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  11. 滑稽本

滑稽本

ジャパンナレッジで閲覧できる『滑稽本』の日本古典文学全集・国史大辞典・世界大百科事典のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
滑稽本
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滑稽本 全体

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滑稽本 拡大

【目次】
滑稽本(扉)
凡例
酩酊気質(扉)
酩酊気質 上
自叙
凡例
無而七癖酩酊気質品目
かつぎ上戸
面白くない上戸
くどい上戸
小ごと上戸
酩酊気質 下
なき上戸
ゐけん上戸
ねち上戸
りくつ上戸
はら立上戸
さわぎ上戸
しやべり上戸
浮世床(扉)
柳髪新話 浮世床 初編
柳髪新話自序
柳髪新話浮世床 初編 巻之上
柳髪新話浮世床 初編 巻之中
柳髪新話浮世床 初編 巻之下
浮世床後叙 滑稽之魁
柳髪新話 浮世床 二編

柳髪新話浮世床 二編 巻之上
柳髪新話浮世床 二編 巻之下
解説
酩酊気質
浮世床



国史大辞典
〓
こっけいぼん
江戸時代後期、風刺・滑稽を主とした小説の形態であり、寛政の改革を界として、それ以前の前期滑稽本と、それ以後の後期滑稽本とに分けるのが普通である。厳密には、前期は風刺性・教訓性が強いので、談義本(だんぎぼん)とか教訓本という別称があり、後期は『東海道中膝栗毛』を機に流行した滑稽のみを主眼とする小説を指している。宝暦二年(一七五二)江戸に静観房好阿の『当世下手談義(いまようへただんぎ)』という著作があらわれ、当時の江戸の軽薄な風俗を皮肉った。これが江戸人士に大いに受け入れられて、この本に対する賛否こもごもの著作が続出した。『教訓雑長持』『返答下手談義』『評判当風辻談義』『下手談義聴聞集』という類である。しかしこれらは教訓性が強く、まだ小説というに足らなかったが、風来山人(平賀源内)の『根南志具佐(ねなしぐさ)』(宝暦十三年)、『風流志道軒伝』(同)の二作が出て、談義本は本格的な小説となった。前者は地獄や竜宮の風景を借りて鋭い時勢の風刺があり、後者は志道軒の大人国・小人国・女人国などの遍歴を借りて「物になずむな」という一つの世界観を打ち出している。この二作の影響は非常に大きかった。『針の供養』『和荘兵衛』などそれである。しかし寛政の改革は、これらの風刺小説に打撃を与え、小説は風刺を抜きにした滑稽のみの小説に転化する。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』(享和二年(一八〇二))は、そのきっかけになった。この作は談義本よりも洒落本の会話を主とする形態を受けつぎ、一方『竹斎』『東海道名所記』などの同行二人の滑稽人物や狂歌の挿入を受けついだ。当時の東海道への関心、弥次郎兵衛・喜多八二人の滑稽味、道中の写生などによって好評を博し、はじめは江戸から箱根までで終る予定であったものが、ついに大坂まで行き、さらに『続膝栗毛』(文化七年(一八一〇))となって、金毘羅・宮島詣、木曾街道となり、また『続々膝栗毛』(天保二年(一八三一))となって東北旅行までするはずであったのが、一九の死によって中絶した。まさに爆発的な人気であって、この結果「何々膝栗毛」「何々道中」といった滑稽本が続出した。一方、式亭三馬は、『浮世風呂』(文化六年)を書いて、これも好評を博した。これは別に滑稽な主人公はなく、銭湯に集まる多数の人間の生態を写実的に、また皮肉に描いたものであるが、やはり人物の会話を主としている。三馬はこういう写生を得意として、さらに『浮世床』『酩酊気質(なまえいかたぎ)』『四十八癖』『客者評判記』など多くの滑稽本を著わしている。一九・三馬は後期滑稽本の代表作家であったが、なお『花暦八笑人(はなごよみはっしょうじん)』(文政三年(一八二〇))を書いた滝亭鯉丈(りゅうていりじょう)、『妙竹林話七偏人(みょうちくりんばなししちへんじん)』(安政四年(一八五七))を書いた梅亭金鵞(ばいていきんが)がいる。これらの作は、一九や三馬の写実を放棄して茶番に近いふざけた作品になっている。滑稽本もここまで来ると、もはや新味のないものになってしまった。明治に入って一九や三馬に心酔した仮名垣魯文が、『西洋道中膝栗毛』(明治三年(一八七〇))を著わして、弥次喜多を神戸からロンドンまで行かせ、『安愚楽鍋(あぐらなべ)』(同四年)で牛店に集まる客の生態を描いて文明開化の世相に同調しようとしたが、もはや滑稽本は古い小説形態となりつつあった。
[参考文献]
本田康雄『式亭三馬の文芸』、野田寿雄「滑稽本」(久松潜一編『新版日本文学史』五所収)
(野田 寿雄)


