語義解説

[1] 意味・用法の記述

  1. 一般の国語語彙に関しては、まず現代の意味・用法を記述し、それをもとに古い時代の意味・用法の変遷を記述するようにした。
  2. 百科語、時事用語に関しては、最新の情報・学説を取り入れつつ、現代生活に密接した内容を簡潔に記述するようにした。
  3. 同一項目内において意味・用法を分けて解説する場合、必要に応じて以下の記号を用いた。
    (1)品詞、およびそれに準じる区分には12を用いた。
    あじ〔あぢ〕【味】1[名]…2[形動][文][ナリ]…
    すく・む【×竦む】1[動マ五(四)]…2[動マ下二]…
    (2)意味・用法の区分を示す標準的な記号としては1 2を用いた。その下位の区分としてはアイを用いた。
    た・つ【立つ】1[動タ五(四)]アイ

    また、区分が多数・煩雑になる場合に限り、1 2の上位区分として12を用いた。
    い・う〔いふ〕【言う/×云う/×謂う】[動ワ五(ハ四)]13ア
    (3)固有名詞の区分には、12を用いた。
    エリザベス【Elizabeth】1(1世)…2(2世)…
  4. 語義解説の末尾には対義語・対語を⇔で示した。
    あが・る【上がる/揚がる/挙がる】…⇔おりる。
    だい‐じょう【大乗】…⇔小乗。
  5. 参照する項目などについては、語義解説の末尾に→で項目を示した。
    うお 〔うを〕 【魚】…→魚類
  6. 語義解説のすべてを別の項目にゆだねるときは、⇒を用いてその見出しを示した。
    きゃく‐し【客思】⇒かくし(客思)
    こくさい‐ろうどうきかん〔‐ラウドウキクワン〕【国際労働機関】⇒アイ‐エル‐オー(ILO)
  7. 人名の項目には[ ]を用いて生没年を西暦で記した。
    たかすぎ‐しんさく【高杉晋作】[1839~1867]

[2] 用例

  1. 一般の国語項目には、意味・用法を理解する一助となるように用例を入れた。特に活用する語には必ず入れることを原則とした。
  2. 現代語には、用法を想定した例(作例)を入れることを原則とした。現在では古めかしくなっている語には、近代・現代の文献から用例を引くようにした。
  3. 古語には、その語が最も使用された時代の代表的な古典から用例を引くようにした。この場合の仮名遣いは歴史的仮名遣いを用いた。
  4. 用例文は「 」でくくり、見出し語に当たる箇所は「―」で略した。活用語の場合は、語幹の部分を「―」で示し、活用語尾は「・」のあとに記した。「」を含む連語・慣用句の場合もこれに 準じた。
    かん‐どう【感動】[名](スル)…「深い―を覚える」「名曲に―する」
    うね・る[動ラ五(四)]…「山道が―・る」「帰りには二三間―・って、植込の陰を書斎の方へ戻って来た」〈漱石・虞美人草〉
    あらせられる 【有らせられる】[連語]…「御壮健で―られる」
    語幹と語尾との区別のつかない語は「-」を用いず、太字で該当箇所を示した。
    える【得る】[動ア下一][文]う[ア下二]…「そうせざるをない」
    みたいだ[助動]…「お寺みたいな建物」
    また、清濁を明らかにしたり、異なる語形を掲げたりするときには省略していない。
    てる〔連語〕…「いま考え―ところだ」「話はだいぶ進んでるはずです」
    跡を垂(た)・る…「弥陀次郎が跡垂れて発心もならざれば」〈浮・永代蔵・五〉
  5. 文献からの引用に際しては、〈 〉内に出典を示した。途中の部分を省略した箇所は「…」で示した。また、文意を明らかにするために( )で補ったり、語義を(=  )で加えたりした。
    そ‐らい【××徠】[名](スル)…「さまざまな幻が、…ひっきりなく―すると」〈芥川・偸盗〉
    ひそ‐か【密か/窃か/私か】[形動][文][ナリ] …「(清盛ハ)ほしいままに国威を―にし」〈平家・四〉
    おぼ‐めか・し[形シク]…「そのかた(=和歌ノ方面)に―・しからぬ人」〈枕・二三〉
  6. 名詞・形容動詞をまとめた語義区分では、形容動詞連体形の作例に「(の)」を補って名詞にも同様の用法があることを示した。また、見出し語のままの形でも助詞「と」を伴った形でも用いる副詞には、「(と)」を補って両様があることを示した。
    せい‐しき【正式】[名・形動]…「―な(の)名称」
    びっしり[副]…「予定が―(と)詰まっている」
  7. 出典の表示では、異称のある文献は一つの名称に統一し、また適当に簡略化した。巻名・巻数・部立て・説話番号などは、文献に応じて適宜付した。万葉集には旧『国歌大観』番号を用いた。 (「古典出典一覧」参照
    あいだち‐な・し[形ク]…「心よからず―・きものに思ひ給へる」〈源・夕霧〉
    き‐でん【貴殿】…「六波羅の―へも参ずべし」〈盛衰記・一〇〉
    ひき‐ほ・す【引き干す】[動サ四]…「小垣内(をかきつ)の麻を―・し」〈万・一八〇〇〉
  8. 訓点資料や漢文体で書かれた文献は、読み下した形のテキストを使用した。また、ローマ字資料をかたかなで示す以外は、原則として漢字ひらがな交じり文とした。
    にい‐ばり〔にひ‐〕【新治/新墾】…「―の十握(とつか)の稲(しね)の穂」〈顕宗紀〉
    あっぱれ【天晴(れ)/×遖】…「―獅子ワ臆病ナモノカナ」〈天草本伊曾保・驢馬と獅子〉
  9. 古辞書類では、単に書名だけを掲げて語義の典拠としたものもある。
    こう〔こふ〕【×鵠】ハクチョウの古名。〈和名抄〉
  10. 近代・現代の出典の表示には、筆者名に、姓・名・号などの略称を用いたものもある。 (「近代作家略称一覧」「俳号一覧」参照)
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