奈之〉果名也 兼名苑云一名含消」

*源氏物語〔1001~14頃〕若菜上「わざとなく、つばいもちゐ、なし、かうじやうの物ども」

*名語記〔1275〕四「くだもののなし如何。答、なしは梨子とかけり。なましきの反、ひさしくなましくしてつぎの歳までも色かはらずあれば也。その木もとくはかれず。日数ふれどもなましき也」

*幸若・はま出〔室町末~近世初〕「りふじんがたちばな、げむぼのなし、さうふのしゐ」

*日本植物名彙〔1884〕〈松村任三〉「ナシ 梨」

*寒山落木〈正岡子規〉明治二九年〔1896〕秋「仏へと梨十ばかりもらひけり」

(2)紋所の名。梨の実の切口または花をかたどったもの。梨の切口菱・丸に梨の切口・梨の花・三盛梨の花などがある。

【二】

「なしつぼ(梨壺)」の略。

*雑俳・入船狂句合〔1854〕「勅撰に五人は梨へ真を籠め」

補注

(1)「書紀‐持統七年三月一七日」条に、桑、紵(からむし)、栗、蕪菁(あおな)等とともに五穀の助けとして栽培が奨励された記事があり、上代から実用として普及していたようで、「万葉集‐一六・三八三四」にも「成棗(なしなつめ)黍(きみ)に粟つぎ延ふ田葛(くず)の後もあはむと葵花咲く〈作者未詳〉」とある。

(2)「なし」という語感は「無し」に通じるので、忌まれて「ありのみ」ともいわれる。「梨」と「ありのみ」を詠み込んだ「おきかへしつゆばかりなるなしなれどちよありのみと人はいふなり」〔相模集〕のような例も見られる。

語源説

(1)ナカシロ(中白)の略〔日本釈名・紫門和語類集〕。また、風があると実らないところから風ナシの義〔滑稽雑談所引和訓義解〕。

(2)ナス(中酸)の転〔東雅・和訓栞・言葉の根しらべ=鈴江潔子〕。

(3)奈子・〓子の字音か〔名言通・大言海〕。

(4)つぎの年まで色が変わらないところからナマシキの反〔名語記〕。

(5)ネシロミ(性白実)の義〔日本語原学=林甕臣〕。

(6)アマシ(甘)の義〔言元梯〕。

発音

〓[シ]〓平安・鎌倉・江戸〓〓〓[ナ]

