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うつほ物語(宇津保物語)(新編 日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・国史大辞典)
平安時代の物語。題名は首巻の「俊蔭」の巻で、主人公の仲忠が母と杉の洞穴で生活したことによる。従来「宇津保」と書かれていたが、変体仮名の原漢字を用いたもので、題意からは「うつほ(ウツオ)」がよい。成立時代は円融朝(969~984)~
落窪物語(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・国史大辞典)
平安時代の物語。4巻。題名は、継母が姫君を寝殿の一段低い部屋に住まわせて落窪の君と呼ばせたことによる。成立時期、作者とも未詳であるが、およそ一条朝の初期、寛和~正暦(985~995)ごろ、男性によって書かれたものと考えられる。内容は、継母に虐待される薄幸の姫君が左大将の
唐物語(国史大辞典・世界大百科事典)
中国説話二十七篇を歌物語風に翻訳した物語。一冊。前田綱紀の手記『桑華書志』所収の『古蹟歌書目録』は『漢物語』として作者を藤原成範と伝える。これが『唐物語』を指す蓋然性は高く、院政期の成立と見てよい。各話は王朝物語にもしばしば引用される著名な人物が配される。
とりかへばや物語(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
平安時代末期の物語。運命のいたずらで女装、男装を余儀なくされた異腹の兄妹の物語。作者未詳。三巻三冊または四巻四冊。『とりかへばや』には古本と今本とがあり、古本は散佚、古本を改作した「今とりかへばや」が『とりかへばや』『とりかへばや物語』の名で現存する。
今鏡(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安末期の歴史物語。1170年(嘉応2)成立説とそれ以後とする説とがあり、作者は藤原為経(寂超)説が有力。『大鏡』を受けて、1025年(万寿2)から1170年までの歴史を、座談形式を用い、紀伝体で叙述したもの。巻1~3は後一条天皇から高倉天皇までの帝紀、巻4~6は藤原氏
狭衣物語(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安後期の物語。4巻。作者は後朱雀院の皇女禖子(ばいし)内親王に仕えた宣旨(女房の名)と伝えられる。宣旨は1055年(天喜3)5月の《六条斎院歌合》(題物語)に《玉藻に遊ぶ》という物語を提出しているが,今は散逸している。宣旨には源頼国女が擬せられているが確かでない。
夜の寝覚(夜半の寝覚)(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安後期の物語。『夜半の寝覚』とも、単に『寝覚』ともよばれる。現在の伝本は五巻または三巻であるが、その中間部分と終末部分とに大きい欠巻部分がある。原形態は、現存本の2倍から3倍の量があったと推定されるが、厳密には不明である。作者については、藤原定家が『浜松中納言物語』
浜松中納言物語(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安後期成立の物語。現存5巻であるが、首部に1、2巻の欠巻がある。藤原定家筆、御物本『更級日記』奥書に「常陸守菅原孝標(すがはらのたかすゑ)の娘の日記也。(中略)夜半の寝覚、御津の浜松、みづから悔ゆる、朝倉などは、この日記の人の作られたるとぞ」と、『御津の浜松』
栄花物語(栄華物語)(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集)
平安時代後期の歴史物語。四十巻(異本系三十巻)。『栄華物語』とも書く。『大鏡』とともに『世継』『世継物語』などとも呼ばれたため、時に両書は混同されたこともある。前三十巻の正編と、後十巻の続編の二部に大別され、まず正編が書かれた後
三河物語(国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
徳川氏創業史の最初の著作。筆者は大久保彦左衛門忠教。三巻。元和八年(一六二二)には草稿本が完成していたとみられるが、現存自筆本(穂久邇文庫蔵、重要文化財)の最終的成立は寛永三年(一六二六)。上巻は源氏の由来から始めて徳川家康の父祖、いわゆる松平八代(親氏―広忠)の
水鏡(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
歴史物語。三巻三冊。鎌倉時代初期の成立か。作者は中山忠親かといわれるが、ほかに源雅頼をあてる説もある。ただし、雅頼説は注目を集めたものの反論も出ている。内容は、神武天皇より仁明天皇までの歴史を語るが、妄誕の記事がはなはだ多く、信頼できない話題が随所にあり
風葉和歌集(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
鎌倉時代の物語歌撰集。撰者は藤原為家か。二十巻。ただし、末尾二巻は早く散逸し、現存本は十八巻千四百十八首を含む。文永八年(一二七一)十月成る。巻頭に仮名序がある。後嵯峨院の皇后で、後深草・亀山両天皇の生母、大宮院の下命で、当時存在した
増鏡(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
