(ゲンダイフランスノテツガク ジツゾンシュギ・ゲンショウガク・コウゾウシュギ)
ピエール・トロティニョン 著/田島節夫 訳
現代フランスの哲学は現象学の決定的影響を受けて発展した。論者は第1部で、実存的現象学の両端としてサルトルとメルロ=ポンティを説き、第2部でポラン、リクール、レヴィ=ストロース、ラカンらの現象学者、構造主義の哲学者を挙げ、現在の危機と葛藤を通して哲学の将来を素描する。
(アタラシイジドウシンリガク)
J.ピアジェ、B.イネルデ 共著/波多野完治、須賀哲夫、周郷 博 訳
児童心理学は、誕生時から青年期にいたるまでの児童の心的成長を観察し、生理学的研究と関連づけながら、その心的諸機能の形成が生得的なものか獲得されたものかなどを解明する。ピアジェは、知覚と判断力の形成を中心に、子供がいかにして成人としての基本能力を体得するかを、段階的に述べてゆく。
(コウゾウシュギ)
ジャン・ピアジェ 著/滝沢武久、佐々木 明 訳
真の構造主義は方法的構造主義であるとする著者は、すべての科学は円環をなし、《構造》は人間や主体の活動を殺すものではないという思想を、数学・論理学・物理学・生物学・心理学・言語学・社会学・哲学の各分野において具体的に例証する。構造主義理解のためのコンパクトで充実した入門書。
(ムシンロン)
アンリ・アルヴォン 著/竹内良知、垣田宏治 訳
本書は「唯物論的無神論」で、デモクリトスからドイツ唯物論にいたる無神論の系譜をたどり、「人間主義的無神論」で、マルクス主義、ニーチェ、実存主義における無神論を省察し、現代の無神論が、閉ざされた世界においてではなく、深められた人間的経験を土台に対話を始める準備を整えていると説く。
(キリストキョウズゾウガク)
マルセル・パコ 著/松本富士男、増田治子 訳
キリスト教図像学は、キリスト教芸術作品の意味内容を探究する学問である。これらの作品は、神学、文学、精神史との関連を考慮してはじめて理解可能であり、本書はその方面の研究書として日本最初のものであり、読者は本書によって、キリスト教と西欧美術への造詣をさらに深めることができよう。
(ソクラテスイゼンノテツガク)
ジャン・ブラン 著/鈴木幹也 訳
「ソクラテス以前の哲学者たちは、今日では失われてしまっている正真正銘の哲学的な伝統を形づくっていた」。ギリシア哲学の揺籃期、神の言葉の受託者たる自然学者たちの思索の跡はわれわれの感応をうつ。タレスより原子論者にいたるまでの哲学の流れを浩瀚な文献を駆使して解説する。
(カントテツガク)
ジャン・ラクロワ 著/木田 元、渡辺昭造 訳
とかく細部に拘泥して大局を見失いがちな日本人にとって、明晰なフランス的知性を通してドイツ哲学を見ることはまことに示唆的である。本書はカント哲学の全容にわたってバランスのとれた解説をほどこし、われわれを簡明直截なその読みへとさそってくれる。
(マルクスイゴノマルクスシュギ)
ピエール・ファーヴル、モニク・ファーヴル 共著/竹内良知 訳
マルクスの死とそれから12年後のエンゲルスの死を年表上の出発点として、多様に変遷するマルクス主義。本書は、改良主義からロシア革命・レーニン主義、そしてスターリン以後のマルクス主義の新しい展開などの過程を通じて、プロレタリア革命の消長を理論と実践面から詳述する。
(ギリシアノセイジシソウ)
クロード・モセ 著/福島保夫 訳
古代ギリシアの政治思想は小さな都市国家の国制をめぐって展開されるが、古典期の偉大な思想家が考察した市民共同体の論理は、やがて拡大された世界へ、現代へと受けつがれていく。政治に関する思索の誕生からギリシア思想のローマへの浸透までの変遷を説き、読者の深省を促す興味あふれる好著。
(ハッセイテキニンシキロン)
ジャン・ピアジェ 著/滝沢武久 訳
発生的認識論とは発達心理学や科学思想史の実証的資料にもとづきながら、現代科学の認識論的問題点を発達的に明らかにしようとする科学である。本書では、発生的認識論の創始者であるJ・ピアジェの基本的な視点が、心理学、生物学、論理学、数学、物理学の諸科学を通して系統的に解説されている。