1. しゃせきしふ【沙石集】
全文全訳古語辞典
[書名]鎌倉時代の仏教説話集。無住の編著。一二八三年(弘安六)成立。庶民にわかりやすく仏法を教えるための説話集で、笑話や動物説話などに特色がある。「させきしふ」 ...
2. 『沙石集』
日本史年表
1283年〈弘安6 癸未〉 8・‐ 無住道暁, 『沙石集』 を著す(同書巻一〇末原識語)。 ...
3. 沙石集
日本大百科全書
鎌倉時代の仏教説話集。「させきしゅう」とも読む。10巻。無住(むじゅう)の著。1283年(弘安6)成立。説話を方便として読者を正しい仏教理解へ導こうとするもの。 ...
4. 沙石集
世界大百科事典
ようになった。近世初中期の間に,《礦石集(こうせきしゆう)》正続,《続沙石集》のごとき類書が制作刊行されたのも,《沙石集》に対する人気の表れにほかならない。今野 ...
5. しゃせきしゅう[シャセキシフ]【沙石集】
日本国語大辞典
鎌倉時代の仏教説話集。一〇巻。無住著。弘安二年(一二七九)起稿し、同六年成立。のち、作者により改訂が繰り返された。庶民を教化・啓蒙するために、説話を随所にまじえ ...
6. しゃせきしゅう【沙石集】
国史大辞典
中央に終始した知識人の持ちえないものを含んでおり、それが『沙石集』によく生かされているが、彼が、みずから告白するように(米沢図書館本『沙石集』四)無類の話好きで ...
7. 沙石集
日本古典文学全集
地方や庶民の生活が活写される。仏教論理を「砂や石」(=沙石)のような卑近な例えで説くという意味で、「沙石集」。著者は臨済宗の僧、無住道暁(無住一円)。1279年 ...
8. させきしゅう【沙石集】
国史大辞典
⇒しゃせきしゅう ...
9. させきしゅう[サセキシフ]【砂石集・沙石集】
日本国語大辞典
しゃせきしゅう(
沙石集)
...10. 『沙石集』[百科マルチメディア]
日本大百科全書
古活字版 第1 無住(むじゅう)著 1618年(元和4)刊 国立国会図書館所蔵 ...
11. ぞくしゃせきしゅう[ゾクシャセキシフ]【続沙石集】
日本国語大辞典
鎌倉時代の仏教説話集。六巻。南冥撰。寛保三年(一七四三)序。延享元年(一七四四)刊。「沙石集」の続編で、神事仏事から世事俗事までを幅広く収めている。 ...
12. あい[あひ]【合・会・相】
日本国語大辞典
院政期点〔1080〜1110頃〕九「紫殿懐ひを慰め、黔首(きむしう)胥(アヒ)悦ぶ」*米沢本沙石集〔1283〕四・九「今すこし若くおはす時(とき)人をも相語らひ ...
13. あい‐い【愛恚】
日本国語大辞典
怒り恨むこと。*愚迷発心集〔1213頃〕「愛恚の妄海は眇眇たり、浪に漂ひて船筏を見ず」*米沢本沙石集〔1283〕五本・一「徒(いたつら)に人畜に向ひ、愛恚(アイ ...
14. あい‐かたら・う[あひかたらふ]【相語】
日本国語大辞典
源氏物語〔1001〜14頃〕明石「入道はかの国の得意にて、年ごろあひかたらひ侍れど」*米沢本沙石集〔1283〕七・一〇「京の者にてありける念仏者に此女相語(アヒ ...
15. あい‐ぎょう【愛楽】
仏教語大辞典
親しみ愛すること。 霊異記 中・一九 「誦心経之音、甚微妙、為諸道俗所愛楽」 3 心から願い求めること。 沙石集 四・一 「仏道に入因縁も、人によりて其愛楽し信 ...
16. あい‐けん【愛見】
日本国語大辞典
(1)愛と見。愛は情意的なとらわれで、愛着の心。見は理知的なとらわれで、間違った見解。*米沢本沙石集〔1283〕一〇末・一一「広(ひろく)貪淫(とんいん)を行じ ...
17. あい‐けん【愛見】
仏教語大辞典
1 愛と見。愛は情意的なとらわれで、愛着の心。見は理知的なとらわれで、間違った見解。 沙石集 一〇末・一 「広貪淫を行じて、善知識として、諸の衆生をして、愛見 ...
18. あい‐しゅう[‥シフ]【愛執】
日本国語大辞典
物語〔13C前〕一〇・首渡「閻浮(ゑんぶ)愛執の綱つよければ、浄土をねがふも物うし」*貞享版沙石集〔1283〕七・六「これも男子は愛執のうすきならひなるべし」* ...