改訂新版 世界大百科事典
滑稽本
こっけいぼん

江戸後期の小説形態の一種。〈滑稽本〉とは明治以後の文学史用語で,江戸時代は人情本とともにその書型から〈中本(ちゆうほん)〉と呼ばれた。十返舎一九作《東海道中膝栗毛》(初編1802)以後明治初年までの滑稽諧謔を旨とする作品を指すが,文学史上は,中本の源流とみなしうる宝暦・明和(1751-72)のころの,笑いを内包する教訓的作品をもふくめている。

文学史上,滑稽本の最初は1752年(宝暦2)刊の静観房好阿(じようかんぼうこうあ)作《当世下手談義(いまようへただんぎ)》とされ,当時の町の生活,風俗を批判,教訓するものであるが,説経僧の語り口を採用しておのずと笑いをかもし出す。以後この種の作品が続いて出るが,封建社会の矛盾を暴露した風来山人作の《風流志道軒伝》(1763)以後は,洒落本や黄表紙に押されていく。だが,91年(寛政3)の洒落本弾圧もあって,滑稽本は文化・文政(1804-30)のころ全盛期を迎え,《東海道中膝栗毛》の十返舎一九,《浮世風呂》の式亭三馬,《花暦八笑人》の滝亭鯉丈(りゆうていりじよう)らが活躍する。道中記の形式で主人公の滑稽な行動を描く《膝栗毛》,舞台を固定し,雑多な登場人物の行動を克明に描く《浮世風呂》,両者を折衷した形の《八笑人》と,3人の作風はそれぞれ特徴をもつが,後続の作者,《七偏人(しちへんじん)》の梅亭金鵞(ばいていきんが),《西洋道中膝栗毛》(初編1870),《安愚楽鍋(あぐらなべ)》(初編1871)の仮名垣魯文(かながきろぶん)などは3人の亜流で,新しい発展は見られない。
[神保 五弥]

