(キュウヤクセイショ)
エドモン・ジャコブ 著/西村俊昭 訳
尽きせぬ興味を駆り立てる旧約聖書について、その世界的な権威が、起源、律法、予言、詩、知恵、外典など細部にわたり最新の研究成果を取り入れ、わかりやすく概説した好適な入門案内。民族の運命と生をめぐるさまざまな伝説や歌謡などを、示唆に富んだ語り口で、正典のもつ今日的意義を解き明かす。
(トウナンアジアノチリ)
ジャン・デルヴェール 著/菊池一雅 訳
東南アジア問題はわが国においても、政治・経済の分野で大きな関心を呼んでいる。著者は東南アジア研究の第一人者。本書はこの地域を扱った数少ない本のなかで、最もオーソドックスな1冊。
(ワセイノレキシ)
オリヴィエ・アラン 著/永富正之、二宮正之 訳
西洋音楽を支えてきた和声、特に調性の崩壊は、今日大きな問題となっている。著者は、この事実をふまえながら和声の根本に立ち戻り、各時代におけるその特色と変遷、その発展関係(ポリフォニー、前調性音楽、調性音楽、旋法主義と半音階主義)を克明にたどりつつ、和声の本質的な姿を究明する。
(ショウチョウシュギ マラルメカラシュールレアリスムマデ)
アルベール=マリ・シュミット 著/清水 茂、窪田般彌 訳
本書はヨーロッパ文学のみならず、人間の精神史のうえで重要な意味をもつ象徴主義文学の、マラルメからシュールレアリスムにいたる概説書である。読者は本書読了後、ふたたびマラルメのソネット、ランボーのイリュミナシオン、ラフォルグの嘆きぶし……を読めば、楽しみは一層増加することになろう。
(ローマキョウワセイ)
アンドレ・クレリシ、アントワーヌ・オリヴジ 著/高田邦彦・石川勝二 共訳
「ローマは一日にして成らず」とは良く知られた格言であるが、そのローマ帝国の礎石となった共和制時代については知られざる面が意外に多い。本書は、ローマ史学の最新の成果をとりあげ、具体的事件や人物よりも歴史を動かした本質的要素に焦点を合わせて書かれた、本格的な研究書である。
(ジャンヌ・ダルク)
アンドレ・ボシュア 著/新倉俊一 訳
百年戦争は、フランスが近代国民国家として誕生するさい味わった陣痛の苦しみであった。それは幾多の伝説を生んだが、なかでも「乙女」ジャンヌの物語は、その時代を最もよく象徴している。本書は、このヒロインの生涯の客観的な叙述であるとともに、彼女を媒介とした、すぐれた時代史でもある。
(ゲンダイフランスノテツガク ジツゾンシュギ・ゲンショウガク・コウゾウシュギ)
ピエール・トロティニョン 著/田島節夫 訳
現代フランスの哲学は現象学の決定的影響を受けて発展した。論者は第1部で、実存的現象学の両端としてサルトルとメルロ=ポンティを説き、第2部でポラン、リクール、レヴィ=ストロース、ラカンらの現象学者、構造主義の哲学者を挙げ、現在の危機と葛藤を通して哲学の将来を素描する。
(アタラシイジドウシンリガク)
J.ピアジェ、B.イネルデ 共著/波多野完治、須賀哲夫、周郷 博 訳
児童心理学は、誕生時から青年期にいたるまでの児童の心的成長を観察し、生理学的研究と関連づけながら、その心的諸機能の形成が生得的なものか獲得されたものかなどを解明する。ピアジェは、知覚と判断力の形成を中心に、子供がいかにして成人としての基本能力を体得するかを、段階的に述べてゆく。
(エイゴシ)
アンドレ・クレパン 著/西崎愛子 訳
最新の言語学研究の成果を取り入れて、英語とは何かを多角的に解説した絶好の入門書。英国英語やアメリカ英語など地域や社会層による多様性、正字法や韻律の変遷、文法や語彙の歴史、ラテン語などの英語の源流と派生について簡明にまとめられている。資料として、聖書の英語訳諸本の抜粋と注釈を付した。
(コウゾウシュギ)
ジャン・ピアジェ 著/滝沢武久、佐々木 明 訳
真の構造主義は方法的構造主義であるとする著者は、すべての科学は円環をなし、《構造》は人間や主体の活動を殺すものではないという思想を、数学・論理学・物理学・生物学・心理学・言語学・社会学・哲学の各分野において具体的に例証する。構造主義理解のためのコンパクトで充実した入門書。