(ビザンツテイコクシ)
ポール・ルメルル 著/西村六郎 訳
ビザンチオン(現イスタンブール)を首都とした帝国が、東のローマとして誕生してから陥落するまでを概説。キリスト教徒と異民族の「文明の衝突」を活写した、世界史の基礎知識。
(ナポレオンノショウガイ)
ロジェ・デュフレス 著/安達正勝 訳
「不可能」を口にしない男、ナポレオンは、いかにしてわずか10年の間にヨーロッパの半分までも支配する帝国を築いていったのだろうか? 簡にして要を得た、ナポレオン伝の決定版。
(アウグストゥスノセイキ)
ピエール・グリマル 著/北野 徹 訳
パックス・ロマーナ(ローマにおける恒久的平和)と称される、アウグストゥスが切り開いた時代を、歴史考古学・文学・美術などの多角的な視座から徹底的に論じてゆく。
(アクマノブンカシ)
ジョルジュ・ミノワ 著/平野隆文 訳
4000年ものあいだ生きながらえてきた悪魔が、神や権力に対する抵抗のシンボルとなってゆくさまを詳解。文学・映画・音楽など親しみやすい切り口からも語る、悪魔史入門の決定版。
(チュウオウロン テイコクカライーユーヘ)
ジャック・ル・リデー 著/田口 晃、板橋拓己 訳
「汎ゲルマン主義」を想起させる言葉、中欧。本書は、さまざまな立場からの捉え方を詳解し、その言葉の意味するところを探ってゆく。EU時代の「欧州の仕組み」を考えるための地政学。
(ジョージオウチョウジダイノイギリス)
ジョルジュ・ミノワ 著/手塚リリ子、手塚喬介 訳
歴代の「4人のジョージ」が英国に君臨したハノーヴァ朝は、18世紀の産業革命の背景となった。その時代を、政治・経済・科学・文学・建築など諸側面から描く、生彩あふれる歴史書。現英国王室の直接の祖であるジョージ一世は英語を解さないドイツ人で、二世は訛りがひどく大臣たちと意志疎通できなかった。三世は狂気を抱え、四世は放蕩の限りを尽くした──この四人のジョージがかかげた「君臨すれども統治せず」というスローガンの下、英国は技術、資本、労働力、消費者、自由主義経済思想などの産業革命に必要な要素をそろえてゆく。本書は、その過程を、文学・建築・絵画・科学などの諸側面から、生彩豊かな筆致で辿ってゆく。アメリカ独立戦争の敗北から財政は逼迫し、相次ぐ民衆の暴動で革命寸前の状況にあったにもかかわらず、英国が同時期のフランスのように革命には至らなかった背景がうかびあがってくる。また、大陸封鎖を進めるナポレオンと対峙しつつアメリカとも戦闘状態にあった最悪の状況から脱していく鍵は何だったのかが導きだされてゆく。
(セイオウルイノセイキ)
アラン・サン=ドニ 著/福本直之 訳
十字軍遠征などの功績により列聖された、フランス国王――ルイ9世は、13世紀の平和を追求した。彼の生涯と当時の社会を紹介する。中世の理想的君主がわかる、西洋史の基礎知識。
(コウテイユスティニアヌス)
ピエール・マラヴァル 著/大月康弘 訳
かつての地中海世界を取り戻そうとした、6世紀のビザンツ皇帝――ユスティニアヌスは、西欧法体系の礎『ローマ法大全』を完成させた。その多彩な事績を示す、信頼のおける歴史書。
(コダイローマノニチジョウセイカツ)
ピエール・グリマル 著/北野 徹 訳
ワインは海水で割って飲み、食事は臥台に寝そべって摂る。輿にのって散歩したかと思えば、共同浴場では医者のすすめに従って真面目にボール投げもする─饗宴や見世物や風呂を愛したとされる地中海帝国の住民、古代ローマ人は、どのように日常生活を楽しんでいたのか? 本書は、ローマ創建から三世紀初頭までの約千年を四期に分け、各時代の思潮を踏まえながら、彼らが享受した衣食住・冠婚葬祭など生活全般の変遷を語り、貨幣や土地所有をめぐる経済問題についても解説を加えてゆく。トガ、トゥニカ、パエヌラ、パッラ、ストラ……彼らが身につけた衣装についての記述も詳しく、着付け法の実際も本書では紹介されている。親しみやすい、古代ローマ生活史の決定版。図版多数収録。
(バビロン)
ベアトリス・アンドレ=サルヴィニ 著/斎藤かぐみ 訳
「バベルの塔」の神話を生んだ、古代メソポタミアの壮麗な都─バビロンは、多くの作家や芸術家を触発してきた。紀元前18世紀から現在のイラクの首都バグダードの南90キロに位置し、その名は「神の門」を意味する。紀元前七世紀にはネブカドネツァル二世によって「バビロンの栄華」と称される絶頂期をむかえる。本書は、世界の七不思議のひとつといわれる空中庭園などの建築物や都市計画とともに、当時の生活・宗教・宇宙観について解説してゆく。伝説と史実に彩られた聖都の全貌に迫る歴史入門書。図版多数収録。