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  11. 精霊流し

ジャパンナレッジで閲覧できる『精霊流し』の辞書・事典・叢書別サンプルページ

国史大辞典・日本大百科全書

国史大辞典
精霊流し
しょうりょうながし
盆行事の最終段階で、精霊を送り出す儀礼。先祖の霊は、七月十三日の精霊迎えを経て、十五日または十六日夕方まで各家に滞在したのち、精霊流しによって、再びあの世へ送り返されると信じられていた。祖霊をはじめ、死者の霊は山の彼方の世界に行っているが、盆・彼岸などの時期には、子孫が丁重にもてなす限り、この世に戻ってくるという民俗信仰にもとづいている。寺や墓地に一時とどまっている霊を迎えに行き、わざわざ家の仏壇や盆棚(精霊棚)まで連れてくる儀礼が精霊迎えである。送り出す場合も、門口や墓でまず送り火を焚く。送り火が大がかりになった事例が、京都の大文字焼きである。そして盆棚に三日間供えられた茄子(なす)・胡瓜(きゅうり)・団子(だんご)などの供物、霊の乗り物として作られた藁製の牛馬や盆棚などを集めて、道の辻の一隅におさめたり、近くの川辺や海岸から流したりするのである。その場所は、いずれもあの世とこの世の境界にあたると意識されていた。精霊流しに用いられる舟は、盆舟とか送り舟とよばれ、真菰(まこも)や麦藁・竹などで作られている。地域によっては、人間が二、三人くらい乗れる大型の舟もあり、舳先(へさき)に提燈(ちょうちん)などが吊るされて、はなやかに仕立てられたものもある。装飾に凝った舟は、風流化したものであり、燈籠流しとして、各地で観光名物となっている。北九州の各都市で行われている精霊流し・燈籠流しは有名で、長崎・大村・島原市などの精霊舟はいずれも豪華である。代表的な長崎の燈籠流しの舟には、浄土丸・阿弥陀丸などの名前がつけられており、盆にきた祖霊が再び他界に去ることが意識されている。燈籠の火は送り火であり、その火は川辺や海辺から流されていくのが本来の姿だった。その火を標示として、霊が目的地にたどりつくと思われたのである。仏教の関与により、念仏による供養、怨霊の慰撫といった呪術が加わっているが、基本的には、祖霊の去来とそれをもてなす民俗信仰として現在まで伝承されている。→盆(ぼん)
[参考文献]
柳田国男『先祖の話』、田中久夫『祖先祭祀の研究』
(宮田 登)


日本大百科全書(ニッポニカ)
精霊流し
しょうりょうながし

盆の月の15日または16日に、盆の供え物の類を川や海などに流して先祖の霊を送る行事。供え物を蓮(はす)の葉や真菰(まこも)の茣蓙(ござ)に包んでただ流すというものから、麦藁(むぎわら)などで精霊船(ぶね)などとよぶ船をつくりそれに入れて盛大に送り出すものなどがある。また火をともした灯籠(とうろう)を流す例も多く、それが夕闇(ゆうやみ)の水面にたくさん浮かび、美しくかつもの悲しい夏の風物詩となっている。とくに長崎市の精霊(しょうろう)流しは有名で、阿弥陀(あみだ)丸とか浄土丸などの名のつけられた豪華な精霊船がつくられ、灯籠の火が港湾いっぱいに広がり美しい夜景をみせて、近年ではむしろ観光行事として発展している。
[新谷尚紀]

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検索コンテンツ
1. 精霊流し
日本大百科全書
盆の月の15日または16日に、盆の供え物の類を川や海などに流して先祖の霊を送る行事。供え物を蓮(はす)の葉や真菰(まこも)の茣蓙(ござ)に包んでただ流すというも ...
2. しょうりょう‐ながし[シャウリャウ‥]【精霊流・聖霊流】画像
日本国語大辞典
〔名〕盆の終わりの精霊送りの日に、供物などをわらや木でつくった舟にのせ、海や川に流す行事。火をともした灯籠を流すところもある。しょうろ流し。《季・秋》*河〔19 ...
