(カトリックシンガクニュウモン)
ジャン=ピエール・トレル 著/渡邉義愛 訳
「西洋史研究のための基礎知識」といっても過言ではないカトリック神学の歴史、性格、方法、現在の見取り図を目配りよく概説。『神学大全』への理解を深化させるためにも最良の入門書。
(セネカ)
ピエール・グリマル 著/鈴木 暁 訳
ストア派の哲学者として皇帝ネロの「家庭教師」をつとめたセネカ。本書では彼の生涯を辿り、その哲学思想の本質を仔細に検討する。古代ローマ研究の碩学による、セネカ解読の手引き。
(マニキョウ)
ミシェル・タルデュー 著/大貫 隆、中野千恵美 訳
イスラム世界に断食月をもたらした、二元論的宗教――3世紀のペルシアで生まれたマニ教は、厳粛な倫理と儀礼により律されていた。開祖マニが唱道した教えを、聖典をもとに解説する。
【編集者よりひとこと】“文明の衝突”が叫ばれる時代において、多くのキリスト教徒にとっていまだ「異端」の代名詞的存在と目されているマニ教を知ることは、大いに意義あることと思われます。本書では、地中海世界からシルクロードの果てまで、マニ教伝播の足跡を告げる古代史料を、博覧強記で鳴るコレージュ・ド・フランス教授が快刀乱麻に整理し、マニ教が包まれてきた謎のヴェールを次々はがしてくれます。ゾロアスター教とキリスト教と仏教が秘教的に融合した世界観を読み解く、価値ある1冊です。
(ゲイジュツテツガクニュウモン)
ジャン・ラコスト 著/阿部成樹 訳
カント、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガー、メルロ=ポンティ……「美の技術」をめぐる真理の探究者達。彼らの思考の軌跡を辿り、芸術を哲学するためのアイデアを紹介する、美学入門書。
【編集者よりひとこと】芸術哲学史上において重要な論者たちを年代に沿って取り上げ、要所要所には引用をはさみ込みながら、芸術哲学の歩みと基本的な論点を紹介しています。通読して芸術哲学のアウトラインを追うもよし、まずは自らの関心に訴える章に直接取りかかって読むもよし。「芸術を哲学するためのヒント」が詰まっています。
(コドモノエノシンリガクニュウモン)
フィリップ・ワロン 著/加藤義信、井川真由美 訳
子どもの絵を「読む」ために! コンピュータ科学などの研究成果をも踏まえ、多様な具体例をひきつつ、発達心理学の観点からアプローチ。カラー図版収録。
【「日本語版への序」より】「日本の子どもの絵を検討してみることにしましょう。特徴のある線が細部にしばしば描かれています。たとえば、目。実際の目よりもずっと大きく、漫画やアニメの影響を受けています。全体的にデッサンの輪郭は正確で、絵をとても描き慣れていることがわかります。まだ子どもゆえに欠陥はあるものの、まるで大人の絵を再現したかのようです。〔……〕一番大切なのは、何も考えず、ただ、子どもからのメッセージに耳をすますことです。子どもは私たちに、自分が何者かを語りかけているのです」
(ソフィストレツデン)
ジルベール・ロメイエ=デルベ 著/神崎 繁、小野木芳伸 訳
プラトンやアリストテレスからの攻撃には、異議あり! 本書は、西洋形而上学のなかで「詭弁家」の烙印を押されてきたソフィスト8人の生涯と著作を紹介し、その復権へと導く。
(トウシジュツ ヨゲントウラナイノレキシ)
ジョゼフ・デスアール、アニク・デスアール 著/阿部静子、笹本 孝 訳
五感に頼ることなく、未知なるヴィジョンを脳裏に描く「超能力」。その多種多様な占い術の概説から始め、職業としての透視術を語り、ノストラダムスら歴代の透視術師を紹介する。
(コミュニケーションノビガク)
ジャン・コーヌ 著/小倉正史 訳
ベンヤミン、ヴィトゲンシュタイン、アドルノ、デリダ……西洋哲学の巨匠は、自らの美的経験をどのように表現してきたか? 芸術作品の魅力を「伝える」ための学問的アプローチを詳解。
(ゲイジュツリョウホウニュウモン)
ジャン=ピエール・クライン 著/阿部惠一郎、高江洲義英 訳
うつ病から統合失調症まで、心のストレスを克服するために! 音楽、絵画、演劇、人形劇、化粧……さまざまな表現方法で精神を解放してゆく芸術療法。アートセラピー入門の決定版。
(セイパウロ)
エティエンヌ・トロクメ 著/加藤 隆 訳
キリスト教に回心することで、「目からウロコ」が落ちたとされる伝道者――聖パウロは、世界宗教への礎を築いた。彼の苦難に満ちた足跡を辿り、「異邦人への使徒」の真の姿に迫る評伝。