(フランスゴシ)
ジャック・ショーラン 著/川本茂雄、高橋秀雄 訳
フランス語の歴史を、その起源から現在にいたるまで、簡潔に叙述したもの。主としてフランス語の内的進化、すなわち音韻、文法(形態法、統辞法)、語彙の変遷を描く。新しい研究を採り入れてある、フランス語学の好伴侶。
(センセイジュツ)
ポール・クーデール 著/有田忠郎、菅原孝雄 訳
人間と宇宙の関連を、気の遠くなる観察と想像力のかぎりを尽くして構築した占星術の世界は、近代科学の前史のみならず、今日の西欧文明隆盛のさなかにも脈々と流れ続けている。本書はその不思議な世界へ一科学者の立場から視線を投じ、理論と歴史を検証しつつ、そこに孕む擬態と誤謬を指摘する。
(アッチラトフンゾク)
ルイ・アンビス 著/安斎和雄 訳
五世紀にヨーロッパを席巻したフン族と東洋史上の匈奴は同一民族なのか。「神の鞭」として名高いアッチラとはいかなる人物だったのか。アッチラの死後、フン帝国はなぜ滅んでいったのか。諸説紛々のフン族の起源、ヨーロッパでの膨張の過程、アッチラの生涯、謎に満ちた文化まで、その全貌に迫る。
(アメリカガッシュウコクノチリ)
ピエール・ジョルジュ 著/野田早苗 訳
アメリカを理解するには、地誌的な知識が必要となる。本書は、北アメリカの自然地理的条件に関する知識を提供し、各種産業、国土開発、生活環境、人口問題などに触れ、急速なテンポで移り変わるアメリカ社会の真の姿を示す。今日のアメリカの現実のイメージを正しく理解するに格好の読みもの。
(ヘーゲルテツガク)
ルネ・セロー 著/高橋允昭 訳
へーゲル哲学は近代の総決算であり、現代哲学の根源をなすといわれる。現代を深く考えていくうえで、ヘーゲルを素通りすることはできないだろう。本書は、へーゲルがどう読まれ、どう影響を与えてきたかを、年代順にたどりながら、ヘーゲル哲学の本質的な諸テーマを平易に解説する。
(イタンシンモン)
ギー・テスタス、ジャン・テスタス 共著/安斎和雄 訳
異端審問という言葉ほど、恐怖に満ちた語はない。ヨーロッパおよび新大陸における宗教裁判はいまだ我々に恐怖心を起こさせる。本書は、その実体、その成立と消滅の過程、裁判の実際、各国での状況などを12世紀から第二ヴァチカン公会議まで、逸話を交えて紹介する。特にスペイン、南米での記述に詳しい。
(フクショクノレキシ コダイ・チュウセイヘン)
ミシェル・ボーリュウ 著/中村祐三 訳
古代オリエント、エジプト、西アジアから古代ギリシア・ローマ、ビザンチンを経て中世フランスにいたる時代と地域の服装を、宮廷人、庶民、婦人、農婦、兵士、僧侶といった各社会階層にそくしつつ解説。その裁ち方や着付け、髪形・装身具をも記述した系統的な服飾史。図版多数収録。
(ジンギスカン セイフクシャノショウガイ)
ルイ・アンビス 著/吉田順一・安斎和雄 共訳
ジンギスカンの生涯は、モンゴル帝国建設までの忍苦の前半生と、世界征服者の名をほしいままにした疾風の後半生に大別できる。本書の特色は、錯綜した関連資料を解きほぐし、謎の多い前半生に力を入れて、彼の生涯を明らかにしようとした点にある。著者は、フランスの代表的東洋学者である。
(デンセツノクニ)
ルネ・テヴナン 著/笹本 孝 訳
世界が世紀末的様相を呈すると、人間はとかく冷静な判断を忘れ、想像力で未来をいちはやく先取りしようとする。かくして伝説が生まれるが、この種の伝説は、かならずしも荒唐無稽の絵空事ばかりではない。本書は、アトランティス伝説を基調に、時空を超えた豊穣なる伝説の世界を鮮やかに描き出している。
(ムッソリーニトファシズム)
ポール・ギショネ 著/長谷川公昭 訳
二十世紀前半に突如イタリア半島に出現し、ヒトラーのナチズムの原型となったムッソリーニのファシズム。この異常な独裁主義の生成と発展の過程を説きつつ、彼の生い立ち、栄光の時代を経て哀れな最期をとげるまでを詳述する。イタリア特有の歴史的風土のなかに咲いた徒花ムッソリーニの全貌を伝える。