(フーガ)
マルセル・ビッチ、ジャン・ボンフィス 共著/池内友次郎 監修 余田安広 訳
J.S.バッハ以後、音楽形式のひとつとしてのフーガは、その発展を終えてしまったのだろうか? 本書は、多声音楽の基本である対位法をわかりやすく解説することからはじめ、音楽芸術におけるフーガの真価とその可能性とを、さまざまなジャンルの歴史的名曲のなかに探ってゆく。
(ドイツテツガクシ)
モーリス・デュピュイ 著/原田佳彦 訳
世界の思想家たちの多くはドイツ哲学にその源泉を求め、今日的問題群に立ち向かっている。本書は、中世から説き起こして現代にいたるまでドイツ哲学の歩みをたどり、カント、ヘーゲル、ニーチェに代表される難解になりがちなドイツ哲学の諸概念を、フランス現代思想的視点から捉え直し、的確に解説した好著。
(コウシンリョウノセカイシ)
リュシアン・ギュイヨ 著/池崎一郎、平山弓月、八木尚子 訳
古代ギリシア・ローマの昔から、西洋ではオリエントからもたらされる香辛料を珍重し、冒険家たちは命がけでシルクロードや大海原へ交易の旅に出た。本書は、豊富な文献資料によって、香辛料にまつわるさまざまな歴史を語り、各種香辛料の産地・生態・栽培法・用途などを興味深く解説する。
(テニス)
アンリ・コシェ 著/鈴木悌男 訳
体力づくりに始まって各ストローク、サービス、ロブ、ボレーなどの初歩から高度なテクニックまでを解説したこの本で技術的な悩みは解消。さらに実戦でのフォーメーション、かけひきを学ぶうちにテニスの楽しさが伝わってきます。この本の一ページを読んでからコートに出てみては? イラスト入り。
(ガリカニスム フランスニオケルコッカトキョウカイ)
エメ=ジョルジュ・マルティモール 著/朝倉 剛、羽賀賢二 訳
アンシャン・レジームが整備されていくフランスにおいて、「国家」と「教会」の関係は、古来の自由を標榜するガリカン教会(フランス教会)とローマ教皇(庁)との、またフランス王権と教皇権との対立という展開を見せた。教義と実践の両面で教皇の権威に対抗する、この伝統への復古運動を解説した通史。
(ワーグナートユビワヨンブサク)
ジャン=クロード・ベルトン 著/横山一雄 訳
ワーグナーのオペラ作品の項点に立つ《指環》の源流である神話伝説、成立過程、思想を民族学的考察をまじえつつ解説する。《指環》の音楽言語、構造をはじめ、この作品の特質を多角的に追究し、全貌を紹介したユニークな研究書。《指環》の鑑賞と理解には欠かせない、ワーグナーファン必読の一冊。
(ゲンゴノチリガク)
ロラン・ブルトン 著/田辺 裕、中俣 均 訳
さまざまな言語の空間的分布はどのように形成され、変動していったのか。具体的な地域に即して考察する地域地理学の立場から、言語を支える人間的・社会的基盤についての見取り図を提示する文化誌。消滅しかけている言語を貴重な財産として守り継ぎ、その独自性を尊重するよう訴える。地図・図版多数収録。
(モジトコミュニケーション)
ロべール・エスカルピ 著/末松 壽 訳
一方向的な情報でなく、自由な主体性をもった多方向的コミュニケーションの確立を目指し、構造主義における言語学、記号論などの成果を取り入れつつ、テクストの機能に注目したユニークな読書論や印刷マスコミ論を展開する。更に統計を駆使し、世界の文字コミュニケーションの現状と今後をも展望する。
(コクサイジンドウホウ)
モーリス・トレッリ 著/斎藤恵彦 訳
1864年、赤十字国際委員会により、武力紛争時の人間の尊重を目的として、すでに承認されていたいくつかの人道的原則を法律化し、ジュネーブ国際人道法が誕生した。この法律の歴史的基盤、戦闘員の倫理、犠牲者の輪郭、適用のメカニズム、その限界と課題などを概説し、人類普遍の原則の遵守を唱える。
(オプス・デイ カトリックノアタラシイウゴキ)
ドミニック・トゥルノー 著/尾崎正明 訳
1928年、エスクリバー師によって創立された「オプス・デイ」は、「神の業」を意味するカトリックの世界的な組織で、世俗社会での自らの職業生活を通して、自己完成と聖性を追求することを目的にしている。日本でも活動している「オプス・デイ」の精神、組織、生活を解説した格好の入門書。参考文献収録。