1. 新花摘
世界大百科事典
俳諧句文集。与謝蕪村著。1797年(寛政9)刊。蕪村は其角の《華摘》にならって亡母追善の夏行(げぎよう)を発起し,1777年(安永6)4月8日より発句1日10句
2. しんはなつみ【新花摘】
日本国語大辞典
発句・俳文集。一冊。与謝蕪村著。挿絵、月渓。寛政九年(一七九七)刊。天明四年(一七八四)跋。安永六年(一七七七)一夏中の発句を書きとめようとして四月八日から記録
3. しんはなつみ【新花摘】
全文全訳古語辞典
[書名]発句、俳文集。与謝蕪村著。一冊。一七七七年(安永六)成立。九七年(寛政九)刊。発句と俳論的な随筆を収める。
4. 新花摘(著作ID:246402)
新日本古典籍データベース
しんはなつみ 蕪村(ぶそん) 著 松村 呉春(まつむら ごしゅん) 編・画 俳諧 天明四跋、寛政九刊
5. あお‐うめ[あを‥]【青梅】
日本国語大辞典
名草子・竹斎〔1621~23〕下「御悪阻(つはり)の癖としてあをうめをぞ好かれけり」*俳諧・新花摘〔1784〕「青梅や微雨の中行飯煙」*日本読本〔1887〕〈新
6. あきた【秋田】
日本国語大辞典
路をかぎり、東に堤を築て、秋田にかよふ道遙に、海北にかまえて、浪打入る所を汐ごしと云」*俳諧・新花摘〔1784〕「此人武府在勤の事卒(おへ)て、本国秋田に帰らん
7. あくうち‐がみ【灰汁打紙】
日本国語大辞典
〔名〕「あくうち(灰汁打)」に同じ。*俳諧・新花摘〔1784〕「みつから精選して、さて灰(アク)うち紙のつややかなるにみつから浄書し」
8. あさ 刈(か)る
日本国語大辞典
《季・夏》*俳諧・増山の井〔1663〕六月「麻を刈は夏也。二番刈は秋也。実も秋なり」*俳諧・新花摘〔1784〕「麻を刈れと夕日このごろ斜なる」
9. あさみ‐あ・う[‥あふ]【浅合】
日本国語大辞典
たりければ、『東国北国のそむくだにあるに、こはいかに』とて、手をうってあさみあへり」*俳諧・新花摘〔1784〕「先きにそぞろごと云たりとて、ののしりたるものども
10. あつ‐ぶるい[‥ぶるひ]【熱震】
日本国語大辞典
〔名〕一日置き、または毎日、一定の時間に発熱する病気。瘧(おこり)。*俳諧・新花摘〔1784〕「秋のはじめより、あつぶるひのためにくるしむこと五十日ばかり」
11. あわ‐や[あは‥]
日本国語大辞典
・都風俗鑑〔1681〕三「あはや狂言のかはりたといへば、我さきにと目もあやに詠暮し」*俳諧・新花摘〔1784〕「又どしどしとたたく。あはやと戸を開けば」*読本・
12. い【寝・眠】
日本国語大辞典
〔1495〕恋・下「いかなる時かいを安くねん 雨にこひ月に恨みぬ夜半もなし〈宗般〉」*俳諧・新花摘〔1784〕「こよひはいをやすくおはせなと語る」古くから独立性
13. いつく
し【厳・慈・美】
日本国語大辞典
、霞に匂ふ春の花」*幸若・烏帽子折〔室町末~近世初〕「みめもいつくしい者、笛も上手」*俳諧・新花摘〔1784〕「ある夜、春のもふけに、いつくしききぬをたち縫て有
14. いと‐たけ【糸竹】
日本国語大辞典
原実兼〉」*浮世草子・風俗遊仙窟〔1744〕二「文を好み、糸竹(イトタケ)に耽れり」*俳諧・新花摘〔1784〕「和歌のみち、いと竹のわざにもうとからず」
15. うき‐くさ【浮草・浮萍・萍】画像
日本国語大辞典
いとをかし、うき草、あをつづら、八重葎(やへむぐら)、蓬(よもぎ)、いみじうをかし」*俳諧・新花摘〔1784〕「うきくさも沈むばかりよ五月雨」*浅草紅団〔192
16. うし‐みつ【丑三】
日本国語大辞典
603~04〕「Vximitçuno toqi (ウシミツノ トキ)」*俳諧・新花摘〔1784〕「漏刻声したたり、ややうしみつならんとおもふおりふし」(2)もの
17. うち‐はた・す【討果・打果】
日本国語大辞典
〔1770〕三「今某しと討ち果たさば、ソレ其笈の内なる徳寿丸、誰れ有って介抱するぞ」*俳諧・新花摘〔1784〕「討はたす梵倫(ぼろ)つれ立て夏野かな」(2)(ば
