1. 五山版
図書館情報学用語辞典
て出版された書籍の総称.元来が中国伝来の宋・元版本の禅籍をそのまま復刻したものが中心である.五山版には日本の出版史上大きな特色が二つある.一つは,それまでの日本
2. 五山版画像
日本大百科全書
出版された書籍は、禅籍三百数十種、漢籍100種、総計四百数十種。現存する五山版は約1500部といわれる(川瀬一馬『五山版の研究』による)。五山版の特色の一つは、
3. 五山版
世界大百科事典
,医書などの移入を見,五山の僧によって復刻開版され,いわゆる〈五山文学〉の隆盛をもたらした。五山版の開版は日本の禅僧のみならず,帰化宋僧の力によるところが少なく
4. ござん‐ばん【五山版】
日本国語大辞典
〔名〕鎌倉・室町時代に、京都五山やその他の関係の禅院の禅僧らによって出版された書籍。*典籍秦鏡〔1813〕以声本「和本 五山板 因師集賢録 全二冊」*読書放浪〔
5. ござんばん【五山版】
国史大辞典
漠然と総称する人が少なくなく、近年出版された川瀬一馬『五山版の研究』でも、定義としては正確に限定していながら、巨冊を好む著者と出版者とが相まって、正確な五山版以
6. 五山版
日本史年表
1342年〈【北朝】康永元(4・27)・【南朝】興国3 壬午〉 この頃より 五山版 の最盛期。
7. 【五山版】ござん ばん
新選漢和辞典Web版
《国》古版本の名称。鎌倉時代から室町時代にかけて、京都・鎌倉の五山および同系統の禅寺で出版された書物。
8. しはつ【施発】(Shī Fā)
世界人名大辞典
加えて,《察病指南, 3巻》を著述[1241:淳祐1].同書は中国では失われたが,日本では室町時代に五山版,江戸初期から中期に古活字版・整版が何種も出版され広く
9. 一休和尚年譜 2 214ページ
東洋文庫
この世に弥勒菩薩が下生する時のことだろう。 ここにいう『韻府』は『韻府群玉』二十巻、二十冊で、川瀬一馬『五山版の研究』によれば、日本では何種類かの刊本の中で、元
10. 一休和尚年譜 2 241ページ
東洋文庫
インド・中国の経論、禅僧の語録その他から要点を採り、華厳・天台等と禅の融合を論じたこの書は、日本でも南北朝期に五山版として刊行され、中世を通じて学僧が
11. 一休和尚年譜 2 242ページ
東洋文庫
大陸から来日した刻工が五山版の開版に関与した最初の事例であるという。陳孟栄は刻工集団の棟梁にあたる人だったらしく、五山版諸本にその名が見える。 細川政元の贈った
12. いみな【諱】
国史大辞典
とするような)があったが、日本にはない(来朝の中国人が日本の天皇の諱を避けている例は多い、また五山版などに欠画した例はある)。さらに武家時代には主君の諱の一字を
13. 印刷画像
世界大百科事典
はじめとし奈良の諸大寺で盛んに印刷が行われた。やがて禅宗の伝来につれ,鎌倉の〈五山〉を中心とする〈五山版〉の刊行が盛んとなった。このころになると,中国からはすぐ
14. いん‐さつ【印刷】
日本国語大辞典
興福寺、東大寺、高野山、比叡山等では盛んに出版が行なわれ、中世には五山の禅宗系出版(いわゆる「五山版」)が隆盛をきわめた。しかし、そのほとんどは、仏教・儒教の経
15. いんさつ【印刷】
国史大辞典
叡山・東寺・知恩院などでも刊本ができたが、一方、宋元版のイミテーションが主である五山版も、南北朝時代の盛期を前に、鎌倉時代に現われた。五山版とは、鎌倉・室町時代
16. えんかくじ【円覚寺】神奈川県:鎌倉市/山之内村地図
日本歴史地名大系
山文学興隆に伴い、当寺でも出版事業が行われ、「仏光録」「大般若経」「白雲東明和尚語録」などの五山版が伝わっている。応安七年(一三七四)当寺焼亡(空華日用工夫略集
17. かまくらばん【鎌倉版】
国史大辞典
がある。そのほか、松谷寺などでも出版が行われたようであるが、五山関係の出版物はむしろ除いて、五山版の中に入れるのが普通。 (長澤 規矩也)
18. 漢詩画像
日本大百科全書
