(フランスノミンゾクガク)
ジャン・キュイズニエ、マルティーヌ・セガレン 著/樋口 淳、野村訓子 訳
ブルターニュやラングドックを始め、さまざまな言語と民族をかかえたフランスは、民族学の格好の対象である。本書は、民俗学と民族学の歴史をたどりながら、「単一文化幻想を打ちこわし、多様性をいかに発見するか」という課題に答え、異文化のせめぎ合うフランスの実像に迫る。
(バルトサンゴク)
パスカル・ロロ 著/磯見辰典 訳
民族・言語・文化の面でそれぞれの特色をもちながら、なぜバルト三国はひとつの統一体として見られてきたのか。本書はその疑問に答えて、バルト三国が共有する歴史の流れを詳細に追い、併せて政治・経済の現状を明確に分析する。独立にいたる過程と今後の課題と展望を理解するための必読の書。
(スペインシ)
ピエール・ヴィラール 著/藤田一成 訳
アフリカとヨーロッパ、大西洋と地中海のあいだに位置するスペインは、古来より諸文明が入り込んだ十字路であり、いまなおその痕跡を色濃くとどめている。自らの抱える二面性に苦しみながらも独自の発展を遂げてきたこの国の、ローマ支配下の時代からフランコ死後の民主化の過程までを詳述する。
(フランスカクメイシ)
F.ブリュシュ、S.リアル、J.テュラール 著/國府田 武 訳
アンシャン・レジームの終焉から、1789年のバスティーユ陥落、「人権宣言」、ルイ16世とマリー=アントワネットの処刑、テルミドール9日、そしてナポレオンのブリュメール18日のクーデターまで、複雑に絡み合った革命の展開を年代順に簡潔にたどった通史の決定版。年表・参考文献・人名索引を収録。
(バスクジン)
ジャツク・アリエール 著/萩尾 生 訳
イベリア半島北部、ピレネー山脈西端に広がるバスク地方は、古来より周囲の異文化の影響を受けながらも、きわめて独自の言語と風習を守りつづけてきた。今また分離独立を訴える闘争に激しく揺れる、「多国家間民族」バスク人の歴史と現在を、政治・経済・言語・民族学などの面から描き、その全貌に迫る。
(スペインナイセン)
ピエール・ヴィラール 著/立石博高、中塚次郎 訳
1936年7月、フランコ将軍を指導者として軍部の蜂起が起こった。以後3年の長きにわたってスペイン全土を二分し、数十万人の死者を出したスペイン内戦は、フランコ独裁政権の樹立と第二共和政の崩壊をもって終結した。第二次大戦の前哨戦ともいわれるこの内戦のメカニズムを詳述する名著。
(ルーマニアシ)
ジョルジュ・カステラン 著/萩原 直 訳
バルカン半島北辺に位置し黒海を臨むルーマニアは、近隣の多様な文化の影響を受け、近世以降は大国の政治的脅威に絶えずさらされてきた。本書は、今また少数民族問題など多くの難問に直面するこの「ラテン的」国家の貴重な通史である。訳者による、チャウシェスク独裁政権崩壊後の現代史補遺を付す。
(オランダシ)
モーリス・ブロール 著/西村六郎 訳
ユーラシア大陸の片隅に人の力によって国土をつくり出し、政治、経済、文化の面で黄金の17世紀といわれる繁栄をもたらした国オランダ。欧州経済共同体の先駆ともいえるベネルクス同盟を生み出し、透徹した展望と進取の気性に富む独特の性格をもつこの小さな大国の波乱に満ちた歴史。
(チョウセンハントウヲミルキソチシキ)
C.バレーズ、李鎭明、李玉、M.オランジュ 著/金 容権 訳
東西の冷戦構造は解体したが、南北に分断された朝鮮半島の緊張は続く。南北の地理、文明、政治史、経済史を簡明に解説する本書は、今日の韓国・北朝鮮を知るための基本図書である。
(ヨーロッパノミンゾクガク)
ジャン・キュイズニエ 著/樋口 淳、野村訓子、諸岡保江 訳
ヨーロッパは暴力と混血のちぎりから生まれた。したがって多くの場合、ヨーロッパの民族をめぐる問いに答えることは、戦争と平和にかかわる。本書は、ヨーロッパ諸民族の現在(言語・宗教・慣習・食生活・領土紛争……)とその将来計画を語ることによって、民族学研究の新しい可能性を切り拓いている。