3. しょうりょうながし【精霊流し】画像
国史大辞典
送り出す儀礼。先祖の霊は、七月十三日の精霊迎えを経て、十五日または十六日夕方まで各家に滞在したのち、精霊流しによって、再びあの世へ送り返されると信じられていた。 ...
4. しょうろ‐ながし[シャウロ‥]【精霊流】
日本国語大辞典
〔名〕「しょうりょうながし(精霊流)」に同じ。 ...
5. 歌麿 175ページ
東洋文庫
深い神秘的な夜の闇を表現するのを好んだ。女たちが夏の着物をきてそぞろ歩く灯火の情景[花火大会ないし精霊流し?]を描いた構図である。漆板のように黒い川べりに面した ...
6. 盂蘭盆会(うらぼんえ) 【12か月のきまりごと歳時記】
生活便利帳
焚いて祖先の霊を家に導き、15日の夜または16日の朝に送り火を焚いて霊を送る。魂送りとして灯籠流しや精霊流しが各地で行われる。 ...
7. おおはとあと【大波止跡】長崎県:長崎市/長崎町/江戸町
日本歴史地名大系
もち、湊内の風波が激しいとき番船を引入れ、係留するための施設であるという。毎年七月一五日夜には精霊流しのため「江戸町波戸場俗に大波戸といふ」や肥前佐賀藩蔵屋敷の ...
8. おかべ-こうだい【岡部耕大】
日本人名大辞典
くにお)戯曲賞。63年紀伊国屋演劇賞。長崎県出身。東海大中退。本名は耕大(こうた)。作品に「精霊流し」「鬼火」など。 ...
9. おくり‐ぶね【送舟】
日本国語大辞典
乗合船恵方万歳(乗合船)〔1843〕「こちらも急ぐ送船、程なく着岸、サア一つ聞し召せ」(2)精霊流しに用いる小舟。盆舟。精霊舟。《季・秋》 ...
10. お‐むかい[‥むかひ]【御迎】
日本国語大辞典
先代萩〔1785〕四「お向ひがてら行て来(か)ふと」(2)盂蘭盆(うらぼん)の翌朝、供え物を精霊流しのために集め歩くこと。また、その呼び声。*随筆・守貞漫稿〔1 ...
11. オーストリア画像
世界大百科事典
は火焚き行事が行われ,人々は卵の殻に小さなろうそくをつけ,灯をともして川に流す。日本のお盆の精霊流しと似ている。それがすむと秋が来て,ブドウ酒の新酒(ホイリゲH ...
12. 蟹江敬三
イミダス 2018
悪役だけではなく、幅広い役をこなす個性派俳優となった。出演した映画は「十九歳の地図」(79年)、「精霊流し」(2002年)、テレビドラマでは「鬼平犯科帳」(19 ...
13. 川画像
日本大百科全書
連結するものとして連続性を呈するが、それと垂直に交差する方向に対しては「境界」としての機能をもつ。「精霊流し(しょうりょうながし)」では御霊(みたま)を乗せた船 ...
14. きたいかりむら【北五十里村】新潟県:両津市
日本歴史地名大系
。北五十里神社に接して善宝寺講の両大龍王殿があり、船持仲間の集りが行われた。村では盆船という精霊流しが行われる。寺院はなく、椿の利済庵・常慶寺と湊の妙法寺を檀那 ...
15. 百済観音 252ページ
東洋文庫
永遠に胸に蔵する楽しい記憶であろう。      四、長崎の精霊流し 七月十五日の夜は春の紙鳶揚げ、秋の諏訪神事とともに、長崎の三大年中行事の一つ精霊流しの行なわ ...
16. 百済観音 253ページ
東洋文庫
振りまいたように、長崎の全市は龍宮の夜景もかくやと思わしむる美観を放っていた。 その中にモウ精霊流しが始まる時刻だというので、船を大波止の近くに寄せると、ボツボ ...
