目からウロコ!数え方のナゾ

~ 『数え方の辞典』収録のコラムより ~

第4回 人魚は「1人」?それとも「1匹」?

人間は「人」、動物は「匹」で数える、というのは言うまでもないことですが、では人間と魚の性質を半分ずつ持つ人魚や、人間と馬の融合したケンタウロスはどう数えるのでしょう?

答えは「1人」です。空想上の生き物を数える場合、人魚姫が人間と同じように恋愛したり、ケンタウロスが人間の言葉を発したりすると、私達は自分達と“同類”だと捉(とら)え、動物的な面を持っている空想上の生き物でも「1人」と数えます。

それに加え、空想上の生き物が人間にとってどういう存在か、ということも数え方に影響します。例えば、おとぎ話を読んでいるとしばしば鬼が出てきますが、暴れて人間を困らせる場面では「1匹」で数えられ、心を入れ替えて人間的な性格を持つと「1人」で数えられる傾向があります。これは、「悪魔1匹」に対して、「天使1人」と数えることからも確かめられます。ひと口に空想上の生き物といっても、人間にとってより友好的な存在ほど「1人」で数えやすくなります。

著者:飯田朝子(いいだあさこ)

東京都生まれ。東京女子大学、慶應義塾大学大学院を経て、1999年、東京大学人文社会系研究科言語学専門分野博士課程修了。博士(文学)取得。博士論文は『日本語主要助数詞の意味と用法』。現在は中央大学商学部教授。2004年に『数え方の辞典』(小学館)を上梓。主な著書に、『数え方もひとしお』(小学館)、『数え方でみがく日本語』(筑摩書房)など。

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