19. あい‐しゅう[‥シフ]【愛習】
日本国語大辞典
〔1257〕六・一三「人常に生界の無常を観じて愛習(アイシフ)の心に留まること勿れ」*貞享版沙石集〔1283〕八・一六「只愛習怨心のつたなき思ひをやめて、無念寂 ...
20. あい‐しらい[あひしらひ]
日本国語大辞典
二「あひしらひを目がけて、細かに足手を使ひて」(5)連歌で、付句と前句の取り合わせ。*貞享版沙石集〔1283〕五・二二「紅葉の盛りなるを見て〈略〉かまの口こがれ ...
21. あい‐しん【愛心】
日本国語大辞典
鼻虫
」*貞享版
沙石集〔1283〕七・七「此の愛心をたち、此の情欲をやめて、真実に解脱の門に入り」
...22. あい‐じょう[‥ジャウ]【愛情】
日本国語大辞典
〔名〕(1)相手をいとしく思う気持。人や物に対するあたたかい心。*貞享版沙石集〔1283〕八・一六「若し愛情なくは生死断絶せん」*花柳春話〔1878〜79〕〈織 ...
23. あいぜん の 法(ほう)
日本国語大辞典
「あいぜんほう(愛染法)」に同じ。*貞享版沙石集〔1283〕八・一〇「愛染の法に付て、敬愛の秘法を習ふ」 ...
24. あい‐て[あひ‥]【相手】
日本国語大辞典
〔名〕(1)物事を一緒にする一方の人。また、働きかけの対象。*米沢本沙石集〔1283〕七・一一「貧しき侍の宮仕しけるが、主の御相手(アヒテ)になりて侍ける」*太 ...
25. あい‐でし[あひ‥]【相弟子】
日本国語大辞典
〔名〕同じ先生や親方について、学んだり、修業したりする人同士。同門のでし。兄弟でし。*米沢本沙石集〔1283〕一〇本・三「宗春坊とて慈悲深き上人有りき。〈略〉師 ...
26. あい‐なら・ぶ[あひ‥]【相並】
日本国語大辞典
(「あい」は接頭語)【一】〔自バ五(四)〕いっしょに並ぶ。*米沢本沙石集〔1283〕五本・三「一つの調子を本として楽を奏する時は、余の四の音は助けとして、自(お ...
27. あい‐ねん【愛念】
日本国語大辞典
、〈略〉着物を飾り、色を好みて、人のあひ念を好み、歌を謡ひても、よく聞かれんと思ふ」*米沢本沙石集〔1283〕九・二「一切の万物は、一心の反するいはれ、始めて不 ...
28. あい‐らし・い【愛─】
日本国語大辞典
る。可憐(かれん)で情を寄せたいようなさまである。小さくて可憐である。かわいらしい。*米沢本沙石集〔1283〕一・一〇「わらはが養ひ姫は、御みめのうつくしくおは ...
29. あい‐わた・る[あひ‥]【相渡・相渉】
日本国語大辞典
〔自ラ五(四)〕(「あい」は接頭語)(1)互いに通じる。通い合う。かかわり合う。*梵舜本沙石集〔1283〕二・八「念仏・真言は大概風情あひわたり、義門互に相資し ...
30. あお[アヲ]【襖】
日本国語大辞典
せめてはならば、布の破(やれ)あおにても」*観智院本類聚名義抄〔1241〕「襖 アヲ」*米沢本沙石集〔1283〕五末・二「時雨しければせむ方なくて、田刈ける童の ...
31. あお・ぐ[あふぐ]【仰】
日本国語大辞典
2C前〕三・兼通「いとくるしげにて御むしおしやりて、あうがれさせ給ける御すがたつき」*梵舜本沙石集〔1283〕六・七「次日又説法しけるが、中間にあをぎて、『ああ ...
32. あお・る[あふる]
日本国語大辞典
阿布留又夫知」*躬恒集〔924頃〕「遅き馬はあしふちなくてあふれども、心のみこそさきにたちけれ」*梵舜本沙石集〔1283〕八・七「『此馬は尻から渡むと思よ』と心 ...
33. あか‐へい【赤幣】
日本国語大辞典
赤い四手(しで)を篠竹などの細長い木にはさんだもの。赤色の御幣(ごへい)。あかぬさ。*貞享版沙石集〔1283〕一〇・一「年たけたる御子(みこ)、赤幣(あかへい) ...