[索引語]
中本 十返舎一九 当世下手談義(いまようへただんぎ) 式亭三馬 滝亭鯉丈
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検索ヒット数 15646
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1. 滑稽本画像
日本大百科全書
滑稽を目的とした戯作げさく類で、後期江戸小説の一分野。当時は、小本こほん(現在の文庫本に近い型)とよばれた書型の洒落本しゃれぼんに対して、中本ちゅうほん(現在の
2. 滑稽本
世界大百科事典
江戸後期の小説形態の一種。〈滑稽本〉とは明治以後の文学史用語で,江戸時代は人情本とともにその書型から〈中本(ちゆうほん)〉と呼ばれた。十返舎一九作《東海道中膝栗
3. こっけい‐ぼん【滑稽本】
日本国語大辞典
もつ中本型挿画入りの作品類をいい、前者を「前期(読本型)滑稽本」、後者を「中本型滑稽本」ともいう。狭義には、明治期まで続いた後者を指す。なお、上方には半紙本の滑
4. こっけいぼん【滑稽本】
全文全訳古語辞典
[近世小説のジャンル名]江戸後期に流行した小説。風刺性をほとんど去り、滑稽おかしみを主眼とした小説。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』以降、式亭三馬の『浮世風呂』な
5. こっけいぼん【滑〓本】
国史大辞典
江戸時代後期、風刺・滑稽を主とした小説の形態であり、寛政の改革を界として、それ以前の前期滑稽本と、それ以後の後期滑稽本とに分けるのが普通である。厳密には、前期は
6. 滑稽本
日本古典文学全集
滑稽本とは、江戸後期に現れた滑稽を目的とした戯作のことで、十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の『東海道中膝栗毛(ひざくりげ)』(1802年)以降、式亭三馬(しきて
7. 滑稽本
日本史年表
1835年〈天保6 乙未⑦〉 この頃 滑稽本 ・ 人情本流行 。
8. 【滑稽本】こっけい ぼん
新選漢和辞典Web版
《国》江戸時代の小説の一体。日常生活の中のおかしさを描いたもの。「東海道中膝栗毛(ひざくりげ)」など。
9. ああ
日本国語大辞典
〔副〕(1)あのように。あのとおりに。*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・下「おっつけ子小児(ここども)でも出来てみな。ああはいかねへ」*怪談牡丹燈籠〔18
10. ああ【嗚呼】
日本国語大辞典
表わす語として、「あ」「ああ」等を、承知を示す際には、「おお」「はあ」等を使用する。(2)近世の「滑稽本・浮世風呂」には、(5)の応答の意の「ああ」が出現するが
11. ああ‐いう[‥いふ]
日本国語大辞典
化した語)あのような。あんな。ああした。非難、からかい、称賛などの感情が加わることが多い。*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・上「ありゃア、ああいふ癖で」*
12. ああ つがもない
日本国語大辞典
1779〕「引っこ抜いてから竹割りに打放すが男達の極意。誰れだと思ふやい、アアつがもねえ」*滑稽本・風来六部集〔1780〕飛だ噂の評「おいらも神田の贔屓組、悪く
13. ああれ
日本国語大辞典
〔感動〕「あれ〔感動〕」に同じ。*滑稽本・七偏人〔1857~63〕二・上「アアレ台所の戸棚をぐゎたぐゎたやって居やアがる」
14. あい【愛】
日本国語大辞典
笑へばあいをなし、いつとなく消(きへ)にける」*雑俳・若紫〔1741~44〕「細工名人愛の無い顔」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・中「向の嚊(かか)や隣
15. あい[あひ]【間・合】
日本国語大辞典
(間手)」の略。*雑俳・柳多留‐九〔1774〕「ふきがらをけしてくんなと間(あイ)をひき」*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802~09〕八・中「『サア三味(しゃみ)
16. あい‐あい
日本国語大辞典
御返事申て」*浄瑠璃・傾城反魂香〔1708頃〕上「局は奥にあいあいとあいそうらしき声々の」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕二・上「アイアイ、今帰(けへ)りま
17. あいあい‐がさ[あひあひ‥]【相合傘】画像
日本国語大辞典
もあいがさ。あいがさ。*浄瑠璃・津国女夫池〔1721〕千畳敷「君と淀とが、相合笠の袖と袖」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・上「夫婦とおぼしき者、相合傘(
18. あい‐あか[あひ‥]【間赤】
日本国語大辞典
小袖(こそで)。礼服で、一〇・一一・一二月に着用した。→間黄(あいぎ)・間白(あいじろ)。*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・下「お玄猪(ゐのこ)から間赤(
19. 相生玉手箱(著作ID:594649)
新日本古典籍データベース
あいおいたまてばこ 池田遊鶴(いけだゆうかく) 作 北尾辰宣(きたおときのぶ) 画 ? 滑稽本 安永三刊
20. あいかわら‐ず[あひかはら‥]【相変─・相不変】
日本国語大辞典
いつものとおり。*虎明本狂言・昆布柿〔室町末~近世初〕「毎年あひかはらずもって上る事は一段めでたい」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕前・上「御隠居どうでごっ
