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ジャパンナレッジで閲覧できる『鰹』の世界大百科事典・日本国語大辞典のサンプルページ

改訂新版 世界大百科事典
カツオ
Euthynnus pelamis

硬骨魚綱スズキ目サバ科の海産魚。カツオの名称は鮮度が急激に悪くなるので乾燥して食べたり,火を通して調理すると肉質が硬くなることから〈かたうお〉と呼ばれたのがなまったという説がある。英名はskipjackといい,跳びはねるようすに由来する。マグロ類に近縁で,ときにはマグロ亜科に入れられることもある。従来はカツオ属と独立していたが,最近はヤイト属に入れられることが多い。全世界の各大洋の熱帯から温帯域の沿岸から外洋までの広い範囲に分布する。体は流線形で背面は暗青紫色,腹面は銀白色で,生前は不明瞭であるが,死後速やかに4~10条の青黒色の縦帯が現れる。興奮時には腹方に数本の横縞が見られる。背びれが2基でわずかに離れ,背腹両面にそれぞれ8本と7本の小離鰭(しようりき)がある。尾柄には2本の水平隆起がある。脊椎骨の周辺には血管に富んだ血合肉(ちあいにく)が発達し,物質代謝を活発にする。物質代謝で生成された熱は,血合部に平行に分布する細かな多数の動脈と静脈からなる奇網(きもう)(怪網)によって環境水中に放出されることなく体内に保存される。このためふつうの魚と異なって環境水よりかなり高い体温を保持することになり,もろもろの物質代謝が早く行われ,魚類中でも最高の遊泳力(最高は100km/hといわれる)を有する魚として活発な生命活動を営むことが可能となる。まれに体長1m近く,体重で25kgに達するものがあるが,ふつう漁獲されるものは40~65cmくらいである。

 広く回遊をし,春から秋にかけて熱帯域から高緯度地方にその分布域を拡大する。日本近海には2月下旬に九州南方海域に出現し,一部は対馬暖流にのり九州西方へいくが,主力は黒潮にのって日本の太平洋岸を北上する。この群れは3月下旬に四国へ,5~6月には伊豆や房総沖に達する。さらに三陸沖へ移動して,10月ごろに南下し始める。三陸沖には小笠原を経由してくる別な系統群も出現する。カツオはよく海流の表層を群れて泳ぐが,その際他の生物や漂流物といっしょに泳ぐことがあり,それぞれ特別な名称がつけられている。例えば,ジンベイザメにつく群れを〈サメ付き群〉,クジラにつくものを〈クジラ付き群〉,漂流木材につくものを〈木付き群〉,鳥の群れについているものを〈鳥付き群〉といったりする。また,餌生物を追いかけるものを〈餌持ち群〉といい,カツオだけで群泳するものを〈素群(すなむら)〉という。これに対し,島嶼(とうしよ)地帯に滞留するものを〈瀬付き群〉といったりする。しかし,物につく理由は明らかでない。

 産卵は水温24℃以上の熱帯,亜熱帯では一年中にわたるが,それぞれの半球の夏にピークがある。受精卵は直径約1mmで,1昼夜を経過して全長2.5mmほどの仔魚(しぎよ)になる。成長はきわめて早く,成熟体長は約55cmほどで,満2.5歳くらいと推定されている。幼魚は甲殻類,魚類,イカ類をおもな餌とするが,成長するとイワシ類,アジ,サバなどの魚類およびイカ類をおもな餌とする。しかし,カツオ自身もマグロ・カジキ類の餌となり,とくにクロカジキには好んで食べられる。また,カツオの幼魚がカツオの胃中から見つかることがある。

 漁業の重要な対象魚の一つで,日本では昔から食用とされている。漁法はさお釣りが主体で初夏から秋にかけて,沖縄,九州,四国,本州の南岸沿いを移動するカツオを対象とする。また,小笠原近海から三陸沖の黒潮前線沿いの海域でも2歳魚を漁獲の対象とする。一本釣漁法はカタクチイワシなどの生き餌を散布し,カツオの群れを引き寄せて短時間のうちにさおで大量に漁獲する。生き餌を長時間確保する必要があるため,長年この漁法は日本近海に限られていたが,近年は技術の進歩によって南方海域でもさお釣りが可能となった。また,最近は大型巻網漁業によっても相当量が漁獲されるようになった。資源的にはまだ増産の余地があると考えられている。
[谷内 透]

