(プロテスタントノレキシ)
エミール=G.レオナール 著/渡辺信夫 訳
プロテスタンティズムの出現は、近世以後の世界史に決定的な影響を与えた。本書は、ルターの改革を出発点とし、カルヴァンにより組織化と発展をみたプロテスタンティズムを、時代の要求が生みだした世界像として克明に叙述し、現代までの進展をたどることで、その精神的核心を明らかにする。
(エイコクシ)
アンドレ・J・ブールド 著/高山一彦、別枝達夫 訳
その地理的条件のため、古代から欧州諸国との微妙な均衡のなかで発展してきた英国をヨーロッパの政治地図のなかに正しく位置づけ、独自の社会・文化・国民性に目を配り、その歴史を見事に跡づける。
(ジュウジグン)
ルネ・グルッセ 著/橋口倫介 訳
ヨーロッパの形成がカエサルのガリヤ征服によって西欧をローマ共和国に加えた時以来緒についたものとすれば、ローマ・カトリック教会の権勢の絶頂期の十字軍の東方遠征はヨーロッパの成熟を意味する。著者は十字軍を最初の植民地活動であるとし、回教とキリスト教の対抗を歴史的に跡づける。
(カトリックノレキシ)
J=B.デュロゼル 著/大岩誠・岡田徳一 共訳
二千年にわたるカトリック教会の流れを要約する本書は、抽象的な神学理論に立ち入ることを最小限にとどめ、教会史上の主要な事件を一般文化史・社会史との関連をふまえながら跡づけ、その組織活動の全体、国際性と民族主義的傾向との関連を明らかにしてゆく。
(ラテン・アメリカシ)
ピエール・ショーニュ 著/大島 正 訳
新大陸発見当初から第二次大戦後の経済的発展までを要領よくまとめた小史。スペインの武力征服からアメリカのドル外交による制圧へと移行する過程が詳述されているが、記述には常にそれらに対する抵抗に力点がおかれ、伝統的ラテン文化の継承者としての民族的誇りが随所に垣間見えて興味が尽きない。
(シキサイノヒミツ)
マルセル・ボル、ジャン・ドゥルニョン 共著/稲村耕雄、中原勝儼 訳
アリストテレスやゲーテをはじめ、すぐれた感性の持ち主は少なからず色彩に魅せられてきた。ヒトはなぜ色に感応するのか? 本書は、光学の基本を押さえつつ、絵画における色彩表現や舞台美術の照明技術まで、身近な色彩の仕組みを解説する。色彩学と照明工学の権威による、本格的な色彩案内。
(スペインブンガクシ)
ジャン・カン 著/会田 由 訳
著名な作家と、その最も代表的な作品に重点をおきつつスペイン文学を鳥瞰した通史。スペイン文学がルネサンス以降、近代ヨーロッパ文学、ことに小説と戯曲の発展に寄与してきた過程に焦点をしぼり、内実豊かなスペイン文学を概説する。カタルーニャ語による文学の一章を加えてより完全を期す。
(ルイジュウヨンセイ)
ユベール・メチヴィエ 著/前川貞次郎 訳
17世紀フランスにおいて絶対君主の地位を固めたルイ14世は、コルベールを宰相とした重商主義政策のもとで国内外の支配を強化し、「大王」と称された。東インド会社の設立、くり返される領土拡張戦争、ナント勅令の廃止、芸術の古典主義の発展など、その絶対主義の機構と華やかな文化の治世を概観する。
(テツガクニュウモン)
フランソワ・グレゴワール 著/中村雄二郎 訳
この本は哲学者の名前を年代的に並べた哲学史や学説を羅列した哲学概論ではなく、問題別に思想を概観した待望の解説書である。西洋における哲学の根本問題である「認識の問題」「外界の存在」「物質とはなにか」「生命の問題」「肉体と魂」「自由の問題」「神の問題」などを取り上げ、綿密な検討を加えている。
(ドウトクシソウシ)
フランソワ・グレゴワール 著/宇佐見英治 訳
「この世にありていまも大きな意義と生命をもつモラルについての古今東西の偉大な思想」を検討した倫理学の基本図書。「いかに生くべきか」「何が善であり、何が悪であるか」という永遠のテーマの展望を語る。