辞書

字鏡・和名・色葉・名義・下学・和玉・文明・伊京・明応・天正・饅頭・黒本・易林・日葡・書言・ヘボン・言海

正式名称と詳細

表記

字鏡名義下学和玉文明伊京明応天正饅頭黒本易林書言ヘボン言海

色葉和玉易林

梨子和名色葉

〓和名

〓名義

〓和玉

図版

梨【一】(1)
梨【一】(2)梨の切口菱
梨【一】(2)丸に梨の切口

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ナシの関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 21033
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検索コンテンツ
1. ナシ画像
日本大百科全書
Nakai)と同類で、樹形、花、果実などヤマナシによく似ている。 ニホンナシは日本原産のヤマナシを基本種とし、一部では同じく日本原産のミチノクヤマナシ(イワテヤ
2. ナシ(Joseph Nasi)
世界大百科事典
?-1579 オスマン帝国におけるユダヤ教徒の商人,政治家。スペインにおける15世紀末の迫害を逃れてポルトガルに移住したユダヤ教徒の家系に生まれる。アントワープ
3. ナシ画像
世界大百科事典
日本の栽培ナシはニホンナシが大部分で,セイヨウナシは栽培面積の数%に過ぎない。チュウゴクナシの経済栽培はみられない。このため日本でナシといえばニホンナシを意味す
4. なし
日本国語大辞典
〔名〕(1)櫛をいう、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集{1892}〕(2)釘をいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧{1915}〕(3)すりが女性の髪飾りを窃取することを
5. なし
日本国語大辞典
〔名〕(1)品物をいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧{1915}〕(2)特に盗品をいう、盗人仲間の隠語。〔隠語全集{1952}〕
6. なし
日本国語大辞典
衆の好奇心をそそるやうに、小さな声でナシヲウツ(耳語(ささや)く)」*いやな感じ〔1960~63〕〈高見順〉二・一「北槻中尉は青年将校たちと自分らだけのナシ(密
7. な‐し
日本国語大辞典
〔間投助〕文節末にあって、軽い語りかけや感動を表わす。*夜明け前〔1932~35〕〈島崎藤村〉第一部・上・一・二「美しい人だったぞなし」*夜明け前〔1932~3
8. なし
日本国語大辞典
〔助〕(1)限定の意を表わす。しか。《なし》石川県鳳至郡「これだけなし無い」404 《なしか》静岡県「五銭なしか持たぬ」520 (2)理由を表わす。から。ので。
9. なし【成・為・生】
日本国語大辞典
〔名〕(動詞「なす(成)」の連用形の名詞化)(1)(生)生むこと。*万葉集〔8C後〕九・一八〇四「父母が 成(なし)のまにまに 箸向ふ 弟の命は〈福麻呂歌集〉」
10. 梨(棃)
新選漢和辞典Web版
常用漢字 ①〈なし〉果樹の名。また、その実。バラ科の落葉高木。 ②草の名。 ③年をとる。  部首内画数:木 8棃 総画数:12 本字 JISコード:1490 
11. なし【梨】
数え方の辞典
▲果、▲本、●株 木は「本」「株」で数え、ナシの果実は「個」「玉」で数えます。「果」は果物を表し、果物を数える語です。 ⇒果物
12. なし【梨】
国史大辞典
バラ科の落葉高木。梨は古くから日本にも自生していたともいわれるが、改良されて今日に至った。『日本書紀』持統天皇七年(六九三)三月条に桑・紵・栗などとともに梨を
13. 梨(なし)
古事類苑
植物部 洋巻 第1巻 348ページ
14. なし【梨・梨子】画像
日本国語大辞典
【一】〔名〕(1)バラ科の落葉高木。アオナシおよびヤマナシから育成された果樹で、古くから栽植される。幹は高さ三メートル内外。葉は広卵形で長さ八センチメートルぐら
15. なし【済】
日本国語大辞典
〔名〕(動詞「なす(済)」の連用形の名詞化)済(な)すこと。かえすこと。返済。
16. なし【無】
日本国語大辞典
些(ちっ)ともなしだ」*末枯〔1917〕〈久保田万太郎〉「人間はごくの無精で尻腰がなく、年をとってからはもうナシでした」*多情仏心〔1922~23〕〈里見
17. 靡
新選漢和辞典Web版
【一】 ①〈なび・く〉 (ア)たおれふす。 (イ)したがう。服従する。 (ウ)順応する。 ②〈な・い(―・し)〉否定を表す語。 ③しりぞく。 ④小さい。細かい
18. 无
新選漢和辞典Web版
〈な・い(―・し)〉=無 〓 指事。元の字のたて棒が上に突き出ている形。元は天の気で、虚無である。无は人の精神が天の
19. 毋
新選漢和辞典Web版
①〈な・い(―・し)〉=無 ②〈なかれ〉禁止を表す語。…するな。…してはいけない。 ③姓。 ❶〈なし〉否定。 (ア)…しない。…ではない。動作・行為を否定する
20. 勿
新選漢和辞典Web版
人名用漢字 ①〈なかれ〉禁止の意の語。するな。 ②〈な・い(―・し)〉 (ア)…しない。 (イ)…がない。否定の意の語。 ③にわか。急に。 ④つとめるさま。
21. 莫(〓
新選漢和辞典Web版
人名用漢字 【一】 ①日ぐれ。=暮(ぼ) ②暗い。 ③植物の名。タデ科。すいば。 【二】 ①〈な・い(―・し)〉なにもない。だれもいない。否定をあらわす助字。
22. 罔
新選漢和辞典Web版
①〈あみ〉 (ア)獣や魚鳥を捕らえる網。 (イ)罪人を捕らえる網。法律。 ②〈あみ・する(―・す)〉捕らえる。 ③〈な・い(―・し)〉ない。 ④〈なかれ〉する