料理

古く日本ではカツオを堅魚と書きならわしていた。天子の食膳にも供されたのであるが,それは当然干魚で堅かった。このため堅魚と書かれ,やがてこの2字を合わせて,本来はウナギなどを指すらしい鰹の字を借用するようになった。生のカツオを調理して食べることは,沿海地域では当然行われていたはずであるが,鎌倉でさえ身分のある人にまで供するようになったのは最近のことと《徒然草》は書いている。近世に入って江戸では初ガツオを賞美し,大金を投じて惜しまぬ人も多かった。現在カツオの刺身はショウガじょうゆで食べるのがふつうであるが,江戸時代にはカラシじょうゆが好まれた。カツオのたたきといえば,いまは皮つきのまま火であぶってから氷水で冷やして作る焼霜作りの刺身をいうが,室町期から江戸前期にかけてはカツオの塩辛を指す言葉だった。《和漢三才図会》(18世紀初頭)には,カツオの肉の切れ端と小骨をいっしょにたたいて塩辛にしたのがたたき,腸を塩辛にしたのが酒盗だとしている。焼霜作りのほうは《東海道名所記》などに見え,江戸初期には行われていたようである。刺身以外の料理では,すり身にしたカツオをみそ汁でのばして作るすり流汁,しょうゆと酒で煮つめる角煮などが喜ばれる。
→鰹節
[鈴木 晋一]

[索引語]
Euthynnus pelamis かたうお skipjack 奇網 サメ付き群 クジラ付き群 木付き群 鳥付群 餌持ち群 すなむら(素群) 瀬付き群 カツオのたたき


日本国語大辞典
かつお[かつを] 【鰹・堅魚・松魚】

解説・用例

〔名〕

(1)サバ科の海魚。体は紡錘形で肥満し、ふつう全長五〇~八〇センチメートル。背は暗青色、腹は銀白色で、死後数本の黒色縦帯が現われる。温帯および熱帯の外洋に広く分布し、南北方向の季節回遊をする。二月頃沖縄周辺海域に出現し、小魚などの餌を追い、黒潮にのって北上する。夏から秋には、東北・北海道沖に達する。食用魚で、刺身、照焼きなどのほか、鰹節、なまり節の材料となり、内臓は塩辛にする。特に近世の江戸では、初夏のころのものを初鰹(はつがつお)として珍重した。まんだら。まがつお。かつうお。かたな。学名はKatsuwonus pelamis 《季・夏》

*正倉院文書‐天平一〇年〔738〕駿河国正税帳(寧楽遺文)「煮堅魚参伯弐拾斤、納肆拾籠」

*万葉集〔8C後〕九・一七四〇「水の江の 浦島の子が 堅魚(かつを)釣り 鯛釣り誇り〈虫麻呂歌集〉」

*高橋氏文〔789頃か〕「還時顧〓舳魚多追来。即磐鹿六〓命以〓角弭之弓〓〓游魚之中〓。即著〓弭而出。忽獲〓数隻〓。仍名曰〓頑魚〓。此今諺曰〓堅魚〓。〈今以〓角作〓鉤柄〓〓堅魚〓此之由也〉」

*十巻本和名類聚抄〔934頃〕八「鰹魚 唐韻云鰹魚〈上音堅漢語抄云加豆乎 式文用堅魚二字也〉大〓也」

*徒然草〔1331頃〕一一九「鎌倉の海に、かつをと云ふ魚は、かの境にはさうなきものにて、この比もてなすものなり」

*俳諧・類柑子〔1707〕上・てりかつを附り河豚「楊貴妃の夜はいきたる松魚哉〈其角〉」

(2)生(なま)の鰹を蒸したり乾燥させたりして加工した食品。鰹節(かつおぶし・かつぶし)。なまり節。

*儀式〔872〕三・践祚大嘗祭儀・中「堅魚薄鰒各一連、雑〓一升」

*延喜式〔927〕一・四時祭「座別〈略〉鰒(あはひ)・堅魚各五両」

*雑俳・住吉おどり〔1696〕「かつをかく是(これ)はやいとのいへ薬」

*随筆・貞丈雑記〔1784頃〕六「かつをと云魚は古はなまにては食せず。ほしたる計用ひし也。ほしたるをもかつをぶしといはず、かつをと計いひしなり。かつをはかたうを也。ほせばかたくなる故也」

