解説・用例
(1)(─する)(「ぎょうごう」とも)天皇が皇居を出て、よそへ行くこと。なお、行く先が二か所以上にわたるときには巡幸という。みゆき。いでまし。
*令義解〔718〕儀制・天子条「車駕。〈行幸所称〉」
*伊勢物語〔10C前〕一一四「むかし、仁和のみかど、芹河に行幸したまひける時」
*宇津保物語〔970〜999頃〕国譲下「たつの二てんばかりに、うちの御かど行かうし給へり」
*色葉字類抄〔1177〜81〕「行幸 キャウカウ」
*徒然草〔1331頃〕一五六「内裏にてありけるを、申されけるによりて、他所へ行幸ありけり」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Guiogo (ギャウガウ)。すなわち、テイワウノ ミユキ〈訳〉非常におごそかに行なわれる帝王の出立、外出」
*仮名草子・尤双紙〔1632〕下・一八「しゅしゃう成物の品品〈略〉行幸(ギャウガウ)の管絃」
*浄瑠璃・用明天皇職人鑑〔1705〕五「にしきの御はた給はる上は天子のぎゃうがう同前也」
*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第一部・上・七・一「時の主上ですらわざわざ二条城へ行幸せられたといふ」
*漢書‐武帝紀「四年冬十月、行幸雍」
(2)香木の名。分類は伽羅(きゃら)。