1. 久能寺経
日本大百科全書
書写したものを一品経いっぽんきょうとよぶ。そのもっとも古くかつ比較的完全な形で残っているのが久能寺経である。もと静岡県の久能寺(現在は廃絶して鉄舟寺てっしゅうじ
2. くのうじきょう【久能寺経】
国史大辞典
平安時代後期に書写された装飾法華一品経で、もと駿河国有度山久能寺(のち廃寺)に伝来したため久能寺経と呼ばれた。当初『法華経』二十八品に開結二経を合わせて三十巻
3. 久能寺経
日本史年表
1141年〈永治元(7・10) 辛酉〉 この頃 久能寺経 が書写される。
4. あし‐で【葦手】画像
日本国語大辞典
いう。(2)十世紀の文献資料に語は散見するが、現存するのは「西本願寺本元真集」の料紙下絵、「久能寺経」や「平家納経」の見返し絵など、一二世紀のもの。(3)本来は
5. 一品経
世界大百科事典
始行し,以後これを恒例とした。こうしたことが機縁となって,一品経写経が盛んになった。《平家納経》《久能寺経》《慈光寺経》《長谷寺経》(いずれも国宝)など,遺品は
6. いっぽんきょう【一品経】
国史大辞典
経品釈の盛行をうけて行われ、一品経懐紙の成立にも影響を与えた。まとまった現存遺例に平家納経・久能寺経・長谷寺経などがあり、いずれも華麗な装飾経として名高い。 (
7. くのうじ【久能寺】
国史大辞典
臨済宗となった。山上には旧久能寺の本尊をまつる観音堂があり、平安時代末期の装飾経として有名な久能寺経(国宝)、錫杖(重要文化財)などを蔵している。 (今枝 愛真
8. くのうじあと【久能寺跡】静岡県:静岡市/旧有渡郡・庵原郡地区/根古屋村
日本歴史地名大系
前掲縁起によれば、同年に寿勢僧都が当寺で法華八講(法華経八巻を八人の僧が講説する)を始めたとされる。現存する久能寺経一九巻(鉄舟寺蔵など)は広島県厳島神社が所蔵
9. くのうじえんぎ【久能寺縁起】
国史大辞典
常行堂建立と不断念仏の勤修、法花八講・仁王講・三十講などの盛行、平家一門の尊崇と『法華経』(久能寺経)の寄進、将軍・守護人の寺領施入、嘉禄年間(一二二五―二七)
10. くのうはん【久能藩】
国史大辞典
この根古屋の北には有渡山塊の独立峰久能山(標高二一九メートル)があり、ここには国宝の指定をうけている久能寺経を所蔵していた天台宗久能寺があった。永禄十二年(一五
11. 紺紙
日本大百科全書
平安時代に装飾経(美しく飾る目的で華美に装飾した特殊な写経)として華麗な流行をみた。とくに『久能寺経くのうじきょう』や『平家納経のうきょう』などが有名である。町
12. 静岡(県)画像
日本大百科全書
国宝梅蒔絵うめまきえ手箱(三嶋大社)など優れた工芸も多い。聖武しょうむ天皇勅書(牧之原市・平田へいでん寺)、久能寺経(鉄舟寺)は国宝に指定されている。川崎文昭伝
13. しゃきょう【写経】
国史大辞典
裏に金銀切箔・野毛を散らしている。ほかに一字一仏法華経序品(善通寺)、『法華経』(浅草寺)、『法華経』(久能寺経、鉄舟寺)、一字蓮台法華経(竜興寺など)、金銀字
14. 書画像
日本大百科全書
尽くしている。こうした料紙の工芸美は仮名ばかりでなく、写経にまで及び、『平家納経へいけのうきょう』『久能寺経くのうじきょう』『扇面法華経せんめんほけきょう冊子』
15. 装飾経
世界大百科事典
があったのである。こうした日本に独特の狭義の装飾経の遺例としては,鳥羽法皇を中心に書かれた《久能寺経》や《平家納経》がある。他にも《浅草寺経》《扇面法華経冊子》
16. そうしょくきょう【装飾経】
国史大辞典
平安時代後期から鎌倉時代前期にかけて最盛期を迎えた。一切経では中尊寺経、『法華経』では平家納経・扇面古写経・久能寺経・竹生島経、竜興寺・浅草寺・長谷寺所蔵経等が
17. 田中親美
日本大百科全書
『源氏物語絵巻』『本願寺本三十六人集』『元永げんえい本古今和歌集』『平家納経へいけのうきょう』『久能寺経くのうじきょう』の復元模写を完成させた。また古筆の名品を
18. 鉄舟寺
日本大百科全書
開山として再興し、久能山鉄舟寺と改称した。寺宝に平安期の装飾経として名高い『法華経ほけきょう』(『久能寺経』、国宝)19巻、康治こうじ元年(1142)銘の錫杖し
19. てっしゅう‐じ[テッシウ‥]【鉄舟寺】
日本国語大辞典
より現在地に移された。明治一六年(一八八三)山岡鉄舟が再興したのにちなみ現名に改称。所蔵する久能寺経(法華経)は代表的な装飾経で国宝。テッシュージ
20. てっしゅうじ【鉄舟寺】静岡県:清水市/旧有渡郡地区/村松村
日本歴史地名大系
文化財)、康平五年(一〇六二)正月日付の十二所権現勧請票札、鳥羽上皇らが結縁写経した法華経(久能寺経、国宝)などを所蔵する。
21. 藤原定信
世界大百科事典
楽天詩巻》の両巻に跋を書したのも定信であり,これらから《金沢本万葉集》《大字和漢朗詠抄切》や久能寺経の《譬喩品》,西本願寺本《三十六人集》の〈貫之集〉下(石山切
22. 仏教美術画像
世界大百科事典
な絵画を描き,表紙,題箋,経軸にいたるまで,金銅や宝石など技巧の限りをつくした《平家納経》《久能寺経》《扇面法華経冊子》などの装飾経が流行した。鎌倉時代には宋版
23. むさしのくに【武蔵国】埼玉県地図
日本歴史地名大系
はじめ関白九条兼実らが結縁者として書写したもので、現広島県宮島町厳島神社の平家納経や静岡市久能山の久能寺経とともに日本三大装飾経といわれ、国宝に指定されている。
24. 寄合書
日本大百科全書
三人で書写)や、『西本願寺本三十六人家集』『元暦げんりゃく校本万葉集』などがそれで、写経の『久能寺経くのうじきょう』(『法華経ほけきょう』28品ほんに開結経かい
25. よりあいがき【寄合書】
国史大辞典
いるため、二十八巻に調巻され、一人が一品一巻ずつを結縁分担して書写供養する一品経の例がある。久能寺経や平家納経などはその代表的なもので、前者は『法華経』に開経(
26. 和紙
日本大百科全書
することが盛んになり、これらのいわゆる「荘厳経しょうごんきょう」は、静岡県の久能くのう寺蔵『久能寺経』や広島県の厳島いつくしま神社蔵『平家納経』などが著名な例と
27. 1141年〈永治元(7・10) 辛酉〉
日本史年表
高陽院藤原泰子 、出家(百練抄)。 この年 覚鑁 『五輪九字明秘密釈』 成る(同書)。 この頃 久能寺経 が書写される。 【死没】 4・20 藤原宗忠(8