*日本山海名産図会〔1799〕四・堅魚「殊に鎌倉熊野に多く、就中土佐薩州を名産として味厚くにく肥(こへ)、乾魚(カツヲ)の上品とす」

(3)「かつおぎ(鰹木)」の略。

*古事記〔712〕下「堅魚を上げて舎屋を作れる家有りき」

(4)「かつおむし(鰹虫)」の略。

*新撰字鏡〔898~901頃〕「〓 加豆乎」

語誌

(1)干すと堅くなるので「かたうお」と呼ばれていたのが、「かつお」に変化したという。「鰹」の字も、もと「堅魚」と書いていたものを、木工→杢、麻呂→麿のように一字化したもので、平安初期に例が見られる。中国でも「鰹」を現在ではカツオに用いているが、もとは「爾雅‐釈魚」に「鰹、大〓、小者〓」とあるように別の類を指したらしい。

(2)古代からの重要な水産の食料であるが、鎌倉時代末ごろまでは高級な魚とはされていなかったらしい。「徒然草‐一一九」によると、今はもてはやしているが、昔は身分の高い人には出さなかったという。しかし「勝つ魚」の連想からとりわけ武家に縁起物として好まれ、江戸時代以降は、元祿期の俳人山口素堂の「目には青葉山ほととぎす初がつほ」〔俳諧・曠野‐一・花〕の句で広く知られているように、初物好きの江戸っ子にもてはやされただけでなく、初夏の風物詩として珍重されている。

方言

(1)かつお節。かつお大阪†116熊本県玉名郡926かっつお大阪市639かつ山形県139かつのふし〔─節〕秋田県南秋田郡・秋田市130

(2)虫、ぬかか(糠蚊)。かつお伊予†035

語源説

(1)カタウヲ(堅魚・固魚)の義〔和句解・本朝食鑑・日本釈名・東雅・関秘録・南嶺子評・貞丈雑記・古事記伝・和訓考・雅言考・言元梯・名言通・紫門和語類集〕。

(2)愚かであることから、カタウヲ(頑魚)の転〔高橋氏文・箋注和名抄・松屋筆記〕。

(3)コツヲ(〓魚)の転〔東雅〕。

発音

〓カズ・カズー・カツ〔千葉〕カツー〔福島・茨城・千葉・八丈島・鳥取〕カッチョー・カトー〔八丈島〕カッツォ〔鳥取・徳島・讚岐〕カッボ〔鹿児島〕カト〔志摩〕ツォー〔鳥取〕

〓[0]〓平安〓〓〓〓[0]

