最新の日本語研究の成果を随所に盛り込みました
言葉の由来、用法・語形の変遷、位相等について、最新の研究成果を全国約三百五十名の国語・国文学者が執筆、約五千項目に掲載しました。語の成り立ちを説明し、[語源説]欄と相まって語の歴史を明らかにしました。
近世から現代までの一千点を超える方言資料(各地の方言集など)の中から方言を採録しました。同じ意味を持ち、言い方の似ている方言は一つの項目にまとめ、方言の語形の変遷や地理的な分布状況がたどれるようにしました。
また、典拠とした方言資料を番号化して地域名の下に示し、別冊『方言資料および方言出典番号一覧』で資料名がわかるようにしました。
その語が収録されている代表的な辞書の書名を掲げます。初版に掲載の従来の古い漢和字書や節用集に、さらに『日葡辞書』『ヘボン(和英語林集成)』『言海』を加えて、コラム名を「古辞書」から[辞書]に変えました。
同じ訓で漢字が慣用的に、複数あてられることの多い五百五十語について、その漢字の意味と熟語と古訓を示して、一覧できるようにしました。
解説の根拠となる用例を、『記紀』『万葉』等の上代の文献から現代の作家の作品にいたるまで幅広く採集し、その語の生きた実例が古いものから新しいものまで概観できるようにしました。
その語にかつてどのような漢字があてられ、また読まれてきたかわかるように、平安時代から明治までの代表的な辞書にある主要な表記を網羅し、典拠も示しました。
上代語のなかで、仮名の甲乙の別が認められるものについては、それを表示しました。
日本語の発音とアクセントを、さまざまな角度から検討しました。現代語については、見出し語と標準語音とが異なる場合の注記や、現代の標準的なアクセントを示した他に、現代京都におけるアクセントを示しました。また、過去の文献をもとにして推定される京都アクセントを示し、平安時代以降の日本語アクセントの歴史的変遷をたどれるようにしました。
その語の語源に諸説あるものについては、「名語記」から「大言海」にいたるまでの辞典類や、江戸時代の随筆、近代以降の論文などから幅広く取り上げ、[語源説]欄として、その典拠とともに示しました。