21. あい‐がみ[あゐ‥]【藍紙】
日本国語大辞典
れ・藍紙が吝い御人の手にかかり」*御国通辞〔1790〕光彩「あいがみ 藍紙 つゆくさがみ」*滑稽本・浮世床〔1813~23〕二・下「彩色は丹(たん)に山梔(くち
22. あい‐きゃく[あひ‥]【相客】
日本国語大辞典
と。また、その客。*浮世草子・御前義経記〔1700〕二・四「相客(アヒキャク)なきを幸に」*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802~09〕四・下「おあいきゃくはおませ
23. あい‐きょう[‥キャウ]【愛敬・愛嬌(ケウ)】
日本国語大辞典
姥〔1712頃〕四「みやげもらはふ嬉しいと、手をたたいて悦びし、あいきゃう有てすさまじき」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・上「ちっと権があるよ。あれで愛
24. あいきょう‐あばた[アイキャウ‥]【愛敬痘痕】
日本国語大辞典
ふつう醜いものであるが、それがあるために、かえってかわいらしさが増すように見える、薄いあばた。*滑稽本・人間万事虚誕計‐後〔1833〕「小皺はすくなし、いも顔で
25. あいきょう が こぼれる
日本国語大辞典
顔つきや言動などにやさしさ、愛らしさ、こびるような表情などがあふれる。*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802~09〕四・上「こちらの比丘尼がおれを見て、アレいっそに
26. 愛敬(あいきょう)がこぼれる
故事俗信ことわざ大辞典
顔つきや言動などに、やさしさ、愛らしさ、こびるような表情などがあふれる。 滑稽本・東海道中膝栗毛(1802~09)四・上「こちらの比丘尼がおれを見て、アレいっそ
27. あいきょう‐ば[アイキャウ‥]【愛敬歯】
日本国語大辞典
上の二本の前歯だけお歯黒を落して白くすること。また、その歯。江戸時代、文化年間(一八〇四~一八)頃流行した。*滑稽本・四十八癖〔1812~18〕三「鉄漿(おはぐ
28. あいきょう‐らし・い[アイキャウ‥]【愛敬─】
日本国語大辞典
*歌舞伎・幼稚子敵討〔1753〕三「ほんに、見れば見る程阿呆らしい、愛敬らしい野暮助様じゃわいな」*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802~09〕五・上「『右側のむす
29. あい‐きん・ず[あひ‥]【相禁】
日本国語大辞典
〔他サ変〕(「あい」は接頭語)禁ずる。*滑稽本・古朽木〔1780〕二「少々宛も物入に相掛申儀堅く相禁じ」
30. あい‐ぎ[あひ‥]【間着・合着】画像
日本国語大辞典
あゐ着(ギ)は小紋無垢(むく)の片袖ちがひのやうに見へ、いろのさめた緋縮緬(ひぢりめん)のじゅばん」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・下「鼠色縮緬(ねづみ
31. あい‐くるし・い【愛─】
日本国語大辞典
し〔形シク〕子供などがたいへんにかわいらしい。非常にあいきょうがある。あいくろしい。*滑稽本・玉櫛笥〔1826〕「随分浄瑠璃も功者に語りますよ。第一誰にでもあい
32. あい‐ぐすり[あひ‥]【合薬】
日本国語大辞典
*森藤左衛門本狂言・麻生〔室町末~近世初〕「いかにあひぐすりぢゃと言うてもちとむさいことぢゃよ」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕二・上「ハイ、私にも合(ア)
33. あい‐ぐま[あゐ‥]【藍隈】
日本国語大辞典
〔名〕(1)「あおぐま(青隈)」に同じ。*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・上「額の汗を下手に拭(ふく)と、色男の面が藍隈(アイグマ)になる」*続春夏秋冬〔
34. あい‐こ[あひ‥]【相子】
日本国語大辞典
〔名〕(「こ」は接尾語。「子」は当て字)互いに勝ち負けのないこと。差がないこと。あいもち。*滑稽本・七偏人〔1857~63〕二・中「『藤八で参るベイ』〈略〉『イ
35. あい‐こう[あひ‥]
日本国語大辞典
床「手前のかほがばけものとあいかうといふ物だから、むかふでゆびをくわいて迯(にげ)るわな」*滑稽本・浮世床〔1813~23〕二・下「一(いい)。六(りう)。七(
36. あいさ
日本国語大辞典
*咄本・聞上手三篇〔1773〕人の噂「アイさ。わたしも心懸て、人の噂は申ませぬ様にいたします」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕二・上「『いつでもあの生酔さん
37. あいさ[方言]
日本方言大辞典
打ったりする時の語。そうそう。そうです。 秋田市135秋田市方言資料(国立国語研究所)1964滑稽本浮世風呂二・上「『いつでもあの生酔さんは夜がふけるねへ』『ア
38. あいさ さよう
日本国語大辞典
したりするときのことば。*雑俳・柳多留拾遺〔1801〕巻八上「琴の弟子あいささやうはいはぬなり」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕前・下「『全体友がわるいから
39. あい‐さつ【挨拶】
日本国語大辞典
*浄瑠璃・国性爺合戦〔1715〕唐船「仲人もない、挨拶ない、二人が胸と胸とに、起請も誓紙もおさめて有る」*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802~09〕八・上「何じゃ