17. 百済観音 254ページ
東洋文庫
は墓地の燈火の美わしさを説いて「其の美事なること浪花の天神祭りよりも優れたり」とあるが、この精霊流しのことは書いてない。しかし『長崎聞見録』などには大小の藁船を ...
18. こむぎこ【小麦粉】[標準語索引]
日本方言大辞典
むぎこ:小麦粉を油をひいた鍋で焼き、黒砂糖を付けて食べるものどらやき盆の十五日に作り十六日の精霊流しに流す、きな粉をまぶした平たいこむぎこ:小麦粉の餅おみやげも ...
19. さだ まさし
日本人名大辞典
小説家。昭和27年4月10日生まれ。吉田政美とグレープを結成し昭和48年レコードデビュー,49年「精霊流し」がヒット。ソロシンガーとしても54年「関白宣言」の大 ...
20. しょう‐りょう[シャウリャウ]【精霊・聖霊】
日本国語大辞典
ねたもの。《おしょれさま》山形県飽海郡139 《おしょらいさま》山形県西置賜郡139 (5)精霊流し。《しょうりょうさあ》島根県鹿足郡・益田市725 (6)精霊 ...
21. しょうりょう‐ぶね[シャウリャウ‥]【精霊舟・聖霊舟】
日本国語大辞典
02〕人事門「送者の帰るを見済し船に乗りて精霊船を逐ひ」とうろう流し。精霊流し。《しょうりょうぶね》島根県725 《せいろぶね・しゃあらぶねながし〔─流〕》島根 ...
22. しょーりょー【精霊】[方言]
日本方言大辞典
70《おしょらいさま》 山形県西置賜郡139山形県方言辞典(山形県方言研究会)1970(5)精霊流し。《しょーりょーさー》 島根県鹿足郡・益田市725島根県方言 ...
23. しょーりょーぶね【精霊船】[方言]
日本方言大辞典
とうろう流し。精霊流し。 島根県725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)1963《せーろぶね》《しゃーらぶねながし【―流】》 島根県隠岐島725島根県方言辞典 ...
24. すい‐とう【水灯】
日本国語大辞典
〔名〕水に浮かべて流す灯籠(とうろう)。また、その遊び。中国で行なわれたものが、日本では盆の精霊流しと結びついたもの。ふつう灯籠流しという。*随筆・雪のふる道〔 ...
25. せなかあて【背中当】[方言]
日本方言大辞典
田求)1909(10)うどんの耳をゆでて黄粉で包んだもの。盆の十五日に作り仏に供え、十六日の精霊流しには苞つとに入れて流す。 青森県三戸郡083青森県五戸語彙( ...
26. せなか‐あて【背中当】
日本国語大辞典
県佐渡348 (10)うどんの耳をゆでて黄粉で包んだもの。盆の一五日に作り仏に供え、一六日の精霊流しには苞(つと)に入れて流す。《せなかあて》青森県三戸郡083 ...
27. 東京年中行事 2 102ページ
東洋文庫
 注   一流燈会 燈籠流しは、盆の供え物の類を川や海に    流して、仏を送る行事である、精霊流しから変化    したものであるが、元来大寺の主宰する施餓鬼行 ...
28. とうじんやしき【唐人屋敷】
国史大辞典
跡は市民に分譲された。文化的には、館内の卓袱(しっぽく)料理、唐人踊りの明清楽、竜(じゃ)踊りや精霊流しなどが市内に伝わり、また仮名や浄瑠璃に巧みな唐人もあった ...
29. 灯籠流し
世界大百科事典
に臨んだ地方に多くみられる。盆の供えものを精霊舟にのせ,灯火をつけて川や海に流し,精霊を送る精霊流しの変化したものともみられるが,灯籠流しはとくに川施餓鬼(かわ ...
30. とうろうながし【燈籠流し】
国史大辞典
精霊流し(しょうりょうながし)  ...
