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  11. 幸若舞

幸若舞

ジャパンナレッジで閲覧できる『幸若舞』の東洋文庫・日本国語大辞典・世界大百科事典・日本大百科全書のサンプルページ

東洋文庫
幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他
こうわかまい 1ゆりわかだいじんほか
東洋文庫355
荒木繁・池田廣司・山本吉左右編注
歴史上の人物や伝説的英雄の戦いと,複雑な人間模様につつまれた物語を謡い,舞う幸若舞。中世末期,民衆や武士に愛好されて広く流行した幸若舞は能や歌舞伎にもふかい影響を与えている。第1巻は,入鹿,大織冠,百合若大臣,信太,満仲,築島。
1979年06月刊

【閲覧画面サンプル】
幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他

【目次】
表紙
(扉)
入鹿
大織冠
百合若大臣
信太
満仲
築島
解説・解題(荒木 繁)
裏表紙


日本国語大辞典
こうわか‐まい[カウわかまひ] 【幸若舞】

解説・用例

〔名〕

(大成者と伝えられる桃井直詮(もものいなおあきら)の幼名幸若丸から)

室町中期から末期にかけて流行した簡単な動作を伴う語り物。単に「舞(まい)」ともいい、その詞章を集めたものを「舞の本」、演者を「舞(まい)まい」という。軍記物語に題材をとり、戦国時代の武将に愛好された。曲舞(くせまい)の系統に属する。現在は、わずかに福岡県山門郡瀬高町大江に残る。役柄や扮装(ふんそう)はなく、三人の語り手が烏帽子(えぼし)、素襖(すおう)、長裃(ながかみしも)姿で小鼓を伴奏に演じる。こうわか。

*応仁別記〔15C末か〕「石見太郎左衛門尉は三条殿に幸若舞のありし、終て群集人々かへりに、辻切の様に山名殿よりぞ討せける」

補注

「和訓栞」には「さいわか 幸若の舞といふものは、室町殿の末とかや、桃井氏の子孫にひえの山の児にて幸若麿といふものまひ始めけるとぞ」とある。

発音

コーワカマイ

〓[カ]〓[カ]

図版

幸若舞〈福岡県瀬高町大江〉



改訂新版 世界大百科事典
幸若舞
こうわかまい

日本の中世芸能の一種。幸若舞曲(こうわかぶきよく),舞曲(ぶきよく)ともいう。曲舞(くせまい)の一流派であったので,幸若舞を曲舞ということもあり,舞,舞々(まいまい)という場合もある。曲舞の本流が室町時代の中期におとろえるが,その系統から,長い叙事的な語り物に簡単な動作の舞をともなった芸能があらたに起こり,唱門師(しようもんじ)などによって盛んに行われるようになった。この後期の曲舞の一流派が幸若流であるが,幸若舞という名称は,〈幸若系図〉などの伝承によると,その大成者桃井直詮(もものいなおあきら)の幼名幸若丸にちなんだものとされる。幸若の名は《管見記》嘉吉2年(1442)の条に見え,《康富記》文安5年(1448)の条には〈越前田中香(幸)若太夫〉とあって,その出身が同国西田中(現,福井県丹生郡越前町)であったことがわかる。この地の近くの八坂神社の嘉慶元年(1387)の記録に,同社の神事舞の役を勤めたことが見える。西田中は江戸中期まで院内村と呼ばれたが,これらからすると,幸若舞はもと地方の寺社に奉仕する唱門師系の舞であったと思われる。

 幸若流は15世紀中ごろから京都に進出して,武将たちの愛顧を受け,領地を安堵されるようになり,八郎九郎,小八郎,弥次郎の3家に分かれて盛行した。江戸時代になると幕府御用の式楽となり,江戸城中にも参賀するようになったが,席次は能楽者より上であった。しかし,式楽として幕末まで行われたものの,一般の人気は新興の歌舞伎や浄瑠璃に移った。明治に入ると幸若家の人々も禄を離れ,舞も行わなくなった。幸若舞が人気を博した室町時代には,他に大頭(だいがしら),笠屋などの流派もあったが,これらの舞も幸若舞と呼ぶことがある。地方でも,室町~江戸時代には幸若舞に似た唱門師系の舞があって,この人々は舞々(まいまい)と呼ばれた。近江,河内,美濃,越前,若狭などで舞々が活躍した記録がある。

 幸若舞の詞章は江戸時代初頭には読み物としても享受され,36曲を編集して〈舞の本〉と呼ばれたが,今日まで伝わっている台本では,40曲をこえる作品がある。内容は《平治物語》《平家物語》《曾我物語》の中の説話と同材のものが多いが,これらとは違ったバリエーションもあって,伝承上は当時口頭で伝承されていた別系の語り物の系統を引くと考えられている。他に幸若舞に特有の《入鹿(いるか)》《大織冠(たいしよかん)》《百合若大臣(ゆりわかだいじん)》《信太(しだ)》《満仲(まんぢゆう)》などの作品があり,平治物には《鎌田》《伊吹》《山中常磐》など,平家物には《文覚》《那須与一》《敦盛》《築島》《景清》など,義経物に《烏帽子折》《堀河夜討》など,曾我物に《元服曾我》《和田酒盛》《夜討曾我》などの作品がある。幸若舞が唱門師芸に系統を引く祝言芸能に発したためか,他に《日本記》《夢合》《九穴の貝》などの祝儀物があり,後に作られた《新曲》《三木》《本能寺》などの作品もある。曲節はカタリ,イロ,フシ,ツメなどがあり,芸態は室町時代には烏帽子直垂(えぼしひたたれ)姿で,小鼓を伴奏にして語りながら舞うものであったらしい。ふつう二人舞で,ときには三人舞のこともあった。