18. うち‐ほのめ・く【打仄】
日本国語大辞典
あまり待ち遠に、絶え間久しくうちほのめき給ふを」(2)それとなく態度で示す。ほのめかして言う。*俳諧・新花摘〔1784〕「されば作者の心にこれは妙にし得たりなど
19. うづき 八日(ようか)
日本国語大辞典
せいばいぞする」と書き、便所・台所へ張っておくと虫よけになるという俗信がある。《季・夏》*俳諧・新花摘〔1784〕「卯月八日死んで生るる子は仏」*雑俳・柳多留‐
20. うもれ‐ぎ【埋木】
日本国語大辞典
ず〉」*俳諧・毛吹草〔1638〕四「陸奥〈略〉埋木灰(ムモレギノハイ) 香炉に用之」*俳諧・新花摘〔1784〕「多くの人夫して、名取河の水底を浚(さくら)せ、と
21. えい‐ぶつ【詠物】
日本国語大辞典
鳥獣草木や自然そのものを主題として詠ずる詩。詠物詩。*詩法授幼抄〔1679〕一上・目録「詠物の詩の事」*俳諧・新花摘〔1784〕「詠物の詩を口すさむ牡丹哉」*寛
22. おい‐かさ・む[おひ‥]【生嵩】
日本国語大辞典
〔自マ四〕草木などが高く茂る。*俳諧・新花摘〔1784〕「市中なからも樹おひかさみ草しけりて」
23. おおまち【大町】茨城県:下館市/下館城下
日本歴史地名大系
池仙右衛門・高嶋十郎兵衛である(「往古十人士代々町年寄株家柄之事」田宮家文書)。俳人蕪村は「新花摘」に、本陣を勤めた中村家について「ひたちのくに下館といふところ
24. おお‐やかず[おほ‥]【大矢数】画像
日本国語大辞典
ばう)も歩(あゆみ)をはこび、三十三間堂の大矢数には養由基(やういうき)も汗を流す」*俳諧・新花摘〔1784〕「大矢数弓師親子もまいりたる」(2)俳諧で、一人が
25. おとな【大人・乙名】
日本国語大辞典
松前藩主に統轄されたアイヌの首長に与えた名。(8)召使の長。奴婢の長。作男や下男のかしら。*俳諧・新花摘〔1784〕「丈羽が家のおとななるもの来りて」*読本・近
26. おどろ
し【驚】
日本国語大辞典
→おどろおどろし。*俳諧・秋津嶋〔1690〕「一葉散て声おどろしやさらし売〈団水〉」*俳諧・新花摘〔1784〕「何やらんむくむくと毛のおひたるものをふみ当り、お
27. おはら‐め【大原女・小(を)原女】画像
日本国語大辞典
うなひ乙女」*七十一番職人歌合〔1500頃か〕九番「小原女。あごぜはまいりあひて候けるか」*俳諧・新花摘〔1784〕「小原女の五人揃ふてあはせかな」*虞美人草〔
28. おぼろけ ならず
日本国語大辞典
初「此天盃は小縁(オボロケ)ならぬ君が賜(たまもの)。頂拝(てうはい)有られよ義昭」*俳諧・新花摘〔1784〕「これは其板の余りにておぼろけならぬもの也とてたひ
29. おも‐な・し【面無】
日本国語大辞典
面(オモ)なきことのいはで病(やみ)なんも、いづれの神になき名負(おふ)すらんかし」*俳諧・新花摘〔1784〕「中々にあらぬこといい出けるよとおもなくて、我もふ
30. かい‐しゃ[クヮイ‥]【膾炙】
日本国語大辞典
矣」*随筆・秉燭譚〔1729〕三「薛能が呉姫詩三体詩にのりて、人々膾炙することなり」*俳諧・新花摘〔1784〕「大かた解しがたき句のみにて、よきとおもふ句はまれ
31. かい‐つ・く【書付】
日本国語大辞典
ろ見給ひなれにたれば、かうもあるなめりと思ふに、猶もあらで、いとちひさく、かいつく」*俳諧・新花摘〔1784〕「次におりからの発句二三章かいつけ」
32. かき の 花(はな)
日本国語大辞典
(かき)のたう
の花」*俳諧・
新花摘〔1784〕「柿の花きのふ散しは黄はみ見ゆ」*花筐〔1944〕〈三好達治〉青くつめたき「われらが肩にこぼれしは
33. かわ‐や[かは‥]【厠・
・溷】
日本国語大辞典
のごとし」*古事談〔1212~15頃〕三・平燈為門臥事「或日朝に河屋に居たりけるが」*俳諧・新花摘〔1784〕「かはやにゆかんとおもひてふらめき起たり」*行人〔
34. かんぜ‐だゆう[クヮンゼダイフ]【観世太夫】