23. 〓画像
字通
打ち消しに用いる。〔名義抄〕〓 マナ・ナカレ・ナシ・サダマル・ウスシ・シヅカナリ/〓
24. 微(〓)画像
字通
コシキ・アラズ・ナシ・ミチ・シバラク・トラフ・カクル・ヒソカニ・ミソカニ・カシコマル・ツヒユ・オボツカナシ・ウカメク・ヲサナシ・イヤシ・トモシ・ヨロシ・ホソシ・
25. 靡画像
字通
無・亡と通じ、なし。 糜と通じ、ただれる、形がくずれる。 縻と通じ、つなぐ。〔名義抄〕靡 ナビク・ナナメ・ナシ・ホソシ・コノム・アラハス・ナイガシロ・ワヅラフ・
26. 毋画像
字通
それぞれ別に本義のある字である。 なかれ、禁止の辞。 ず、なし。 発声の語としてそえる、毋寧。〔名義抄〕毋 ナシ・ツクス 〔経伝釈詞〕に毋・無・〓
27. 勿画像
字通
つよくはねる、はね出す。 なかれ、禁止の語。 勿勿は、いそぐ、あわただしい、つとめるさま。〔名義抄〕勿 ナシ・マナ・ナカレ 〔説文〕に昜をこの部に属し、日と一と
28. 蔑(〓)[〓]画像
字通
会意 〓+伐。〓は眼に呪飾を加えている形で、媚女。戦争などのとき、この眉
29. 亡(〓)[无]画像
字通
 ナシ・ホロブ・ナイガシロ・ニグ・ウス・シヌ・ウスシ 〔字鏡集〕〓 ウク・ニグ・ウス・ナシ・シヌ・ホロブ・ヤスミ
30. 没(沒)画像
字通
形声 旧字は沒に作り、声符は〓〓は人が水没すること。沒は〔説文〕十一上
31. 末画像
字通
どの音と通じ、ない、なかれ、あらず。〔名義抄〕末 スヱ・ノチ・ナシ・ハシ・ヲハル・ヲハリ・エダ/末世 スヱノヨ 〔字鏡集〕末 ナシ・スヱ・キノエヘ(ダ)・トホシ
32. 无[無]画像
字通
う。 ない、なし、なかれ。 亡の異体字。〔名義抄〕无 ナシ・ナケン・ナミス・ナクモガ 〔字鏡集〕无 ナシ・ナミス・ナクモガ・ナケム・ムナシ 无・無・毋miuaは
33. 無画像
字通
と通じ、しげる、ゆたか。 字はまた无に作る。〔名義抄〕無 ナシ・ナイガシロ・ナスミ(ミス)・セズ・ナクモガ・シヌ・ムシロ・ケタモノ・イナヤ・アヒダ 〔説文〕に無
34. 罔[网][〓]画像
字通
じ、くらます、しいる、おおう。 惘と通じ、あきれる。〔名義抄〕罔 アミ・ナシ・イツハル 〔字鏡集〕罔 ムスブ・アミ・ナシ・シフ・イツハル・ナイガシロ(ニ)ス 罔
35. 梨[〓]画像
字通
と通じ、さく、ひらく。 黎と通じ、もろもろ。〔和名抄〕梨 奈之(なし)〔名義抄〕梨 ナシ・ワカル・ツシメム・ツシメリ・ツキキ・ハイデ 梨雲 りうん 梨花が雲のよ
36. なし
日本国語大辞典
〔副〕〓なしい
37. な・し
日本国語大辞典
〔接尾〕(形容詞ク活型活用)〓ない〔接尾〕
38. な・し【無】
日本国語大辞典
〔形ク〕〓ない(無)
39. ナシカメムシ
日本大百科全書
黄白色の小斑しょうはんを散布し、各脚脛節けいせつに黄白色の横帯がある。サクラ(ソメイヨシノなど)、ナシ、ウメ、リンゴなどのバラ科樹木にすみ、社寺や並木など植栽さ
40. ナシグンバイ
日本大百科全書
前胸背の翼状突起は発達して側方に広がり、四列の小室がある。はねのX字状紋は顕著で、黒褐色。サクラ、ナシ、リンゴなどに寄生し、果樹害虫とされる。成虫、幼虫とも葉裏
41. ナシケンモン
日本大百科全書
昆虫綱鱗翅りんし目ヤガ科に属するガ。はねの開張35~40ミリ。前翅は暗褐色、黒色の横線が多数あって細かく鋸歯きょし状をなし、横脈上に小さな黒環がある。後翅は淡褐
42. ナシケンモン
世界大百科事典
鱗翅目ヤガ科の昆虫。ユーラシア大陸の温帯に分布。開張約3.5~4cm。前翅は黒褐色,後翅は暗褐色である。本種を含むケンモンヤガは世界の温帯域に分布し,日本に約2
43. ナシ婚[新語流行語]
イミダス 2018
結婚式を行わずに、婚姻届の提出だけで済ますこと。2005年に経済産業省が実施した「特定サービス産業実態調査」によると、同年の挙式、披露宴件数は約35万件。一方
44. ナシ語
世界大百科事典
チベット・ビルマ語派の中のロロ・ビルマ語群に属する言語。漢字では納西語と書く。中国雲南省麗江ナシ族自治県を中心に分布し,23万人ほどの話し手がいる。従来はモソ語
45. ナシゴレン[カタカナ語]
イミダス 2018
[nasi goreng〈インドネシア〉]【料理・食品】インドネシア料理の一つ.焼き飯.
46. ナシ状果画像
岩波 生物学辞典
するとき,心皮とそれを包んで合着した花床の部分のうち花床が特に大きく成長する液果の一種.バラ科ナシ亜科の果実がこの例.受精後,花床が肥大成長して多汁の果肉となる
47. ナシ(納西)族
世界大百科事典
の土司木氏等のナシ族土司の支配下に置かれた。新中国成立以後,〈ナシ(納西)〉(黒い人の意)と称されるようになった。自称は居住地域によって異なるが,麗江,維西,中
48. ナシ族
日本大百科全書
どの遊牧民に由来するともいわれるが、牧畜民と農耕民が融合した集団という見方が、近年優勢である。ナシ語はチベット・ビルマ語系イ語派に分類される。 主たる生業は農業
49. ナシヒメシンクイ
日本大百科全書
ガ科に属するガ。ナシノヒメシンクイともよばれた。はねの開張12~15ミリ。前翅は紫黒色、やや青みを帯び、無数の横線があり、翅底部の中央はやや白っぽい。後翅は黒褐
50. ナシヒメシンクイ画像
世界大百科事典
ほぼ全世界の温帯に分布し,日本には明治末期に侵入したものと推定され,ほとんど全国に広がった。幼虫は,リンゴ,ナシ,モモ,スモモ,サクラ,ビワなどバラ科果樹の重要
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