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日本国語大辞典 第二版

凡例

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発音欄について

発音に関する注記を、【発音】の欄に次のような順序で示す。

◆語音について

[1] 標準語音

ここに注記する語は、現代語を中心として、その標準語音が見出しと異なるものである。ただし、現代語でなくても、現代語として発音できるものについては、必要に応じて加える。

  1. ーは引く音を表わす。
    こうり【行李】  【発音】コーリ
    こおり【氷】  【発音】コーリ
  2. ・のようなものは、それぞれ「イ」「ウ」のようにも、前の拍の母音をひいて、引く音「ー」のようにも、発音されることを表わす。
    ていねい【丁寧】  【発音】テネ(テイネイともテーネーとも)
    かなしい【悲】  【発音】カナシ(カナシイともカナシーとも)
    くう【食】  【発音】ク(クウともクーとも)
  3. は、ウとも[m]とも発音されることを表わす。
    うめ【梅】  【発音】メ (ウメとも[mme]とも)
  4. はガ行鼻音[‐]を表わす。
    とげ【刺】  【発音】ト
    ガ行[‐]・行[‐]両様に発音されるものは両形を示す。
    がが【峨峨】  【発音】ガ(ガ)
    あまごぜ【尼御前】  【発音】アマゴ()ゼ
  5. ヂ、ヅはそれぞれジ、ズにあらためる。ただし、ヂ、ヅだけが見出しと異なるものについては、いちいち注記しない。
    ちぢみあがる【縮上】  【発音】チジミアル
    つづみ【鼓】  発音注記なし
  6. 動詞終止形の文語の発音は次のように示す。
    おもう【思】  【発音】オモーとも
    はらう【払】  【発音】ハローとも
  7. 外来語でガ行鼻音になるものでも、見出しとそれだけが異なるものについては、いちいち注記しない。
    イギリス  発音注記なし
    イギリスご【─語】  【発音】イリス

[2] 語音史

  1. 発音の変遷を、個別的な変化をとげた語について解説する。原則として、規則的な変化をとげた語は除く。たとえば、語中語尾のハ行の音節は、同じ時期に一斉に変化したと考えられるので、いちいち発音の変遷についてはふれない。
  2. 現代語を除いては文献に記載された資料をもとに解説するが、文献の名をいちいち記さず、それらの推定される時代を次のように表記する。
  3. 上代 平安 中世(あるいは、鎌倉、室町のようにも) 近世 現代
    資料からはっきり時代を推定できないものについては、「古くは」「後世」という表現を使うこともある。
    いちじるし【著】
    平安頃までいちしるしと清音らしい。中世・近世はいちしるしいちじるしの両様か。
  4. 現代語については、主として東京を中心とする標準的発音について述べる。

[3] なまり

近代諸方言において、いわゆる標準語と発音のかたちは違っていても、もとは同じものから出たと見られる語をなまりとしてとりあげ、そのなまりと地域を示す出典とを、その標準語のの欄に記す。
かしこい【賢】
【発音】 カシカイ〔南伊勢・紀州・和歌山県〕 カシクイ〔NHK(宮崎)〕 カシケ〔千葉・鳥取・鹿児島方言〕 カシケー〔岩手・福島・鳥取〕 カシッケー〔埼玉方言・神奈川〕 カスケ〔岩手・秋田・鳥取〕 カスケェ・カッケ〔岩手〕 カッコイ〔大阪・伊予〕
なお、標準語は現代標準語の場合だけでなく、過去の標準語の場合もある。また、諸方言の中に琉球諸方言までは含めない。
  1. なまりは原則として個別的な変化語形を中心にして、東京方言におけるヒ→シのような音韻法則的なものは除く。ただし、音韻法則的なものでも、一般にあまり知られていないものや、行なわれている地域が狭いものは、便宜上とりあげる場合がある。
  2. とりあげるなまりの資料名と略号は、付録に掲げる 「なまりの注記に用いる資料および略号一覧」 に示す。

◆アクセントについて

[4] 標準アクセント

  1. 現代使われる語を中心として、[  ]の中に現代の標準的なアクセントを注記する。付属語、東京以外の方言、特殊な古語などのように一定したアクセントを考えがたいものには注記をしない。また、見出しが二つ以上の構成要素から成り立っていて、それぞれの要素のアクセントから全体が類推できるものも原則として注記をひかえる。
  2. 注記のしかた
    (イ) [ ]の中のかたかなは、〔 〕の上に示すように、その音節が高いことを表わす。
    この場合、名詞については、助詞の部分まで含めて示す。
     