 現在でも福岡県みやま市の旧瀬高町大江では幸若舞が行われる。これは江戸時代に蒲池(かまち)氏の保護を受けたものの流れで,舞は大頭流の系統である。芸態は,烏帽子素襖(すおう)長袴を着,太夫は立烏帽子,ワキ,ツレは侍烏帽子をつけて3人で舞い,小鼓1人の伴奏を伴う。
→曲舞
[山本 吉左右]

[索引語]
舞曲(日本芸能) 曲舞 舞(踊り) 舞々 西田中 院内村 舞の本


日本大百科全書(ニッポニカ)
幸若舞
こうわかまい

室町時代から江戸時代にかけて隆盛した芸能の一つ。曲舞 (くせまい)、舞 (まい)、舞々 (まいまい)ともいわれる。その起源について幸若諸家の系図は、南北朝時代の武将桃井直常 (なおつね)の孫幸若丸直詮 (なおあき)が創始したと伝えるが、これらは江戸時代になってから作成されたもので、伝説の域を出ない。幸若舞は一般に曲舞とも称せられたように、室町中期以前に流行していた曲舞の流れをくむものであり、その担い手は声聞師 (しょうもじ)などの賤民 (せんみん)階層であったともいわれている。幸若大夫 (たゆう)ということばの記録上の初見は『管見記 (かんけんき)』嘉吉 (かきつ)2年(1442)の条であるが、このころには各地に幸若舞が存在しており、なかでも越前 (えちぜん)幸若が世間の好評を得ていたようすが他の記録からうかがわれる。幸若舞は題材を『平家物語』『曽我 (そが)物語』などの軍記物語に取材し、武士舞的な要素が濃いところから、織田信長、豊臣 (とよとみ)秀吉などの戦国武将に愛好され、その庇護下にあった越前幸若は社会的に恵まれた地位を得て繁栄した。幸若舞の詞章は「舞の本」といわれ、50曲が知られる。江戸時代に入ると越前幸若は幕府の式楽としての能楽よりも上席を遇せられる一時期もあったが、しだいに衰退し、やがて幕府崩壊とともに滅亡した。

 今日では福岡県みやま市瀬高町大江に大頭 (だいがしら)系の幸若舞が伝承されている。1月20日に大江天満神社の舞堂で行われ、『安宅 (あたか)』『高館 (たかだち)』など8曲が上演可能。大江に伝わる『大頭舞之系図』によると、幸若の弟子筋にあたる者が1582年(天正10)に、筑後 (ちくご)(福岡県南部)山下城主蒲池 (かまち)家家来に伝授したとあるが、真偽のほどは定かでない。囃子 (はやし)は小鼓のみで、大夫、シテ、ワキの3人が長い詞章を分けて謡い語る。謡と語りが主で、舞というほどの所作はなく、拍子にかかるツメで太夫が舞台を踏んで回るにすぎないが、今日伝承する唯一の幸若舞であるだけに貴重な意義があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

[高山 茂]

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日本国語大辞典
長裃(ながかみしも)姿で小鼓を伴奏に演じる。こうわか。*応仁別記〔15C末か〕「石見太郎左衛門尉は三条殿に幸若舞のありし、終て群集人々かへりに、辻切の様に山名殿 ...
9. さいわか‐まい[‥まひ]【幸若舞】
日本国語大辞典
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10. 幸若舞 (見出し語:舞【篇】)
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11. 幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他
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歴史上の人物や伝説的英雄の戦いと,複雑な人間模様につつまれた物語を謡い,舞う幸若舞。中世末期,民衆や武士に愛好されて広く流行した幸若舞は能や歌舞伎にもふかい影響 ...
12. 幸若舞 2 景清(かげきよ)・高館(たかだち)他
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歴史上の人物や伝説的英雄の戦いと,複雑な人間模様につつまれた物語を謡い,舞う幸若舞。中世末期,民衆や武士に愛好されて幸若舞は広く流行し,能や歌舞伎にもふかい影響 ...
13. 幸若舞 3 敦盛・夜討曾我他
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歴史上の人物や伝説的英雄の戦いと,複雑な人間模様につつまれた物語を謡い,舞う幸若舞。中世末期,民衆や武士に愛好されて幸若舞は広く流行し,能や歌舞伎にもふかい影響 ...
14. 大頭流幸若舞
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19. あたか【安宅】石川県:小松市/旧能美郡地区/安宅町
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能・狂言事典
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々の常識からすると,盛長の夢見は頼朝を反平家の謀反に踏みきらせた有力な原因にあげられる。なお幸若舞曲にも《夢あわせ》があり,〈ここに物のめでたきは〉に始まり〈末 ...
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々の常識からすると、盛長の夢見は頼朝を反平家の謀反に踏みきらせた有力な原因にあげられる。なお幸若舞曲にも『夢あわせ』があり、「ここに物のめでたきは」に始まり「末 ...
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24. あつもり【敦盛】
デジタル大辞泉
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