31. とうろうぶね‐ながし【灯籠舟流】
日本国語大辞典
〔名〕送り盆に灯籠舟を海や川に送り流す盆行事。精霊流し。トーローブネナ〓シ ...
32. 長崎(県)画像
日本大百科全書
のできる都市づくりを推進している。 原爆記念日には平和を祈り、夏に爆竹の音色悲しく響きわたる精霊流し(しょうろうながし)、秋は、竜踊(じゃおどり)やふとん型御神 ...
33. 長崎(市)画像
日本大百科全書
に選ばれた。 長崎の年中行事には、春はハタ揚げ、ながさき祭、夏はペーロン競漕(きょうそう)、精霊流し(しょうろうながし)、華僑(かきょう)による中国盂蘭盆会(う ...
34. ながさきまち【長崎町】長崎県:長崎市
日本歴史地名大系
嘉永元年盆の折の花火矢、精霊流しの場への見物、その後の宴会などが禁じられており(寄合町諸事書上控帳)、すでに精霊流し(聖霊流し)は禁令が出るほどに遊興の対象とな ...
35. 日本風俗備考 2 0ページ
東洋文庫
①71小名          ①42〔照明〕     ②109醤油          ②95〔精霊流し〕    ②59食事〔→料理〕  ②113-116食事(オ ...
36. ほとけおくり【仏送】[方言]
日本方言大辞典
(1)盆の十五日の朝、仏を川まで送ること。精霊流し。 奈良県南大和683南大和方言語彙(野村伝四)1936 島根県725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)19 ...
37. ほとけ‐おくり【仏送】
日本国語大辞典
〔名〕(1)盆の一五日の朝、仏を川まで送ること。精霊流し。《ほとけおくり》奈良県南大和683 島根県725 (2)精霊祭が終わった八月一五日の夜に仏壇の灯火で墓 ...
38. ぼんだなおくり【盆棚送】[方言]
日本方言大辞典
精霊流し。 静岡県川根534静岡県庵原郡飯田村及び志太郡榛原郡川根地方方言集(鈴木脩一)=方言誌101934 ...
39. 三浦(市)画像
日本大百科全書
宮川の神明社と下宮田の若宮神社の湯花神楽(ゆばなかぐら)、三戸(みと)のおみしめさま(道祖神像)の行事とお精霊流し、毘沙門と大乗(おおのり)の獅子舞(ししまい) ...
40. みとむら【三戸村】神奈川県:三浦市地図
日本歴史地名大系
浄土宗光照寺は永享五年(一四三三)没の宝誉が開基といい(「寺社取調書上帳」同寺蔵)、同寺の盆行事である三戸のお精霊流しは麦藁舟を用い、小正月のサイト行事に用いら ...
41. みやげもち【土産餅】[方言]
日本方言大辞典
誌)1931~1938(2)(帰っていく精霊の土産にするところから)盆の十五日に作り十六日の精霊流しに流す、きな粉をまぶした平たい小麦粉の餅もち。また、十六日の ...
42. みやげ‐もち【土産餠】
日本国語大辞典
《みやげもち》愛知県北設楽郡054 (2)(帰っていく精霊の土産にするところから)盆の一五日に作り一六日の精霊流しに流す、きな粉をまぶした平たい小麦粉の餠。また ...
43. むぎがら‐ぶね【麦稈舟】
日本国語大辞典
〔名〕盂蘭盆会(うらぼんえ)の時、精霊流しに用いる、麦わらで作った小舟。盆舟(ぼんぶね)。《季・秋》ム ...
44. もち【餅】[標準語索引]
日本方言大辞典
ち:餅どさくさもち盆の十六日に供える仏送りの土産のもち:餅きんかもち盆の十五日に作り十六日の精霊流しに流す、きな粉をまぶした平たい小麦粉のもち:餅おみやげもち  ...
「精霊流し」の情報だけではなく、「精霊流し」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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