歴史物語。作者未詳。十七巻。十四世紀後半の成立。『益鏡』『真寸鏡』とも書き、『源起記』と題した写本もある。治承四年(一一八〇)後鳥羽天皇の誕生から筆を起し、元弘三年(一三三三)後醍醐天皇が配所の隠岐から帰京するまでの歴史を、貴族社会を中心にして仮名書き雅文体で
唐代伝奇集(東洋文庫)
東洋文庫2 前野直彬編訳 3~6世紀の六朝時代に伝えられたインド的空想が中国で見事に花開き,妖しい美しさに読者をひき入れるのが唐代の小説「伝奇」である。広い資料のなかから選びぬかれた珠玉の作品111編のうち,第1巻は,比較的長い物語34話
捜神記(東洋文庫)
東洋文庫10 干宝 竹田晃訳 作者は4世紀半ば,東晋の歴史家で,本書は民間伝説,名士の逸話などを古い書物から抄録したもの。志怪小説とよばれる怪異の記録中もっとも叙述にすぐれ,中国小説の祖とされる。本邦初の全訳。目次 表紙(扉)捜神記原序 巻一
アラビアン・ナイト(東洋文庫)
東洋文庫71 前嶋信次訳 中世ペルシア語からアラビア語に訳された説話をもとに,各地の説話を糾合して16世紀のカイロで編まれたアラビア語文学の傑作。アラビア語原典からの完訳は,重訳によって生じた従来の歪んだイスラム観を正す
雨月物語(新編 日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
逢坂の関の番士に通行を許され、東への道をとってから、秋が来て燃え立つような山々の紅葉の美しさをも見捨てがたく、そのまま東下りの旅は、浜千鳥が足跡をつけて遊ぶ鳴海潟、富士山の雄大な噴煙、浮島が原、清見が関、大磯小磯の浦々の風光
御伽草子(日本大百科全書・世界大百科事典)
およそ14世紀から16世紀の間(南北朝・室町時代)に現れた短編の物語小説。最初は、江戸時代に入って叢書として出版された『文正草子』以下23編の作品をさす名称であったが、現在では同類の作品を広く包括して、文学史上の一ジャンルを意味する術語として用いられる
仮名草子(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
仮名草子は中世の小説と本格的な近世小説である浮世草子との過渡的な存在である。当時仮名和書とか草紙とか呼ばれた種類の作品を指すが、内容的には案内記や教訓書のような文学性の稀薄なものも含まれている。仮名和書とは漢籍に対して俗耳に入りやすい
浮世草子(日本大百科全書・世界大百科事典)
1682年(天和2)刊の井原西鶴作『好色一代男』を起点に、100年間主として京坂で行われた、社会の風俗描写を基本的な方法とする小説群の総称。[長谷川強]第1期(1682~1699年)『好色一代男』は当時の現実肯定的風潮の下に、着想、描写の奇警さで歓迎され
洒落本(日本古典文学全集・国史大辞典・世界大百科事典)
洒落本(扉) 凡例 跖婦人伝(扉) 色説序 跖婦人伝序 跖婦人像 跖婦人伝 色説序 色説 遊子方言(扉) 遊子方言叙 目録 発端 夜のけしき 宵の程 更の体 しのゝめのころ 甲駅新話(扉) 甲駅新話 序 目録 甲駅新話 跋 古契三娼(扉)
滑稽本(日本古典文学全集・国史大辞典・世界大百科事典)
滑稽本(扉) 凡例 酩酊気質(扉) 酩酊気質  上 自叙 凡例 無而七癖酩酊気質品目 かつぎ上戸 面白くない上戸 くどい上戸 小ごと上戸 酩酊気質  下 なき上戸 ゐけん上戸 ねち上戸 りくつ上戸 はら立上戸 さわぎ上戸 しやべり上戸 浮世床(扉)
住吉物語(日本古典文学全集)
今は昔、中納言で左衛門督を兼任する方があり、上を二人お持ちで、双方にかけもちでお通いになっていた。一人は世に時めく諸大夫の御娘である。こちらには姫君が二人いらした。中の君、三の君と申しあげた。もう一人は延喜の帝の姫君で、高貴な方であられた
松浦宮物語(日本古典文学全集)
昔、藤原京を都とされた御門の御時、正三位大納言で中衛の大将を兼任しておられた、橘の冬明と申しあげるお方が、明日香の皇女の御腹にただ一人お持ちになっておられた男君、そのお方は、容貌が人よりまさり、思慮・才覚もまことに比類なく成長されているのを
英草紙(日本古典文学全集・国史大辞典)
万里小路藤房卿は宣房卿の子である。幼少から読書を好んで、知識は博く記憶はよく、学は和漢にわたって、才識も富かで、若くして中納言の要職に進んだ。後醍醐天皇が書経の講義を命ぜられたところ、よくその主旨とする意味を解明したので、天皇は深くその才能を愛して
西山物語(日本古典文学全集・国史大辞典・歌舞伎事典)
山城国乙訓郡の松尾村という所に、大森七郎という武士が兄妹三人で住んでいた。妹の名はかへといい、その下の弟は惣次といった。七郎の妻は早く亡くなっていたが、年老いた母が健在で貧しいながらも三人の兄妹で大切に仕えていた。また、同じ村里に、同族で八郎という男
春雨物語(日本古典文学全集・国史大辞典)
春雨降り続いて今日で幾日やら、静かなうえに趣もある。使いならした筆硯取り出してはみたものの、思いめぐらしてみて、書くべきほどのこともない。物語のさま真似てみるのは初めてのこと、しかしながら、わたしのようにあって甲斐なき者、どのようなことが記せよう
室町物語草子集(日本古典文学全集)
昔から今に至るまで、めでたいことを聞き伝えているが、わけても、いやしい者が、格別に出世して、初めから終りまでも、ついにつらいことがなくめでたいのは、常陸国に住む塩売の文正と申す者であった。そのわけを尋ねると、都より東の関東の八か国の中でも
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