日本国語大辞典
679〕賦何三字中畧俳諧「御家の嘉例蓬莱の山〈西鶴〉 観世太夫急て爰て仕れ〈西花〉」*俳諧・新花摘〔1784〕「初鰹観世太夫がはし居かな」カンゼダユー
35. かん‐だん【寒暖】
日本国語大辞典
」(2)時候の挨拶。また、時候の挨拶としての寒さや暖かさ。寒温。*俳諧・新花摘〔1784〕「めでたき文章の角がふみ有、起居寒暖を問ふことはもとより也」*滑稽本・
36. かん‐ばせ【顔─】
日本国語大辞典
*太平記〔14C後〕一四・主上都落事「我何の顔(カンハセ)有てか亡朝の臣として不義の逆臣に順はんや」*俳諧・新花摘〔1784〕「玄峰集麦林集なども、かんばせなき
37. き‐きょ【起居】
日本国語大辞典
快けるを、又上洛の其数に入て、催促度度に及べり」*俳諧・新花摘〔1784〕「起居寒暖を問ふことはもとより也」*春秋左伝注‐昭公二五年「(臧氏老将
38. きけつ‐し【剞
氏】
日本国語大辞典
氏にはかり、木に上(のぼ)すものなり」*俳諧・新花摘〔1784〕「もとより自筆に浄写して、剞
39. き‐こう[‥カウ]【帰江】
日本国語大辞典
〔名〕江戸に帰ること。*俳諧・新花摘〔1784〕「とさまかうさまとして既三とせあまりの星霜をふりぬ。さればかの百万いかで我帰江を待べき」
40. きつね【狐】画像
日本国語大辞典
また、その人。目がつりあがり、口のとがった顔をいう。(4)「きつねつき(狐憑)」の略。*俳諧・新花摘〔1784〕「麦秋や狐ののかぬ小百姓〈蕪村〉」*西洋道中膝栗
41. 木に=のぼす〔=彫る〕
故事俗信ことわざ大辞典
出版する。 俳諧・桃李(1780)序「四時四まきの可仙有〈略〉壱人請て木にゑらんと云」俳諧・新花摘(1784)「灰(あく)うち紙のつややかなるにみづから浄書し、
42. き に のぼす
日本国語大辞典
板木(はんぎ)に彫りつける。書物などを出版する。木に彫(え)る。*俳諧・新花摘〔1784〕「灰(あく)うち紙のつややかなるにみづから浄書し、やがて木にのぼすべき
43. きゅう‐・する[キフ‥]【給】
日本国語大辞典
とらせて宗
の用に給するを鬼薪と云ぞ」*俳諧・
新花摘〔1784〕「もとより貧しくて、衣食に給(キウ)するてだても尽き」*西国立志編〔1870~71
44. きょ‐はく【虚白】
日本国語大辞典
虚白
」(3)すきま。*俳諧・
新花摘〔1784〕「もとより妻戸さうじかたくいましめあれば、いささかの虚白だにあらねば、いづくより鑚(きり)入べき」
45. きり‐い・る【鑽入】
日本国語大辞典
〔他ラ下二〕(「鑽」は穴をあける道具)穴をあけて入り込む。*俳諧・新花摘〔1784〕「もとより妻戸さうじかたくいましめあれば、いささかの虚白だにあらねば、いづく
46. 近世俳句集 117ページ
日本古典文学全集
のといったという。蕪村も其角の句で世に知られたものは「いづれもやすらかにしてきこゆる句也」(新花摘)と記している。難解句の多い其角であるが、「闇の夜は吉原ばかり
47. 近世俳句集 221ページ
日本古典文学全集
独自の多彩な作風を開き、いわゆる中興俳諧の主導者となった。門人几董の編した『蕪村句集』のほか、『新花摘』『夜半楽』『玉藻集』『芭蕉翁附合集』などの撰著がある。春
48. 近世俳句集 235ページ
日本古典文学全集
」に月日の経過と二人の感慨が巧みに詠みこまれている。季語は「更衣」。ころもがへ母なん藤原氏也けり(新花摘)初夏になり、衣を替えるとき、その衣の紋所かあるいは調度
49. 近世俳句集 236ページ
日本古典文学全集
金屏のかくやくとしてぼたんかな(新花摘)広間には金屏風がまばゆいばかりに光り輝いている。その庭前には五月の花である牡丹が今をさかりと咲き誇っている、の意。金屏風
50. 近世俳句集 237ページ
日本古典文学全集
十七音中ほぼ三分の二を占めるア段の音が明るく軽快に響く。季語は「白牡丹」。方百里雨雲よせぬぼたむ哉(新花摘)大輪の牡丹の花が青空へ向かって、誇らしげに咲き、空一