きゅうそうじゅんらの文学僧が出たが、あまり振るわなかった。この時期には唐宋から元の詩人の集が五山版として印行されたが、一般には『三体詩』『聯珠詩格れんじゅしかく
19. 漢文
世界大百科事典
中世に入って,漢詩文の主流は五山の僧侶たちの手に移る。前期はそれらの僧侶の詩文の創作が中心であるが,一方では五山版と称する漢籍の出版も盛んに行われた。室町後期に
20. 漢文学画像
日本大百科全書
教養書として愛読講義され、その多くは抄物しょうものとして残っている。また彼らの文化事業として五山版が盛況を極めたことも忘れられない。大曽根章介江戸時代この時代は
21. かんぶんがく【漢文学】
国史大辞典
集』の巻四は『中正子』で、朱子学を祖述したものである。『三体詩』も中巌らから流行し、五山版の刊行もこれらの僧たちによって起った。その他、一休宗純・景徐周麟・桃源
22. かんぽん【刊本】
国史大辞典
田舎版は地方のそまつな刊本、瓦版とは江戸時代末期のニュース速報の一枚摺をいう。春日版・高野版・五山版・光悦版なども版種による名称である。 [参考文献]長澤規矩也
23. がくもんしそう【学問・思想】 : 中世
国史大辞典
中でも、五山の禅宗寺院で宋・元で刊行された書物の覆刻が盛んになり、日本の禅僧の著作も出版された。五山版の流布に対抗して、奈良の諸大寺、比叡山や高野山などでも出版
24. くうげしゅう【空華集】
国史大辞典
二十巻十冊。南北朝時代成立。すでに貞治六年(一三六七)十二月には草稿の一部ができていた。しかし、五山版八冊は巻首に延文四年(一三五九)の中巌円月の序、洪武九年(
25. けいりんじ【桂林寺】徳島県:小松島市/中田村
日本歴史地名大系
当寺には細川持常の位牌があり、「桂林院殿四州太守細川讃岐守持常月峰先山大居士」と刻されている。寺蔵の五山版といわれる法華経八巻(県指定文化財)は巻子本に仕立てら
26. けんにんじ【建仁寺】画像
国史大辞典
をさけ、両足院と改称した。室町時代、五山文学で活躍した建仁寺友社の中心であった。現在、多数の五山版・古写本を収蔵し、また伝如拙筆「三教図」(重要文化財)がある。
27. こぶんしんぽう【古文真宝】
国史大辞典
五山文学や貞門・談林・蕉風の俳諧などをはじめ日本文学にはかりしれない影響を与えている。わが国では五山版をはじめ、慶長・元和版以下続々刊行され、笑雲清三の『古文真
28. 五山
日本大百科全書
また五山派は日本漢文学史上きわめて重要な足跡を残し、五山文学を大成させ、近世儒学の母胎ともなった。さらに五山版と称される多数の出版物を開版するなど、五山禅僧によ
29. さいほくしゅう【済北集】
国史大辞典
このようなことから門弟たちの間で本師虎関の著述を一編にまとめておこうとする動きが起ったものと思われる。五山版のほかに慶安三年(一六五〇)版・貞享元年(一六八四)
30. さが‐ぼん【嵯峨本】
日本国語大辞典
〈略〉表紙に染色(そめいろ)多し。則雲母(きら)を以て、艸花鳥獣虫の、もようを摺り込」(2)五山版の一つ。中世、京都嵯峨の臨川寺で出版された書物。宋版、元版の漢
31. 『三体詩』 【さんたいし】
世界文学大事典
に輸入され,室町時代に当時の学問の中心であった五山(5つの禅寺)の僧侶に愛読された。いわゆる五山版として何度も出版され,また講義録(抄物)が何種も残されている。
32. 詩人玉屑
世界大百科事典
学ぶ者が心得ておくべきことがらについて,既存の詩論書から適当な部分を抄出し,編集した書。日本では五山版のあと江戸初期にも出版され,多くの詩論書の重要部分が抜粋さ
33. 出版
日本大百科全書
寺院でつくられた。また、鎌倉時代から室町時代にかけて京都五山を中心に出版されたのが「五山版」である。五山版は中国の宋そう版、元版の復刻が多く、またその版式の影響
34. しゅっ‐ぱん【出版・出板】
日本国語大辞典
ともいわれる「百万塔陀羅尼」(七七〇)であり、古くは平安末期の春日版・高野版や鎌倉末期からの五山版などが、仏教関係者に頒布されたが、室町末期からは一般大衆向けに
