(バラジュウジダン)
ロラン・エディゴフェル 著/田中義廣 訳
17世紀初頭、ふたつのパンフレットと『化学の結婚』という小説の刊行を機に突如出現した秘密結社「薔薇十字団」。瞬く間にヨーロッパ中に広がり、西洋思想の影の潮流として、のちにデカルト、ニュートン、ゲーテにも影響を及ぼし、人びとの想像力に訴えつづけてきた。この謎に包まれた結社の真相を解明する。
(インドキョウ)
ルイ・ルヌー 著/渡辺照宏、美田 稔 訳
インド教(ヒンドゥー教)の起源は遠くヴェーダの時代に遡り、その流れは現代まで脈々と続いている。ゆえにこの宗教の神話、祭式、慣習、哲学はそのままインド文化の集大成ともいえる。本書はその基本的概念から、仏教との関連と歴史的発展を、さらには現代の様相までを解説する。
(バルトサンゴク)
パスカル・ロロ 著/磯見辰典 訳
民族・言語・文化の面でそれぞれの特色をもちながら、なぜバルト三国はひとつの統一体として見られてきたのか。本書はその疑問に答えて、バルト三国が共有する歴史の流れを詳細に追い、併せて政治・経済の現状を明確に分析する。独立にいたる過程と今後の課題と展望を理解するための必読の書。
(ギリシアシンワ)
ピエール・グリマル 著/高津春繁 訳
ギリシア神話の豊富な内容を「神々の誕生」「オリュンポスの神々」「英雄伝説」に手際よく整理しつつ、神話学の変遷の歴史から現代の神話解釈法までを詳述したもっとも信頼するに足る入門書。
(ショモツノレキシ)
エリク・ド・グロリエ 著/大塚幸男 訳
活版印刷発明以来、書物は人類の精神文化の象徴の地位を保っている。本書は書物の起源から最新のマイクロフィルムやマイクロカードにいたるまで、古今東西の書物の全歴史をたどり、印刷、装幀、挿絵、出版、販売、普及など、書物に関するあらゆる問題を細大もらさずに解説する。特に中世、近代に詳しい。
(モンテーニュトエセー)
ロベール・オーロット 著/荒木昭太郎 訳
「わたしは何を知っているのか」というモンテーニュ座右の句を、宗教思想、哲学思想の流れのなかで捉え、『エセー』の成立していくさまを具体的かつ綿密に追いながら、題材と表現がどのように変質していったかを説く。モンテーニュ研究の先端をいく著者が、動き働きつつ考えるモンテーニュを活写する。
(ボードレール シノゲンダイセイ)
ドミニック・ランセ 著/鈴木啓司 訳
ボードレールによって命名された「現代性」という概念は、単に詩の領域だけでなく、現代そのものの本質と深くかかわっている。その現代性が詩人のなかで形成され、実践されていく過程を、評論、韻文詩、散文詩の三分野を通じて精密に跡づける。創作のダイナミズムをも視野に入れて論じた刺激的な一冊。
(スペインシ)
ピエール・ヴィラール 著/藤田一成 訳
アフリカとヨーロッパ、大西洋と地中海のあいだに位置するスペインは、古来より諸文明が入り込んだ十字路であり、いまなおその痕跡を色濃くとどめている。自らの抱える二面性に苦しみながらも独自の発展を遂げてきたこの国の、ローマ支配下の時代からフランコ死後の民主化の過程までを詳述する。
(フランスカクメイシ)
F.ブリュシュ、S.リアル、J.テュラール 著/國府田 武 訳
アンシャン・レジームの終焉から、1789年のバスティーユ陥落、「人権宣言」、ルイ16世とマリー=アントワネットの処刑、テルミドール9日、そしてナポレオンのブリュメール18日のクーデターまで、複雑に絡み合った革命の展開を年代順に簡潔にたどった通史の決定版。年表・参考文献・人名索引を収録。
(シゴノセカイ)
フランソワ・グレゴワール 著/渡辺照宏 訳
「人間は死後どうなるのか」という問いは、人類がいだきつづけてきた最大の疑問の一つであろう。本書は先史時代から現代まで、神学者、哲学者、芸術家たちが「死後の世界」をどのように考えてきたかを系統的に紹介し、この深遠な問題に対して「死後の生存」という一種の哲学的解答をあたえようと試みる。