34. あか‐も【赤裳】
日本国語大辞典
001〜14頃〕真木柱「あかも垂れひきいにし姿をと、憎げなる古言(ふること)なれど」*梵舜本
沙石集〔1283〕五末・七「
所(ぜそ)の雑仕も赤裳
...35. あきごう【秋郷】福岡県:筑前国/宗像郡
日本歴史地名大系
伊勢本・東急本の訓は「安支」、元和古活字本の訓は「安岐」であるが、一字の郷名は異例である。「沙石集」巻三(問注ニ我ト劣タル人事)に登場する鎮西の「秋ノ毛ノ上」を ...
36. あきつ‐しま【秋津島・秋津洲・蜻蛉洲】
日本国語大辞典
筑波山之陰
」*米沢本
沙石集〔1283〕一〇末・一一「是の故に王のいみじき徳を讚には、仁秋津嶋(アキツシマ)の外に流(つたは)る
...37. あき の 毛(け)
日本国語大辞典
語義未詳。*米沢本沙石集〔1283〕三・三「父の跡よりも大なる所也けるを、秋の毛の上の給て下べきにてありけるに、馬鞍用途なむど沙汰したびけり」稲をいうとするのが ...
38. あく【悪】
日本国語大辞典
孰(どれ)が実か悪(アク)かわかりませぬ」【二】〔接頭〕(1)道徳、正義、法などにそむくことを表わす。*梵舜本沙石集〔1283〕七「善天狗、悪天狗と云て二類あり ...
39. あく‐えん【悪縁】
仏教語大辞典
悪い縁。外的な悪い条件。 沙石集 五本・一 「悪縁たる六塵の境に対すれば」 ...
40. あく‐くう【悪空】
仏教語大辞典
勝手気ままに悪いことをする、その間違った空の理解をいう。 三論大義鈔 一・序 「悪空性相之類、乃等苽亹」 沙石集 拾遺・八三 「空に二有。一には悪空。(略)二に ...
41. あく‐し【悪子】
日本国語大辞典
〔名〕(1)性質のよくない子。*米沢本沙石集〔1283〕九・二五「阿闍世王の悪子にあひて此を縁として裟婆世界をうとみ」*或阿呆の一生〔1927〕〈芥川龍之介〉前 ...
42. あく‐しゅ【悪取】
日本国語大辞典
〔名〕まちがって理解すること。→悪取空(あくしゅくう)。*貞享版沙石集〔1283〕三・一「悪取の空にあらず。偏少の空にあらず。住相の空にあらず。これ第一義諦の真 ...
43. あく‐てんぐ【悪天狗】
仏教語大辞典
よこしまなことに執着し、うぬぼれの強い天狗。 沙石集 七・二〇 「悪天狗は一向憍慢偏執のみ有て」 ...
44. あく の 道(みち)
日本国語大辞典
(1)(「悪道(あくどう)」の訓読)仏語。現世で悪事をした者が、死後におちて苦しみを受ける所。*梵舜本沙石集〔1283〕一〇本・六「悪業あれば悪の道に入り、善業 ...
45. あく‐ひつ【悪筆】
日本国語大辞典
〔名〕(1)粗末な筆。つくりの悪い筆。(2)へたな字。また、字がへたなこと。*貞享版沙石集〔1283〕二・五「満七十の老眼を拭うて、悪筆ながら少々裏書仕り畢ぬ」 ...
46. あさぬまむら【浅沼村】栃木県:佐野市
日本歴史地名大系
[現]佐野市浅沼町 富岡村の南に位置し、西は小屋町。「沙石集」に、「下野国アソ沼」に住み殺生を好む鷹遣が、夢の中で自分が殺した鴛の女房に責められ、翌朝雄に嘴を合 ...
47. あさ‐ね【朝寝】
日本国語大辞典
あさい。
朝起き。《季・春》*梵舜本
沙石集〔1283〕一・七「或時朝ねをしておそくはきけるを」*三体詩素隠抄〔1622〕三・五「はや夜(
...48. あした の 露(つゆ)
日本国語大辞典
物語〔1001〜14頃〕夕顔「あしたの露にことならぬ世を、何をむさぼる身の祈りにか」*米沢本沙石集〔1283〕七・九「夕の煙とのぼり朝の露と消て、父母を見ずして ...
49. あし を 縒(よ)る
日本国語大辞典
自分の足をからみ合わせる。足をよじる。思案するさまなどにいう。*米沢本沙石集〔1283〕一・四「このかんなぎ柱に立ちそひて、足をよりてほけほけと物思ひ質(すがた ...
50. あ‐じ【阿字】
日本国語大辞典
〕「夫阿字と者、迷悟之十界に亙て、凡聖不二の体性にて候間、善悪始てをどろくべからず」*米沢本沙石集〔1283〕二・七「三僧祇の修行を一念の阿字(アジ)に越ふと云 ...