解説の根拠となる用例を、「記紀」「万葉」などの上代の文献から現代の作家の作品にいたるまで幅広く採集しました。用例の出典には成立年または刊行年を西暦で表示、語の歩みが一目で分かるようにしました。
また、『日本国語大辞典 第二版』では例がなかった項目の用例や、さらに時代をさかのぼる用例を約五千点採録し、『日本国語大辞典』の補遺版としての役割も果たします。インターネット(公式ウェブサイト「日国.NET」)を活用した、一般の方々からの公募による新用例も多数収録。日本初の試みです。
用例の出典については、できるだけ信頼のおける底本を一つ選び、その語の用例として確実なもの、ふさわしいもののみを採用するように努めました。異本の多い文献で、用例が異本からしか採れなかった場合には、書名に異本名を冠して区別しました。
『日本国語大辞典 第二版』には収録されていない新項目を、約千五百項目新たに収録。新項目は、大きく分けて3つに分類されます。
最新情報を可能な限り採り入れて、激動する時代にしっかりと対応しました。
地名関係の項目では、近年きわめて盛んな自治体の合併に、可能な限り対応しました。新しい自治体名を掲載するのみではなく、解説内に出てくる自治体名も新しいものに変更しています。省庁の再編成や、新しい大学の開設・名称変更・統合などにも対応した、最新の辞典です。
言葉の由来、用法・語形の変遷、日本人がその語に込めた含意などについて、最新の研究成果を採り入れた「語誌」欄、より簡潔にその語や用例についてのさまざまな注意事項を記述した「補注」欄も充実。言葉の奥行きや歴史についての理解が深まります。
慣用句として熟した表現や、故事成語・ことわざの類を、その句の冒頭の単語の「子見出し」として数多く収録しました。中国や日本の故事に由来する句には、その出典や来歴などを明示しています。
歴史的な文献に掲載されている絵や、日本の伝統文化や風習にまつわる絵、紋所・文様などを中心に、図版を約三千点掲載。歴史的文献からの絵には出典を明記し、「絵で見る日本文化の辞典」としても役立ちます。
歴史的な文献、主要な文芸作品などを洋の東西を問わず収録。また、人名を約八千項目収録しました。地名は、日本の市をすべて収録したほか、東西の歴史上の地名、観光地、各国の主要都市などを約八千項目収録しています。
第三巻には、漢字で始まるすべての項目を、その漢字の画数から引ける「漢字索引」を完備。通常、国語辞典では読めない言葉は引けないわけですが、この漢字索引によって読めない言葉も簡単に検索できます。
巻の切れ目を、1巻は「あ行、か行」、2巻は「さ行からな行まで」、3巻は「は行以降と漢字索引」とわかりやすく編集、使い勝手が格段によくなりました。
装幀は斯界の第一人者、菊地信義氏が担当。現代人のデスクトップにふさわしい、重厚感と現代性が融合したシャープなデザインの辞典です。