    そら【空】 [ソ] 高低低
    〔ソラ〕
    のはら【野原】 [ノ] 高低低低
    〔ノハラ〕
    やま【山】 [マ] 低高低
    〔ヤマ〕
    かきね【垣根】 [キ] 低高低低
    〔カキネ〕
    (ロ) [ ]内のかたかなが第三拍以後にあるものは、第一拍が低く、第二拍からそのかたかなまで高いことを表わす。
     
    おもて【表】 [テ] 低高高低
    〔オモテ〕
    みずうみ【湖】 [ウ] 低高高低低
    〔ミズウミ〕
    わたしぶね【渡船】 [ブ] 低高高高低低
    〔ワタシブネ〕
    (ハ) [0]は、第一拍が低く、第二拍から最後まで高いことを表わす。
     
    かぜ【風】 [0] 低高高
    〔カゼ〕
    やなぎ【柳】 [0] 低高高高
    〔ヤナ〕
  3. アクセントを注記する拍と同音の拍が別にある場合は、番号をつけて示す。
    こころ【心】 [コ]<2>
    低高低
    〔ココロ〕
  4. [ ]内のかたかなは標準語音で示す。ただし、見出しと異なるかたちを[ ]内に示す場合でも標準語音を注記しないこともある。
    かげえ【影絵】 【発音】カエ [ケ゜]
    うまうま【旨旨】 【発音】ママ [ウx]<1>
    ゆのみぢゃわん【湯呑茶碗】 【発音】[ジャ]
    オルゴール 【発音】[コ゜]
  5. 一語について、二種以上のアクセントがある場合は、標準的アクセントと思われる型を先に示す。
    あかとんぼ【赤蜻蛉】 【発音】[ト][ア]
  6. 一語について、二種以上のアクセントがあり、それぞれの標準語音が異なる場合は次のように示す。
    おおい【多】 【発音】オオイ[オ]<2> オーイ[オ]
  7. アクセントによる切れ目のあるものは=で前後をつなぐ。この場合、アクセントは=で切ったそれぞれのアクセント単位内で数える。なお、標準語音のある場合は、その場所に=を入れて示す。また見出しの語構成ハイフンと一致しない場合、または見出しにハイフンの注記がないなど、切れめがわかりにくい場合に限り、あらためて標準語音に=を入れて示す。
    ななころび‐やおき【七転八起】
    【発音】 [ナ]<2>=[ヤ] [コ]=[ヤ]
    いろは‐しじゅうはちもじ【以呂波四十八文字】
    【発音】イロハ=シジューハチモジ[ロ]=[チ]
    さんじゅうさん‐かいき【三十三回忌】
    【発音】サンジュー=サンカイキ[サ]=[カ] ([サ]<1>=[カ]とはしない)
    あまのはしだて‐まつり【天橋立祭】
    【発音】アマノ=ハシダテマツリ[ア]=[マ]
    いちのたにふたばぐんき【一谷嫩軍記】
    【発音】イチノタニ=フタバグンキ[ノ]=[グ]
  8. 動詞文語形の発音で見出しと異なるかたちが示してある場合、アクセントを次のように( )内に入れて示す。
    はらう【払】 【発音】ハローとも [ラ]([ロ])
  9. 外来語に限り、異形欄《 》のアクセントも次のように《 》内に入れて示す。
    ウォーター(英water)《ウオーター》  [ウォ]《[オ]》

[5] アクセント史

  1. 文献の記載をもとにして推定された京都アクセントにおける歴史的変化を注記する。
  2. 過去の文献の名をいちいち記さず、それらのアクセントから推定される時代を次のように示す。
    平安 鎌倉 室町 江戸
  3. 注記のしかた
    (イ) アクセントは次のような記号を用いて示す。はそれぞれ一拍を表わす。
     
     高く平らな拍
     低く平らな拍
     高から低にくだる拍
     低から高にのぼる拍

    かぜ【風】  平安来
    こと【事】  平安・鎌倉 室町来
    あめ【雨】  平安来
    いぬ【往】  平安
    にじ【虹】  平安との両様 鎌倉
    はぎ【脛】  平安 鎌倉か
    (ロ) 一拍語はすべて二拍に発音されたと推定されるので、二個分の記号を用いて示す。この場合、語音表記をの次に示す。
     
