(アフリカノミンゾクトブンカ)
ドニーズ・ポーム 著/川田順造 訳
アフリカは現代国際世界の一焦点である。かつてのコンゴ独立紛争、エチオピアの内紛、今なおくすぶるアルジェリア問題、さらには各国における激しい部族間闘争など、緊張した世界情勢の端的な反映を示している。本書はアフリカの歴史の概観に始まり、部族の勢力分野、外部諸国との関係を簡明にまとめる。
(スペインオンガク)
ホセ・スビラ 著/浜田滋郎 訳
ヨーロッパの音楽のなかで特異な位置を占めるスペイン音楽はその豊かな内容にもかかわらず、これまでまとまった概説書が少なかった。本書はスペイン音楽についての手軽な系統的概説書で、各時代を追ってその音楽的特質を要約、スペイン音楽特有の土俗的・異教的ムードの背景を歴史的に解明している。
(パリ・コミューン)
ジョルジュ・ブルジャン 著/上村 正 訳
1871年、普仏戦争の最終段階におこったパリ・コミューンの乱は苛酷な弾圧を受けて終息したが、当時の保守的諸階級に大きなショックを与え、労働者階級の希望を全世界によびさました国際的な事件であった。本書はその原因、経過、影響を要領よく解説する。
(カンゲンガク)
ルイ・オベール、マルセル・ランドスキ 共著/小松 清 訳
本書は管弦楽の定義から、その成立、発展、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを頂点としてベルリオズにいたる黄金時代の管弦楽、さらにロシア国民楽派や、フランス印象派、後期ワグナー派等近代の多彩な楽派の管弦楽上の特質を追求し、現代音楽の諸問題、指揮法、組織、編成にまでおよぶ。
(プラトン)
ジャン・ブラン 著/戸塚七郎 訳
ヨーロッパ思想の中核にあるプラトン哲学は、20世紀の今日にいたるまで、ヨーロッパ文明の巨大な殿堂を支える柱であり、揺るぎない礎石である。プラトンの思想大系とその生涯をたくみに織りまぜ、伝記的興味のなかで現代に生きるプラトン哲学の解説を試みるすぐれた入門書。
(バロックゲイジュツ)
ヴィクトール・リュシアン・タピエ 著/高階秀爾、坂本 満 訳
16世紀から18世紀にかけてヨーロッパを風靡した特異な芸術様式バロック。その言葉の定義、ルネサンスとの関係、社会との結びつきを説き、イタリア、フランス、スペイン各国それぞれの歴史的条件の下でそれがいかに展開していったか、また造形芸術と時代精神とを関連づけて考察した、碩学による解説書。
(フランスカキョクトドイツカキョク)
エヴラン・ルテール 著/小松 清、二宮礼子 訳
フランス・ドイツ両国の歌曲はどのようにして生まれ、また開花したか。ベルリオーズ、フォーレ、シューベルト、シューマンを筆頭とする各国の代表的作曲家の発展のあとをたどりながら、その歌曲にみられる民族的性格を平易に解説する。音楽ファン・研究家にとって欠かせぬ「歌曲のすべて」。
(ロシアカクメイ)
フランソワ=クサヴィエ・コカン 著/佐藤亀久 訳
膨大な資料を分析、整理して、20世紀の歴史と神話ともいわれるものを生み出した最大の事件であるロシア革命の前夜から、革命の輝しい勝利の日までを、他の書にみられない生き生きとした文章でもって物語る。今日のソ連の動機となったロシア革命の本質を平易に解き明かしてくれる革命史。
(ギリシアノシンタク)
ロベール・フラスリエール 著/戸張智雄 訳
いつの時代においても、易や占いは興味を持たれる。合理的といわれる西欧諸国でさえも、それは同じこと……西欧のその原型はギリシアに発する。本書では、ホメロス研究家として知られる著者が、文献に現われる有名な占い者や、神託所の記述を総合的に考察しながら、その貴重な資料を詳解する。
(ヨーロッパブンメイシ)
クロード・デルマス 著/清水幾太郎 訳
ギリシア・ローマ・ユダヤの遺産を基調とするヨーロッパ文明はどんな歴史的枠組のなかで発達してきたか、またその枠組のなかで、中世騎士道、ルネサンスの技術的・精神的変革、近代の革命はどのように達成されたかを概観し、ヨーロッパ文明の本質を把握しようとする野心的な労作。