(ジャンヌ・ダルクノジツゾウ)
レジーヌ・ペルヌー 著/高山一彦 訳
百年戦争の末期、〈神の声〉に導かれて戦列に立ち、危機に瀕するフランス王国を救ったが、その後、教会裁判で異端として火刑に処せられた聖女ジャンヌ・ダルク。ジャンヌ研究の第一人者が、処刑裁判・復権裁判の記録をはじめ信頼にたる事実史料を駆使して、その短くも感動的な生涯を見事に再現した好著。
(ローマノコダイトシ)
ピエール・グリマル 著/北野 徹 訳
ローマ帝国に征服された都市は、何らかの形で首都ローマを模倣する。それら諸都市の成立を考古学的かつ建築学的に検証してゆくと、そこには「ローマ化」という法則が浮かび上がってくる。ギリシア・ローマ学の碩学がその学殖を披瀝しつつこの法則を解き明かす。
(チュウゴクノガイコウ)
フランソワ・ジョワイヨー 著/中嶋嶺雄、渡邊啓貴 訳
冷戦構造崩壊の後、構築途上にある新しい世界秩序のなかで、中国はどのような位置を占め、どのような外交政策を展開するのであろうか。1949年の中華人民共和国成立以来、多様な段階を経て今日にいたる複雑な中国外交の軌跡を明快に論じ、今後の展望に資する、極東問題の権威による基本的解説書。
(カルタゴ)
マドレーヌ・ウルス=ミエダン 著/高田邦彦 訳
ローマ帝国と地中海世界の覇権を果敢に争い滅亡した悲運の都市国家カルタゴ。本書は、カルタゴ考古学界の権威が遺跡発掘の成果をもとに、彼の国の政治・宗教・文化・風俗・地誌などあらゆる分野にわたって解説する。国家滅亡後800年の歴史も含め、その文明興亡のすべてを語る好著。
(カンボジア)
ジャン・デルヴェール 著/石澤良昭、中島節子 訳
アンコール・ワットや敬虔な仏教徒の多いことで知られる「メコンの賜」カンボジア。厳しい自然条件に適応してきたこの農業国も近代に入ってからは、インドシナ戦争、「クメール・ルージュ」による支配など、数多くの辛酸をなめてきた。いまだ謎多きカンボジアの地理、農民生活、政治などを詳述する。
(ベルギーシ)
ジョルジュ=アンリ・デュモン 著/村上直久 訳
フランドル芸術を育み、「欧州の十字路」として独自の商工業や文化を発達させてきたベルギー王国。本書は自国の言語紛争ゆえに世界でも珍しい君主制連邦国家へといたったベルギーの歴史を、地理的に詳説し、文化的側面から活写する。ヨーロッパ統合を考えるための基礎知識が詰め込まれた一冊。
(アイルランド)
ルネ・フレシェ 著/山口俊章・山口俊洋 共訳
大西洋の大いなる神秘を背に、ケルトの伝統にラテンの血が注ぎ込まれてきたアイルランド。本書は、イギリス諸島やヨーロッパ大陸からの侵入を受けながらも今日まで偉大なる文化を育んできた、その風土的特徴と歴史的事実を語る。不思議を発見する楽しみに満ちた、アイルランドを訪ねる者の基礎知識。
(チュウセイフランスノキシ)
ジャン・フロリ 著/新倉俊一 訳
アーサー王と円卓の騎士に代表される騎士道神話が生まれた背景─封建社会であこがれの対象とされた「騎士身分」とは何だったのか? 中世騎士の実態とその成立の過程を詳述する。
(トウギュウヘノショウタイ)
エリック・バラテ、エリザベト・アルドゥアン=フュジェ 著/管 啓次郎 訳 旦 敬介序文
動物愛護の観点からすれば弁護の余地のない競技――闘牛に、われわれはなぜ魅了されるのか? 闘牛の起源、歴史的・地理的展開、技巧や美学的・芸術的側面について詳解する小百科。
(ポエニセンソウ)
ベルナール・コンベ=ファルヌー 著/石川勝二 訳
フェニキア人の植民市カルタゴが、百戦錬磨の連邦国家ローマを相手に、三度、戦いを挑む。ハンニバルの活躍とともに記憶される悲運の物語。古代地中海の覇権争いを詳細に描きだす。