(フランスシュウキョウシ)
グザヴィエ・ド・モンクロ 著/波木居純一 訳
キリスト教のみならず、ユダヤ教やイスラム教などとの関連を含めて、古代から今日まで、フランス国内に現われたすべての宗教を歴史的に解き明かした興味深い「フランス宗教史」。ガリアの地をめぐるエヴァンジェリスト(伝道者)たちを描きながら、フランス人の民族としての心のありかを探った好著。
(ノウハココロデアル)
ジャン・ドラクール 著/須賀哲夫、中村祐子、中島欣哉 訳
アフォーダンス理論など現代認知科学と行動学に依拠しつつ、本書は、こころが人間(そして動物)にどのように体現されているかを踏まえたうえで、こころと脳の関係を精密に提示する。脳とコンピュータの誤った類推を糺し、神経回路網モデルで脳とこころの謎を解く。脳死問題を考えるための必読書。
(インフルエンザトハナニカ)
クロード・アヌーン 著/小野克彦 訳
スペイン風邪やAホンコン型といった呼び名で世界的に蔓延してきた病、インフルエンザ(流行性感冒)。本書は、インフルエンザ研究の成果のもと、歴史を検証しつつ、その傾向と対策をわかりやすく解説。インフルエンザウイルスのすべてを明かし、さらなる大流行を予測もする、現代人の必読書。
(タラソテラピー ウミカラウマレタシゼンリョウホウ)
J=B.ルノーディ 著/日下部喜代子 訳
若い女性のあいだで、効果的な美容・健康法として熱い視線を集めているタラソテラピー(海洋療法)。本書は海水や海藻、海泥のもつ身体的効果を歴史の実例から読み取り、科学的根拠を提示することによって、その独自の療法にはじめて学問的な位置づけを与えようとする、果敢なこころみ。
(ホウシャセンイガクカラガゾウイガクヘ)
フランソワ・オベール、ジャン=ピエール・レシー 著/細野 眞、細野真理子 訳
人体内部を透視するための医療技術は、X線、超音波、CTスキャンと進化が続き、病院にもデジタル化の波が押し寄せている。本書はレントゲンが端緒を開いて以来、たえず最先端技術と結びつくことで、放射線医学から画像医学へと変遷をとげてきた医療技術のすべてを、多くの図版を交えて解説する。
(ダンテ)
マリーナ・マリエッティ 著/藤谷道夫 訳
本書は、ダンテの生きた時代がその作品といかに深くかかわりあっているかという視点から、当時の政治、経済、哲学、宗教、芸術に光を当て、ダンテの生涯と作品を立体的に描いている。
(ワインノブンカシ)
ジャン=フランソワ・ゴーティエ 著/八木尚子 訳
ワインの流れる歴史は、かくも芳醇だ! 古来、神話や神秘の世界、聖人、祝祭などと結びつけられ、国民的な飲み物、さらには社会的〈差異化〉の手段ともされてきた葡萄酒。本書は、いつの時代も変わることなく、文化を担い、文化を伝えるものとして享受されてきたワインの熟成の背景を楽しく語る。
(ミシェル・フーコー)
フレデリック・グロ 著/露崎俊和 訳
真理と権力との関係を問いの地平とし、西欧思想史の読み直しを一貫して追及した異貌の思想家ミシェル・フーコー。医学、思想、文学、政治、性的言説……西欧近代の諸領域を横断し、制度的思考をラディカルに揺さぶりつづけたその思考の運動を明快に論じた、コンパクトな入門書。
(エイズケンキュウノレキシ)
ベルナール・セイトル 著/塚田 隆 訳
人類を悩ませ続ける後天性免疫不全症候群――エイズは、どこまで解明されているのか? 本書は、HIVウイルス発見にいたるまでの経過やエイズ試薬の特許権をめぐる争いなど歴史的事項のほか、さらには精神面でのケアの問題までをも詳述する。薬害エイズ問題を考えるための基本文献。
(フランスノサッカー)
レイモン・トマ、ジェラール・デュレ、ジャン=リュック・シェノー 共著/山下雅之 訳
フランスでW杯サッカーの基本図書として刊行された本書は、プラティニをはじめとする天才プレーヤーたちを称揚しながら、知的に華麗に、サッカーを楽しむための基礎知識を、わかりやすく解説する。また、世界的熱狂を集め、時に激しい暴力を誘発しうるサッカーに社会心理学的アプローチも試みている。