辞書

字鏡・和名・色葉・名義・和玉・文明・伊京・明応・天正・饅頭・易林・日葡・書言・ヘボン・言海

正式名称と詳細

表記

名義和玉文明伊京明応饅頭易林書言ヘボン言海

堅魚和名色葉名義書言

鰹魚和名色葉天正易林

〓〓〓〓字鏡

〓〓色葉

松魚言海


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検索コンテンツ
1. かつう【鰹】
日本国語大辞典
〔名〕「かつお()」の変化した語。*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・中「一昨日(おってへ)は(カツウ)が頭でだりがれん(四百五十文)」《かつう》沖縄県
2. かつ‐うお[‥うを]【鰹】
日本国語大辞典
〔名〕「かつお()」に同じ。*御伽草子・猫の草紙〔江戸初〕「其方の食物には、供御にかつうををまぜて与へ」*元和本下学集〔1617〕「 カツウヲ」下学
3. カツオ画像
日本大百科全書
たたきのほか煮つけなどにもする。ゆでた状態のなまり節は煮物などにする。なお『本朝食鑑』(1695)には、醤すなわち醢ひしおを、俗に「多多岐たたき」というとある
4. かつお[かつを]【鰹・堅魚・松魚】
日本国語大辞典
東北・北海道沖に達する。食用魚で、刺身、照焼きなどのほか、節、なまり節の材料となり、内臓は塩辛にする。特に近世の江戸では、初夏のころのものを初(はつがつお)
5. かつお【鰹】
数え方の辞典
▲匹、▲尾、▲本 ⇒魚
6. 鰹(かつお)
古事類苑
動物部 洋巻 第1巻 1437ページ
7. かつお【鰹・堅魚・松魚】[頭見出し]
故事俗信ことわざ大辞典
(かつお)搔(か)こなら形(なり)搔(か)けよ・(かつお)は刺身(さしみ)、刺身(さしみ)は(かつお)
8. かつを【鰹・堅魚】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕《「かたうを」の変化した形》魚の名。カツオ。 「鎌倉の海にかつをといふ魚は、かの境にはさうなきものにて」〈徒然草・119〉鎌倉の海でとれるカツオという魚
9. 鰹
新選漢和辞典Web版
③《現》〈かつお(かつを)〉サバ科の海水魚。回遊し、日本には初夏にくる。堅魚。松魚。 【逆引熟語】花(はながつお)・初(はつがつお)
10. 鰹
字通
に堅魚の二字を用ふ 〔名義抄〕 カツヲ 〔字鏡〕 カツヲ、伊加(いか)、魚の名なり 〔字鏡集〕 カツヲ・ハラカ・オホカツヲ
11. かつお【鰹】[方言]
日本方言大辞典
(1)かつお節。 大阪※116浪花聞書 1820頃 熊本県玉名郡926肥後方言と普通語言葉改良の栞(私立玉名郡教育会)1907儀式三・践祚大嘗祭儀・中「堅魚薄鰒
12. かつお【鰹】[標準語索引]
日本方言大辞典
かつお:のすり身にぎりこかつお:のはらわたはらごーかつお:の子かなごろかつお:の大きいものどだべ / まんだらかつお:の下顎骨やんどーかかつお:の日
13. カツオ画像
世界大百科事典
然干魚で堅かった。このため堅魚と書かれ,やがてこの2字を合わせて,本来はウナギなどを指すらしいの字を借用するようになった。生のカツオを調理して食べることは,沿
14. 初鰹 (見出し語:鰹)
古事類苑
飮食部 洋巻 第1巻 50ページ
15. かつうお‐ぶし[かつうを‥]【鰹節】
日本国語大辞典
〔名〕「かつおぶし(節)」に同じ。*子孫鑑〔1667か〕中「にごりさけかんなべのうちにして、ことにかつうをぶし取そへて、もてきたり」
16. かつう‐ぎ【鰹木】
日本国語大辞典
〔名〕(「かつおぎ(木)」の変化した語)住家の棟に横たえた風防ぎの物を近世、京都でいう(和訓栞{1777~1862})。
17. かつお‐いお【鰹魚】
日本国語大辞典
〔名〕魚、かつお()。《かつおいお》岐阜県恵那郡498 熊本県玉名郡926 《かっつぉいお》石川県金沢市・河北郡404 《かつういず》沖縄県八重山996 《か
18. かつおいっぽんづり‐ぎょぎょう[かつをイッポンづりギョゲフ]【鰹一本釣漁業】
日本国語大辞典
〔名〕を竿釣りでとる漁法。の魚群を見つけたら、用意した活魚槽(かつぎょそう)の生きたカタクチイワシをまいて誘い、舷側の数か所から海面に水をまいて、その音で
19. かつお‐いろり[かつを‥]【鰹煎汁】
