(バレエニュウモン)
マルセル・ブルガ 著/一川周史 訳
バレエは中世イタリアの宮廷から生まれ、その後17・18世紀にいたりクラシック・バレエとしてのスタイルが確立された。踊りと身振りによって感情を表現するこの舞踏劇の基本的な動き・ポジションから高度なテクニックまでが、多数のイラストと詳細な技術的解説によってマスターできる一冊。
(モーツァルトノシュウキョウオンガク)
カルル・ド・ニ 著/相良憲昭 訳
広く愛され、親しまれているモーツァルト作品の一割以上は宗教音楽だが、『レクイエム』など二、三を除けば、あまり知られていない。本書は音楽理論・音楽史のみならず、聖書やカトリック典礼に関する深い造詣にもとづいて書かれた貴重な入門書。カトリック典礼の理解の一助として「ミサの式次第」を付した。
(スイミントユメ)
シャルル・ケゼール 著/松本淳治監 訳 森田雄介 訳
人は人生の三分の一を眠ることに費やし、その時すべての人が必ず夢を見ているという。脳の解剖により得られた睡眠のメカニズム、睡眠中の脳波の記録、レム睡眠と夢の関係、昼夜リズムを計る体内時計、夢と精神分析など、動物実験や近年の成果を取り入れ、睡眠と夢の生理を解明する。図版多数。
(オーケストラ)
アラン・ルヴィエ 著/山本 省、小松敬明 訳
ベートーヴェンやベルリオーズの作品分析など、多くの重要な管弦楽作品の楽譜を参照しながら、その歴史を追い、手法を解明する。さまざまな編成の楽器アンサンブルが要求される、現代の管弦楽団が直面している課題をも検討し、その展望を語る。バッハからクセナキスにいたる管弦楽の楽器編成一覧表収録。
(トマステツガクニュウモン)
フェルナンド・ファン・ステンベルゲン 著/稲垣良典、山内清海 訳
現代トミズム(トマス哲学)はカトリック教会の御用哲学でも教条主義でもない。本書は、現代思想にたいして開かれた「進歩的」トミズムを唱える著名な中世哲学史家によるトミズムの基本的学説と展開についての概説書であると同時に、独自の見解をもつ著者の問題提起の書である。
(タイドクキョウリョクノレキシ)
ジャン・ドフラーヌ 著/大久保敏彦、松本真一郎 訳
フランスの「歴史から抹殺すべき四年間」としてタブー視されてきた独軍占領時代における対独協力の実態が、近年ようやく明らかにされてきた。パリではナチのイデオロギーが熱狂的に迎え入れられ、ヴィシー政府も追従し、意図的に、しかも国家規模で時代のうねりに巻き込まれていく様子を追求する。
(フランス・ロマンシュギ)
フィリップ・ヴァン・チーゲム 著/辻 昶 訳
16~17世紀に支配的であった古典主義に反抗して起こったロマン主義は、外国文学に範を仰ぎつつ、フランス近代文学を準備していった。ロマン主義の詩、演劇、小説、哲学などの展開を、比較文学の視点を取り入れながら、後の写実主義・象徴主義との関係にも言及して概説した。人名索引・参考文献収録。
(ブッキョウ)
アンリ・アルヴォン 著/渡辺照宏 訳
インドで仏教以前に支配的であったヴェーダ教やバラモン教の状況をはじめ、仏陀の生涯をたどりながら、悟りと説法、ニルヴァーナやヨーガなどの教理、教団の礼拝活動について解説する。さらに、小乗・大乗として、チベット・モンゴル・中国・日本に発展していく様子や、西洋との関係にまで考察した入門書。
(シカイシャホン)
E=M.ラペルーザ 著/野沢 協 訳
1947年、パレスチナに住む羊飼いの少年が、死海西岸の洞穴から古文書の断片を発見した。これは『死海写本』と命名され、キリスト教成立以前の聖書研究に欠かせない第一級の原史料となっている。本書は、この古文献をめぐって、発見の経緯から研究の過程とその推移、とくにその学問的な意義を興味深く語る。
(ドレーフュスジケン)
ピエール・ミケル 著/渡辺一民 訳
1894年、フランスの参謀本部に起きたドレーフュス大尉をめぐるスパイ疑惑は、当時の社会的・政治的大事件として世界の注目を集め、たんに大尉自身の有罪・無罪の問題にとどまらず、各方面に多大な影響をもたらした。本書は、この事件の全貌を提示し、その歴史的意味を明らかにする。