ハナシノブ科の多年草。アメリカ東部原産で、英名はモス・フロックス。茎は低く5~10センチメートル、地面をはうようにして広がり、よく枝を密生し、初めは軟毛をつけるが基部は木質化する。葉は常緑で堅く、披針(ひしん)形または針状で長さ約1センチメートル。3~5月、葉腋(ようえき)または枝先に桃紅色で径約2センチメートルの5弁花が、茎葉を覆い隠すように咲く。花弁は倒心臓形で深い欠刻がある。萼片(がくへん)は針形。白色花のリットル・ドット、濃桃色花のライラック・クイン、覆輪のニシキバなど多くの園芸品種がある。花壇、石垣、ロッケリー、グリーンベルトなどに植栽、観賞する。繁殖は株分け、挿木による。挿木の場合は10月に15センチメートルくらいの挿穂をつくり、基部の3分の1を土中に埋める。耐寒性は強い。
[猪股正夫]
©2023 NetAdvance Inc. All rights reserved.