日本国語大辞典
〔名〕節(かつおぶし)を煮出した汁。いろり(煎汁)。*十巻本和名類聚抄〔934頃〕四「〓汁 本朝式云堅魚
20. かつお‐うり[かつを‥]【鰹売】画像
日本国語大辞典
〔名〕、特に初を売り歩くこと。また、その人。《季・夏》*俳諧・いつを昔〔1690〕交題百句「売いかなる人を酔すらん〈芭蕉〉」*雑俳・柳多留‐二四〔1791
21. かつお‐かき[かつを‥]【鰹掻】
日本国語大辞典
*浄瑠璃・右大将鎌倉実記〔1724〕三「忠信の為には(カツヲ)かき同然と、卑下の詞も奥床しき」*浄瑠璃・生写朝顔話〔1832〕浜松の段「日本国を股にかける人買
22. かつお 掻(か)こなら形掻(なりか)けよ
日本国語大辞典
節(かつおぶし)をかくには、薄く削れということ。*譬喩尽〔1786〕二「掻削(カツヲカコ)なら形掻削(ナリカケ)よ 此形のごとく細く削べしと也」
23. 鰹(かつお)搔(か)こなら形(なり)搔(か)けよ
故事俗信ことわざ大辞典
節(かつおぶし)をかくには、節の形なりに薄く削れ。〔譬喩尽(1786)二〕
24. 鰹木
日本大百科全書
等間隔に並べる。家形埴輪はにわに木のあるものがみられるように、古墳時代にすでに棟飾りとして用いられていたことが知られる。『古事記』には、志貴県主しきあがたぬし
25. かつお‐ぎ[かつを‥]【鰹木】
日本国語大辞典
これと直角に並べた装飾の木。中ぶくれの円筒形で節(かつおぶし)の形に似ているところからいう。*春日社記録‐文永元年〔1264〕八月一〇日「千木・木在
26. かつおぎょぎょう【鰹漁業】画像
国史大辞典
はあまりを食さぬようになり、漁業も衰退したという。しかし鎌倉時代以降は勝負に「かつうお」として武士の間で賞味され、再び盛んになっていった。とはいえ漁業の本
27. かつお‐くじら[かつをくぢら]【鰹鯨】
日本国語大辞典
〔名〕「いわしくじら(鰯鯨)」の異名。〓[ク]
28. かつお‐ざめ[かつを‥]【鰹鮫】
日本国語大辞典
〔名〕魚「あおざめ(青鮫)」の異名。(かつお)に似た形の一・五メートルから二メートルぐらいある大きな魚。《かつおざめ》伊豆八丈島†071
29. かつお‐じま[かつを‥]【鰹縞】
日本国語大辞典
〕〈永井荷風〉一「赤糸の入った極く荒い魚縞(カツヲジマ)の糸織の羽織を重ね」*或る女〔1919〕〈有島武郎〉前・九「大きな五つ紋の黒羽織に白っぽい魚縞(カツ
30. かつお‐つり[かつを‥]【鰹釣】
日本国語大辞典
〔名〕を釣ること。《季・夏》*俳諧・毛吹草〔1638〕二「六月〈略〉(カツホ)釣」*新浦島〔1895〕〈幸田露伴〉一「猶魚(カツヲ)釣り鯛釣りを世渡る業と
31. かつおつり‐ぶね[かつをつり‥]【鰹釣船】
日本国語大辞典
〔名〕「かつおぶね(船)(1)」に同じ。*山家集〔12C後〕下「伊良胡崎にかつをつりぶね並び浮きてはがちの浪にうかびつつぞ寄る」
32. かつお‐づつ[かつを‥]【鰹筒】
日本国語大辞典
〔名〕を水に浸しておく筒。*俚言集覧〔1797頃〕「を水にひやし置く筒也」
33. カツオドリ
日本大百科全書
広義には鳥綱ペリカン目カツオドリ科に属する海鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。同科Sulidaeの仲間は全長65~95センチメートル、海上をやや速く羽ば
34. かつお‐どり[かつを‥]【鰹鳥】画像
日本国語大辞典
〔名〕(1)カツオドリ科の海鳥。全長約七〇、翼開長約一四五センチメートル。頭胸部と背面はこげ茶色で、腹面は白い。くちばしは大きく、円錐形にとがり、尾はくさび状。
35. かつお‐な【鰹菜】
日本国語大辞典
長崎県一部030 大分県一部030 鹿児島県一部030 《かちゅうな》長崎県一部030 《かつぶしな〔節菜〕》静岡県一部030 (2)たかな(高菜)。《かつお
36. かつお‐なわ[かつをなは]【鰹縄】
日本国語大辞典
〔名〕屋根ふきに使う麻縄を長野県更級郡などでいう。
37. かつお‐に[かつを‥]【鰹荷】
日本国語大辞典
〔名〕運ぶため、を荷造りしたもの。《季・夏》*俳諧・五元集〔1747〕元・夏「戸塚越侍るに 荷の跡は巳日の道者哉」
38. カツオノエボシ画像
日本大百科全書
