この辞書の各項目は、次の要素から成り立っている。
見出し/漢字欄/品詞欄/語釈/使用地域名/方言の例文/出典番号/文献例/補助注記
1 種類
(1) 親見出しと子見出しとがある。
親見出し(画面左上に太字で表示)…自立語・付属語・接辞および連語
子見出し(語釈の後に「成句等」欄を設け、まとめて表示)…成句の類
(2) 本見出しと参照見出しとがある。
本見出し…語釈・使用地域名・出典番号など、すべてを記述する項目
参照見出し…別の見出しに語釈・使用地域名・出典番号などの解説を委ねた見出し。詳細は
「参照見出しについて」
を参照。
(3) 音の変化した語や派生語・複合語等の項目は、
《 》 内に本見出しの異形として掲げ、見出しに準ずる形として扱った。なお、詳細は
「異形等について」
を参照。
2 表記
(1) ひらがな・表音式で示した。ただし長音は「ー」で表し、「ぢ」「づ」は用いない。諸方言の具体的な音声実質については、「音韻総覧」を参照。
・あいくさ【―草】
・かこいずけ【囲漬】
・くー【食】 〔動詞〕
・けーせーぐさ【傾城草】
(2) 共通語に見られない「くゎ」「くぇ」の類や、しばしば各地に見られる音転化「あい→えー」、「い⇔え」、「さ行音→しゃ行音」、東北地方などに見られる語中・語末の有声化などは、原則として〈本来の形〉にまとめて扱い、いちいちは異形としても掲出しない。ただし、次のように一語中に訛音が重複して出現したり、二次的に訛ったり、また異形の展開を考慮するのに便宜のある場合などには、本見出し、または異形として残した場合もある。
・あない
[一](1) あのよう。あんな。
《あね》……
《あねー》……
《あねん》……
・しいれせき【仕入咳】
《しいりせき》……
《せりせき》……
《せりさぶき》……
《せりしゃぶき》……
《せーしゃぶき》……
《せーれしゃぶき》……
(3) 琉球諸方言については、共通語に見られない音表記「ぐぇ」「つぃ」の類を用い、なるべく実際の具体的な音に近づけるよう努力した。なお、詳細については
「琉球諸方言の表記について」
を参照。
・ぐぇーしち【外戚】
・とぅんちうーつぃー【殿内移】
(4) 子見出しについては、それに先立つ親見出しに該当する部分をひらがなで、それ以下は漢字が当てられるものは漢字を当て、ルビで読みを示した。また、助詞は表音式によらず、「は」「へ」「を」を用いた。