タイトル一覧

88 件

71  英草紙
(はなぶさそうし)
近路行者(都賀庭鐘)
読本の元祖――中国の小説を日本風に翻案した怪奇小説集
「古今奇談」と銘打つ9編からなる怪奇小説集で、『喩世明言(ゆせいめいげん)』『警世通言(けいせいつうげん)』『青瑣高議(せいさこうぎ)』などの中国の白話(はくわ)・文言(ぶんげん)小説の話を日本風に翻案したもの。雅語を交えた新しい文体で書かれ、読本(よみほん)の嚆矢(こうし)として評価が高い。作者は、近路行者(きんろぎょうじゃ)(都賀庭鐘(つがていしょう))。
[江戸時代中期(1749年成立)][戯作]
《校注・訳者/注解》 中村幸彦
72  西山物語
(にしやまものがたり)
建部綾足
初期読本の秀作――京の近親惨殺事件に取材した実話小説
京都一乗寺村で起った渡辺源太による妹斬殺事件(源太騒動)を題材とした実話小説。親戚間の男女の悲恋という実話に、先祖伝来の太刀にまつわる怪異談をからませ、伝奇小説に仕立てた。建部綾足(たけべあやたり)作の雅文体小説で、草創期の読本の代表作のひとつとされる。上田秋成も同事件をモチーフにした作品を書いている。昭和に入って歌舞伎の作品にもなった。
[江戸時代中期(1768年成立)][戯作]
《校注・訳者/注解》 高田 衛
73  雨月物語
(うげつものがたり)
上田秋成
初期読本の代表作――人間の執念を描く幻想的な怪異小説集
「浅茅(あさじ)が宿」や「蛇性の婬」など、9話からなる上田秋成(あきなり)作の幻想に満ちた怪異小説集で、幕末まで同一板木によって数版を重ねた江戸のベストセラー。正称は「近古奇談雨月物語」。『剪燈新話(せんとうしんわ)』など中国の小説を題材に、流麗な雅文で綴る。1953年溝口健二監督により映画化され、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞するなど世界的な評価を集めた。
[江戸時代中期(1768年成立)][戯作]
《校注・訳者/注解》 高田 衛
74  春雨物語
(はるさめものがたり)
上田秋成
幻の読本――上田秋成の集大成といえる歴史短編小説集
〈はるさめけふ幾日、しづかにておもしろ〉の書き出しで始まる、上田秋成による歴史小説集。親殺しの大罪人が放浪の果てに開悟するまでを描いた晩年の代表作「樊噲(はんかい)」や、海賊と紀貫之の対話を描く「海賊」など、全10編。1808年に一度まとめられ、翌1809年に没するまで改稿が行われていた。江戸時代には刊行されず、写本で伝わり、第二次世界大戦後に完本が発見された。
[江戸時代後期(1808年成立)][戯作]
《校注・訳者/注解》 中村博保
75  黄表紙
(きびょうし)
恋川春町、山東京伝、芝全交ほか
一流の浮世絵師の絵とパロディが融合した大人向けの笑いの文学
黄表紙は、しゃれ、滑稽、風刺をおりまぜた大人むきの絵入り小説で、草双紙(大衆的な絵入り小説)のひとつ。安永(1772~1781)から文化(1804~1818)にわたり流行した。黄表紙の祖『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』(恋川春町作・画)や、寛政の改革のパロディー『文武二道万石通(ぶんぶにどうまんごくとおし)』(朋誠堂喜三二作・喜多川行麿画)など10作をおさめる。
[江戸時代後期][戯作]
《校注・訳者/注解》 棚橋正博
76  川柳
(せんりゅう)
立羽不角(たちばふかく)、収月(初代)ほか
世相や風俗、人生の機微を滑稽かつ風刺的に描写する川柳
川柳とは、江戸時代中期に、雑俳(遊戯的な俳諧)の一様式である前句付から、付句の五・七・五だけが独立したもので、季語などの制約を持たず、人事・世相・歴史などを風刺した定型詩。「柳樽(やなぎだる)」「狂句」などさまざまな名で呼ばれていたが、明治以降、代表的な点者であった柄井川柳の名をとって「川柳」に統一された。元禄期(1688年~)から宝暦期(~1763年)までの川柳をおさめる。
[江戸時代中期][連歌・俳諧]
《校注・訳者/注解》 鈴木勝忠
77  狂歌
(きょうか)
四方赤良(大田南畝)、唐衣橘州、朱楽菅江ほか
もじりにパロディ、江戸中期に大流行した言語遊戯
狂歌は、古典和歌の形式の中に機知や滑稽を読み込む趣味的な文芸。鎌倉・室町期におこり、関西で流行。江戸中期になって、江戸で爆発的に流行した。江戸狂歌の中心にいた四方赤良(よものあから、戯作者・大田南畝(なんぽ)、蜀山人)、唐衣橘洲(からころもきっしゅう)、朱楽菅江(あけらかんこう)、平秩東作(へづつとうさく)ら20余名の狂歌をおさめる。
[江戸時代中期][戯作]
《校注・訳者/注解》 宇田敏彦
78  洒落本
(しゃれぼん)
田舎老人多田爺、山東京伝、梅暮里谷峨(うめぼりこくが)ほか
通人と野暮と遊女の物語――遊里案内を兼ねた遊里文学
洒落本とは、江戸中期以降に江戸で流行した遊里文学のこと。遊女・遊客の言動を、会話を主にして写実的に描写した。「通」という理念を軸に、人間の滑稽な生活を描く。以後の洒落本の定型を確立した『遊子(ゆうし)方言』(田舎老人多田爺(ただのじじい)作)、洒落本第一人者の山東京伝の『傾城買(けいせいかい)四十八手』や『古契三娼(こけいのさんしょう)』など、7作品をおさめる。
[江戸時代中期~後期][戯作]
《校注・訳者/注解》 中野三敏
79  滑稽本
(こっけいぼん)
式亭三馬
式亭三馬が綿密に描写する、江戸の庶民生活の生態とおかしみ
滑稽本とは、江戸後期に現れた滑稽を目的とした戯作のことで、十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の『東海道中膝栗毛(ひざくりげ)』(1802年)以降、式亭三馬(しきていさんば)を中心に全盛期を迎えた。三馬の滑稽本の処女作『酩酊気質(なまえいかたぎ)』と、社交場であった髪結床(かみゆいどこ)に集まる庶民の様子を描く『浮世床』の2編をおさめる。
[江戸時代後期][戯作]
《校注・訳者/注解》 神保五彌
80  人情本
(にんじょうぼん)
為永春水
女性の間で大人気となった、為永春水の泣ける恋愛小説
人情本は、江戸の市民社会の恋愛(三角関係や情痴的恋愛)や人情の葛藤を、写実的に描写した恋愛小説で、多くの読者は婦女子であった。文政期(1818~30年)におこり、明治初期まで人気を博した。書型から「中本(ちゅうほん)」、内容から「泣本(なきほん)」とも称された。人情本の第一人者、為永春水(ためながしゅんすい)の『春告鳥(はるつげどり)』(歌川国直(くになお)画)をおさめる。
[江戸時代後期(1836年成立)][戯作]
《校注・訳者/注解》 前田 愛
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