ジャパンナレッジ
10.1 用言:時制活用をする語で,文の述語になりうるものをいう.用言に含まれる品詞には動詞・形容詞・存在詞・指定詞がある.
動詞: | 事物の動きを過程的に表示する用言で,現在下称形が-ㄴ다[-는다]になるもの. |
---|---|
形容詞: | 事物の性質や状態を示す用言で,現在下称形が基本形と同じ形になるもの. |
存在詞: | 用言のうちで,있다,없다,계시다をいう. |
指定詞: | 用言のうちで,이다,아니다をいう. |
10.2 母音
陽母音: | 用言の活用に際しては,母音のうちㅏ,ㅑ,ㅗ,ㅘをいい,擬音語・擬態語においてはㅏ,ㅐ,ㅑ,ㅗ,ㅘ,ㅚ,ㅛをいう. |
---|---|
陰母音: | 用言の活用に際しては,陽母音以外のすべての母音をいい,擬音語・擬態語においてはㅓ,ㅔ,ㅕ,ㅜ,ㅝ,ㅟ,ㅠをいう. |
10.3 語幹:用言の基本形から語末の-다を除いた残りの部分を基本語幹といい,その変化したものを変化形語幹という.
母音語幹: | 語幹が母音で終わる用言をいう. |
---|---|
ㄹ語幹: | 語幹がㄹで終わる用言をいう. |
子音語幹: | 語幹が子音で終わる用言をいう. |
陽語幹: | 語幹の最後の音節に陽母音を含むものをいう.ただし,으変則および르変則にあっては,語幹の最後から2番目の音節に着目する. |
---|---|
陰語幹: | 語幹の最後の音節に陰母音を含むものをいう.ただし,으変則および르変則にあっては,語幹の最後から2番目の音節に着目する.なお으変則の単音節語幹は陰語幹である. |
10.4 語尾:用言の語幹について,さまざまな文法的意味を表示する部分をいう.
接続語尾: | 文を終結させずに,後続の文に対等・従属などの関係で接続させる語尾をいう. |
---|---|
終結語尾: | 文を終結させる語尾.平叙形・疑問形・命令形などがある. |
連体形語尾: | 後続の体言を修飾させる語尾. |
引用形語尾: | 引用文を形成する語尾. |
名詞形語尾: | 用言を名詞化する語尾(-ㅁ[-음]と-기がこれに相当する). |
10.5 補助語幹:語幹と語尾の間に位置して時制・尊敬などを示す部分をいう.
時制補助語幹: | 時制を示す補助語幹で,過去(-았-[-었-])と未来・推量(-겠-)の2種類がある. |
---|---|
尊敬補助語幹: | 文の主語に対する尊敬を示す補助語幹-시-をいう. |
美化補助語幹: | 話し手が上品な言葉遣いをしていることを示す補助語幹-옵-をいう. |
10.6 待遇法:話し手が文の主語や目的語・聞き手などに対して敬意を示す表現方法をいう.
主体待遇法: | 文の主語に対する話し手の敬意を示す.尊敬法・敬語法ともいい,具体的な語形を敬語形という.敬語形は,尊敬補助語幹で示されるのが普通だが,特殊な形で示されることもある. |
---|---|
客体待遇法: | 動作の及ぶ相手に対する話し手の敬意を示す.謙譲法ともいい,具体的な語形を謙譲形という. |
対者待遇法: | 聞き手に対する話し手の敬意の程度を示す.丁寧法ともいい,次の6段階を区別する.
|
美化語: | 話し手が教養があり,上品な人間であることを示す言葉遣い. |
10.7 体言:文の主語や目的語になりうる語をいう.体言に含まれる品詞には名詞・代名詞・数詞がある.
母音体言: | 語末が母音で終わる体言をいう. |
---|---|
子音体言: | 語末が子音で終わる体言をいう.語末がㄹで終わる体言を特にㄹ体言と呼んで区別することもある. |
10.8
連用形: | 用言の語幹に語尾-아[-어]がついた形で,文を中止したり,後に補助用言を伴う. |
---|---|
連体形: | 体言を修飾する形. |
10.9
文語体: | 古めかしい言葉遣いをいう. |
---|---|
口語体: | 그리구や어디루,할려구のような,会話文で用いられるややくだけた言葉遣いをいう. |
文章体: | 書き言葉で用いられる言葉遣いをいう. |
会話体: | 「-라고 하다」を「-라고 그래」というような,話し言葉で用いられる言葉遣いをいう. |