    こ【子】  コー 平安来
    き【木】  キー 平安・鎌倉 室町来
    け【毛】  ケー 平安・鎌倉か江戸
  4. 活用形などを示す必要のあるものは次のようにする。

    あかい【赤】  あかし  平安 鎌倉あかき 江戸あかき

    あける【開】  あく   平安 鎌倉・江戸あくる

    〈注意〉
    いわゆる四段活用、上・下一段活用の動詞にあっては、語音の前に終止形と連体形の区別がないが、平安時代は終止形のアクセントを、鎌倉時代以後は連体形のアクセントを示す。
    かく【書】  平安 鎌倉来
  5. アクセント史の記述のために用いた資料の主なものは、付録に掲げる 「アクセント史の資料」 に示す。

[6] 現代京都アクセント

  1. 現在、日常生活でふつうに使われる語について、現代京都におけるアクセントを( )[ ]の中に、かたかなまたは0を入れたかたちで注記する。現代京都アクセントはアクセント史を考える上に重要な意味をもつばかりでなく、標準語と対蹠的な性格をもち、かつ、西日本の方言では今なお大きな勢力があると考えて注記するものである。
  2. 初版に記載されている京都アクセントが現在の京都の老年層ではあまり使われていないものである場合、または現在複数のアクセントが老年層では行なわれているにもかかわらず、初版ではその一方しか記載していない場合、初版で示したアクセントはそのまま残し、今回新たに調査を行なった京都アクセントを/のあとに示す。調査は明治三〇~四〇年代から大正初年生まれの数名の話者に対して行なったものである。
    いたわさ【板山葵】  [0]/(0)
  3. 注記のしかた
    (イ) ( )の中のかたかなは、その拍だけが高いことを表わす。
     
    たまご【卵】 (マ) 低高低低
    〔タマ〕
    ふぞくご【付属語】 (ク) 低低高低低
    〔フゾク〕
      ( )の中のかたかながその語の最後の拍であるものは、例外として、その拍が高から低にくだることを表わす。
     
    あめ【雨】 (メ) 低高低低
    〔アメェ〕
    マッチ (チ) 低低高低低
    〔マッチィ〕
      (0)は最後の拍だけ高く、それ以外は低いことを表わす。なお、一般の助詞がついた場合は、高い部分が助詞に移る。
     
    そら【空】 (0) 低高 低低高
    〔ソラ ソラ〕
    すずめ【雀】 (0) 低低高 低低低高
    〔スズメ スズメ〕
    (ロ) [ ]の中のかたかなは、第一拍からその拍まで高いことを表わす。
     
    はな【花】 [ハ] 高低低
    〔ハナ〕
    ひとり【一人】 [ト] 高高低低
    〔ヒトリ〕
    かいたくしゃ【開拓者】 [ク] 高高高高低低
    〔カイタクシャ〕
      [0]は、すべての拍が高いことを表わす。
     
    はな【鼻】 [0] 高高高
    〔ハナ〕
    さくら【桜】 [0] 高高高高
    〔サクラ〕
  4. 京都語音が見出しの語形と異なる場合には、必要に応じてのあとに京音を示す。
    とい【樋】 トユ(ユ) 低高低低
    〔トユゥ〕
    あゆ【鮎】 アイ(イ) 低高低低
    〔アイィ〕
    しち【質】 ヒチ[ヒ] 高低低
    〔ヒチ〕
    ろじ【露地】 ロージ[ー]/(ー) 低高低低
    〔ロージ〕
  5. 京都語音では、一拍語は原則として二拍に発音されるので、のあとに京音を特に示す。
    ひ【碑】 ヒー[0] 高高高
    〔ヒー〕
    ひ【日】 ヒー[ヒ] 高低低
    〔ヒー〕
    ひ【火】 ヒー(0) 低高 低低高
    〔ヒー ヒー〕
  6. ガ行音と行音とは音韻的に区別がなく、同じ条件の場合にも交替しうるから、アクセントは「ガギグゲゴ」で示す。
    かげ【陰】 (ゲ) 低高低低
    〔カゲェ〕
  7. アクセントを注記する拍と同音の拍が語中にある場合は、番号をつけて示す。
    いろいろ【色色】 (ロ)<1>/(0) 低高低低
    〔イロイロ〕
    いよいよ【彌】 [イ]<1> 高低低低
    〔イヨイヨ〕
    ほお【頬】 ホホ(ホ)<2> 低高低低
    〔ホホォ〕
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