ジャパンナレッジ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大から2年が経過しました。感染拡大を防ぐ生活が日常化したことに加えて、ワクチン接種が進み、感染対策と経済活動の両立が各国で進んでいます。一方、経済が回復する中で原材料高が一段と進んでいるほか、コロナ禍等によってサプライチェーンの混乱が続いており、安定した経済活動を維持するために経済安全保障を各国が模索するようになりました。2022年2月には、ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、世界の様相が変わりつつあります。
本書は、1927年に矢野恒太*が初版を発刊して以来80版、95年にわたり刊行を続けてきました。矢野恒太は、農商務省時代に内閣統計局から兼属の依頼を受けて、官製初の生命表を作成するなど、統計に深い造詣がありました。その後、統計をベースに保険会社の経営を行い、統計こそが社会を知るための基礎となると考えておりました。1936年には、日本国勢図会の英語版「NIPPON」を発行し、日本の正確な実情をアメリカに紹介することを通じて、日米相互理解を目指しています。
今回の第80版では、コロナ禍の日本や世界の実情を、さまざまな統計から多角的にご覧いただけるよう努めています。本書が、読者の皆様が社会を考察されるための一助となれば幸いです。
刊行にあたり、ご協力いただいた方々に深く感謝の意を表します。
*矢野恒太(やのつねた) 慶応1.12.2~昭和26.9.23(1866.1.18~1951.9.23)
第一生命保険の創立者。保険のみならず統計、公衆衛生、社会教育など各方面に功績があった。