35. しゅっぱん【出版】
国史大辞典
推測し得る。また中国宋の版本類も数多く舶載されるようになり、鎌倉時代にはその覆刻などが多く試みられ、五山版と称する禅宗諸大寺の出版が活発になった。南北朝時代には
36. 春屋妙葩
日本大百科全書
、夢窓を勧請かんじょうして自ら同寺の2世となる。また各地に禅院を建立して夢窓派の興隆に寄与、五山版の刊行にも尽くした。1388年(元中5・嘉慶2)8月12日78
37. しゅんおくみょうは【春屋妙葩】画像
国史大辞典
この語録中の『宝幢開山智覚普明国師行業実録』は年譜にあたる。春屋は祖録・外典(げてん)を多く出版、いわゆる
五山版の大半を占めた。弟子に厳中周
38. 『新刊五百家註音辯唐柳先生文集』[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
五山版(臨川寺版りんせんじばん) 兪良甫版ゆりょうほばん 巻1 柳宗元りゅうそうげん撰他国立国会図書館所蔵
39. 寺院版
世界大百科事典
南北朝(14世紀)を経て,室町時代末期(16世紀)にいたる,京都の五山を中心として開版された五山版など,とくに寺院版として著名である。寺院版ははじめは仏典に限ら
40. 竺仙梵僊
世界大百科事典
高雅な詩文に巧みで,日本の五山文学発展の基礎をきずいた。また,みずから夢窓疎石の《夢中問答集》を出版して五山版印刷事業のさきがけをなし,さらに,保寧寺で行われて
41. じょうわるいじゅそえんれんぽうしゅう【貞和類聚祖苑聯芳集】
国史大辞典
芳集』として、三月十四日に等持寺の絶海中津に出版印行することを依頼し、同年四月四日示寂した。五山版のほかに寛永九年(一六三二)版・慶安五年(承応元、一六五二)版
42. するがおゆずりぼん【駿河御譲本】
国史大辞典
二十二部、金沢文庫本『続日本紀』などの古写本六十五部、宋版『太平聖恵方』などの唐本四十一部、五山版『中州集』などの旧刊本十八部である。御三家への分配は五・五・三
43. せんにゅうじ‐ばん[センユウジ‥]【泉涌寺版】
日本国語大辞典
〔名〕鎌倉から南北朝時代にかけて、京都の泉涌寺で出版した中国宋版の覆刻本。五山版の先駆をなすものとして、わが国印刷史上、重要。センニュージバン
44. せんにゅうじばん【泉涌寺版】
国史大辞典
泉涌寺版はこれらの宋刊本をテキストにして覆刻出版したもので、わが国印刷史の上では、宋元刊本の覆刻で名高い五山版の先駆をなすものとして注目される。現存最古の泉涌寺
45. 太平記 152ページ
日本古典文学全集
陰ヲ子満ツ
枝ニ」による。
五山版『唐才子伝』巻六の逸話によるか(角川補注)。諸本は「実」でなく「子」。山城国宇治郡(京都市伏見区)
46. だいき-ほうきん【大喜法忻】
日本人名大辞典
晩年は円覚寺続灯庵にしりぞいた。春屋妙葩(しゅんおく-みょうは)らと竺仙梵僊(じくせん-ぼんせん)の五山版出版事業をうけついだ。応安元=正平(しょうへい)23年
47. 中国の印刷術 1 その発明と西伝 175ページ
東洋文庫
寺院を中心とした仏典印刷が行われており、鎌倉時代末期にはじまった五山版が隆盛をむかえようとしていた。罪障消滅を目的とした武士による仏典の開版は、ここにとりあげら
48. ちゅうごくぶんがく【中国文学】
国史大辞典
れ、漢唐の訓詁の学は斥けられて宋の性理学が行われるようになった。南北朝から室町時代にかけて、五山版として杜甫や黄庭堅や禅僧の文学作品をはじめ、元代の詩人の集も多
49. ちゅうせい【中世】
国史大辞典
中でも、五山の禅宗寺院で宋・元で刊行された書物の覆刻が盛んになり、日本の禅僧の著作も出版された。五山版の流布に対抗して、奈良の諸大寺、比叡山や高野山などでも出版
50. ちゅうせいかまくらむろまちじだい【中世(鎌倉・室町時代)】 : 漢文学
国史大辞典
集』の巻四は『中正子』で、朱子学を祖述したものである。『三体詩』も中巌らから流行し、五山版の刊行もこれらの僧たちによって起った。その他、一休宗純・景徐周麟・桃源