(シンリガクノレキシ)
モーリス・ルシュラン 著/豊田三郎 訳
実験心理学から、動物心理学、差異心理学、病態心理学と臨床法、児童心理学、社会心理学まで、広範かつ多様な研究領域をもつ心理学の変遷を簡明にまとめた概説書。学説の紹介の随所に事件や学者たちの挿話を交えながら、その発展と分化を追い、また応用面も重視し、最近の問題や方向性も明示した。
(チュウセイフランスブンガク)
V=L.ソーニエ 著/神沢栄三、高田 勇 訳
ゴール=ローマ時代のラテン語文学から説きおこし、聖者伝、武勲詩、騎士道物語が開花する様子、ルネサンス前夜まで、中世文学の全貌を描き出した決定版。文学と当時の政治・社会・文化状況を照応させ、その有機的な関係を示す時代区分を採用し、従来の論争にも見解を加えて解説した。索引・参考文献収録。
(イミロン)
ピエール・ギロー 著/佐藤信夫 訳
日常会話ではさほど不自由を感じなくても、討論などで議論を進めたい場合ことばの意味というものがどんなに扱いにくいか、また憲法のなかの一つの文章の意味が国民的な重大問題に左右しかねないという事実を考えるとき、「意味」というものは重要である。本書は、この「意味」を解明するものである。
(コダイエジプト)
ジャン・ヴェルクテール 著/大島清次 訳
現代のエジプト学が到達した地点に立ち、4000年以上も栄えたこの人類最古の文明を実証的に説く。まず国土・住民・言語・文字など地誌的観点から解読し、ティニス朝の先史の混迷の諸世紀から、古典期の古王国より新王国、衰退期のアレクサンドロスの征服まで、その歴史全体を概述する。エジプト諸王の年表を収録。
(ジュウロクセイキフランスブンガク)
V=L.ソーニエ 著/二宮 敬、荒木昭太郎、山崎庸一郎 訳
16世紀の〈ルネサンス文学〉は、印刷術の発達にともなって活発になり、形式や趣向が急速に展開し、相次ぐ新世代を生み出した。ラブレー、ロンサール、モンテーニュらの生涯と作品を分析しながら、その精神の歩みをたどり、宗教戦争による衰退までを明快に整理した格好の入門書。人名索引・参考文献収録。
(フランスカクメイノブンガク)
ベアトリス・ディディエ 著/小西嘉幸 訳
革命期10年の文学は18世紀文学の決算であり、近代文学の幕開けを告げるものとして一時代を画す。反革命、亡命文学をも含むまさしく「革命の」文学を扱った本書は、これまでの文学史の重大な欠落を埋めるだけでなく、個人的天才と傑作に偏した近代文学史観に修正を迫る、新しい文学研究の成果でもある。
(ダイサンセカイ)
エドモン・ジューヴ 著/高 演義 訳
80年代以降の反第三世界主義の流行に抗して、その誤りを明快に論駁し、第三世界の歴史的・国際的位置づけを力強く行なった第三世界主義擁護の書である。長い間「東西対立」型の思考に馴れ、「南北」軸に立って世界を捉えることを怠ってきたわれわれにとって示唆に富む一冊である。
(ソルフェージュ)
ジャン=ポール・オルスタイン 著/八村美世子 訳
ソルフェージュは、読譜力を養い、暗譜や聴音の能力を高め、楽曲形式を理解させるための基礎訓練である。本書は、そうした実際的側面に加え、個々の音楽感性の育成に不可欠なものとしてソルフェージュを捉えた総括的な解説書である。豊富な譜例と注によって音楽に触れる喜びはさらに高められる。
(フランスノミンゾクガク)
ジャン・キュイズニエ、マルティーヌ・セガレン 著/樋口 淳、野村訓子 訳
ブルターニュやラングドックを始め、さまざまな言語と民族をかかえたフランスは、民族学の格好の対象である。本書は、民俗学と民族学の歴史をたどりながら、「単一文化幻想を打ちこわし、多様性をいかに発見するか」という課題に答え、異文化のせめぎ合うフランスの実像に迫る。
(ロマン・ノワール フランスノハードボイルド)
ジャン=ポール・シュヴェイアウゼール 著/平岡 敦 訳
ロマン・ノワールは、フランス・ミステリーの影響を受け継ぎながら、直接的には英米のハードボイルドの影響のもとに誕生した。著者は、その尽きせぬ魅力について、まさにロマン・ノワール的なスタイルで語り、読者をこの世界へ引き込んでゆく。巻末の作家紹介と読書案内は、格好のブックガイド。