40. あい‐ざかり【愛盛】
日本国語大辞典
四「年は六つか七里も憎盛(にくみざかり)の愛盛(アイザカリ)、幼児(をさなご)伴ひ入来り」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕二・上「いっそ愛盛りだ。とんだ人相
41. あい‐し[あひ‥]【相衆・相仕】
日本国語大辞典
イ、私は木挽丁(こびきちゃう)のおさのでござりまする』『私はあいしのおきのでござります』」*滑稽本・大千世界楽屋探〔1817〕中「『然然(さうさう)主(ぬし)と
42. あい‐じゃくや[あひ‥]【相借家】
日本国語大辞典
の好色「又あい借屋の興介もかんにんしかねて、山の神を引おこして思はずよだれをながさせける」*滑稽本・指面草〔1786〕中「窃(ひそか)に相借屋(アヒジャクヤ)の
43. あい‐じろ[あひ‥]【間白】
日本国語大辞典
黄(あいぎ)。*雑俳・川柳評万句合‐天明二〔1782〕・満一「相白を着せて年始につき出し」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・下「『三月と十月は帯付が間白(
44. あい‐そう[‥サウ]【愛想・愛相】
日本国語大辞典
子方言〔1770〕発端「ここの女房は、あまり愛想(アイソウ)がよくないじゃござりませぬか」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・中「隣の家へ愛相(アイサウ)い
45. あ‐いたた【─痛】
日本国語大辞典
〔連語〕「あいた(─痛)」に同じ。*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕前・下「盲人とあたまをかっちり『アイタタタタタ』」*当世書生気質〔1885~86〕〈坪内逍
46. あいだ[あひだ]【間】
日本国語大辞典
ぎす安比太(アヒダ)しまし置け汝(な)が鳴けば吾が思(も)ふ心いたもすべなし〈中臣宅守〉」*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・下「一つつきてあひだのあるは鐘
47. あいだ で 洟(はな)かむ
日本国語大辞典
金銭を渡す人と受け取る人の中間にいて、金銭の若干をくすねる。間でピンはねをする。*滑稽本・諺臍の宿替〔19C中〕二「中(アヒタ)で涕(ハナ)かむ人」
48. あいだ 踏(ふ)む
日本国語大辞典
調停役をつとめる。調停する。*滑稽本・諺臍の宿替〔19C中〕九「合(アイ)だふむ人」
49. あい‐ちゅう[あひ‥]【相中・間中・合中】
日本国語大辞典
誠は立者と中通の間なれば間中とはいふ」*滑稽本・戯場粋言幕の外〔1806〕下「立役中二階たっぷり、本中、合中(アヒチウ)、板の間、お囃子、みんながばりつく能顔(
50. あい‐つつし・む[あひ‥]【相慎】
日本国語大辞典
〔他マ四〕(「あい」は接頭語)「つつしむ」の改まった言い方。*滑稽本・古朽木〔1780〕二「物見遊山等屹度相慎み」
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うつほ物語(宇津保物語)(日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・国史大辞典)
平安時代の物語。題名は首巻の「俊蔭」の巻で、主人公の仲忠が母と杉の洞穴で生活したことによる。従来「宇津保」と書かれていたが、変体仮名の原漢字を用いたもので、題意からは「うつほ(ウツオ)」がよい。成立時代は円融朝(969~984)~
落窪物語(日本古典文学全集・日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
〔一〕今は昔のこと、中納言である人で、姫君を大勢持っていらっしゃった方がおられた。長女や次女の君には婿を迎えて、それぞれ西の対、東の対に派手に住まわせ申しあげなさって、「三女、四女の君には裳着の式をして差し上げよう」と、大事にお世話なさる
唐物語(国史大辞典・世界大百科事典)
中国説話二十七篇を歌物語風に翻訳した物語。一冊。前田綱紀の手記『桑華書志』所収の『古蹟歌書目録』は『漢物語』として作者を藤原成範と伝える。これが『唐物語』を指す蓋然性は高く、院政期の成立と見てよい。各話は王朝物語にもしばしば引用される著名な人物が配される。
とりかへばや物語(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
平安時代末期の物語。運命のいたずらで女装、男装を余儀なくされた異腹の兄妹の物語。作者未詳。三巻三冊または四巻四冊。『とりかへばや』には古本と今本とがあり、古本は散佚、古本を改作した「今とりかへばや」が『とりかへばや』『とりかへばや物語』の名で現存する。
今鏡(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安末期の歴史物語。1170年(嘉応2)成立説とそれ以後とする説とがあり、作者は藤原為経(寂超)説が有力。『大鏡』を受けて、1025年(万寿2)から1170年までの歴史を、座談形式を用い、紀伝体で叙述したもの。巻1~3は後一条天皇から高倉天皇までの帝紀、巻4~6は藤原氏
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魯迅 その文学と革命(東洋文庫)
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