腔腸こうちょう動物門ヒドロ虫綱管くだクラゲ目カツオノエボシ科に属する海産動物。普通のクラゲと異なって、さまざまな個虫が集まって一つの群体をつくっている。直径10
39. かつお‐の‐えぼし[かつを‥]【鰹烏帽子】画像
日本国語大辞典
「烏帽子魚 豆相の海辺、先っ寄らんとするときに一物流れ来るあり。大(おほきさ)弐寸斗、形烏帽子に似て左右に紐の如き物あり。その色瑠理紺にして光沢(ひかり)あり
40. かつお‐の‐かむり[かつを‥]【鰹冠】
日本国語大辞典
〔名〕「かつおのかんむり(冠)」に同じ。〓[0]
41. カツオノカンムリ
日本大百科全書
腔腸こうちょう動物門ヒドロ虫綱管くだクラゲ目カツオノカンムリ科に属する海産動物。上面の浮きに相当する気胞体は長径5センチメートルほどで、三角形の帆を立てており、
42. かつお‐の‐かんむり[かつを‥]【鰹冠】
日本国語大辞典
下面の中央および周囲に栄養体がついている。触手にある刺胞に刺されるとひどく痛い。暖流とともに浮遊。の群れとともに見つかることが多いのでこの名がある。かつおのか
43. かつお の 叩(たた)き
日本国語大辞典
(1)でつくった塩辛。肉または内臓を叩き砕いて塩漬けにしたもの。の醤(ひしお)。酒盗(しゅとう)。*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕下・九六「男の元の
44. 鰹たたき(かつおのたたき)
古事類苑
飮食部 洋巻 第1巻 945ページ
45. かつお の 花(はな)
日本国語大辞典
節(かつおぶし)を薄く削ったもの。はながつお。*俳諧・鶉衣〔1727~79〕前・上・一三・謝無馳走辞「豆腐にの花の名はちらせど、何をよし野の色香とはめでん」
46. 鰹(かつお)は刺身(さしみ)、刺身(さしみ)は鰹(かつお)
故事俗信ことわざ大辞典
は刺身で食べるのが一番うまい。 諺苑(1797)「(カツヲ)はさしみ、さしみは」〔日本俚諺大全(1906~08)〕
47. かつお‐はぜ[かつを‥]【鰹破前】
日本国語大辞典
〔名〕節のように、上にそりあがった陰茎。
48. 鰹節
世界大百科事典
れたとする説は信用できそうである。節は〈勝男武士〉などと書いてめでたいものとされ,祝儀のさいの引物(ひきもの)や結納品に使われる。よそへネコをやる場合,節を
49. かつお‐ぶし[かつを‥]【鰹節】
日本国語大辞典
武士も鉛(〈注〉カツオブシ)に如かず」*うもれ木〔1892〕〈樋口一葉〉一「あはれ薩摩といへば節(カツヲブシ)さへ幅のきく世に」*尋常小学読本(明治三七年)
50. かつおぶし【鰹節】[頭見出し]
故事俗信ことわざ大辞典
節(かつおぶし)と砥石(といし)の借(か)り入(い)れはない・節(かつおぶし)と巻紙(まきがみ)は搔(か)くほど減(へ)る・節(かつおぶし)にする・節(
「鰹」の情報だけではなく、「鰹」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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サバ(日本大百科全書・世界大百科事典)
硬骨魚綱スズキ目サバ科サバ亜科のうちサバ族に属する海水魚の総称。世界の熱帯から温帯域内の沿岸部に分布するが、とくに西太平洋からインド洋海域に多産し、この海域ではもっとも重要な漁獲物である。サバ族は2属6種で、サバ属3種とグルクマ属の3種が知られている
イワシ(日本大百科全書・世界大百科事典)
硬骨魚綱ニシン目に属する海水魚のうち、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの総称、またはこれらの近縁種を含めたものの総称。ときにはマイワシだけをさすこともある。これらの魚種は、一般に漁獲量も多く、日本の水産上重要な種類であるばかりでなく、魚をはじめ
アナゴ(日本大百科全書・世界大百科事典)
硬骨魚綱ウナギ目アナゴ科Congridaeに属する海水魚の総称。日本近海では北海道以南の各地に産する。体はほぼ円柱状で、尾部は多少側扁(そくへん)する。目はよく発達し、ときには非常に大きい。鱗(うろこ)はないが、側線はある。腹びれはなく、胸びれを欠く
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